【2024版最新】Wise法人アカウントと個人アカウントの違いとは?
Wise(ワイズ)には個人アカウントの他に、法人アカウントがあることをご存知でしょうか?「個人アカウントと法人アカウントの違いを知りたい!」という方に向けて、本記事では具体的な機能の違いや費用体系、メリット・デメリットなどについて解説します。
Wiseは、イギリスで2011年に設立されたフィンテック企業です。格安で透明性のある海外送金手数料が人気を呼び、現在では海外送金のほか、海外の口座情報を取得し、アカウント内でさまざまな外貨の受取りができるマルチカレンシー口座や、その口座に紐づき、外貨を外貨のまま決済できるデビットカードなど外貨に特化したサービスを展開しています。
Wise個人アカウントは、例えば留学中や海外駐在中の資金の送金や家賃・授業料の支払いなど個人利用目的での海外送金のほか、マルチカレンシー口座やデビットカードが利用できます。法人アカウントは事業目的で利用でき、個人アカウントで利用できる機能に加え、経理ソフトとのAPI連携により財務を一元化できるだけでなく、一括送金や法人デビットカードの発行も可能です。
すでにWise個人アカウントを持っているけど、法人アカウントも持とうか迷っている方や、どちらのアカウントを持てばいいか分からない、という方もぜひ参考にしてみてください。
Wise法人アカウントと個人アカウントの要点
まずは、Wiseの法人アカウントと個人アカウントの各ポイントを見ていきましょう。
<Wise法人アカウント>
月額料金無料
10か国の口座情報の取得
国内送金(SWIFT送金以外)の口座受取り手数料無料
会計ソフトとのAPI連携により、給与振込みや定期振替などを自動化
アクセス権限設定
Wise法人デビットカード・従業員用カードの発行
<Wise個人アカウント>
月額料金無料
格安の海外送金手数料
10か国の口座情報の取得
Wiseデビットカードの発行
Wise法人アカウントと個人アカウントはなにが違う?
各アカウントの大まかな特徴や機能はお分かりいただけたでしょうか?さらに詳しく、仕組みや違い、使い方をチェックしていきましょう。
Wise法人アカウントでも個人アカウントでも、月額料金は無料で利用できます。また、マルチカレンシー(多通貨)口座はいずれのアカウントでも10か国の口座情報を取得でき、資金の受取りに利用することができます。通常の海外の銀行口座は、現地に住所が必要だったり、手続きが複雑だったりとハードルが大きく感じますが、Wiseでは個人でも、法人でも簡単に現地の口座情報を取得することができます。外貨を外貨のまま、受け取ることができるのは、海外に顧客やサプライヤーがいる事業者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
両者の大きな違いは、Wise法人アカウントでは外部の会計ソフトとAPI連携により、キャッシュフローを一括管理することができる点です。また、支払い承認権限機能によって、担当者ごとに5種類の承認権限を設定することができます。
Wise個人アカウントの機能はそのままに、法人アカウントでは複数通貨を一つのアカウント内で保有・管理しながら、まるで国内送金のように外貨のまま海外送金したり、給与振込みや定期支払いなどの一括送金も可能です。
Wise個人アカウントのメリット・デメリット
次に、Wiseの法人アカウントと個人アカウントのそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
Wise個人アカウント メリット | Wise個人アカウント デメリット |
---|---|
✅月額料金無料 ✅格安の海外送金手数料 ✅ミッドマーケットレートでの外貨両替 ✅マルチカレンシー口座で10か国 計19通貨の口座情報取得が可能 ✅40種類以上の通貨の保有が可能 ✅Wiseデビットカードの発行 | ❌ マルチカレンシー口座では利息がつかない ❌日本のアカウントでの入金方法は銀行振込かデビットカードのみ(クレジットカード不可) ❌日本のアカウントでは、送金上限額および保有できる金額上限は100万円相当まで |
Wise法人アカウントのメリット・デメリット
Wise法人アカウントのメリット・デメリットも見ていきましょう。Wise法人アカウントでは、Wise個人アカウントのメリットはそのまま享受できます。
Wise法人アカウント メリット | Wise法人アカウント デメリット |
---|---|
✅月額料金無料 ✅マルチカレンシー口座で10か国 計19通貨の口座情報取得が可能 ✅SWIFT送金以外の国内送金の受取り手数料無料 ✅会計ソフトとのAPI連携でワークフローを自動化 ✅一括送金ツールで最大1,000件までの支払いを一括処理 ✅Wise法人デビットカードの発行 | ❌信託会社、財団、慈善団体、非営利団体(NPO)は登録不可 ❌マルチカレンシー口座開設には初回手数料3,000円が発生 SWIFT送金で米ドルやカナダ・ドルの受取りには入金ごとに固定手数料がかかる ❌SWIFT送金での受取りには中継銀行手数料等がかかる可能性がある ❌日本のアカウントでは、送金上限額および保有できる金額上限は100万円相当まで |
Wise個人アカウントも法人アカウントも、送金上限額およびアカウント内で保有できる金額上限は100万円相当額までと定められています。ただし、一度に100万円以上の金額を受け取る可能性がある際には、30日以内に100万円を超えた余剰金分を送金するための口座の設定(日本円建て)が必要になります。
Wise個人アカウントと法人アカウントの比較
ここでは、さらに分かりやすく、機能ごとに個人アカウントと法人アカウントを表で比較していきましょう。
機能・サービス | Wise個人アカウント | Wise法人アカウント |
---|---|---|
無料アカウント登録 | ◯ | ◯ |
海外送金 | ◯ | ◯ |
電信(SWIFT)海外送金 | ◯ | ◯ |
マルチカレンシー口座(10か国の口座情報取得) | ◯ | ◯ (初回の口座情報取得には手数料3,000円が発生) |
会計ソフトへの接続(API連携) | ✕ | ◯ |
一括送金 | ✕ | ◯ |
アクセス権限付与設定 | ✕ | ◯ |
Wiseデビットカード | ◯ | ◯ |
上記の通り、Wise個人アカウントで利用できる機能は法人アカウントでも同じように利用することができます。
法人アカウント独自の機能としては、WiseのAPIと会計ソフトを連携することにより、送金や支払いなどの財務処理がWiseアカウントで一元化できることが特徴です。さまざまな種類の外貨の取扱いも、Wiseなら一か所でキャッシュフローを管理できるため、手続きを簡素化できます。
支払い承認にはマルチユーザーアクセス(MUA)によって、閲覧者・従業員・準備人・支払人・管理者のアクセス権限を付与することができ、安全な管理が可能です。
Wise個人アカウントと法人アカウントの費用
Wiseの個人アカウントと法人アカウントで迷っている方の中には、費用の違いが気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?それぞれの費用体系を確認していきましょう。
機能・サービス | Wise個人アカウント | Wise法人アカウント |
---|---|---|
アカウント開設・月額料金 | 無料 | 無料 |
送金・両替手数料 | 0.33%~ | 0.33%~ |
口座情報の取得 | 無料 | 初回のみ3,000円 |
国内送金の受け取り(SWIFT以外) | 無料 | 無料 |
電信送金(SWIFT)での米ドルの受け取り手数料 | 6.11 USD | 6.11 USD |
電信送金(SWIFT)でのカナダ・ドルの受け取り手数料 | 10 CAD | 10 CAD |
15通貨でのSWIFT送金の受け取り | 無料 *(1) | 無料 *(1) |
Wiseデビットカードの取得 | 1,200円 | 640円 |
ATM出金手数料(暦月あたり3万円を超過した場合にかかる手数料) | 1.75%+70円/回 | 1.75%+70円/回 |
*(1) 別途中継銀行手数料等が発生する可能性あり
Wise個人アカウントと法人アカウントのどちらが必要?
Wiseの個人アカウントと法人アカウントのどちらが適しているかは、人それぞれのニーズによって異なります。
個人単位で海外送金や資金の受取りの機会が多いのであれば個人アカウントが選択肢になります。個人事業主やフリーランスなら、個人アカウントでも法人アカウントでもどちらも利用できますが、まずは個人アカウントの登録と本人確認が必要です。
中小企業や大企業での法人単位で、従業員への給与支払いやサプライヤーへの支払いがあるならば、法人アカウントが適しているでしょう。
すでに個人アカウントを持っている方が、新たに法人アカウントを開設した場合、新しい法人アカウントと個人アカウントをリンクさせることができます。一度のログインで両方のアカウントへのアクセスが可能になります。
なお、法人アカウントではアルコール関連事業や仮想通貨、タバコなどに関与する事業または取引をサポートしていません。詳細は禁止されている活動のリストをご確認ください。
Wise法人アカウントの開設方法
Wise法人アカウントはオンラインで簡単に開設できます。本人確認書類や法人の確認書類の提出が必要になりますので、お手元にご用意ください。個人事業主の場合は事業者本人が、それ以外の法人の場合は代表取締役が個人プロフィールを作成する必要があります。
Wiseホームページから「法人アカウント」を選択し、「数分で登録する」ボタンをクリック
業務用メールアドレス、またはGoogle、Facebook、Appleアカウントで会員登録する
法人の登記情報、住所、事業内容などを入力し、法人情報を証明する必要書類をアップロードする
本人確認手続きを行う
本人確認を終えると、送金が可能になる
本人確認は通常、10営業日以内に完了します。
なお、日本に住所のある法人アカウントの開設は以下の法人種別に限定されています。信託会社、財団、慈善団体、NPOの登録は受付不可とされているので、ご注意ください。
個人事業主
株式会社
有限会社
合同会社
合名会社
合資会社
Wise個人アカウントの開設方法
次に、Wise個人アカウントの開設方法を解説します。
手続きの段階で、スマホでの自撮りが必要になるため、あらかじめWiseアプリをインストールしておきましょう。
個人アカウント開設にあたり、本人確認が必要になります。日本に住所のある方は、マイナンバーカードがあればそれ一枚で本人確認手続きが完了します。
国籍・在留者 | 受付可能な身分証明書 |
---|---|
日本国籍 | マイナンバーカード |
日本の運転免許証 | |
2020年2月より前に発行された日本国のパスポート | |
永住者 | マイナンバーカード |
日本の運転免許証 | |
在留カード | |
長期滞在ビザ保有者 | マイナンバーカード |
在留カード |
Wiseスマホアプリか、ウェブサイトを開く
Wise個人アカウントを選択し、会員登録をする
(海外送金する場合は)送金金額や自分と相手の銀行口座情報を入力
送金資金の入金手続きを行う
本人確認書類をアップロードや自撮りなど、本人確認手続きを行う
Wiseで法人アカウントと個人アカウントの両方を持てる?
結論としては、Wise法人アカウントと個人アカウントの両方を持つことは可能です。
もし個人事業主やフリーランスで法人アカウントを持ちたい場合は、まずは個人アカウントの登録と本人確認手続きが必要です。
その他の法人が法人アカウントを開設する場合でも、代表取締役が日本在住の場合、代表取締役が個人アカウントを開設したうえで、本人確認を行う必要があります。
Wiseで2つ以上のアカウントを持てる?
Wiseでは、「複数の個人アカウント」を開設することはできません。
法人アカウントに関しては、複数の法人を経営している場合にはそれぞれの法人のアカウントを開設することが可能です。一つの法人に対して一つのアカウントのみ登録できます。
一つのログイン情報で複数の法人アカウントへアクセスすることができ、法人アカウントの切り替えも簡単にできます。
Wise法人アカウントから個人アカウントへ変更できる?
すでに持っている法人アカウントを持っていて、個人アカウントへ変更したいという場合は、下記の手順に沿って追加で個人アカウントを登録することができます。
<ウェブサイトの場合>
右上の法人名をクリックする
「個人アカウントを登録する」を選択する
<アプリの場合>
左上の丸印(またはプロフィール写真)をクリックする
「お客様のアカウント」に移動する
「その他のアカウント」の下から「個人アカウントを登録する」を選択する
まとめ
Wiseの個人アカウントと法人アカウントの違いはお分かりいただけたでしょうか?
Wise法人アカウントでは、個人アカウントの格安な海外送金手数料や海外口座情報を取得、デビットカードの発行といった便利な機能はそのままに外部の会計ソフトとAPI連携や一括送金機能、アクセス権限設定など、財務処理を効率化させる機能が搭載されています。特にオープンAPIによる会計ソフトの連携により、支払いやワークフローの自動化が可能になり、業務効率を向上させることができます。
法人アカウントでは初期費用や月額料金は無料、アカウントに保有しなければならない最低金額の縛りもありません。開設するハードルは高くないので、海外との取引の多い事業者の方は、ぜひ利用を検討してみてください。
出典:
よくある質問 - Wise個人アカウントと法人アカウント
Wiseでは法人アカウントの開設が可能です。
Wiseの個人アカウントは、個人的な目的のために利用することができるアカウントです。法人アカウントとしてや、事業目的で利用することはできません。
Wise法人アカウントは、事業目的のためにのみ利用することのできるアカウントです。個人利用目的の場合は、個人アカウントが利用できます。
Wise法人アカウントではオープンAPIにより外部の会計ソフトとの連携や給与支払いなどの一括送金により財務を簡素化、効率化することができます。アクセス権限付与設定も可能で安全な管理が可能です。さらに、19通貨10種類の海外口座情報を取得することができ、海外のサプライヤーや従業員に対して国内送金のように外貨のまま支払いをすることができます。