【2024版最新】 楽天カードの海外利用手数料は?計算方法や注意点などを徹底解説
楽天カードといえばポイントが貯まりやすいカードとして良く知られています。定期的に「ポイント〇倍」などといったキャンペーンも実施しており、お得に使えます。一方、楽天カードを海外で使うときにはどんな特典があるのは知らない人も多いのではないでしょうか。ポイントは同じように貯まるのか、手数料はかかるのか、など気になることはいろいろとあるでしょう。
そこで今回の記事では、楽天カードの海外利用について詳しく解説していきます。海外での利用時にかかる手数料や、利用時に気を付けるポイントなど詳しく見ていくので、これから海外旅行に行く方はぜひ参考にしてみてください。あわせて、海外でお得に決済ができるWiseやRevolutといったカードについてもご紹介していきます。
楽天カードの海外利用にかかる手数料
楽天カードの海外での利用方法としては、キャッシングをしてATMで現金を引き出す方法と、支払いにカードをそのまま利用する外貨決済との2つの方法があります。それぞれの利用方法について、手数料を見ていきましょう。
楽天カードの海外キャッシング
キャッシングとはカードを使ってATMで現金を引き出すことを言います。この際に引き出したお金は借り入れ(=キャッシング)扱いとなり、返済までの期間に応じて利息が発生します。キャッシング自体は国内でも可能ですが、海外ATMでお金を引き出したい場合には海外キャッシングに対応しているカードで取引しなければなりません。楽天カードの場合は事前に付帯申し込みをすることで利用できるようになります。
利息は各金融機関やカード会社によって異なりますが、楽天カードは1年間借りたときの年率を18%に設定しています。具体的に利息がいくらになるかは、下記の計算式を使えば導き出せます。
利息=利用額×実質年率18%÷365×返済にかかった日数×為替レート
例えば香港で3,000香港ドルを引き出し、それを30日後に返済したとしましょう。決済時の為替レートが1香港ドル=18.76円だったとすると、その場合の利息は下記のようになります。
3,000香港ドル×(18%÷365日)×30日×18.76円/香港ドル=832円
そして、海外のATMを利用するときには利用額が1万円以下の場合は110円、1万円を超える場合には220円のATM手数料がかかります。そのため、合計の手数料は1,052円です。
楽天カードの外貨決済時の手数料
外貨決済とは、クレジットカードを使って海外の飲食店や小売店などで支払いすることです。このときには海外事務手数料と為替手数料が発生します。海外事務手数料とは海外での決済時に必要な事務処理にかかる費用をまかなうために支払う手数料のことで、海外で決済するときには必ず発生します。
一方、為替手数料とは外貨両替をするときに発生する手数料です。「1ドルあたり〇円」もしくは「取引金額の〇%」などと金融機関ごとに決められており、ほとんどの場合で為替レート内に組み込まれています。それぞれの手数料について次の段落でさらに詳しく見ていきましょう。
楽天カードの為替レートと海外事務手数料
楽天カードの場合、海外事務手数料はカードのブランドに関わらず2.20%です。2024年3月まではカードのブランドによって異なりましたが、2024年4月に手数料が増額となり、一律になりました。Visa、Mastercard、JCB、American Expressの新旧の手数料はそれぞれ下記の通りです。
ブランド | 2024年3月まで | 2024年4月以降 |
---|---|---|
Visa | 1.63% | 2.20% |
Mastercard | 1.63% | 2.20% |
JCB | 1.60% | 2.20% |
American Express | 2.00% | 2.20% |
例えば楽天カードを使ってアメリカで1,000ドルの買い物をしたとします。その日の決済レートが150円とすると、手数料は下記のように計算できます。
1,000アメリカドル×2.20%×150円=3,300円
約15万円の買い物に対し、手数料は3,300円と少し高めです。これは決済をするたびにかかるものですので、海外事務手数料が低いカードを選ぶことでお得に海外での買い物が楽しめるようになりますよ。
カード別海外利用時の手数料比較
ここでは、海外でクレジットカードを利用した際の手数料について、カード別の手数料や特徴を比較していきます。比較対象はマルイのグループ会社が発行しているエポスカード、JR東日本グループのViewカードです。合わせて、オンラインで複数通貨の保有や両替できるWiseとRevolutのカードも見ていきます。
なお、それぞれ一般カード(スタンダードカード)を利用するとしたときの金額です。また、表に記載されているデータは2024年7月26日8時時点のものです。
カード名 | 海外事務手数料 | 発行手数料 | 年会費 | 特典・ポイント還元率 |
---|---|---|---|---|
楽天カード | 2.20% | 無料 | 無料 |
|
エポスカード | 2.20% | 無料 | 無料 |
|
Viewカード | 1.60%~(※1) | 無料 | 524円 |
|
Wiseデビットカード | 無料~(※2) | 1,200円 | 無料 | なし |
Revolutカード | 無料~(※3) | 無料 | 無料 | なし |
※1…JCBは1.60%、VisaとMasterCardは2.20%。
※2…アカウント内に決済通貨が入っていれば無料、ない場合には両替手数料が発生。
※3…アカウント内に決済通貨が入っていれば無料、ない場合には両替手数料が発生。ただし、平日の取引であれば月75万円までは両替手数料無料。
クレジットカードはそれぞれポイント還元があり、利用した金額に応じてポイントが付与されます。加えて、海外旅行保険が利用できるなど海外旅行時ならではの特典もあります。こういった特典はお得に見えますが、海外での利用時には注意が必要です。海外事務手数料がかかるので、ポイント還元と見比べてみると実はそれほどお得とはいえないのです。
海外での決済をお得に済ませたいなら、WiseやRevolutといった新たなサービスもおすすめです。オンラインで複数通貨の管理ができるサービスで、海外で利用する際の手数料が非常に安く抑えられています。発行できるのはクレジットカードではなくデビットカードですが、海外でもクレジットカードが使える場所であれば同じように使えます。
Wiseの場合はポイント還元などの特典はありませんが、その分海外利用時の手数料が割安です。また、Revolutに関しては有料プランの場合には空港ラウンジが割引価格で利用可能といった特典があります。それぞれの詳細を次の段落で解説していきます。
Wiseデビットカード
Wiseはオンラインで海外送金や外貨両替ができるサービスなどを展開している会社です。対応通貨は40通貨以上、160カ国で利用可能です。デビットカードの発行には1,200円かかりますが、年会費は無料です。
Wiseのデビットカードはアカウント内に決済通貨が入っていれば手数料がかかりません。海外での支払いであってもすでにその国の通貨が自分のアカウントに入っていれば手数料はは無料なのです。決済通貨を持っていない場合には外貨両替が発生するため両替手数料がかかりますが、0.33%~と非常に安く抑えられています。ちなみに、両替手数料は通貨によって変わります。
例えばWiseのデビットカードを使ってアメリカで2,000ドルの支払いをしたとしましょう。この場合の両替手数料は利用額の0.52%、1,603円です。それに対し同じ条件で楽天のクレジットカードを使った場合には6,776円の手数料がかかります。(1ドル=154円)このように、Wiseのデビットカードは海外で利用するときに手数料が安いのが大きな特長です。クレジットカードのようにポイント還元はありませんが、差し引きしてみれば結果的に安く済むことも。
また、海外のATMで現金を引き出すこともできます。1ヶ月あたり30,000円まで無料で引き出すことができるので、旅先で急に現金が必要になったときも安心です。
Revolut カード
RevolutもWiseと同じように、オンラインで外貨の両替や管理ができるサービスです。35種類以上の通貨に対応しており、40近くの国や地域でアカウント開設できます。Revolutにはスタンダード、プレミアム、メタルの3つのプランがあります。スタンダードは月額料金無料、プレミアムは980円、メタルは1,980円です。
どのカードでも海外ATMでの現金引き出しができますが、カードによって無料で引き出せる1ヶ月の上限額が異なります。スタンダードプランは25,000円まで、プレミアムプランは50,000円まで、そしてメタルプランは100,000円までです。
特筆すべきことに、Revolutは平日であれば外貨両替に手数料がかかりません。スタンダードプランの場合には月に75万円までと上限が決められていますが、その範囲内であれば海外での決済時などに両替手数料が不要なのです。ただし、ここでいう「平日」はニューヨーク時間での「平日」です。
また、プレミアムプランとメタルプランの場合には空港ラウンジが割引価格で利用できます。この2つのプランの場合には、飛行機が遅延した際に無料でラウンジ利用ができる特典もあり、旅行時に便利です。
Revolutについてさらに 詳しく知りたい方は、Revolutカードを徹底解説もぜひご参照ください。
海外旅行者に特におすすめの楽天カード
楽天カードにはいろいろと種類があります。それぞれ特典や年会費が異なり、自分の用途や好みに合わせて選ぶことができます。特に、「楽天ANAマイレージクラブカード」と「楽天プレミアムカード」は海外旅行へ行く人に特におすすめのカードです。下記の表では、一般カードと合わせてこの2種のカードを比較しています。
年会費 | 海外旅行保険 | ポイント還元率 | カードブランド | その他特典 | |
---|---|---|---|---|---|
楽天カード | 無料 | 利用付:治療費用200万円 | 1% | Visa、JCB、MasterCard、American Express | |
楽天ANAマイレージクラブカード | 550円 初年度無料 (※1) | 利用付帯:治療費用200万円 | 0.5%~ (※2) | Visa、JCB、MasterCard | ANAマイルが貯まる |
楽天プレミアムカード | 11,000円 | 利用付帯:治療費用300万円 | 1% | Visa、JCB、MasterCard、American Express | 国内外の空港ラウンジが利用できる |
※1…2年目以降は年1回の利用で無料
※2…ANAマイルコースの場合は0.5%、楽天ポイントコースの場合は1%
いずれのカードにも海外旅行保険がついており、海外でケガや病気をした際に活用できます。無保険で病院にかかると高額な医療費がかかってしまうので、万が一のときの備えになって安心ですね。
楽天ANAマイレージクラブカードは楽天カードとANAマイレージクラブカードが融合したカードで、どちらのカードの機能も利用でき便利です。コースが「ANAマイルコース」と「楽天ポイントコース」に分かれていますが、楽天ポイントコースで貯まったポイントもあとからANAマイルに交換できます。
楽天プレミアムカードは年会費が他のカードと比べて高めですが、その分特典がいろいろと充実しています。その中には国内外の空港ラウンジ利用も含まれています。
それぞれのカードについて、詳しい情報は楽天カードの公式サイトをご覧ください。
カードを選ぶときには特典の利用条件にも注目
このように、楽天の各種クレジットカードにはさまざまな特典がついています。特に海外旅行保険は旅行の際には必ずと言っていいほど検討するものですので、クレジットカードの特典で賄えるならありがたいですよね。
ただし、海外旅行保険が適用となるのは出国前にツアーなどの「募集型企画旅行」の料金を楽天カードで支払っている場合のみです。航空券の予約や、現地での決済に使うだけでは保険の対象となりません。他の特典についても利用条件が課されていることがあるので、利用前に楽天の公式ページで確認しましょう。
楽天カードの問い合わせ先
楽天カードではAIチャット及び電話で問い合わせを受け付けています。AIチャットの場合はホームページ上の「お問い合わせ」ページにアクセスすると先頭に「AIチャットで質問する」というボタンが出てくるので、そこをタップしましょう。電話の場合は、問い合わせ内容によって電話番号が変わります。下記の表に一部をピックアップしてまとめているのでそれぞれご確認ください。
紛失などによるカードの停止依頼 | 0120-86-6910 |
紛失などによるカードの停止依頼(海外) | 81-92-474-9256 |
カードが利用できないとき | 0570-02-6910 |
利用残高一括支払い | 0120-30-6910 |
カード付帯保険について | 0120-456-029 |
なお、問い合わせの内容によってはオペレーターによるチャットサポートも受けることが可能です。詳細は楽天の問い合わせページをご確認ください。
クレジットカードを海外利用する際の手数料の注意点
これまで説明してきたように、クレジットカードを海外で利用すると手数料が発生します。手数料の支払いは避けては通れないものですが、なるべくなら安く済ませたいもの。そこで、ここでは利用の際の注意点をいくつかピックアップして解説していきます。
カードを使った日とレート換算日は異なる
海外利用時の手数料がどれくらいになるかは換算レートに大きく左右されます。割の良いレートのときに取引すれば、そうでないときに比べて数百円、数千円得することも。そのため、換算レートにはよくよく注意を払うことをおすすめします。
ただし、注意しなければならないのは適用されるレートは支払いをした日ではなく決済データがカード処理センターに届いた日のものだということ。そのため、決済した時点は換算レートがいくらになるのか、手数料がどれくらいかかるのかはわかりません。決済時には割の良いレートだったのに急な為替変動が起き、実際に引き落としされるときにはかなりの手数料がかかってしまった…というのはありえない話ではありません。
もし、手数料をすぐに確認したい場合にはWiseやRevolutのデビットカードも選択肢に入れてみましょう。どちらもホームページ上で外貨両替時のシミュレーションができ、両替時のレート及び手数料が確認できます。詳細は下記ページをそれぞれご覧ください。
支払い通貨は常に現地通貨を選ぼう!
海外で決済するときには、現地通貨支払いにしましょう。基本的に、海外でクレジットカードを使った際には現地通貨での支払いになりますが、中には日本円での決済ができるお店もあります。日本円での決済の方が手数料を考えなくても済むから安心、と思いきや実は換算レートで損をしてしまうことがあります。
実は、日本円決済の際の換算レートは加盟店が独自に決めていいことになっています。お店が自由に決められるため、実際のレートに手数料を上乗せして請求されてしまうことがあるのです。損なレートでの取引にしないためには、必ず現地通貨支払いを選択するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、楽天カードを海外で利用する際のポイントや注意点についてまとめてきました。楽天カードにはいろいろな種類がありますが、いずれもポイント還元があったり海外旅行保険がついていたりと、さまざまな特典があります。カードによってはマイルを貯められるものもあるので、出張などで頻繁に海外に行く人には特に魅力的なカードといえるでしょう。
一方、海外での利用時には海外事務手数料2.20%が発生します。これは決済のたびにかかるので、買い物や飲食でクレジットカードを多く利用した際には手数料だけで数千円、ときには1万円を超える支払いになってしまうことも。
手数料を抑え、お得に海外での支払いを済ませたいならWiseやRevolutのデビットカードもぜひ検討してみてください。どちらも海外での利用時の手数料を可能な限り安くする工夫がされており、通常はクレジットカードでの支払いより手数料が安く済みます。
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