海外旅行におすすめのe-SIM
ポケットWi-Fiに代わり、海外旅行時のインターネット利用方法として認知度が高まってきているe-SIM。この記事では、海外旅行にそんなe-SIMについて詳しく解説していきます。通常のSIMとの違いや、e-SIMならではのメリットとデメリット、使用の際の注意点などさまざまな角度から深掘りしていくので、海外旅行用にSIMを検討中の人はぜひ参考にしてみてください。
e-SIMとは?通常のSIMと何が違う?
e-SIMとはSIMカードのデジタル版です。SIMカードとの一番の違いは、前者はデバイス内に電子的に内蔵されているのに対し、後者は小さな指先大ほどのカードをデバイスに差し込んで使う点です。どちらも通信会社が発行するもので、スマホの通信に欠かせない情報がいろいろと搭載されています。
e-SIMはカード入れ替えの必要がないため、旅行時など一時的に別の通信会社を契約したいときに非常に便利です。ただし、すべてのデバイスがe-SIMに対応しているわけではないので事前に確認が必要です。
申し込みはオンライン上で行い、画面に表示される指示に従って自身のデバイス上でセットアップを行います。e-SIMの設定方法については後の段落で詳しく説明します。
e-SIMのメリットとデメリット
e-SIMにはメリットだけでなくデメリットもあります。それぞれ確認しておきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
✅SIMカード紛失の心配がない ✅1つのデバイスで複数の回線が持てる ✅回線の切り替えが簡単 | ❌使えない端末もある ❌ネット環境がないと手続きができない |
海外旅行におすすめのe-SIM5選
ここでは、海外旅行に特におすすめのe-SIMを5つご紹介します。それぞれ価格やサービスが異なるので、ご自身の旅行プランに合ったものを選ぶようにしましょう。なお、下記の表にある価格は7日間のアメリカ旅行に行くと仮定して比較しています。
Holafly | AIRALO | trifa | World eSIM | Glocal eSIM | |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 3,400円 | 約1,043円(7.0USD)(*1) | 5,990円 | 5,950円 | 3,980円 |
データ量 | 無制限 | 1GB | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
購入場所 | Holafly | 海外旅行向けの国際eSIMプラン | ||||
通話機能 | なし | 20分 | なし | なし | なし |
カスタマーサポート | チャットやメールで24時間サポート | 24時間カスタマーサポート | 24時間対応チャットボット、チャットサポート | 問い合わせフォーム | 問い合わせフォーム |
(2024年10月7日現在の情報を基に作成)(1)10月7日現在の市場仲値 1ドル=148.70円を基に計算
Holafly
Holaflyのプランは基本的にデータ無制限であり、旅行先および利用日数によって価格が変わります。同じ仕組みでプラン設定をしている通信会社は他にもありますが、その中でも比較的手ごろな値段で利用できるのがHolaflyの強みです。データ通信のみのプランで、通話機能はありません。
国名・エリア名 | 利用日数、データ量 | 価格 | 通話機能 |
---|---|---|---|
アメリカ | 7日間(無制限) | 3,400円 | なし |
ヨーロッパ | 7日間(無制限) | 3,400円 | なし |
オーストラリア | 7日間(無制限) | 3,400円 | なし |
韓国 | 7日間(無制限) | 3,400円 | なし |
シンガポール | 7日間(無制限) | 3,400円 | なし |
(2024年10月8日現在の情報を基に作成)
AIRALO
AIRALOの場合は国ごとにプランが複数設定されています。日数ごとに価格やデータ量が決められており、自身の旅行プランに合わせて選べて便利ですね。国によっては通話機能もあります。
データ量が無制限のプランは少なく、日数によってデータ量が定められているプランがほとんどですが、その分価格が抑えられています。データを多く使いたい場合には、日数が長くデータ量の多いプランを選びましょう。各プランの詳細はホームページで確認できます。
国名・エリア名 | 利用日数、データ量 | 価格 | 通話機能 |
---|---|---|---|
アメリカ | 7日間(1GB) | 約1,043円(7.0ドル)(*1) | 20分 |
イタリア | 7日間(1GB) | 約670円(4.5ドル) | 記載なし |
オーストラリア | 7日間(1GB) | 約670円(4.5ドル) | 記載なし |
韓国 | 10日間(無制限) | 約4,768円(32ドル) | 記載なし |
シンガポール | 7日間(1GB) | 約669円(4.5ドル) | 記載なし |
(2024年10月7日、2024年10月8日現在の情報を基に作成)(1)10月7日現在の市場仲値 1ドル=149円を基に計算
trifa
trifaではデータ無制限プランの他に1GB、3GB、5GB、とデータ量が決まっているプランもあり、基本的にはデータ量が決まっているプランの方が安く抑えられています。例えば旅行先の国が公共のWi-Fi環境が整っている国であれば、データ量固定のプランを選んだ方が安く済むこともあります。このように柔軟にプランを選べるのはtrifaの特長といえます。
国名・エリア名 | 利用日数、データ量 | 価格 | 通話機能 |
---|---|---|---|
アメリカ | 7日間(無制限) | 5,990円 | なし |
イタリア | 7日間(無制限) | 5,990円 | なし |
オーストラリア | 7日間(無制限) | 5,720円 | なし |
韓国 | 7日間(無制限) | 5,990円 | なし |
シンガポール | 7日間(無制限) | 5,990円 | なし |
World eSIM
World eSIMもまた、国によってプランの内容が変わります。Wi-Fiサービスを提供しているグローバルWi-Fiも同社のサービスなので、必要に応じてWi-Fiか、e-SIMかと通信方法が選べて便利です。
国名・エリア名 | 利用日数、データ量 | 価格 | 通話機能 |
---|---|---|---|
アメリカ | 7日間(無制限) | 5,950円 | なし |
イタリア | 7日間(無制限) | 5,850円 | なし |
オーストラリア | 7日間(3GB) | 1,280円 | なし |
韓国 | 10日間(無制限) | 4,662円 | なし |
シンガポール | 7日間(無制限) | 5,950円 | なし |
(2024年10月7日、2024年10月7日現在の情報を基に作成)
Glocal eSIM
Glocal eSIMは時期によってはキャンペーン価格でプラン利用できることがあります。もともとの価格より1,000円ほど安くなることもあり、タイミングを見計らえばよりお得に使えます。
国名・エリア名 | 利用日数、データ量 | 価格 | 通話機能 |
---|---|---|---|
アメリカ | 7日間(無制限) | 3,980円 | なし |
イタリア | 15日間(6GB) | 3,980円 | なし |
オーストラリア | 10日間(6GB) | 4,080円 | なし |
韓国 | 5日間(無制限) | 3,980円 | なし |
シンガポール | 20日間(無制限) | 3,960円 | なし |
(2024年10月7日、2024年10月7日現在の情報を基に作成)
e-SIMの設定方法
海外旅行でeSIMを利用するには、出発前に事前設定を行い現地到着後に回線の切り替えをする必要があります。ここではiPhoneの場合のセットアップ方法を解説していきます。
出発前にやっておくべきこと
1. 申し込み
ウェブもしくはアプリで可能です。
2. 事前設定
通信業者からメールやアプリ上で送られてくる情報をもとに、eSIMの設定を行います。なかには、QRコードを使って簡単にセットアップができる通信業者もあります。
3. 設定完了を確認
「設定→モバイル通信→モバイルデータ通信」の画面を開き、「SIM」の項目に申し込みをした通信業者のeSIMが表示されていることを確認します。ちなみに、ここでの表示名は通信会社がデフォルトで設定しているものですので、必要ならわかりやすい名前に編集しましょう。
到着後にやるべきこと
1. 回線の有効化
「設定→モバイル通信」の画面を開き、「SIM」の項目にある当該の通信会社をタップします。そして「この回線をオンにする」「データローミング」の2つをオンにします。
2. 通信を確認
Wi-Fiの利用をオフにして、SNSやウェブサイトにアクセスして通信ができることを確認しましょう。
海外でe-SIMを使うときの注意点
e-SIMを使うときには、まず自分のスマートフォンがSIMフリーであることを確認してから申し込みをしましょう。iPhoneの場合は、「設定→一般→情報」の画面を開くと、画面中部に「SIMロック」という項目があります。ここが「SIMロックなし」となっていればeSIMの利用が可能です。
現地で実際に利用を開始する際には自分で回線の有効化をする必要がありますが、その際にはネット環境が必要です。ホテルや空港など、Wi-Fiのあるところで設定を行いましょう。また、帰国後には日本で使っている回線に戻す作業が必要です。
通信会社を選ぶときにはカスタマーサポートの充実度にも注目することをおすすめします。ネットに繋がらないなど、万が一現地でトラブルが起きたときにすぐにサポートしてもらえる環境があると安心です。
海外旅行の支払いにはWiseデビットカードがおすすめ!
海外旅行に行く際には、現地での支払い方法をどうしようかと考える人も多いでしょう。大金を持ち歩くのは不安だけど、カード支払いは手数料や両替手数料が気になる…という人もいるはず。そんな人には、Wiseのデビットカードのをおすすめします。
Wiseとは海外送金や外貨両替などを中心に金融サービスを展開するプロバイダーです。Wiseのアカウントを開設しデビットカードを取得すれば、150の国や地域で支払いに使うことができます。アカウント内に支払い通貨を保有していれば手数料無料で支払い可能、対応通貨の数はなんと40にものぼります。
また、アカウント内に支払い通貨がない場合には両替手数料が一番安く済む通貨の組み合わせを自動で選んで決済してくれます。ちなみに、両替手数料は通貨によって異なり、最安値は0.33%です。
まとめ
今回の記事では、海外旅行時に便利なeSIMについて詳しく解説してきました。eSIMの仕組みやメリットとデメリット、またおすすめのeSIMを5つご紹介しているので、これから海外旅行を予定している人はぜひ参考にしてみてください。なお、eSIMの利用時には自分で設定を行う必要があります。Wi-Fi環境があることを確認して、通信会社から送られてくる手順に従って手続きを行いましょう。
よくある質問とその回答
通常のSIMとe-SIMの大きな違いは物理的にカードの入れ替えがあるかどうかです。その工程が面倒に感じる人にはスマートフォン上の手続きだけで利用できるe-SIMの方がおすすめです。
上述したように、カードの入れ替え作業がないのはe-SIMの利点です。また、手続きがすべてオンライン上で行えるので、実店舗に足を運ぶ時間が省けるのも大きなメリットといえます。プランのバリエーションも豊富で、国ごとにプランを選べるだけでなく、必要なデータ量や予算に合わせて適切なものが選べます。
ネット環境がないと切り替え作業ができないのは大きなデメリットになりえます。到着してすぐに空港などで手続きができればいいですが、タイミングを逃してしまうと切り替え作業がなかなかできないことも。
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