WiseとWorldRemitの海外送金を比較!手数料や為替レートがお得なのは?
「海外送金は銀行で行うもの」と考えている人も多いかもしれませんが、最近では銀行に代わる新しい海外送金サービスも誕生しています。
今回はその中でもWise(ワイズ)とWorldRemit(ワールドレミット)をピックアップ。両者の海外送金手数料、為替レート、着金までにかかる時間などを徹底的に比較していきます。
「WiseやWorldRemitなどの海外送金サービスに興味があるけれど、どれを使ったら良いのか分からない」という人は参考にしてみてください。
一目で分かる!WiseとWorldRemitの比較
まずはWise(ワイズ)とWorldRemit(ワールドレミット)の機能を比較しました。
Wise | WorldRemit | |
---|---|---|
送金可能国・通貨 | 約50カ国・50通貨以上 | 約130カ国・70通貨以上 |
銀行口座への送金 | ✅ | ✅ |
現金への送金 | ❌ | ✅ |
モバイルマネーへの送金 | ❌ | ✅ |
マルチカレンシー口座 | ✅ (50以上の通貨を保有) | ❌ |
デビットカード | ✅ | ❌ |
ビジネスアカウント | ✅ | ❌ |
WorldRemitは海外送金に特化しているだけに送金国や通貨、送金方法などがWiseよりも充実しています。
対してWiseでは海外送金に加えて、マルチカレンシー口座やデビットカード、ビジネス用の法人アカウントなどの機能も利用できます。
Wiseのデビットカードについての記事はこちらをご覧ください。
WiseとWorldRemitを比較:重要な点
次にWiseとWorldRemitそれぞれの海外送金について、手数料や為替レート、着金までにかかる時間などを比較しました。
Wise | WorldRemit | |
---|---|---|
為替レート | 実際の為替レート | 為替手数料を上乗せした独自のレート |
手数料 | シュミレーターで確認 | 150〜600円 |
着金までの時間 | 2営業日程度 | 即時〜2営業日程度 |
サービス | アプリ、デスクトップ | アプリ、デスクトップ |
安全性 | 関東財務局より第2種資金移動業者として登録 | 関東財務局より第2種資金移動業者として登録 |
レビュー・口コミ | TrustPilotにて4.1点/5点中(レビュー197,501件) | TrustPilotにて4.0点/5点中(レビュー84,419件) |
WiseとWorldRemitのメリット・デメリット
WiseとWorldRemitそれぞれのメリット・デメリットはどこにあるのでしょうか?
Wise | WorldRemit |
---|---|
✅ 為替手数料なしのミッドマーケットレートで送金できる ✅ 9通貨の口座情報が取得可能 | ✅ 豊富な送金先(銀行口座・現金・モバイルマネーなど) ✅ 即時に着金することも多い ✅ 130カ国、70通貨以上に送金できる ✅ 送金手数料が安い |
❌ Wiseアカウントもしくは銀行口座あての送金しかできない ❌ 送金可能国・通貨が限られている | ❌ 為替レートに為替手数料が上乗せされている ❌ 日本語未対応 |
WiseとWorldRemit:結局どっちがいいの?
Wise(ワイズ)とWorldRemit(ワールドレミット)のどちらが良いかは、自分のニーズによって異なってきます。
Wiseは為替手数料なしのレートと安価で明瞭な送金手数料のみで送金可能。さらに、マルチカレンシー口座やデビットカード、ビジネスアカウントなどの機能も提供しているため、海外送金だけでなくその一歩先を行くサービスを求めている人に最適です。
WorldRemitは送金国・通貨数が多く、受け取り方法も充実しているため、利便性を求める人に最適。さらに、着金までの時間も短くてスピーディーです。ただし、日本語未対応である点や、両替レートに為替手数料が上乗せされている点に要注意です。
WiseとWorldRemitについて
Wiseは、元はTransferWise(トランスファーワイズ)として2011年に設立されました。当初は海外送金をメインに扱っていましたが、今ではマルチカレンシー口座やデビットカードなど、キャッシュレス決済の様々な領域をカバーしています。2016年には日本でもサービスを開始し、2021年に社名を現在のWiseに変更。利用者数は1,600万人を超えています。
WorldRemitは2010年にイスマイル・アフメドによって設立された会社です。アフメドはイギリスから故郷のソマリアに送金する際に安くて便利な方法がないことに困り、そのような問題を解決するためにWorldRemitを立ち上げました。今日では130を超える国と地域において、570万人以上のユーザーがいます。
WiseとWorldRemitの仕組み
Wiseでは銀行口座・デビットカードから銀行口座への送金が可能です。送金者が自分の国のWise口座に入金すると、Wiseがそれを両替し、受取人の国のWise口座から受取口座へと入金します。つまり、実際に行われているのは2回の国内送金ということになります。
WorldRemitは様々な銀行や店舗、モバイル決済サービスなどと提携しており、お金の受け取り方法が現金から口座入金、デジタルウォレットへの入金、携帯電話料金のトップアップまで多種多様なものが選べます。
WiseとWorldRemitの海外送金手数料
次に、Wise(ワイズ)とWorldRemit(ワールドレミット)の手数料を見ていきましょう。
海外送金の手数料について知っておくべきこと
海外送金の手数料を考える際には、送金手数料に加えて、為替レートに含まれる為替手数料も考慮しなければいけません。例えば実際の為替レートが1ドル=150円の時に、海外送金プロバイダのレートが1ドル=151円だった場合、1ドルあたり1円の手数料がかかっていることになります。
WiseとWorldRemitの送金手数料を比較
WiseとWorldRemitでは送金先の通貨や送金額、入金方法、受け取り方法などによって変動します。そのため、実際の手数料は送金前にシミュレーションで確認することが重要です。
Wiseの送金手数料は通常送金額の〜1%程度となっています。例えば日本からフィリピンに送金する場合、金額による手数料は以下の通り。
Wiseの送金手数料(日本円→フィリピンペソ) | |
---|---|
5万円 | 513円(約1.02%) |
10万円 | 890円(約0.89%) |
50万円 | 3,908円(約0.78%) |
一方でWorldRemitは金額による送金手数料の差はほとんどありませんが、送金の受け取り方法によって手数料が異なってくる点に気をつけましょう。
WorldRemitの送金手数料(日本円→フィリピンペソ) | |
---|---|
銀行口座に入金 | 200円 |
現金で受け取る | 350円 |
WiseとWorldRemitの両替レート
海外送金手数料を考える際に注目すべきが両替レートです。多くのプロバイダは、為替手数料を上乗せしたレートを使っているため、送金手数料が安くても合計コストは割高になってしまうこともあります。
Wiseの大きな特徴は、為替手数料なしの実際の為替レート(ミッドマーケットレート)を使っていることです。そのため、合計コストは送金手数料のみ。これはお得なだけでなく、透明性が高い手数料体系であるとも言えますね。
対してWorldRemitの為替レートには為替手数料が上乗せされています。その金額は公表されていませんが、シミュレーターでレートを確認し、実際のレートと比較してみることで計算できます。
以下は、2023年11月28日22:49(GMT+1)時点の両替レートの比較です。
ミッドマーケットレート | Wiseの両替レート | WorldRemitの両替レート |
---|---|---|
1ドル=147.47円 | 1ドル=147.47円 | 1ドル=151.52円 |
このように、WorldRemitでは1ドルあたり約4.05円の為替手数料がかかっていることが分かります。
WiseとWorldRemitどっちが安い?
ここまで、Wise(ワイズ)とWorldRemit(ワールドレミット)の海外送金手数料と為替手数料について見てきましたが、実際に安く送金できるのはどちらなのでしょうか?以下では、WiseとWorldRemitの手数料を総合的に比較しました。
【10万円を日本円から米ドルに送金する場合(銀行口座へ入金)】
サービス | 送金手数料 | 為替手数料 | 合計手数料 | 相手の受け取り金額 |
---|---|---|---|---|
Wise | 732円 | 無料 | 732円 | 673.21ドル |
WorldRemit | 200円 | 約2,675円 | 約2,8,75円 | 660.38ドル |
(表は2023年11月28日22:59(GMT+1)作成)
送金手数料だけ見るとWorldRemitがお得ですが、為替手数料も考慮するとWiseの方が合計コストは安く済むことが分かりました。為替レートの差は受け取り金額を大きく左右するものなので、しっかりと確認するようにしましょう。
WiseとWorldRemitどっちが速い?
Wiseの海外送金は、通常1〜3営業日程度で着金します。着金予定日は送金時にシミュレーションで確認することができ、またステータスをアプリなどから随時追跡することも可能です。ただし、受取先の銀行が処理に時間を要したり、追加の本人確認が必要になったりすると、さらに時間がかかることもあります。
WorldRemitでは、送金の受け取り方法によってかかる時間が異なります。
銀行口座への送金:数分〜2営業日程度
現金での受け取り:即時
モバイルマネーへの送金:数分
携帯電話料金のトップアップ:数分
現金やモバイルマネーの送金、そして銀行口座への送金も場合によっては数分で届くこともあるので、WorldRemitの方が速く送金できると言えるでしょう。
WiseとWorldRemitの送金限度額
WiseとWorldRemitの送金限度額は次の通りです。
Wiseの送金限度額 | WorldRemitの送金限度額 |
---|---|
1回あたり100万円まで (送金回数に上限なし) | 【銀行振込で入金】
|
【デビットカードで入金】
|
WiseとWorldRemitの入金方法・受け取り方法
銀行口座→銀行口座への送金が基本となるWiseに対し、WorldRemitは通貨によって多種多様な受け取り方法を選択できるのが魅力です。
サービス | 入金方法 | 受け取り方法 |
---|---|---|
Wise |
|
|
WorldRemit |
|
(通貨によって異なる) |
両社ともにクレジットカードは使えない点に注意しましょう。
WiseとWorldRemitのビジネスアカウント
海外とのやり取りが多い企業や個人事業主は、ビジネス目的の海外送金サービスを探しているかもしれません。残念ながらWorldRemitはビジネス利用に対応していません。
しかし、Wiseなら無料でビジネス用アカウントを開設することができます。Wiseのビジネスアカウントなら、
実際の為替レートと安価な手数料で海外送金
最大1,000件の一括送金も可能
該当9通貨の現地口座情報を取得し、手数料無料で海外送金を受け取る
XeroやQuickbooksなど接続して簡単に経費を管理
アクセス権や限度額を自由に設定できるデビットカード
などの機能が利用できます。
Wiseのビジネスアカウントについて知りたい場合は「Wise法人アカウントを徹底解説」をご覧ください。
WiseとWorldRemitの使いやすさ
次に、各社の使いやすさを比較してみましょう。
アカウントの開設:両社ともにモバイルアプリまたはオンライン上で無料でアカウント開設可能
送金方法:両社ともに銀行振込・デビットカードからの送金が可能。手続きは全てオンラインで完結。
受け取り方法:Wiseでは相手が銀行口座を持っていることが必須。WorldRemitでは現金受取やモバイルマネーへの送金もできる。
言語:Wiseは完全日本語対応しているが、WorldRemitは日本語未対応。
送金限度額:両社ともに1回あたりの送金限度額は100万円(ただし、WorldRemitでデビットカードから送金する場合は60万円)。
WiseとWorldRemitの対応通貨
Wise(ワイズ)では、日本円から50カ国以上、約50種類の通貨に送金することができます。
一方でWorldRemitは130カ国以上、約70種類の通貨に送金することが可能です。WorldRemitのほうが対応通貨数は多く、アジアとアフリカ諸国の取り扱いが多いのが特徴的です。しかし、日本円からユーロや英ポンドなどへの送金はできないので気をつけましょう。
WiseとWorldRemitの安全性
WiseとWorldRemitはどちらとも、関東財務局によって第二種資金移動業者として登録されています。これにより、銀行などの金融機関と同じレベルのセキュリティが保証されていると言えます。
WiseとWorldRemitのカスタマーサポート
WiseやWorldRemitで困ったことがあったら、カスタマーサポートに問い合わせることもできます。ただし、両社とも日本語での問い合わせには未対応であるため、英語などで問い合わせるか、翻訳サービスを利用する必要があります。
Wiseでは、メール、チャット、または電話で問い合わせが可能です。
WorldRemitではチャットまたは電話で問い合わせることができます。日本からの問い合わせ番号は+81-50-6862-3679。
WiseとWorldRemitを比較:まとめ
ここまで海外送金サービスのWise(ワイズ)と WorldRemit(ワールドレミット)を比較しました。同じ海外送金を取り扱うプロバイダですが、それぞれ異なった特徴があるので、自分のニーズに最適なものを選ぶのが重要です。
Wiseは為替手数料が上乗せされていない実際の為替レートと格安の送金手数料で送金できるため、透明性が高くお得です。またマルチカレンシー口座やデビットカード、ビジネスアカウントなど、海外送金以外にも様々な機能を利用することもできます。
WorldRemitは海外送金に特化したサービス。取扱通貨数や送金可能国の数が多く、また受け取り方法も現金やモバイルマネーなど多様なものが選べます。さらに、送金が即時〜数分以内に届くことも多いので、迅速な海外送金方法を探している人に最適です。
ほかにもWiseとRevolutの違いについて知りたい方は「WiseとRevolutを徹底比較!」をご覧ください。
ソース
よくある質問
Wiseは海外送金の他にもマルチカレンシー口座やデビットカードなども提供するキャッシュレス決済サービスです。WorldRemitは海外送金に特化したサービスで、豊富な受け取り方法と迅速な送金スピードが特徴です。
WiseとWorldRemitのどちらが良いかは、自分のニーズによって異なります。自分が送金したい国と通貨、相手の希望する受け取り方法、時間やビジネス利用かどうかなどを検討しましょう。
送金手数料だけ見るとWorldRemitのほうが安いですが、WorldRemitでは為替レートに為替手数料が含まれています。対してWiseでは為替手数料なしの実際のレートで送金できるため、合計のコストはWiseの方が安い場合が多いです。
Wiseでは相手の口座に入金されるまで1〜3営業日程度かかる一方、WorldRemitでは現金受取なら即時、口座振込やモバイルマネーへの送金も数分以内で着金することがあるため、WorldRemitの方が速いと言えます。
Wiseは約50通貨、WorldRemitや約70通貨に対応しています。