海外出張向け法人カードおすすめ 7選
ビジネス目的で海外へ行く場合、支払いはカードで済ませた方が何かと便利です。特に、法人カードであれば後から個人で精算する必要がなくさまざまな手間が省けます。そこでこの記事では、海外出張へ行くときにおすすめの法人カードをご紹介していきます。法人カードを選ぶときに見るべきポイントはいろいろありますが、特に注目すべきは海外事務手数料、そして経費精算のしやすさです。そういった部分も含め、具体的なブランドを挙げながら法人カードを比較していきます。
海外で使えるおすすめの法人カード
Provider card | Best features |
---|---|
Wise法人デビットカード | ・アカウント内に決済通貨があれば手数料無料 ・両替手数料0.33%~ ・40通貨以上に対応 |
三井住友ビジネスカード(クラシック) | ・海外事務手数料2.20% ・旅行傷害保険が利用付帯 ・ポイント還元サービス |
セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード | ・0.5%のキャッシュバックサービス ・海外旅行傷害保険が自動付帯 ・国内空港ラウンジサービス |
アメリカンエキスプレス・ビジネスグリーンカード | ・海外事務手数料2.0% ・国内外空港ラウンジサービス ・旅行傷害保険が利用付帯 |
・年会費、カード発行料無料 ・ショッピング保険付帯 ・マネーフォワードに連携可能 | |
GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカード | ・年会費、カード発行料無料 ・最大1%キャッシュバックサービス ・不正利用補償つき |
楽天銀行ビジネスデビットカード | ・カード発行料無料 ・最大1%キャッシュバックサービス ・1口座あたり9,999枚デビットカード発行可能 |
法人カードを利用するメリット
支払いをカードにすることで経費の管理がしやすくなったり、現金を持っていく必要がなくなったり、さまざまなメリットがあります。また、カードによっては出張時に役立つサービスが付帯されていることもあります。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
出張費用や諸経費の管理を一元化できる
支払いをカードで済ませると、諸経費の管理が一元化でき便利です。出張の際には交通費や現地での食費など、さまざまな支払いが発生します。カードでの支払いならそれらがすべて支払い明細に残るため、いちいち記録に残しておく必要がありません。また、明細は紙に印刷して残したり、PDFなどデータ化してクラウドに保存したり、保管方法が選べるのもメリットです。
多額の現金を持ち歩く必要がない
カード一枚あれば支払いができるので、現金を持ち歩く必要がないのも大きな利点です。海外の場合は行く場所によっては治安が不安定な場合もあり、多額の現金を持つことに不安を抱える人もいるでしょう。そういった不安を解消できること、また実際にリスクを減らせることはカード決済ならではのメリットといえます。
出張や仕事で利用できるサービスや優待がある
法人カードにはさまざまなサービスが付帯されています。ブランドによってその内容は異なりますが、例えば空港ラウンジが利用できたり、海外旅行保険が利用できたりと、実用性の高いサービスが多く出張時に役立ちます。使い方次第では経費の削減も目指せるので、カードを実際に利用する人だけでなく会社にとっても大きなプラスです。
海外出張用の法人カードを選定するポイント
法人カードを選ぶときには、いくつか注目ポイントがあります。特に比較検討すべきは海外事務手数料、経費管理のしやすさ、そしてセキュリティ対策です。それぞれのポイントについて、下記で詳しく解説していきます。
海外事務手数料が高すぎない
クレジットカード、デビットカードを海外で利用するときには、ほとんどの場合で海外事務手数料が発生します。海外事務手数料はブランドによって異なりますが、だいたい2%前後のカードが多いです。どれだけ付帯サービスが魅力的でも、海外事務手数料が高いと結果的に経費がかさんでしまいますので、海外事務手数料がなるべく抑えられているカードを選ぶことをおすすめします。
ちなみに、Wiseの法人カードの場合、アカウントに決済通貨が入っていれば手数料がかからずに決済ができます。例えばアメリカに出張に行くとして、アカウント内にアメリカドルが入っていれば現地での決済に手数料が発生しないのです。
なお、アカウントにない通貨で決済する場合には外貨両替が必要になりますが、0.33%~と他の一般的なデビットカードやクレジットカードよりも安く済むことがほとんどです。
経費精算がスムーズにできる機能がある
上述の通り、カードでの決済なら利用明細が残るので経費精算がしやすくなっています。領収書がなくても支払いの詳細を知ることができるため、提出を求める必要がありません。また、カードによっては会計ソフトウェアと連携して管理できる機能を備えているものもあります。カードの利用履歴がそのままソフトウェアへとデータ転送されるため、いちいち打ち込みをしなくて済みます。こういった機能を搭載するカードを選べば、経費管理がさらに楽になりますね。
安心できるセキュリティ機能がある
カードは1枚あればさまざまなところで決済ができ便利ですが、万が一落としてしまったら…とセキュリティ面に不安を抱える人もいるでしょう。しかし、カードの中には利用時にメールやSMSなどで通知が届くようになっている仕様のものもあります。不正利用にすぐ気付くことができるため、さらなる被害を防ぐことが可能です。
また、24時間対応のカスタマーサービスを提供しているカード会社もあります。海外で万が一盗難に遭ったり紛失してしまったりしたときにも安心ですね。このように、カード会社によってセキュリティ対策はさまざまです。それぞれどんな機能があるのか確認し、安心して利用できるカードを探してみましょう。
法人カード海外利用時の手数料
海外でカードを利用する際には、下記の手数料が発生します。その金額はカード会社によって変わるので、カード選びの時には細かく比較検討する必要があるといえるでしょう。
為替手数料
為替手数料とは、外貨両替をする際に金融機関に支払う手数料のことをいいます。金融機関によってその金額やレートは異なり、「1ドル〇円」と定められていることもあれば、「総額の〇%」と決まっていることもあります。各金融機関はこの手数料分を上乗せして独自の為替レートを決めていることがほとんどです。そのため、各金融機関の定める為替レートはGoogle検索などで表示される為替相場とは異なります。
例えば「1ドル1円」と決めている金融機関があるとします。為替相場が1ドル=120円のときにその金融機関で外貨両替や海外送金をするなら、実際に取引する為替レートは1ドル=121円です。ちなみにこの1円分はその金融機関の取り分となります。
海外事務手数料
海外事務手数料とは、為替手数料とは別に事務処理のために請求される手数料のことです。海外で決済した際には必ず請求されます。カード会社によって手数料は異なりますが、2%前後に設定されていることが多いです。この海外事務手数料は為替レートに上乗せして請求されることが多く、そのためいくらかかっているのかわかりづらくなっています。
ATM手数料
ATM手数料とは、海外で現金を下ろすときに発生する手数料です。現金引き出しにはATMを利用することになりますが、「1回〇円」もしくは「利用金額の〇%」と、各金融機関の定める手数料を支払います。また、ATMを設置している機関所定の手数料が発生する場合もあります。それはATMごとに異なるため、事前にいくらかかるか予測しづらくなっています。
海外出張におすすめの法人カード一覧
ここでは、数ある法人カードの中から特におすすめの7つのカードをご紹介していきます。
Wise法人デビットカード
Wiseのデビットカードは、海外での決済にかかる手数料が安いことが強みです。自分の口座に決済通貨を保有していれば海外事務手数料はかからず利用できます。また、ATMでの引き出しも3万円までは無料です。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料(アカウント開設料3,000円) |
海外事務手数料 | アカウント内に決済通貨を保有している場合には無料。保有していない場合には、両替手数料が一番安い通貨での両替を自動的に選択。両替手数料は0.33%〜 |
ATM引き出し手数料 | 3万円まで無料、3万円以上は1.75%+70円 |
付帯サービス | なし |
付帯保険 | なし |
三井住友ビジネスカード(クラシック)
三井住友ビジネスカード(クラシック)には、旅行傷害保険がついています。事前に旅費などを当該カードで決済する必要がありますが、補償金額は最高2,000万円まで。また、利用金額に応じてもらえるポイントもあります。
発行手数料 | 記載なし |
年会費 | 使用者1名1,375円(税込)、2名から1名440円(税込) |
海外事務手数料 | 2.20% |
ATM引き出し手数料 | 1万円以下:110円(税込) 1万円超:220円(税込) |
付帯サービス | ポイント還元 |
付帯保険 | ショッピング補償、旅行傷害保険 |
セゾンゴールド・ビジネスプロ・カード
セゾンゴールド・ビジネスプロ・カードには国内空港ラウンジサービスがついています。また、旅行傷害保険もついており海外出張の際に役立ちます。
発行手数料 | 記載なし |
年会費 | 3,300円(税込) |
海外事務手数料 | 3.85% |
ATM引き出し手数料 | 1万円以下:110円(税込) 1万円超:220円(税込) |
付帯サービス | 0.5%キャッシュバックサービス、国内空港ラウンジサービス |
付帯保険 | 旅行傷害保険 |
アメリカンエキスプレス・ビジネスグリーンカード
アメリカンエキスプレス・ビジネスグリーンカードは年会費が高めですが、国内外の空港ラウンジサービスが使えたり、旅行傷害保険が付帯していたり、サービスが充実しています。
発行手数料 | 記載なし |
年会費 | 13,200円(税込) |
海外事務手数料 | 2.0% |
ATM引き出し手数料 | 利用不可 |
付帯サービス | 国内外空港ラウンジサービス |
付帯保険 | 旅行傷害保険 |
三菱UFJ-VISAビジネスデビット
三菱UFJ-VISAビジネスカードには便利な付帯サービスがついています。経費管理に使えるマネーフォワードが優待利用できたり、リモートワークに便利なワークスペースがお得に借りられたり、ビジネスの味方です。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
海外事務手数料 | 3.05% |
ATM引き出し手数料 | 1回110円(税込) |
付帯サービス | マネーフォワード優待利用、ワークスペース優待利用など |
付帯保険 | ショッピング保険 |
GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカード
GMOあおぞらネット銀行ではデビットカードは20枚まで、支払い機能のみのサブカードは9,998枚まで発行でき、複数人に渡すことができて便利です。また、利用明細はマネーフォワードクラウド会計、弥生会計オンラインなど複数の会計ソフトに連携することができます。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
海外事務手数料 | 3.08% |
ATM引き出し手数料 | 設置機関の定める手数料 |
付帯サービス | 複数の会計ソフト連携に対応、最大1%キャッシュバックサービス |
付帯保険 | 不正利用補償 |
楽天銀行ビジネスデビットカード
楽天銀行のビジネスデビットカードは、1口座あたり9,999枚まで発行可能となっています。盗難補償はついていませんが、利用金額の1%をキャッシュバックしてくれるサービスが付帯しています。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 1,100円(税込) |
海外事務手数料 | 3.024% |
ATM引き出し手数料 | 利用不可 |
付帯サービス | 1%キャッシュバックサービス |
付帯保険 | 記載なし |
海外出張で法人カードを利用する注意点
海外での支払いにも使える法人カードは便利ではありますが、利用時には注意すべき点がいくつかあります。具体的には、海外事務手数料がかかること、紛失や盗難のリスクがあること、限度額があることなどが挙げられます。また、必ずしも使える場所ばかりではないことも頭に入れておきましょう。
海外事務手数料に注意
クレジットカード、デビットカードを国内での支払いに使う場合、基本的に手数料はかかりません。しかし、海外利用の場合には必ず海外事務手数料が発生しますのでその点は忘れてはいけません。海外事務手数料は2%前後に設定しているカード会社が多いので、1回あたりの出費は些細なものですが、積み重なればやがて大きくなっていきます。経費削減のためには、海外利用時の手数料が安い法人カードを選ぶようにしましょう。
例えばWiseの法人カードなら、自分のアカウント内に決済通貨が入っていれば手数料不要で海外決済ができます。アカウントに保有していない通貨での決済の場合には両替手数料が発生しますが、0.33%~とこちらも他の金融機関に比べると安くなっています。
紛失や盗難のリスクがある
紛失や盗難の際のリスクは理解しておきましょう。不正利用補償や盗難保険のないカードの場合、利用されてしまった分を取り戻すのは難しく大きな損失になりかねません。カードの管理には細心の注意を払い、常にどこにあるのか把握しておきましょう。
万が一、紛失や盗難が発生したときにはすぐにカード会社に連絡をして利用停止する必要があります。そのため、事前にどこに連絡を入れればいいのか確認しておくことも重要です。
利用限度額がある
カードにはそれぞれ限度額があることは頭に入れておきましょう。特に渡航費などの支払いも同じカードで行った場合、すでに多額の支払いを済ませており限度額に近づいていることもあります。また、デビットカードの場合には利用できるのは口座に入っている金額分のみです。使いすぎを防げて便利な一方で、うっかり入金するのを忘れていると支払いができずに困ってしまうことも。特に経理担当者が別にいる場合には、密にコミュニケーションを取ってお金の入れ忘れがないようにしておく必要があります。また、カード会社によってはデビットカードの1日の利用限度額を設定できるものもあります。 限度額を設定している場合には、その金額も忘れないようにしましょう。
カードが利用できない場所もある
VisaやMastercardといった国際ブランドのカードであれば、世界中多くの場所で使えます。しかし、中にはキャッシュレス決済が普及していない国や地域もあります。都市部ではカードが使えても、郊外に行くと現金決済しかできないということは珍しいことではありません。渡航先のカード普及情報をあらかじめ調べておき、現金を持っていくべきかどうか判断しましょう。
まとめ
今回は、海外出張の際に役立つ法人カードについて詳しく見てきました。法人カードがあれば従業員に大金を持たせる必要がなく、セキュリティ面で安心感があります。支払いの明細が残るため経費精算がしやすいのも大きなメリットです。海外利用時には手数料がかかりますが、Wiseのように手数料を抑えたカードを選ぶことで、経費削減も目指せますよ。
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