小規模ビジネスにおすすめ!オンライン法人銀行口座【2024年版
開業してビジネスが無事軌道に乗ってきたら、法人口座の開設を検討し始める人もいるのではないでしょうか。法人口座を持っていると資金管理がしやすくなったり、事業者向けのサービスが使えたり、何かと便利です。
しかし、事業規模が小さい場合にはうまく活用できるのかと不安な人もいるはず。また、そもそも法人口座開設の審査に通るのかと心配な人もいるでしょう。審査基準は銀行によって異なりますが、中にはスモールビジネス事業者にも開きやすい金融機関はあります。
そこで今回の記事では、小規模ビジネスにおすすめの銀行やオンラインプロバイダー5つをピックアップしてご紹介していきます。それぞれのメリットや手数料について細かく見ていくので、ぜひ参考にしてみてください。
簡単先読み: 小規模ビジネスにおすすめの銀行・サービス
GMOあおぞらネット銀行:スピーディーな取引ができる
楽天銀行:デビットカードの利用で楽天ポイントが貯まる
三井住友銀行:メガバンクだからこそ信頼度が高い
Wise:海外送金や支払いなど海外との取引がある際におすすめ
PayPal:決済サービスが使える
スモールビジネスに向いている銀行とは?
法人向け口座を開く際には、まずは自分が必要なサービスを考えて見ることをおすすめします。各金融機関が提供しているサービスは多種多様で、それぞれメリットとデメリットがあります。自身がどのようなビジネスを展開してるのかによっても適切な金融機関は変わるので、その点も考慮しましょう。具体的には、下記の点を踏まえて検討すると決めやすくなります。
開設費用、口座維持費
各種取引にかかる手数料
海外送金に対応の有無
ほとんどの銀行では法人口座の開設自体には費用はかかりませんが、中には開設時に手数料を求める金融機関もあります。加えて、一定の期間取引がないと口座維持費を請求されることも。経費を節約したいならこういった金融機関は避ける方がベターです。
また、各種手数料のチェックも忘れてはいけません。振込や振替だけでなく、法人向けオンラインサービスの利用料なども発生することがあります。自分が利用する予定の取引やサービスに関連する手数料をそれぞれ比較して、お得に使えるものを選ぶといいでしょう。
海外向けにビジネスを展開しているなら、海外送金の使い勝手もチェックポイントです。そもそも海外送金に対応しているのか、複数の通貨の管理はできるのか、手数料はどれくらいか、さまざまな角度から見比べてみましょう。外貨取引をメインに考えるなら、Wiseなどのオンラインプロパイダーもおすすめです。銀行ではありませんが、海外送金に使いやすくなっているので検討の幅を広げてみてもいいかもしれません。詳しくは次の段落でみていきます。
スモールビジネスにおすすめのオンライン銀行
ここでは、小規模事業者に特におすすめの銀行を5つピックアップして比較していきます。それぞれの手数料や特長を見比べてみて、自分に合った銀行を選ぶようにしましょう。なお、銀行ではありませんがWiseやPayPalといったオンラインサービスも一緒に比べていきます。
GMOあおぞらネット銀行法人口座 | 楽天銀行法人口座 | 三井住友銀行法人口座 | Wiseビジネスアカウント | PayPalビジネスアカウント | |
---|---|---|---|---|---|
口座開設費 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
口座維持費 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
振込手数料 | 129円~ | 150円~ | 165円~ | 219円~ | 他行への振込不可 |
法人用デビットカードの発行 | 発行可能 | 発行可能 | 発行不可 | 発行可能 | 発行可能 |
一番のメリット | スピーディーな取引ができる | 楽天ポイントが貯まる | 信頼度が高い | 海外送金が安い | 決済サービスとして使える |
GMOあおぞらネット銀行法人口座
メリット: スピード感のある取引ができる
インターネット専業銀行であるGMOあおぞらネット銀行では、開設の申し込みから実際のサービス利用まですべてオンラインで完結。24時間365日いつでも申し込みができ、迅速な取引ができます。インターネット銀行は店舗がない分手数料が抑えられているのが大きな特長である一方、対面での事業相談ができない点をデメリットに感じる人もいるでしょう。
開設するためには:
口座開設にはまずは申し込みをしましょう。事業内容が確認できる書類や本人確認書類などを提出、審査完了後に初期設定をすれば利用可能になります。
GMOあおぞらネット銀行法人口座の特長:
申し込みから取引まですべてオンラインでできる
24時間365日いつでも迅速に取引できる
各種手数料が安い
代表口座ひとつにつき19口座まで追加開設できる
Pay-easyを使って保険料などの支払いができる
GMOあおぞらネット銀行法人口座にかかる手数料:
口座の開設や維持に手数料は発生しません。主にかかる手数料は振込手数料、提携ATM手数料、各種証明書の発行費などです。振込手数料は同行宛は無料、他行宛でも145円と格安になっています。
GMOあおぞらネット銀行法人口座のメリット | GMOあおぞらネット銀行法人口座のデメリット |
---|---|
✅ すべてオンラインで完結する ✅ 24時間365日取引できる ✅ 各種手数料が安い ✅ 複数口座が持てる ✅ Pay-easyが使える | ❌ 対面店舗がない ❌ メガバンクに比べると知名度が低い ❌ 紙の通帳がない |
楽天銀行法人口座
メリット: 1%ポイント還元のデビットカード
楽天銀行もオンライン上で申し込みや利用ができるインターネット専業銀行です。振込や振替といった基本的なサービスはもちろん、海外送金も手数料1,000円という業界最低水準のコストでできます。そして一番のメリットは、楽天銀行発行のデビットカードの利用で楽天ポイントが貯まる点です。
開設するためには:
口座開設にはまずは申し込みをして審査を受けます。登記情報や口座管理人の連絡先などを記入、あわせて必要書類も提出します。
楽天銀行法人口座の特長:
申し込みから取引まですべてオンラインでできる
24時間365日いつでも迅速に取引できる
振込手数料が安い
デビットカードの利用で楽天ポイントが貯まる
海外送金手数料が安い
楽天銀行法人口座にかかる手数料:
口座の開設及び維持に手数料はかかりません。必要な手数料は振込手数料、提携ATM手数料、海外送金手数料などです。振込手数料は同行宛は52円〜、他行宛は150円〜となっています。
楽天銀行法人口座のメリット | 楽天銀行法人口座のデメリット |
---|---|
✅ すべてオンラインで完結する ✅ 24時間365日取引できる ✅デビットカードの利用で楽天ポイントが貯まる ✅ 振込手数料が安い ✅ 海外送金手数料が安い | ❌ 対面店舗がない ❌ メガバンクに比べると、信頼度が劣る ❌ 紙の通帳がない |
三井住友銀行法人口座
メリット: メガバンクだからこその知名度と信頼度
三井住友銀行の法人口座では、資金の運用や融資の相談、事業承継やスタートアップへの取り組みなどビジネスに関わるさまざなサービスが利用可能です。メガバンクだからこそ知名度、信頼度ともに高く、自身のビジネスの信頼度にも貢献してくれるでしょう。一方、法人口座の審査がかなり厳しいことで知られています。
開設するためには:
会社の形態によって申し込み方法が異なります。例えば株式会社であればオンラインで申し込みできますが、有限会社の場合はオンラインで事前申し込みをして店舗で本手続きを行います。詳しくはホームページで確認しましょう。
三井住友銀行法人口座の特長:
対面店舗での相談ができる
全国各地に支店がある
融資、外国業務などサービスの幅が広い
知名度、信頼度が高い
必要に応じてオンラインサービスが選べる
三井住友銀行法人口座にかかる手数料:
口座の開設や維持に手数料はかかりませんが、オンラインサービスのプランによっては初期費用や月額手数料がかかります。また、振込手数料に関してはネットサービスを利用すれば同行宛なら無料、他行宛なら165円です。
三井住友法人口座のメリット | 三井住友銀行法人口座のデメリット |
---|---|
✅ 対面店舗がある ✅ 融資や外国業務など多様なサービスがある ✅ 知名度と信頼度が高い ✅ 必要に応じてオンラインサービスが選べる ✅ 全国各地に支店がある | ❌ デビットカードが発行できない ❌ 審査が厳しい ❌ 無料で利用できるオンラインサービスの幅が狭い |
Wiseビジネスアカウント
メリット: 海外取引に強い!
Wiseはオンラインで複数通貨の保有や送金ができるオンラインプロバイダーです。海外送金や外貨両替がお得に行えるので、海外取引が多い場合には持っておいて損はありません。
銀行ではないので融資などの相談はできませんが、給与や請求書の支払いなどは可能になっており、お金の管理がしやすくなっています。
開設するためには:
Wiseビジネスアカウントは個人事業主、フリーランサー、有限会社・株式会社、パートナーシップであれば回つ可能です。アカウントを開くにはオンラインで開設申し込みをします。
Wiseビジネスアカウントの特長:
ひとつのアカウントで70カ国以上への支払いができる
40以上の通貨を管理できる
10種類の通貨で現地銀行情報の取得ができる
海外送金手数料が安い
複数のスタッフに管理権限が付与できる
Wiseビジネスアカウントにかかる手数料:
アカウントの開設、維持に手数料はかかりません。各種取引には手数料が発生しますが、いずれも最小限になるように抑えられています。例えば振込にかかる手数料は、Wiseのアカウント間の日本円の送金であれば無料です。日本円の残高から他行宛に送金する場合には、固定手数料219円が発生します。
Wise法人アカウントのメリット | Wise法人アカウントのデメリット |
---|---|
✅ オンラインですべて完結する ✅ 複数通貨が管理できる ✅ 一部の通貨で現地銀行情報の取得ができる ✅ 海外送金が安い ✅ 複数人で管理できる | ❌ 銀行ではない ❌ 対面店舗がない ❌ 融資はできない |
PayPalビジネスアカウント
メリット: ECサイトに導入できる!
PayPalもオンライン上で海外送金や受取などの取引ができるプロバイダーです。20年以上の実績を誇り、認知度と信頼性は業界トップを謳っています。ただし、取引できるのは基本的にPayPalのユーザー同士のみで、PayPalから直接銀行口座への振り込みはできません。
開設するためには:
PayPalのビジネスアカウントを利用するためには、アカウント登録と本人確認手続きが必要です。また、初期設定画面では事業者名の登録も求められます。
PayPalビジネスアカウントの特長:
業界随一の認知度と信頼度がある
ひとつのアカウントで100以上の通貨に対応できる
ECサイトの決済サービスとして導入できる
QRコードやリンクの共有で支払い請求ができる
新規導入サポートがある
PayPalビジネスアカウントにかかる手数料:
アカウントの開設、維持に手数料は発生しません。ただし、国内の商用取引には3.60%+固定手数料が、海外送金には499円が発生するなど取引によって手数料がかかります。
PayPalビジネスアカウントのメリット | PayPalビジネスアカウントのデメリット |
---|---|
✅ セールス担当へのサポートがある ✅ オンラインですべて完結する ✅ ECサイトの決済サービスとして導入できる ✅ 支払いの請求が簡単にできる ✅ 海外送金、受取ができる | ❌ 銀行振込はできない ❌ 対面店舗がない ❌ オンラインプロバイダーにしては手数料が高い |
オンラインで小規模ビジネス向け法人口座を開く方法
一般的に、法人口座開設に必要な書類は下記の通りです。
本人確認書類
法人の印鑑証明書
履歴事項全部証明書
事業の実態が確認できる書類
上記書類を揃えたら、オンラインや店舗の窓口で申し込み手続きをしましょう。ただし、銀行やプロバイダーによって口座開設の申し込みプロセスや必要書類は異なりますので確認が必要です。
海外送金におすすめのオンラインプロバイダー
海外に顧客が多い場合には、海外送金がしやすい銀行やプロバイダーを検討している人もいるでしょう。そんな人には上記でご紹介した中でも楽天銀行とWiseが特におすすめです。
楽天銀行は海外送金手数料が1000円と業界最安値の水準になっています。200カ国以上に送金できるので、世界中の顧客と取引ができます。もちろん、海外送金の受け取りも可能です。
一方、Wiseでは海外送金ができるのはもちろん、それ以外にも40種類以上の通貨が保有できたり、一部の通貨では現地銀行の口座情報の取得ができたり、便利な機能がたくさんあります。
オンライン法人口座にかかる手数料
どの銀行やオンラインプロバイダーも、開設や口座の維持には手数料はかかりません。サービスの利用には手数料が発生しますが、それぞれ金額は異なります。下記に簡単にまとめています。
GMOあおぞらネット銀行法人口座 | 楽天銀行法人口座 | 三井住友銀行法人口座 | Wiseビジネスアカウント | PayPalビジネスアカウント | |
---|---|---|---|---|---|
振込手数料 | 0円~ | 52円~ | 0円~ | 0.33%~ | 0円~ |
海外送金手数料 | 都度確認 | 1,000円 | 2,500円~ | 0.33%~ | 499円 |
海外送金受取手数料 | 取り扱いなし | 2,000円 | 1,500円~ | 0円~ | 3.7% |
いずれの銀行も、取引の詳細によって手数料が変わることが多いです。例えば振込手数料は同行宛なら無料、他行宛なら〇〇円と決まっていることが一般的です。それぞれ詳細は手続きの際に確認する必要があるといえるでしょう。
まとめ
今回は、小規模ビジネス事業者向けの法人銀行口座について詳しく見てきました。それぞれに特長があるので、利用したいサービスによっておすすめは異なります。例えば審査に時間をかけたくない、ということであればオンライン銀行であるGMOあおぞらネット銀行や楽天銀行は比較的審査がスピーディーに終わると言われています。一方、海外送金や受取を頻繁に行う場合にはWiseのようなオンラインプロバイダーがおすすめです。まずは自分のビジネスに必要なサービスを考えてみて、それに対応できる金融機関を選ぶようにしましょう。
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よくある質問
速いところでは即日開設も可能ですが、金融機関によって異なるので一概にはいえません。1週間以上かかることもあります。
一般的に、メガバンクよりもインターネット専業銀行の方が審査基準が甘いといわれています。もちろん、だからといって誰でも開けるわけではありませんが、メガバンクの法人口座開設が難しい場合にはネット銀行も検討してみてください。