ゆうちょ銀行の海外送金を徹底解説!
ゆうちょ銀行では、海外の銀行口座あてに送金する国際送金のサービスが利用できます。留学費用の支払いや家族への仕送り、不動産購入費用の支払いなど、海外送金の機会は意外と身近にあるもの。だからこそ、一番お得で便利な方法を選びたいですよね。
そこでこの記事では、ゆうちょ銀行の海外送金について、手数料やかかる日数、限度額、注意点などを丸ごと解説していきたいと思います。銀行に代わる新しい海外送金サービスであるWorldRemitやRevolut、Wiseなどとも比較するので、ぜひ自分のニーズに最適な国際送金方法を探してみましょう。
ゆうちょ銀行の海外送金を比較
まずはいくつかの海外送金サービスの送金手数料と送金にかかる時間を比較してみてみましょう。以下は、日本からアメリカの受取人に1,000ドルを送金した場合の比較です。(個人の場合。ゆうちょ銀行では法人の海外送金の取り扱いはありません)
銀行のサービスに関しては、WorldRemitやWise、Revolutなどのオンライン送金サービスと比較するために、ネットバンキングやアプリなどを利用した場合の送金手数料を紹介しています。窓口や電話などで送金手続きをする場合、手数料が異なる場合があるのでご注意ください。
銀行・サービス | 送金手数料 | 為替手数料 | 中継銀行手数料(送金人負担の場合) | 合計手数料 | かかる時間 |
---|---|---|---|---|---|
ゆうちょ銀行 | 3,000円 | 非公表 | 一部の国は無料、それ以外は非公表 | 3,000円+為替手数料 | 非公表(2〜7営業日以内に送金を実行) |
Wise | 1,062円 | 無料 | 無料 | 1,062円 | 送金時に確認 |
750円 | 25銭/ドル(※1) | 1,000円 | 2,000円 | 送金日+1営業日~5営業日程度 | |
三菱UFJ銀行 | 3,000円 | 非公表 | 受取人負担のみ | 3,000円+為替手数料 | 数日またはそれ以上の日数⁷ |
三井住友銀行 | 3,500円 | 50銭/ドル | 2,500円⁸ | 6,500円 | 非公表(概ね1週間程度) |
りそな銀行 | 2,000円 | 1円/ドル | 受取人負担のみ(金額非公表) | 3,000円 | 1週間以上かかる場合も |
ソニー銀行 | 3,000円(※2) | 0〜15銭/ドル(※3) | 3,000円 | 6,150円 | 4〜9営業日 |
WorldRemit | 200円 | 送金時に確認 | 無料 | 200円+為替手数料 | 翌営業日 |
Revolut | 無料 | 無料(※4) | 非公表 | 無料+中継銀行手数料 | 3〜5営業日 |
この比較表は2023年10月18日(GMT+2)に作成されたものです。
これを見ると、ゆうちょ銀行の海外送金手数料は3,000円(ゆうちょダイレクト利用時)と、他の銀行やサービスと比べて比較的高めであることが分かります。また、適用される為替レートは事前にオンラインで確認することができないため、実際にいくらの為替手数料が上乗せされているのかが分かりづらいといった欠点もあります。
できるだけお得に送金するなら、RevolutやWiseなどの新しい国際送金サービスを活用してみるのがおすすめです。
Revolutの海外送金は為替市場営業時間内かつ月75万円まで(スタンダード会員の場合。プレミアム・メタル会員は制限なし)であれば為替手数料が無料、さらに海外送金手数料も無料で利用できます。ただし、送金先銀行や中継銀行によって手数料が発生し、送金額から差し引かれる場合もあるので気をつけましょう。Revolutについては「Revolutを徹底解説」という記事でも詳しく解説しています。
Wiseなら送金シミュレーションで事前にすべての手数料を確認できるので安心です。
「WiseとWorldRemitの海外送金を比較!」という記事でWiseとWorldRemitの海外送金について詳しく解説しています。
(※1)銀行営業日の17:00前後から翌営業日の10:00前後までは、1.0075を乗じた夜間レート、銀行休業日の前営業日の17:00前後から翌銀行営業日の10:00前後までは、1.015を乗じた休日レートを適用。
(※2)優遇プログラム Club S のプラチナステージ獲得で最大月3回まで無料。
(※3)優遇プログラム Club Sのステージによって異なり、プラチナステージで4銭/ドル。
(※4)為替市場営業時間内かつ月75万円まで(スタンダード会員の場合。プレミアム・メタル会員は制限なし)の両替の場合。それ以外の場合は1〜2%の手数料がかかる。
ゆうちょ銀行の海外送金手数料
ゆうちょ銀行の海外送金手数料は、送金申込方法によって異なります。
窓口 | 7,500円 |
ゆうちょダイレクト | 3,000円 |
さらに、仲介機関・受取銀行等により、送金金額から仲介手数料・口座登記料等が差し引かれる場合もあるので注意しましょう。送金する国や地域によっては仲介手数料が無料で利用できることがあります。
このように、窓口で手続きをするのに比べ、ゆうちょダイレクト(インターネットバンキング)を活用すると送金手数料が大幅に安くなることが分かりますね。
しかし、海外送金の手数料を考える際に、もう1つ見落としてはいけないものがあります。それが為替レートに含まれる為替手数料です。これについてもう少し詳しく見ていきましょう。
ゆうちょ銀行の国際送金のレート
ゆうちょ銀行では、必ず円の預金口座から外貨の口座へと通貨を両替して海外送金する必要があります。円→円や外貨→外貨など両替を伴わない送金は利用できません。
この時に適用される為替レートは、ミッドマーケットレートにいくらかの為替手数料が上乗せされた、ゆうちょ銀行独自のレートとなっています。ゆうちょ銀行では海外送金の為替レートに関して、次のように発表しています。
国際送金に適用される換算レートは、ゆうちょ銀行が独自に定めており、窓口をご利用の場合、ゆうちょ銀行および国際送金取扱郵便局の貯金窓口、またはゆうちょコールセンターでご確認いただけます。ゆうちょダイレクトをご利用の場合、ゆうちょダイレクトトップから国際送金を選択することでご確認いただけます。_
換算レートは、毎営業日、米ドルは午前11時、その他の通貨は正午に変更いたします。なお、為替相場が大幅に変動した場合は、同日中であっても、再度変更する場合があります。
このように、実際にどれだけの為替手数料が上乗せされているのかはっきりとは分かりません。そのため、気が付かぬところで思わぬコストがかかってしまう場合もあります。ゆうちょ銀行で海外送金する前には、必ず実際のレートとゆうちょ銀行の為替レートを比較するようにしてみましょう。
例えば、実際のレートが1ドル=150円の日に、ゆうちょ銀行では1ドル=151円だったとします。アメリカの受取人に1,000ドル送りたいとすると、通常なら150,000円の準備で済むはずが、ゆうちょ銀行では151,000円と1,000円も多く用意しなければいけません。この差額1,000円が為替手数料なのです。
一見少額なコストに見えますが、送金金額が大きいほど為替コストも目立ってくるので要注意です。
ゆうちょ銀行の海外送金のその他の手数料
ゆうちょ銀行では円→円や外貨→外貨の送金はできないため、同通貨での送金時に発生するリフティングチャージ(円為替取扱手数料)が発生することはありません。
送金手数料と為替手数料以外に、気をつけたい手数料は以下のものがあります。
| 窓口 | 3,000円 |
ゆうちょダイレクト | 3,000円 |
ゆうちょ銀行の海外送金にかかる時間
ゆうちょ銀行で海外送金した場合、実際に受取人の手元に着金するまでの時間は実際に送金してみるまで分かりません。しかし目安としては、次の通り。
窓口 | 最短4営業日〜7営業日以内 |
ゆうちょダイレクト | 最短2営業日〜4営業日以内 |
これは日本の祝日だけでなく、送金先や中継先の国の祭日などにも影響されるので、送金は余裕を持って行いましょう。
また送金内容によっては、ゆうちょ銀行より送金資金源や送金目的などを確認する手続きが必要となる場合もあります。これらの確認手続きが必要になった場合、着金までに更に時間がかかることになる(場合によっては1ヶ月以上)ので注意が必要です。
ゆうちょ銀行で海外送金する方法
ゆうちょ銀行で海外送金する方法は、窓口とゆうちょダイレクト(ネットバンキング)の2つがあります。それぞれの手順を見ていきましょう。
窓口で海外送金する方法
ゆうちょ銀行または国際送金取扱郵便局の貯金窓口を訪問
国際送金請求書を記入
※事前に自宅で記入し、プリントアウトして持参することも可能です。
本人確認・マイナンバー確認書類を提示
送金目的・資金源などを確認し、問題がなければ送金申し込み完了
ちなみに、窓口に行く際には次のものを準備しておきましょう。
本人確認書類
マイナンバー確認書類
通帳またはキャッシュカード
届け印
送金目的や送金原資などが確認できる書類
ゆうちょダイレクトで海外送金する方法
ゆうちょダイレクトを利用すれば、24時間いつでもスマホアプリやパソコンから国際送金の依頼ができます。よく使う送金先を登録しておくことで、2回目以降の手間が減るので便利です。
また、海外送金サービスを利用するには、事前に窓口にてマイナンバー関連書類を提出していること、そしてワンタイムパスワードの利用登録を行っていることが必須となります。
ゆうちょダイレクトにログイン
メニューから「国際送金」を選択
差出人(自分)の情報を入力
受取人の情報を入力
送金金額を指定
ワンタイムパスワードを入力し送金申し込み完了
送金申込後、各種法令・規制に基づき、ゆうちょ銀行は取引内容を確認するための書類の提出を求める場合があります。取引時確認が求められる場合は、メールや郵送などで連絡が行くので、ゆうちょ銀行からの通知を見逃さないようにしましょう。確認内容によっては、申込みから送金実行までに時間(場合によっては1ヶ月以上)がかかってしまう場合もあるので注意が必要です。
送金申込みの際に必要になる情報は?
海外送金を申し込む際には、受取人の情報が必要になります。手続きをする前に、以下の項目を受取人に訪ねておきましょう。
送金先の国名
受取人の口座名義
受取人の口座番号
受取人の銀行名と銀行の住所
受取人の銀行のSWIFTコードまたはIBAN※
受取人の住所、電話番号、メールアドレス
送金目的
※SWIFTコードは銀行固有の識別番号のこと。ヨーロッパではIBANと呼ばれる銀行コードと口座番号が一体になった識別番号が使われることもあります。これがわからないと正しく送金できないので、必ず受取人に「あなたの銀行のSWIFTコード/IBANを教えて」と聞いておきましょう。
ゆうちょ銀行で海外送金するメリットとデメリット
ゆうちょで国際送金するのには、メリットとデメリットがありますので、それぞれ把握した上で自分に最適な送金方法かどうかを見極めてください。
メリット
オンラインまたは窓口で手続きできる
特定の国に関して中継銀行手数料が無料になる
200近い国と地域に送金可能
比較的高額な送金ができる
デメリット
送金手数料が高い
為替手数料が不透明である
着金までに時間がかかる
円建てや外貨建ての送金はできない
法人は海外送金が利用できない
送金限度額と送金可能国・地域・通貨
ゆうちょ銀行の海外送金限度額は次の通り。
窓口 | 適用レートによる日本円換算で500万円以内 | |
ゆうちょダイレクト | 1回 | 100万円以内 |
1日 | 200万円以内 | |
1ヶ月 | 500万円以内 |
送金可能な国や地域は約200カ国。ゆうちょ銀行のホームページよりそれぞれの国についての詳細情報を確認できます。
ゆうちょ銀行で海外送金を受け取る
ゆうちょ銀行では、個人口座で海外からの送金を受け取ることも可能です(法人は利用不可)。ただし、受取可能な送金はドルまたはユーロ建てのみとなり、ゆうちょ銀行指定の中継銀行を経由する必要があります。ドルまたはユーロで送金されたお金は、ゆうちょ銀行指定の為替レートで両替され、日本円の預金口座に入金されます。
ゆうちょ銀行の海外送金受取手数料は無料です。ただし、仲介銀行手数料が差し引かれて入金されるので注意しましょう。仲介銀行手数料は
米ドル建ての送金の場合、通常10米ドル(100米ドル以上の送金の場合)
ユーロ建ての場合、通常5ユーロ(100ユーロ以上の送金の場合)
となっていますが、これ以上の金額がかかる場合もあります。また、両替の際には為替手数料もかかっていることを忘れずに。
ゆうちょ銀行で海外送金を受け取る際に必要な情報
ゆうちょ銀行でスムーズに海外送金を受け取るためには、必ず以下の情報を事前に送金人に伝えておきましょう。特に中継銀行の指定は忘れがちなので要注意です。
使用通貨 | 米ドル | ユーロ | |
---|---|---|---|
中継銀行名※ | Deutsche Bank Trust Company Americas NY | Deutsche Bank AG Frankfurt | |
中継銀行のSWIFTコード | BKTRUS33 | DEUTDEFF | |
受取人の銀行名 | Japan Post Bank | ||
受取人取引支店名 | Head Office | ||
受取人取引支店住所 | 3-1, Otemachi 2-chome, Chiyoda-ku, Tokyo 100-8793, Japan | ||
ゆうちょ銀行のSWIFTコード | JPPSJPJJIRS | ||
受取人取引銀行識別コード(CHIPS UID) | 427593 | 不要 | |
受取人の口座番号 | 総合口座 | (5桁)-(最大8桁)すべて記載 例:11540-12345671 | |
振替口座 | (5桁)-(1桁)-(最大6桁)すべて記載 例:00100-0-100001 | ||
受取人の名前 | ローマ字表記(ゆうちょ銀行に登録の名義と一致している必要がある) | ||
受取人住所 | ローマ字表記 | ||
受取人電話番号 | 日中に連絡の取れる電話番号 |
※ゆうちょ銀行で受け取ることができるのは、ゆうちょ銀行が指定した仲介銀行を経由した米ドルもしくやユーロ建ての送金のみとなります。そのため、ゆうちょ銀行あての海外送金では、中継銀行は必ず記載が必要です。中継銀行を指定する枠がない場合には、備考欄などに追記します。
ゆうちょ銀行のカスタマーサポート
ゆうちょ銀行の海外送金でわからないことがあれば、ゆうちょ銀行のカスタマーサポートに問い合わせることが可能です。問い合わせるには、AIが対応する24時間稼働のチャットを利用するか、実際にスタッフと話したい場合はコールセンターに電話しましょう。
【貯金・送金・ATM等の商品・サービスについての相談・問い合わせ】
電話番号 | 【国内】0120-108-420(通話料無料) 【海外】+81-50-3850-7788(通話料有料。日本語案内)) |
受付時間 | 【平日】9:00~19:00 【土日祝日・12月31日】 9:00~17:00 (1月1日~3日・5月3日~5日は利用不可) |
まとめ
ここまで、ゆうちょ銀行の海外送金について、気になる手数料や手順、かかる時間などを見てきました。ゆうちょ銀行は海外送金手数料が高めに設定されていますが、多くの国で中継銀行手数料がかからないという利点があります。また、受取手数料も無料なのは嬉しいですね。
しかし為替レートにどれだけの為替手数料が上乗せされているのかが分かりにくいのは困ったところです。ゆうちょ銀行の手数料が気になる人は、RevolutやWiseなどの海外送金サービスを検討してみるのも良いでしょう。どちらも銀行に代わる新しい送金方法なので、手数料や着金までの時間を節約することができるかもしれません。Wiseについては「Wiseを徹底解説」というレビュー記事でも詳しく解説しています。
また、SBI新生銀行やりそな銀行、セブン銀行など、その他の銀行の海外送金に関する記事はガイド記事一覧からお探しいただけます。
出典:
ゆうちょ銀行の国際送金に関するよくある質問
ゆうちょ銀行の海外送金手数料は窓口で7,500円、ゆうちょダイレクトで3,000円です。また、送金先によっては中継銀行手数料が別途に引かれる場合があります。また、ゆうちょ銀行が通貨の両替に適用する為替レートにも為替手数料が上乗せされています。しかし為替手数料の額は公表されていません。
送金依頼から着金までにかかる時間は、窓口利用の場合でおおよそ4〜7営業日、ゆうちょダイレクト利用で2〜4営業日程度です。
ゆうちょ銀行では窓口あるいはゆうちょダイレクトから送金の申し込みができます。ゆうちょダイレクトを使ったほうが手軽に申請でき、手数料も安くなるのでおすすめです。
海外に送金すること自体に税金がかかるといったことはありません。しかし、ゆうちょ銀行は取引内容を税務署に公開する義務があり、脱税やマネーロンダリングなどを防止するため、送金元の資金がきちんと税金を納めたものであるかの確認が行われることがあります。
この場合、確認が済んでから送金手続きが行われるため、着金までに更に日数を要する(場合によっては1ヶ月以上)ことがあります。