楽天銀行の海外送金を徹底解説!
日本最大のネット銀行である楽天銀行は、海外送金のサービスを提供していることでも有名です。200カ国以上の国や地域に送金でき、また送金手数料も他の銀行と比べるとお手頃なので、海外送金に楽天銀行を使おうと考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、楽天銀行の海外送金について、手数料や使い方など、知っておきたい内容を全てまとめて解説していきます。
また、楽天銀行よりも速く、安く、手軽に海外送金ができるWiseやRevolutなどのサービスについてもあわせて紹介しているので、参考にしてみてください。
楽天銀行の海外送金を比較
まずはいくつかの海外送金サービスの送金手数料と送金にかかる時間を比較してみてみましょう。以下は、日本からアメリカの受取人に1,000ドルを送金した場合の比較です。
銀行のサービスに関しては、WorldRemitやWise、Revolutなどのオンライン送金サービスと比較するために、ネットバンキングやアプリなどを利用した場合の送金手数料を紹介しています。窓口や電話などで送金手続きをする場合、手数料が異なる場合があるのでご注意ください。
銀行・サービス | 送金手数料 | 為替手数料 | 中継銀行手数料 | 合計手数料 | かかる時間 |
---|---|---|---|---|---|
楽天銀行 | 750円 | 25銭/ドル(※1) | 1,000円 | 2,000円 | 送金日+1営業日~5営業日程度 |
Wise | 1,062円 | 無料 | 無料 | 1,062円 | 送金時に確認 |
ゆうちょ銀行 | 3,000円 | 非公表 | 一部の国は無料それ以外は非公表 | 3,000円+為替手数料 | 非公表(2〜7営業日以内に送金を実行) |
三菱UFJ銀行 | 3,000円 | 非公表 | 受取人負担のみ | 3,000円+中継銀行手数料 | 数日またはそれ以上の日数 |
三井住友銀行 | 3,500円 | 50銭/ドル | 2,500円 | 6,500円 | 非公表(概ね1週間程度) |
りそな銀行 | 2,000円 | 1円/ドル | 受取人負担のみ | 3,000円 | 1週間以上かかる場合も |
ソニー銀行 | 3,000円(※2) | 15銭/ドル(※3) | 3,000円 | 6,150円 | 4〜9営業日 |
WorldRemit | 200円 | 送金時に確認 | 無料 | 200円+為替手数料 | 翌営業日 |
Revolut | 無料 | 無料(※4) | 非公表 | 無料+中継銀行手数料 | 3〜5営業日 |
この比較表は2023年10月18日(GMT+2)に作成されたものです。
この表を見ると、従来型銀行は手数料が高く、時間も長くかかることが分かります。対して楽天銀行などのネット銀行は、より安い手数料で送金できますが、同じくらいの時間がかかります。
最近では、銀行ではない海外送金サービスも登場しています。
WorldRemitは送金手数料が格安ですが、為替手数料にも注意するようにしましょう。
Revolutは時間帯や使い方によっては完全無料で送金できる場合もあるので魅力的です。ただ、実際にいくらの手数料がかかるのかは送金してみるまで分かりません。
Wiseでは為替手数料の上乗せのないミッドマーケットレートで両替ができます。送金手数料は送金金額に応じて決定され、送金前のシミュレーションで確認する仕組みです。
(※1)銀行営業日の17:00前後から翌営業日の10:00前後までは、1.0075を乗じた夜間レート、銀行休業日の前営業日の17:00前後から翌銀行営業日の10:00前後までは、1.015を乗じた休日レートを適用。
(※2)優遇プログラム Club S のプラチナステージ獲得で最大月3回まで無料。
(※3)優遇プログラム Club Sのステージによって異なり、プラチナステージで4銭/ドル。
(※4)為替市場営業時間内かつ月75万円まで(スタンダード会員の場合。プレミアム・メタル会員は制限なし)の両替の場合。それ以外の場合は1〜2%の手数料がかかる。
楽天銀行の海外送金にかかる手数料
送金手数料 | 750円 |
中継銀行手数料 | 1,000円 ※送金人負担か受取人負担かが選べる |
楽天銀行の国際送金の送金手数料は1,750円(送金手数料750円+中継銀行手数料1,000円)となっています。
中継銀行手数料とは、楽天銀行と受け取り先の銀行間を仲介する銀行が徴収する手数料です。ちなみに楽天銀行の場合、三井住友銀行が中継銀行となっています。²¹この中継銀行手数料は受取人負担とすることもできます。
しかし、楽天銀行の海外送金にかかる手数料はこれだけではありません。送金時の円→外貨の両替には楽天銀行の定める為替レートが適用されます。この為替レートに為替手数料が上乗せされているのです。
海外送金方法を比較する際、送金手数料にばかり目が行きがちですが、為替レートを調べることも忘れてはいけません。
楽天銀行の為替レート
では、実際にいくらの為替手数料が上乗せされているのでしょうか?楽天銀行の海外送金の際に適用される為替レートについて、次のような記載があります。²⁰
海外送金サービスの通貨換算に適用する為替レートは、当行所定の時点・方法により特定される一般的な銀行間外国為替相場に当行所定の為替手数料を加算したものです。
銀行営業日の17:00前後から翌営業日の10:00前後までは、上記の方法で算出されたレートに1.0075を乗じた夜間レート、銀行休業日の前営業日の17:00前後から翌銀行営業日の10:00前後までは、1.015を乗じた休日レートを適用しており、それぞれ割高なレートとなっております。
そして、「当行所定の為替手数料」は以下の通り。
米ドル | 25銭/ドル |
ユーロ | 25銭/ドル |
オーストラリアドル | 45銭/ドル |
英ポンド | 45銭/ドル |
ニュージーランドドル | 45銭/ドル |
南アフリカランド | 30銭/ドル |
メキシコペソ | 20銭/ドル |
中国人民元 | 20銭/ドル |
例えば、ある時点の円⇔ドルの為替レートが1ドル=150.00円だったとします。この場合、楽天銀行のレートは
平日日中に送金受付:1ドル=150.25円
平日夜間に送金受付:1ドル=151.3768円
休日に送金受付:1ドル=152.5037円
ということになります。ほとんど差がないように感じますが、送金する金額が大きくなるとこの為替手数料も気になってきます。例えば、1,000ドル送金する場合、平日の日中であっても250円、夜間や休日だとそれ以上の手数料がかかる計算です。
楽天銀行のその他の手数料
楽天銀行では、日本円→日本円の両替を伴わない国際送金を行う場合、3,000円の円為替取扱手数料(リフティングチャージ)がかかります。これは、必ず送金人が負担しなければいけません。また、楽天銀行では外貨建ての送金はできません。
楽天銀行の海外送金にかかる時間は?
楽天銀行の着金までの所要日数は、通貨や受取国、経由銀行の数等により異なりますが、おおむね送金日+1営業日~5営業日程度となっています。
楽天銀行で海外送金をする方法
楽天銀行はネット銀行なので、海外送金の申し込みもインターネットで行います。アプリまたはデスクトップで簡単に手続きできます。
実際に海外送金のサービスを利用する前に、必ず海外送金の利用登録を行う必要があります。利用登録申し込みをすると、そこから審査のため1週間〜10日程度かかります。ですので、海外送金を初めて利用する際には、時間に余裕を持って利用登録を行いましょう。
【利用登録の方法】
口座にログイン
「海外送金」を選択
「新規お申込」ボタンをクリック
「楽天銀行海外送金規定」に同意し、必要事項・暗証番号を入力して申し込み
【海外送金の申込み方法】
口座にログイン
「海外送金」を選択
「送金する」を選択
受取人の情報を入力して申し込み
楽天銀行で海外送金する際に必要な情報は?
海外送金の申し込みをする際には、受取人の情報を入力する必要があります。事前に、相手の口座名義や口座番号等を控えておきましょう。聞いておきたい情報は次の通り。
口座名義
口座番号
銀行名
銀行の住所・国・通過
SWIFTコードまたはIBAN
受取人の住所・電話番号・メールアドレス
この他にも、受取銀行の銀行コードや中継銀行の指定などが必要になる場合もあります。²⁴
楽天銀行で海外送金するメリットとデメリット
メリット
アプリ・ネットで24時間いつでも送金申し込みができる
送金手数料が他の銀行と比べて安い
送金シミュレーターで事前に手数料やかかる日数を把握できる
送金できる国・地域や通貨の取り扱いが多い
デメリット
中継銀行手数料や為替手数料も考慮するとやや割高
夜間や休日は為替手数料が高額
初めての送金の場合、海外送金の利用登録をしなければいけない(1週間〜10日間程度がかかる)
外貨建ての送金はできない
送金限度額と送金可能な国・通貨
楽天銀行の海外送金の送金限度額は、以下のとおりです。
期間 | 限度額 | |
---|---|---|
1回 | 100万円 | |
1日 | 毎日0:00〜24:00 | 100万円 |
1ヶ月 | 毎月1日〜末日 | 200万円 |
1年 | 毎年1月1日〜12月31日 | 500万円 |
取り扱い通貨数は全67通貨、全234の国と地域に送金が可能です。
海外からの送金を楽天銀行で受け取りたい場合
楽天銀行では、海外からの送金を受け取ることも可能。1回あたりの送金受取手数料は2,450円です。
受け取りは、外貨から日本円に両替するか、あるいは外貨のまま外貨預金口座で受け取るか(6通貨のみ対応※)を選択できます。両替する場合、上記で解説したように為替手数料の上乗せされたレートが適用されることに注意しましょう。
※米ドル、ユーロ、豪ドル、英ポンド、NZドル、南アランド
送金前に、相手に自分の口座の情報などを伝えておきましょう。海外からの送金が届くと、まずは登録のメールアドレスに通知が行きます。その後口座にログインし、内容を確認して着金を承認します。
楽天銀行のSWIFTコード
楽天銀行のSWIFTコードは、RAKTJPJTです。
※11桁のものを求められたら、RAKTJPJTXXXとします。
SWIFTコードとは、その銀行固有の識別番号のこと。海外送金はSWIFT(国際銀行間通信協会)のネットワークを通じて行われますが、その中で間違いなく正しい銀行にあてて送金するためにSWIFTコードが重要になります。必ず相手にこの番号を伝えておきましょう。
楽天銀行のカスタマーサポート
楽天銀行では、詳しい海外送金の手順マニュアルが公開されているので、まずはそれを読んでみましょう。それでも分からない点がある場合は、専用フォームもしくは電話で問い合わせることができます。
問い合わせ方法 | 受付時間 |
---|---|
【海外送金専用ダイヤル】 0120-691-075 【携帯電話・PHSなどからの場合】 0570-081-910(通話料有料) 【国際電話の場合】 03-6832-2252(通話料有料) | 月曜日~金曜日の9:00~17:00 ※祝日、12月31日~1月3日を除く。 |
問い合わせフォーム | 24時間365日 |
まとめ
ここまで、楽天銀行の海外送金について、手数料やかかる時間など、基本の内容を包括的に見てきました。楽天銀行はメガバンクなどに比べると送金手数料が安く、またアプリなどで手軽に手続きできるため、多くの人に利用されています。
しかし、楽天銀行が送金の際に用いる為替レートには為替手数料が上乗せされており、また夜間や休日に送金申し込みをすると手数料が割高になってしまいます。できるだけ安く送金したいと考えている人は、RevolutやWiseなど、銀行以外の選択肢を検討してみるのも良いかもしれません。Wiseについては「Wiseを徹底解説」というレビュー記事でも詳しく解説しています。
また、SBI新生銀行やりそな銀行、セブン銀行など、その他の銀行の海外送金に関する記事はガイド記事一覧からお探しいただけます。
ソース
楽天銀行の海外送金のよくある質問
送金手数料は750円、中継銀行手数料が1,000円(送金人もしくは受取人が負担)、そして為替手数料がかかります。為替手数料は通貨によって異なりますが、米ドルの場合は1ドルあたり25銭となっています。
一般的に、送金日+1営業日~5営業日程度かかると見積もっておきましょう。また、海外送金を初めて利用する場合は、利用登録に1週間〜10日程度かかります。
まずは楽天銀行アカウントにログインし、「海外送金」から「新規お申込」を選択します。必要情報を入力して利用登録を完了させましょう。
登録できたら、次に「海外送金」から「送金する」を選択し、受取人の情報を入力して送金を申し込みます。
海外送金すること自体に税が課されるといったことはありません(贈与税などは別)。特に高額な送金の場合は、税務署に資金の出処を報告する必要がある場合があります。その際に、きちんと税金を収めた上での資金であるかがチェックされます。