オーストラリア留学で役立つ!おすすめデビットカード

山口 友紀恵
石井 美南海
Last updated
2024年6月19日

英語圏の中でも、留学先として日本人に人気の高いオーストラリア。日本人だけでなく世界各国から人気があり、2024年1月時点ではなんと約66万人の留学生がオーストラリア国内で学んでいます。この記事を読んでいる人の中にも、オーストラリア留学を予定している人はいるでしょう。

オーストラリアに長期留学することになったら、お金の管理方法のひとつとしてデビットカードの取得をおすすめします。オーストラリアはキャッシュレス化が非常に進んでいる国ですので、デビットカードを持っておくと何かと便利です。

そこで今回の記事では、オーストラリア留学におすすめのデビットカードをご紹介していきます。各プロバイダーの比較だけでなく、WiseRevolutといった新たなオンラインプロバイダーの詳細も合わせてお伝えしていくので、ぜひ参考にしてみてください。

Wiseカードについて詳しく知る

オーストラリア留学中におすすめのデビットカードとは

まずは各金融機関が発行しているデビットカードの手数料を比較していきます。下記は、海外で利用したときの事務手数料やATM手数料など、留学中に特に役立つ情報を表にしたものです。

サービス名発行/年会費海外事務手数料ATM手数料特典
Wise

発行:1200円

年会費:無料

決済通貨保有の場合は無料。それ以外は 0.35%〜の両替手数料が発生(※1)


固定手数料1.5AUD+引き下ろし金額の1.75%(※2)
Revolut

発行:無料

年会費:無料~(※3)

決済通貨保有の場合は無料。限度額を超えた場合は0.5%~の手数料、指定時間外は追加で1%の手数料、が発生(※4)2%(※5)
楽天デビットカード

発行:無料

年会費:無料~(※6)

3.08%記載なしポイント還元率1%(※7)

Sony Wallet


発行:無料

年会費:無料

決済通貨保有の場合は無料。それ以外は1円につき0.9円~(※8)1.79%(※9)最大2%キャッシュバック(※10)
りそなデビットカード

発行:無料

年会費:無料

4.4%利用手数料220円+事務処理手数料4.4%1,000円ごとに5ポイント

各カードを比較していくと、海外事務手数料、ATM手数料に大きな違いがあることがわかります。Wise、Revolut、Sony Walletが比較的安価もしくは無料なのに対し、楽天やりそなのデビットカードの場合は約3~4%の手数料が発生します。

たとえば楽天デビットカード、Sony Wallet、りそなデビットカードを使ってオーストラリアで100AUDの支払いをしたとすると、各カードでかかる費用は下記のようになります。

  • 楽天デビットカード: 3.08AUD(約321円)

  • りそなデビットカード: 4.4AUD(約459円)

  • Sony Wallet: 45円※為替手数料

※1AUD=104.23円(2024年5月18日20時時点の為替相場を参照)

楽天デビットカードとりそなデビットカードの場合は、上記に加え為替手数料も発生します。為替手数料はそのときどきで変化するため、事前にいくらかかるのかを知ることはなかなか難しいです。Sony Walletの場合は海外事務手数料などはかかりませんが、外貨両替を伴う場合は1円につき0.45円の為替手数料がかかります。

これに対し、Wiseであれば自分の口座にオーストラリアドルが入っていれば手数料はかかりません。また、もしオーストラリアドルがない場合でも手数料が一番安くなる通貨の組み合わせを自動で選んで決済してくれます。例えば日本円から100AUDに両替したときにかかる手数料は55円です。

Wiseを発行する

(※1)アカウント内に決済通貨を持っていれば無料。(※2)月2回、350AUDまでなら無料。それを超える場合には表記載の手数料が発生。(※3)スタンダードプランは月額無料、プレミアムプランは月額980円、メタルプランは月額1,980円。(※4)指定時間内であれば両替手数料無料。ただし、スタンダードプランの場合は両替手数料が適用されるのは月に75万円まで。限度額を超えた場合には0.5%の両替手数料が発生。プレミアム、メタルプランは限度額なし。週末には別途週末手数料1%が課される。また、アカウント内に決済通貨を持っていれば無料。(※5)一定の金額まで無料で引き出し可能。プランごとに限度額が決まっており、それを超えたときに2%の手数料が発生。(※6)シルバーデビットカードは2,200円、ゴールドデビットカードは5,500円。(※7)Mastercard、Visaデビットの場合、海外ATMでの通貨引き出しはポイント進呈対象外。(※8)アカウント内に決済通貨を持っていれば無料。両替を伴う支払いの場合は1円につき0.9円~の為替手数料が発生。また、円普通預金口座を開設していない場合には1回につき1.79%の事務処理手数料が発生。(※9)アカウント内に決済通貨を持っていない場合には為替手数料も発生。(※10)国内での支払いに対して発生。

オーストラリアでデビットカードは使える?

冒頭でお伝えした通り、オーストラリアはキャッシュレス化が非常に進んでいます。小規模な飲食店や小売店であっても大抵はカード決済に対応しており、中には現金での決済ができないところもあります。事実、オーストラリア銀行協会がまとめたレポートによれば、2022年末時点での国内の消費者決済における現金利用の割合はわずか13%。早ければ2026年、遅くとも10年以内には完全キャッシュレス社会に移行すると有識者の間では言われているほどです。そのため、デビットカードがあればほとんどの場面で支払いには困りません。

なぜオーストラリア留学にデビットカードがおすすめなの?

オーストラリア留学にデビットカードをおすすめするのには、下記のような理由があります。

日常のほとんどの支払いに利用できる:上述の通り、オーストラリアでは多くのお店でカード決済が可能です。そのため、デビットカードが一枚あれば普段の買い物で困ることはほとんどありません。

現地で現金の引き出しができる:海外ATM対応のカードであれば、現地のATMで現金の引き出しができます。キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、現地で生活していく中で現金が必要な場面に遭遇することもあるでしょう。そんな場面にも、デビットカードがあれば対応可能です。

お金の管理がしやすい:クレジットカードと異なり、デビットカードでは自分の口座に入っているお金しか利用することができません。そのため、使いすぎてしまい返済時に困る…という心配がなく安心し使えますね。また、アプリなどでお金の動きがすぐに確認できるので、支出管理がしやすくなっています。

大金を持っていく必要がない:現地で暮らすとなるとまとまった資金が必要です。日常的な買い物だけでなく、家賃や学費といった大きな金額の支払いも発生するため、一定の金額を準備しておく必要があります。大金を持っていくとなるとセキュリティ面で不安な面があるでしょうが、デビットカードなら現金を持ち歩く必要がないのでその心配がありません。

オーストラリア留学に向けたデビットカードの選び方

いざ、留学に向けてデビットカードを準備するときには各プロバイダーを比較して一番自分にとってメリットのあるものを選ぶようにしましょう。その際、比較対象となるのは各種手数料、およびポイントなどの特典です。この段落では、それを踏まえ各プロバイダーのメリットとデメリットをお伝えしていきます。

もし、何を基準に選ぶか迷う場合には特典よりも手数料に注目することをおすすめします。その方が、結果的に安く利用できることが多いからです。

Wise

Wiseのカードがあれば、日本円だけでなく複数の通貨を保有、送金、決済できます。160カ国以上で利用可能、対応可能な通貨は40種類にも上ります。

Wiseのデビットカードのメリット

上述の通り、Wiseのデビットカードなら多通貨の利用が可能で、その中にはオーストラリアドルも含まれます。オーストラリアドルの場合には現地の銀行情報の取得も可能で、留学前にも銀行口座の準備ができます。

手数料が安めなのもWiseの大きな魅力です。その秘密は両替時の手数料にあります。通常、金融機関などは実際の為替レートに為替手数料を上乗せした独自の為替レートを設定しています。そのため、実際のレートよりも割高なレートで外貨両替を行うことが一般的です。

それに対し、Wiseは為替手数料が含まれない実際の為替レートで外貨取引が可能です。支払いのときも、ATMでの現金引き出しのときも、この為替レートが適用されます。なお、ATMで現金を下ろすときには固定手数料1.5AUDと引き出し金額の1.75%の手数料が発生します。

Wiseカードについて詳しく知る

Wiseのデビットカードのデメリット

ただし、Wiseのデビットカードではポイントを貯めることができません。金融機関などの発行するデビットカードの場合は支払い額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは決済に使えたり商品と引き換えできたりといった特典があります。それらの特典がないことは、Wiseのデメリットのひとつといえます。

また、カードの発行に1,200円がかかります。銀行の場合は口座開設と同時に発行されることが多く、発行手数料が無料のことも多いのでこの点も短所といえるでしょう。

Revolut

Wiseと同じくオンラインのプロバイダーであるRevolutも、多通貨の保有や両替ができます。手数料をなるべく安く抑える仕組みが採用されており、海外で頻繁に利用する人にはメリットが多いといえるでしょう。

Revolutのメリット

Revolutの最大の魅力は何といってもその手数料の安さです。取引時間に気を付ければ両替手数料がかからずに外貨両替ができるので、非常にお得です。デビットカードの発行手数料がかからないところもメリットといえるでしょう。

Revolutのデメリット

一方、海外でATMを利用するときには2%の手数料が発生します。また、Revolutは日本発行のカードではあるものの、「international cards」の取り扱いがあるATMでしか現金引き出しができません。その点は少し不便といえますね。

楽天デビットカード

楽天銀行の発行する楽天デビットカードは、国内国外問わずさまざまなところで利用できて便利です。特に、楽天グループのサービスを頻繁に利用する人には良い選択肢になるでしょう。

楽天デビットカードのメリット

楽天デビットカードはポイント還元率が高く、1円の利用で1ポイント貯まります。ほかの楽天サービスを利用して得たポイントをデビットカードでの支払いに充てることもできるため、楽天市場などでよく買い物する人には魅力的でしょう。

楽天デビットカードのデメリット

一方、海外事務手数料が3.08%なのはオーストラリア留学へ行くことを考えたら大きなデメリットです。決済のたびに3.08%がかかるので、毎日積み重ねていくとやがて少なくない出費になります。

Sony Wallet

外貨預金口座と連携して外貨決済ができるSony Walletは、海外での利用に何かと便利です。

Sony Walletのメリット

Sony Walletは外貨預金に決済通貨が入っていれば、海外事務手数料が無料です。オーストラリアドルを口座内に保有していれば、オーストラリア留学中の支払いに手数料はかからないので大きな節約ができます。

Sony Walletのデメリット

海外事務手数料はかからなくても、ATM手数料は発生します。利用のたびに1.79%がかかるので、現金引き出しを頻繁に行う場合には大きなデメリットになるかもしれません。

りそなデビットカード

りそな銀行のデビットカードは、Visaカードの使えるお店ならどこでも利用可能です。そのため、国内外で広く利用できます。

りそなデビットカードのメリット

りそなデビットカードを利用すると、1,000円ごとに5ポイントが貯まります。利用額に応じてさらに付与されるチャンスもあり、利用機会が多いほど特典を享受できます。

りそなデビットカードのデメリット

一方で、他のプロバイダーと比べると海外利用時の手数料は4.4%と高めです。留学へ行くことを考えると、この手数料の高さは大きなデメリットとなるでしょう。

オーストラリアのATMでデビットカードを使って出金する方法

海外でATMを利用するときには、まずは対応しているATMを探さないといけません。見分け方は、画面上やATMの機械に自分のデビットカードのブランドの名前もしくは「Plus」という表記があるかどうかです。

無事対応しているATMを見つけたら、カードを差し込んで取引を開始します。暗証番号が求められるので入力し、次に「Withdrawal/Withdraw(引き出し)」をタップします。その際、引き出し口座を聞かれるので「Saving(預金口座)」を選びましょう。そして金額を入力すれば手続き完了です。

デビットカードとクレジットカードの違いとは

デビットカードは銀行口座に直接紐づいており、支払いを行うとその銀行口座からお金が即座に引き落とされます。そのため、口座に入っている分のお金しか利用することができません。

それに対し、クレジットカードは支払いをしてもすぐにはお金は引き落とされません。月末などあらかじめられた締日に、その月の分の支払いをまとめて行います。そのため、自分が持っている以上のお金を使ってしまうリスクがあります。

デビットカードのメリットとデメリット

なにかと便利なデビットカードですが、その利用にはデメリットもあります。長短それぞれ確認し、利用に備えましょう。

メリットデメリット

✅ 多額の現金を持ち歩く必要がない

✅ 使いすぎる心配がない

✅ 支払い、現金引き出しに使える

✅ 多通貨の保有ができるカードもある

❌ 口座にある分しか使えない

❌ 手数料が高額のところもある

留学中にデビットカードで支払いをするときに知っておくべきこと

デビットカードにはVisaやMastercardといった国際ブランドがついていることが多いので、オーストラリアでもほとんどの場所で使えます。その際、お得に使いたい場合にはなるべく支払い時に「現地通貨」で支払うようにしましょう。

海外で決済する場合、支払いの通貨を「自国通貨」か「現地通貨」を選べることがあります。自国通貨にした場合には日本円で支払うことになりますが、そうすると外貨両替をしなければならないため手数料が発生します。無駄な出費を減らすためには、可能な限り「現地通貨」で支払うことをおすすめします。

オーストラリアで学費を支払うには

大学へ進学したり、留学エージェントを通さずに語学学校を手配したりした場合には自分で学費の支払いをすることになります。その際には、国内の銀行からの振り込みや国外の銀行からの送金、あるいはカードでの支払いが一般的です。カードの場合はクレジットカード払い、デビットカード払いが選べます。

Wiseなら学費の支払いもできる!

ちなみに、Wiseも学費の支払いに使えます。銀行などの金融機関を使った海外送金よりも手数料が安く抑えられているので、大きな額の支払いをするときには特におすすめです。

Wiseの手数料が安いのには、その送金システムに秘密があります。Wiseは各国に自社の銀行口座を持っており、それを活用して海外送金を行っています。例えば日本からオーストラリアへの送金を例にとって説明しましょう。

まずユーザーからは日本のWiseの銀行口座に対してお金が送金されます。それを受けて、Wiseはオーストラリアの自社の銀行口座に指示を出し、オーストラリアの銀行口座から送金先の銀行口座へとお金を振り込みます。つまり実質的には「日本の銀行からオーストラリアの銀行へ」という海外送金が行われていないため、為替手数料や中継銀行手数料といったさまざまな手数料を省けるのです。

Wiseで学費の支払いをする

留学生におすすめのオーストラリアの銀行

もし、オーストラリア国内で銀行口座を開きたいと思ったら下記の4つの銀行がおすすめです。これらは「Big 4」と呼ばれ、オーストラリア内では最もメジャーな大手銀行です。

・ANZ

・Commonwealth Bank

・Westpac

・National Australia Bank

各銀行間でサービスの内容にはそれほど大きな違いはないので、自身がアクセスしやすいところを選ぶのがおすすめです。なお、口座を開くときには下記の書類・情報を準備して支店に行きましょう。

・身分証明書

・オーストラリアでの住所がわかる書類(公共料金の請求書など)

・オーストラリアの携帯電話番号

・納税者番号

まとめ

今回の記事では、オーストラリア留学におすすめのデビットカードを詳しくご紹介してきました。オーストラリアはキャッシュレス化が非常に進んでいるので、デビットカード1枚持っておけばさまざまな場面で支払いができ便利です。

各プロバイダーのデビットカードには、それぞれメリットとデメリットがあります。いろいろ見比べてみて、自分の使いやすいものを選ぶようにしましょう。手数料の安さを重視するなら、WiseやRevolut、Sony Walletなどのデビットカードもおすすめですよ。

Wise公式サイトへ

ソース

  1. International student numbers by country, by state and territory - Department of Education, Australian Government.

  2. Wiseデビットカード手数料:世界中どこでも決済

  3. ATMからの現金の出金手数料について | Wiseヘルプセンター

  4. Wiseのシンプルな手数料

  5. Revolut|お金のためのオールインワン金融アプリ | Revolut 日本

  6. スタンダードプラン料金 | Revolut 日本

  7. 為替取引手数料 | Revolut 日本

  8. カード決済手数料 | Revolut 日本

  9. 旅行中のATM引き出しと引き出し手数料 | Revolut 日本

  10. 手数料一覧:カード関連手数料|個人のお客さま|楽天銀行

  11. デビットカード 海外での使い方 | 楽天銀行

  12. 楽天銀行デビットカードの特長

  13. Sony Bank WALLET(Visaデビット付きキャッシュカード)

  14. 海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit - ソニー銀行

  15. Sony Bank WALLET の特典

  16. Visaデビットカード|りそな銀行・埼玉りそな銀行

  17. 海外でVisaデビットカードを使う|りそな銀行・埼玉りそな銀行

  18. 為替レート|便利ツールのご案内

  19. Wiseデビットカードでの 決済 にかかる手数料

  20. アカウントに保有していない通貨での支払いについて

  21. Cashless society: Australia's transition 'inevitable', finance expert claims

  22. ミッドマーケットレートでの海外送金・外貨両替 | Wise(ワイズ)

  23. マルチカレンシー口座 | Wise(ワイズ)の外貨口座

  24. ATMの引き出し限度額を教えてください。 | Revolut 日本

  25. 楽天銀行デビットカードの特長

  26. Payment options - University of Wollongong – UOW

  27. 為替レート|便利ツールのご案内

FAQ:オーストラリア留学で役立つ!おすすめデビットカード

オーストラリアでWiseのデビットカードは使える?

オーストラリアはキャッシュレス化が非常に進んでおり、飲食店や小売店などではほとんどの場所でデビットカードによる支払いができます。

オーストラリア留学中の支払いにデビットカードは使える?

VisaやMastercardといった国際ブランドのデビットカードであれば、オーストラリアでも利用できます。

オーストラリア留学の学費の支払いに一番良い方法は?

一番手数料がかからないのは現地での現金払いです。しかし、大金を持っていくことになるため、セキュリティ面で不安がある人もいるでしょう。手数料を安く抑えつつ、安全に支払いを完了したいならWiseなどオンラインプロバイダーを使った海外送金がおすすめです。

オーストラリア到着前に銀行口座は開ける?

Commonwealthなどオーストラリア到着前でも申し込みができる銀行はあります。ただし、その場合も到着後に銀行の店舗を訪れて有効化手続きをしなければなりません。