国際キャッシュカードに代わる!海外で使えるおすすめカード5選
海外で現金を引き出す方法としてよく知られていた国際キャッシュカード。長らく主流の方法として使われていましたが、現在ではほとんどの銀行やプロバイダーでサービスを終了しています。そして、国際キャッシュカードに代わって新たに広まりつつあるのがデビットカードやプリペイドカードです。
そこで今回の記事では、国際キャッシュカードの代わりに使えるWiseなどの国際デビットカードやプリペイドカードを厳選してお伝えしていきます。出張や旅行、留学などで海外に行く予定がある方はぜひ参考にしてみてください。
本記事の目次
- 代わりに使える!デビットカード、プリペイドカード
- Wiseデビットカード
- Revolut カード
- Sony Bank WALLET(ソニーバンクウォレット)
- キャッシュパスポートプラチナ
- JAL Global Wallet(JALグローバルウォレット)
国際キャッシュカードとは?
国際キャッシュカードとは、日本の銀行口座に入っている預金を海外のATMで現地通貨に換えて引き出すことができるキャッシュカードです。出張や旅行などで海外で現金が必要になった際に便利です。以前は日本の銀行の多くで発行されていましたが、2010年代以降、サービスが徐々に終了しました。
みずほ銀行:みずほインターナショナルキャッシュカード(貯蓄預金型):2014年2月28日をもって終了
三井住友銀行:国際キャッシュカードサービス:2018年3月31日をもって終了
SBI新生銀行:インターナショナルキャッシュサービス:2018年12月8日をもって終了
代わりに使える!デビットカード、プリペイドカード
代わって登場したのが海外でも使用可能なデビットカードです。デビットカードとは自分の銀行口座に紐づけられたカードで、支払いをするとすぐに口座からお金が引き落とされる仕組みになっています。海外で使用した場合には各金融機関が定めるレートに従って日本円に換算され、その金額が引き落とされます。金融機関によっては外貨の保有が可能で、その通貨で支払いが行われた場合にはそこから直接引き落としができるところもあります。また、ATMを利用して現地通貨の引き出しも可能です。
また、海外で使えるプリペイドカードもおすすめです。プリペイドカードとは、あらかじめカードや自分のアカウントに資金をチャージしておき、その金額の範囲内で決済や現金引き出しができるカードです。デビットカードに仕組みは似ていますが、デビットカードが銀行口座に紐づいているのに対しプリペイドカードはその限りではなく、Suicaなどの交通系ICカードのようにカード自体にチャージできるものもあります。
おすすめ国際カード5選の比較
この段落では、国際キャッシュカードに代わるサービスとしておすすめのデビットカード、プリペイドカードを5つご紹介します。支払いだけでなく現金引き出しもできるので、仕事や留学で長期にわたって海外滞在する際にも便利です。
サービス名 | カード種類 | ATM引き出し 手数料 | ATM引き出し限度額 | 海外事務手数料と両替手数料 | 両替レート |
---|---|---|---|---|---|
Wise | デビットカード | 毎月3万円まで無料、それ以降は引き出し額の1.75%+70円 | 通貨によって異なる | 無料~(※1) | ミッドマーケットレート |
Revolut | デビットカード | 毎月25,000円まで無料、それ以降は引き出し額の2%(※2) | 1回あたり100万円 | 無料~1.0%(※3) | 独自レート |
Sony Bank WALLET | デビットカード | 無料~220円(※4) | 1日当たり100万円 | 1.79% | 1通貨につき0.09~0.45円(※5) |
キャッシュパスポートプラチナ | プリペイドカード | 通貨により異なる | 15万円 | 4% | 独自レート |
JAL Global Wallet | プリペイドカード | 200~300円 | 1回あたり10万円 | 4% | 独自レート |
2024年11月23日時点での情報を基に作成(1)アカウント内に現地通貨があれば無料、なければ0.6%~(2)スタンダードプランの場合。プレミアムプランは毎月5万円まで、メタルプランは毎月10万円まで無料(3)為替市場営業時間内(ニューヨーク時間金曜17時~日曜18時を除く)は無料(4)外貨口座を開設していない場合には海外ATM利用料220円が発生。(5)通貨により異なる
それぞれのプロバイダーについて、次で詳しく見ていきましょう。
Wiseデビットカード
Wiseは複数通貨の保有や管理、海外送金ができるオンラインプロバイダーで、銀行とは一線を画します。しかし、国際キャッシュカードと同様にATMを使ってアカウント内のお金を海外で引き出すことが可能です。現地通貨がアカウント内に入っていれば手数料無料で月2回、3万円まで引き出せます。
デビットカードの発行には1,200円がかかりますが、年会費は無料です。国際キャッシュカードは現金の引き出しに特化していましたが、Wiseのデビットカードの場合は現地での支払いにも使えます。その際、決済通貨が自分の口座に入っていれば手数料はかかりません。決済通貨を保有していない場合も、保有通貨の中から手数料が最安になる組み合わせを自動で選んで決済してくれます。
両替手数料は通貨によって異なりますが、安ければ0.6%~と一般的なクレジットカードの海外事務手数料よりも安くなることが多いです。また、留学や移住などで海外に送金をしたい場合も、手数料は0.6%~で取引ができます。銀行での海外送金は2~3,000円程度かかるのが一般的なので、Wiseの海外送金の方がお得です。
発行手数料 | 初回1,200円 |
年会費 | 無料 |
カード種類 | Mastercard |
支払い・現金引き出し時のレート | ミッドマーケットレート |
ATM引き出し手数料 | 毎月3万円まで無料、それ以降は引き出し額の1.75%+70円 |
海外事務手数料 | 決済通貨を口座内に保有していれば無料。なければ両替手数料が発生(0.6%〜) |
利用可能国 | 160カ国(送金可能国)(※1) |
保有可能通貨 | 40通貨 |
2024年11月23日時点での情報を基に作成(1)カード利用可能国は150カ国
Wiseカードのメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 口座内に入っている通貨の引き出しは手数料無料 ✅ 対応通貨が40種類ある ✅ 両替手数料が0.6%〜と安い ✅ 海外送金もできる | ❌ デビットカード発行手数料1,200円がかかる ❌ 対面店舗がない |
Wiseは対応している通貨が多く、さまざまな国及び地域で利用が可能です。またその際の各種手数料が安く抑えられているのも大きな特長です。ただし、デビットカードの発行には手数料がかかります。また、オンライン専門のプロバイダーであり、対面店舗がないのでその点で不便に感じる人も中にはいるかもしれません。
Revolut
Revolutもオンライン上で複数通貨の保有や両替、海外送金ができるプロパイダーです。スタンダードプラン、プレミアムプラン、メタルプランの3つに分かれており、それぞれ月額料金と手数料無料で引き出せる現金の金額が異なります。
Revolutの特長は取引時間帯がニューヨーク為替市場営業時間内であれば海外事務手数料がかからない点です。取引時間外の手数料は取引金額の1%で、他の金融機関に比べて安い水準です。
為替レートにはRevolut独自のレートが採用されています。取引の際には事前にアプリでレートを確認してから取引実行ができるので安心です。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | スタンダードプラン:無料、プレミアムプラン:月額980円、メタルプラン:月額1,980円 |
カード種類 | デビットカード |
支払い・現金引き出し時のレート | 独自レート |
ATM引き出し手数料 | スタンダードプラン:25,000円まで プレミアムプラン:5万円まで メタルプラン:10万円まで 上記金額まで無料、それ以降は引き出し額の2% |
海外事務手数料 | 無料~1.0% |
利用可能国 | 200以上の国や地域 |
保有可能通貨 | 35通貨以上 |
2024年11月24日時点での情報を基に作成
Revolutカードのメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 為替市場営業時間内であれば海外事務手数料が無料 ✅ 200以上の国や地域で利用可能 ✅ 必要に応じてプランが選べる ✅ 海外送金もできる | ❌ 為替市場営業時間外は海外事務手数料1%がかかる ❌ 対面店舗がない |
Revolutには3つのプランがあるので、ご自身のニーズに応じて必要なプランが選べて便利です。また、為替市場営業時間内であれば海外事務手数料がかからないのも大きな魅力です。一方、時間外の場合には手数料がかかってしまうため、うっかり手数料を支払うことにならないように注意しましょう。
Sony Bank WALLET(ソニーバンクウォレット)
ソニー銀行が発行しているSony Bank WALLET(ソニーバンクウォレット)もまた、海外で使えるデビットカードです。対応している通貨の口座を開きお金を入れておくと、その通貨を海外のATMで引き出す際のATM引き出し手数料がかかりません。保有している通貨以外を引き出すこともできますが、その際には220円の引き出し手数料がかかります。海外事務手数料はいずれの場合でも発生しますが、利用額の1.79%と他の一般的な金融機関と比べると安くなっています。
デビットカードの発行に手数料はかかりません。また、年会費も無料なのでその点は大きなメリットといえます。為替レートにはソニー銀行独自のレートを採用しており、通貨ごとに為替手数料が定められています。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カード種類 | デビットカード |
支払い・現金引き出し時のレート | 1通貨につき0.09~0.45円 |
ATM引き出し手数料 | 無料~220円 |
海外事務手数料 | 1.79% |
利用可能国 | 200以上の国と地域 |
保有可能通貨 | 10通貨 |
2024年11月24日時点での情報を基に作成
Sony Bank WALLETカードのメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 海外事務手数料が1.79% ✅ 保有通貨であればATM引き出し手数料が無料 ✅ 年会費、カード発行手数料が無料 | ❌ 対応通貨が10種類のみ ❌ 保有通貨以外の引き出しには引き出し手数料220円がかかる |
Sony Bank WALLETは年会費及びカード発行手数料がかからず使えます。また、口座内に入っている通貨であればATM引き出し手数料が無料で現金引き出しができお得です。ただし、対応通貨は10種類のみとなっているので、使いたい通貨に対応しているかどうか確認しましょう。
キャッシュパスポートプラチナ
キャッシュパスポートプラチナはマスターカードが発行しているトラベルプリペイドカードで、日本円を含む9つの通貨の保有が可能です。指定の専用振込口座にお金を振り込むことでカードにチャージされ、チャージされた資金は210以上の国や地域で支払いや現金引き出しに利用できます。自分がチャージした金額以上は使えないので、使いすぎを防げて安心です。
発行手数料及び年会費は不要です。ただし、12ヶ月間利用がないと翌月から月額110円が発生します。また、ATMの引き出し手数料は通貨によって異なり、それぞれ下記の通りです。
日本円:200円
アメリカドル:2ドル
ユーロ:1.75ユーロ
イギリスポンド:1.5ポンド
オーストラリアドル:2.5オーストラリアドル
ニュージーランドドル:2.75ニュージーランドドル
カナダドル:2カナダドル
シンガポールドル:2.5シンガポールドル
香港ドル:14香港ドル
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料(12ヶ月間利用がない場合には、13ヶ月目より毎月110円が発生) |
カード種類 | プリペイドカード |
支払い・現金引き出し時のレート | 独自レート |
ATM引き出し手数料 | 通貨により異なる |
海外事務手数料 | 4% |
利用可能国 | 210以上の国や地域 |
保有可能通貨 | 9通貨 |
2024年11月24日時点での情報を基に作成
キャッシュパスポートプラチナカードのメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 使いすぎの心配がない ✅ 210以上の国や地域で利用できる ✅ カード発行手数料が無料 | ❌ 対応通貨が9種類のみ ❌ 海外事務手数料が4% |
キャッシュパスポートプラチナは利用できる国及び地域が210以上と、広く世界で利用できます。プリペイドカードなので使いすぎを防げるのも便利ですね。一方、対応通貨が少ないことと、海外事務手数料が4%と他と比べると高めなのはデメリットです。
JAL Global Wallet(JALグローバルウォレット)
JAL Global Wallet(JALグローバルウォレット)は日本航空(JAL)の発行するプリペイドカードで、1枚のカードで14種類の通貨を保有できます。カードにチャージした資金は現地で支払いに使ったり、現金として引き出したりが可能です。ATMで現金を引き出すときには200~300円の引き出し手数料がかかります。
また、JAL Global Walletカードを使って航空券の購入をするとJALのマイルが貯まります。200円=2マイルと還元率が高くお得です。ただし、海外でカードを使用する際には海外事務手数料4%が発生します。
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カード種類 | プリペイドカード |
支払い・現金引き出し時のレート | 独自レート |
ATM引き出し手数料 | 200~300円 |
海外事務手数料 | 4% |
利用可能国 | 210ヶ国以上 |
保有可能通貨 | 14通貨 |
2024年11月24日時点での情報を基に作成
JAL Global Walletカードのメリットデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 使いすぎの心配がない ✅ 210以上の国で利用できる ✅ 年会費、カード発行手数料が無料 ✅ マイルが貯められる | ❌ 海外手数料が4% ❌ 対応通貨が14種類しかない |
JAL Global WalletはMastercard加盟店で利用できるため、対応している国が210以上と多くなっています。一方、対応通貨が15種類と少ないことと、海外事務手数料4%がかかってしまうのはデメリットといえるでしょう。しかし、JAL航空券の購入でマイルが貯まるので頻繁に出張などで海外に行く人には便利かもしれません。
まとめ
今回の記事では、国際キャッシュカードに代わって使えるデビットカード及びプリペイドカードを詳しく見てきました。いずれのカードも複数の通貨が保有可能、海外で支払いや現金引き出しに使えます。手数料がプロバイダーごとに異なるため、比較した上で最適なカードを選びましょう。WiseとRevolutに関しては保有している通貨を使って海外送金もできます。そのため、海外赴任や留学などで海外に長期滞在している家族にお金を送りたいというときにも便利です。
よくある質問とその回答
日本の銀行口座に入っている預金を海外のATMで現地通貨に換えて引き出すことができるキャッシュカードです。
2010年代以降、多くの金融機関では国際キャッシュカードのサービスを停止しています。
海外でも利用できるプリペイドカード、デビットカードなら現金引き出しも可能です。
ソース