PayPalにかかる手数料は?海外送金手数料や受け取り手数料など仕組みを解説!

山口 友紀恵
石井 美南海
Last updated
2024年4月26日

100以上の通貨での決済に対応し、200以上の国と地域で使われるPayPal(ペイパル)。2016年には60億件を超える取引があったほど、世界中にそのネットワークが広がっています。日本では22の通貨に対応しており、ネットショッピングなどに活用している人も多いのではないでしょうか。そして、実はPayPalでは支払いだけでなく海外送金も可能です。今回の記事では、PayPalでかかる手数料について、海外送金を中心に詳しく解説していきます。またPaypalよりもお得に海外送金ができるWiseRevolutなどのサービスも紹介します。

Wise公式サイトへRevolut公式サイトへ

PayPal手数料の概要

PayPalはアカウントの登録自体にはお金はかかりませんが、利用するサービスによって手数料が発生することがあります。下記に、個人アカウントとビジネスアカウントで必要な主な手数料をまとめています。

個人アカウント

通貨換算手数料(為替手数料)3~4%
個人間送金手数料海外送金は499円、国内送金は無料
出金手数料5万円未満は250円、5万円以上は無料
受取手数料国内送金の場合は無料

ビジネスアカウント

通貨換算手数料(為替手数料)基本為替レート+4%
送金手数料国内取引の場合は3.6%+固定手数料、海外取引の場合は+割合手数料0.5%
出金手数料5万円未満は250円、5万円以上は無料
決済手数料国内取引の場合3.2%+40円、海外取引の場合は+0.5%

これらの手数料については、PayPalの公式サイトで詳しく知ることができます。ただし、個人間取引なのか、国内取引なのか海外取引なのか、など条件によって手数料はいろいろと変わります。そのため、手続きをする前に必ず確認した方がいいでしょう。

PayPalの他にも、海外送金などに使える便利なオンラインサービスはPayPalの他にもあります。それらも合わせ、下記で詳しく見ていきましょう。

通貨換算手数料(為替手数料)

PayPalで海外送金する際、自分の保有している通貨と異なる通貨で受け取りが行われる場合には手数料が発生します。それが通貨換算手数料です。例えば日本円で送金し、受け取りが米ドルや豪ドルなどの外貨で行われた場合、通貨換算手数料を払わなければなりません。手数料を送金する人が負担する場合には4%、受け取る人が負担する場合には3%が一律で発生します。

例えば受取人が米ドルで$1000を受け取れるように送金する場合を考えてみましょう。為替レートが1ドル=150円なら、日本円で15万円を準備すればいいことになります。しかし、PayPalの場合はここに通貨換算手数料がかかってくるので、実際には15万円以上が必要になります。通貨換算手数料が送金人負担であれば+6,000円、受取人負担であれば+4,500円が必要です。なお、通貨換算手数料は個人アカウントとビジネスアカウントのどちらの場合にも発生します。

ちなみに、為替レートは実際のレートではなくPayPalが独自に計算しているレートが適用されます。これにはPayPalのスプレッド(利ざや)分が含まれており、通常の為替レートより高いのが一般的です。PayPal上の通貨換算ツールを使えばその時のレートを知ることはできますが、実際に取引の際に適用されるレートは支払い時にならないと表示されません。

また、クレジットカードやデビットカードでの支払いの場合はカード会社の為替レートを選ぶこともできます。しかし、その場合には正確な為替レートを知るには支払い後にカード利用明細を確認するか、カード会社に問い合わせる必要があります。事前に係る手数料をハッキリと知ることができないので、少し不安に感じる人もいるかもしれませんね。

対して、事前に必要な手数料がすべてわかる送金ツールもあります。例えばオンラインで資金管理のできるWiseが良い例です。Wiseの場合は「ミッドマーケットレート」と呼ばれる、実際の為替レートが適用されます。利ざや分が含まれない、非常に公平なレートを採用しており、オトクに海外送金が可能です。また、手数料に関しても事前にすべて確認することができます。

Wiseの公式ページへ
Wiseの初回ユーザー向けクーポンを配布中:詳細はこちら

送金手数料

PayPalの海外送金手数料は1回あたり499円です。支払い上限額は1回につき100万円までで、金額の大小に関わらず送金手数料499円が請求されます。ちなみに、日本のアカウント間で日本円でお金のやりとりをする場合には手数料は発生しません。

なお、上記の手数料はPayPalの定義する「個人間取引の支払い」の場合です。個人間の支払いとは商品やサービスの購入といった商業取引を行わないお金のやりとりのことを指します。

ビジネスアカウントを利用した商用取引の場合には、商用取引レートが適用されます。

国内取引の場合には、取引レートは3.6%+固定手数料です。固定手数料は通貨ごとに決められており、日本円で受け取る場合は40円です。海外取引の場合には、ここに割合手数料0.5%が追加されます。

決済手数料

ビジネスアカウントの場合、PayPalオンラインカード決済サービスも利用できます。利用には申請及びPayPalによる承認が必要ですが、承認されればECサイトなどでお客様が手軽にカード決済ができ便利です。

国内取引の場合、決済手数料は3.2%+受け取り通貨ごとの固定手数料(日本円は40円)です。海外取引の受け取りの場合は追加で0.5%がかかります。

出金手数料

PayPalで受け取ったお金を日本の銀行口座へ引き出す場合、その金額が5万円未満の場合には出金手数料250円が発生します。5万円を超える場合には手数料はかかりません。なお、最低引き出し金額は251円です。引き出しには通常3営業日かかりますが、利用する金融機関によって異なります。ちなみに、アメリカの銀行口座へ引き出す場合には2.5%の手数料がかかります。

その他のPayPal手数料

他にも、PayPalを利用していると下記のような取引に手数料が発生することがあります。

・クレジットカード及びデビットカードの確認

・記録依頼

一部のユーザーに対し、PayPalはクレジットカード及びデビットカードの登録と確認を実施することがあります。その場合は通貨に応じた手数料が発生しますが、ユーザーがカードの本人確認手続きを完了すれば返金されます。ちなみに日本円の場合は200円です。

また、PayPalはときに何らかの理由でユーザーの支払いを拒否することがあります。ユーザーはその取引に関する情報開示を要求できますが、拒否の理由が根拠のある正当なものである場合には1回につき10シンガポールドルの手数料がかかります。それが「記録依頼」です。

また、ビジネスアカウントの場合には上記に加え、下記の取引に対して手数料を要求されることもあります。

・銀行からの払い戻し

・商用取引の返金

PayPalにお金の引き出しや振替を依頼した際、提供した銀行口座情報や配信情報に誤りがあって送金できずに払い戻しがあった場合、手数料が発生します。金額は1件につき300円です。

また、商品やサービスを購入したお客様に対して返金する際、それ自体には手数料はかかりません。しかし、支払いの際に発生した手数料は返金されないので、その分はマイナスになって返金されます。

他の海外送金方法との比較

PayPalはお金の管理に非常に便利なツールですが、他にもオンラインで海外送金のできるプラットフォームはあります。例えば先に例に出したWiseもその一例です。PayPalについてより詳しく知るためにも、PayPalとWiseの違いについて比べてみましょう。ここでは、日本円をUSドルで受け取ると仮定し、10万円と50万円を送った場合でそれぞれ受取人がいくら受け取ることになるのかを比較していきます。

送金金額PayPalWise
10万円647.96USD(※1)683.97USD
50万円3239.79USD(※1)3,421.71USD

PayPalの場合、独自の為替レートが設定されているため実際の為替レートとは異なります。また、通貨換算手数料を受取人負担にすると合計金額から3%引かれるため、その分受取金額が少なくなってしまっています。

それに対し、前述の通りWiseなら実際に為替レートで取引可能です。また、手数料も安く抑えられているので受取人が実際に受け取る金額がPayPalよりも大きくなっています。

Wiseの公式ページへ

Wiseはひとつのアカウントで40以上の通貨の支払いや出金が可能、国によっては現地の銀行口座情報を取得ができるなど非常に便利な資金通貨サービスです。アカウント保護のため2段階認証を使用するなど安全性も確保されており、世界中で利用されています。ビジネスアカウントも取得できるので、給料の支払いなどにも使用できます。

Wiseの使い方や仕組みについては「Wiseを徹底解説」をご覧ください。

(※1)為替レート1JPY=0.0067USD、通貨換算手数料を受取人が負担した場合。

PayPal手数料を安くするには?

以上見てきたように、PayPalを利用しているとさまざまな場面で手数料が発生することがあります。個人間の日本円でのお金のやりとりであれば無料で利用できますが、海外送金の場合には必ず必要です。PayPalの場合、海外送金は1回の取引ごとに手数料が発生します。そのため、手数料を安く抑えたいなら取引の回数を減らし、代わりに1回に送る金額を多くするといった工夫が必要です。

例えば、日本円からUSドルへ、30万円を一括で送るのと3回に分けて送るのでは下記のように手数料に大きな違いが生まれます。なお、通貨換算手数料は送金人負担とします。

・一括の場合

手数料499円+通貨換算手数料12,000円(30万円×4%)=12,499円

・3回に分ける場合

手数料499円+通貨換算手数料4,000円(10万円×4%)=4,499円×3=13,497円

このように、同じ金額でも一括で送金した方が手数料が少ないことがわかります。留学先や海外駐在中の家族に仕送りをするときなどは、1回でなるべく多額を送る方がオトクです。

また、海外送金にかかる手数料を抑えたいなら他のサービスを利用するのもひとつの手です。既にご紹介したWiseの他にもRevolutといった資金管理サービスもあります。Revolutはアプリ内の送金であれば手数料無料、銀行口座への送金であっても基本的には無料です。支払先の銀行や中継銀行によっては手数料が発生することがありますが、その場合には送金実行前に手数料が知らされます。

Revolut公式サイトへ

このように、オトクに海外送金ができるサービスは他にもありますので、PayPalと併用してみてはいかがでしょうか。

RevolutとWiseの違いについては「WiseとRevolutを徹底比較!」をご覧ください。

まとめ

以上見てきたように、PayPalは海外送金を含むさまざまなサービスに対応しており、非常に便利なツールとなっています。送金だけでなくカード支払いにも対応しているので、オンラインで商品やサービスの売買をする、といったビジネス目的の人には特に使いやすいサービスといえます。

一方、海外送金を考えている場合には他のサービスの方が手数料が安く済むこともあります。それぞれ、長短がありますので、使う目的に応じて最適なものが選べるといいですね。そのためにも、実際に使い始める前にさまざまなサービスを比較検討することをおすすめします。

ソース

  1. 会社情報|PayPal(ペイパル)

  2. 海外送金|個人向け | PayPal JP

  3. PayPalの送金・振込・出金手数料|個人向け|決済サービスならPayPal(ペイパル)

  4. 個人間での送金方法(個人)|サポート| PayPal JP

  5. PayPalビジネスアカウント・プレミアの手数料|決済サービスならPayPal(ペイパル)

  6. 初期費用・月額手数料0円のEC決済 - PayPal(ペイパル)

  7. https://www.paypal.com/businesswallet/currencyConverter/JPY?flow=cmV0dXJuVXJsPS9teWFjY291bnQvbW9uZXkmY2FuY2VsVXJsPS9teWFjY291bnQvbW9uZXk=}

  8. Wise(ワイズ):グローバルなアカウント | 国境のない金融

  9. ミッドマーケットレートでの海外送金・外貨両替 | Wise(ワイズ)

  10. スタンダードプラン料金 | Revolut JP

よくある質問

PayPalの手数料はいくらですか?

利用するサービスによって異なります。例えば海外送金の場合には1回につき送金手数料499円、通貨換算手数料(3~4%)がかかります。

PayPalの手数料を安く抑える方法はありますか?

海外送金にかかる手数料を抑えるなら、取引の回数を減らすことで手数料を抑えられます。

PayPalの決済手数料はいくらですか?

国内取引の場合は3.2%+受け取り通貨ごとの固定手数料(日本円は40円)です。海外取引の受け取りの場合は追加で0.5%がかかります。

PayPalで手数料を支払わずに送金は可能ですか?

国内の個人間取引の送金であれば手数料はかかりません。商品やサービスの購入、海外取引の場合には必ず手数料が発生します。