Citi Bankに代わる!海外送金におすすめのオンライン海外送金サービス5選
Citi Bankはグローバルな取引ができる銀行として国内でも存在感を放っていましたが、2015年にリテール事業を三井住友銀行に売却し日本から撤退しています。現在はSMBC信託銀行の「PRESTIA(プレスティア)」がその跡を継ぎ、外貨取引を行っています。それまでのCiti Bankの口座やキャッシュカードはそのままプレスティアに引き継がれており、統合前と同じように利用できます。また、新たにプレスティアの口座を開くことももちろん可能です。
プレスティアは外貨預金や外貨建て投資信託、海外送金など外貨サービスに特化した銀行です。多様なサービスが利用でき魅力的ですが、実は外貨の取り扱いサービスはプレスティア以外にもあります。そこで今回の記事では、プレスティアに代わってオンラインで利用できる便利な海外送金サービスを5つご紹介します。
プレスティアの代替サービスを検討すべき理由とは
Citi Bankの跡を継ぎ外貨サービスを開始したプレスティアでは、アメリカドルやユーロ、香港ドル、タイバーツなどを含む17通貨の外貨預金が可能です。デビットカード一体型キャッシュカードGLOBAL PASSを使えば預けている外貨をそのまま決済にも使えるので、海外でも使用できます。
多様なサービスを展開するプレスティアですが、実は口座を維持するのに月額2,200円かかります。条件を満たせば無料になりますが、月間平均総取引残高の外貨部分が20万円相当以上、月間平均総取引残高が50万円相当以上、など非常にアクティブに口座を運用していることが求められます。海外送金だけを必要としている人にとっては、なかなか満たしにくい条件かもしれません。
また、海外送金の手数料が高いところもプレスティアのデメリットです。オンラインで送金する場合には3,500円、さらに仲介銀行手数料が発生することもありそれ以上の手数料を支払うこともあります。オンライン海外送金サービスなら手数料が数百円で済むこともあるので、それと比べると割高と言わざるをえないでしょう。
プレスティアのメリット
充実した商品ラインナップがある
店舗に来店して相談ができる
プレスティアのデメリット
口座維持手数料がかかる
海外送金手数料が高い
おすすめオンラインサービス比較表
ここでは、おすすめのオンライン海外送金サービスの特徴を表にまとめています。比較するのは為替レートや送金にかかる日数、またアプリの有無などやカスタマーサポートなど、サービスの使いやすさについてです。
サービス | 為替レート | 送金日数 | その他特徴 |
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Wise | ミッドマーケットレート | 即時~ |
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Revolut | 独自レート ※1 | 即時~ |
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PayPal | 3~4% ※2 | 非公開 |
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Western Union | 独自レート ※1 | 数分~ |
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PayForex | ブルームバーグのTTSレート+0.5~10% | 最短30分~ ※3 |
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Wiseの場合、為替レートにミッドマーケットレート(実際の為替レート)が採用されています。通常、金融機関は手数料込みの独自の為替レートを設定していることが多く実際の為替レートよりも割高であることがほとんどです。Wiseならミッドマーケットレートで取引できるため隠れたコストを払う必要がありません。
また、プレスティアでは現金の預け入れしかできませんがRevolutではカードを使った支払い方法があったりPayForexではコンビニ入金ができたりと、オンラインサービスの場合には銀行口座以外にも複数の選択肢があります。
下記の段落から、各プロバイダーの特徴やメリットとデメリットをさらに詳しく解説していきます。
1. Wise
Wiseは関東財務局に認可を受けているプロバイダーで、オンライン上で複数通貨を保有したり、海外への送金をしたりできるサービスを展開しています。
Wiseの特徴
Wiseではひとつのアカウントで40通貨以上が保有できるマルチカレンシー口座を開設することができます。保有している通貨は海外送金に使うことができ、160ヶ国以上の国へ送ることが可能です。また、海外送金を受け取ることもできます。入金方法は銀行口座からの振込、デビットカードからのチャージに対応しています。
Wiseの特長は外貨両替をしたり、海外送金をしたりする際の為替レートにミッドマーケットレート(実際の為替レート)が採用されていることです。通常は為替レート内に為替手数料が含まれていることが多いので、それがない分お得です。送金にかかる時間は送金先や支払い方法によって変わりますが、半数近くの取引が即時完了します。
デビットカードを発行すれば、アカウント内の資金を支払いに使うこともできるようになります。海外で決済する場合には、現地通貨がアカウント内に入っていればそこから優先的に引き落としされます。その場合には手数料はかかりません。
Wiseのメリット
160カ国以上で使えて、40通貨以上の保有・両替に対応している
海外送金、外貨両替の際はミッドマーケットレートで取引できる
海外送金の45%が20秒以内に完了している
Wiseのデメリット
送金先や通貨によって手数料や送金日数が変わる
現金や小切手の取り扱いはできない
2. Revolut
Revolutもまた、関東財務局の認可を受けるオンラインサービスです。複数通貨の管理や保有だけでなく、貴金属の取引もできます。
Revolutの特徴
Revolutで取引ができる通貨は35種類以上、サービス対象国・エリアは90以上にも上ります。スタンダード、プレミアム、メタルの3つのプランに分かれており、それぞれ月額料金は無料、980円、1,980円です。いずれの場合も海外送金手数料はなしになっていますが、仲介銀行手数料が発生することがあります。また、為替レートはRevolut独自のものが採用されており、その中には為替手数料が含まれます。送金にかかる時間は国や通貨によって変わりますが、取引の際には着金予定日が明示され、それを確認してから取引実行が可能です。
為替市場営業時間内であれば、両替に手数料がかからないのもRevolutの大きな特長です。ニューヨーク時間の金曜日17時~日曜日18時を除く時間帯であれば、海外送金や外貨両替の際の両替手数料がかかりません。無料で両替できる金額はスタンダードプランは月75万円までと決まっていますが、プレミアム、メタルプランは上限なしです。
アカウントに入金するときには銀行振込、デビットカード、クレジットカード、そしてプリペイドカードのいずれかからチャージします。アカウント内の資金はデビットカードを使って支払いに使うことも可能です。リアルカードだけでなく、スマホ内で使えるバーチャルカードの発行もできます。
Revolutのメリット
必要に応じてプランが選べる
規定の営業時間内なら両替手数料無料
Revolutのデメリット
無料プランではサービスに限りがある
海外送金時に仲介銀行手数料、為替手数料が発生することがある
3. PayPal
20年以上の実績を誇り、関東財務局の認可も受けるPayPalでは、自分の資金をアカウント間の送金に使うことが可能です。また、PayPalに対応しているお店では決済にも使えます。
PayPalの特徴
PayPalでは資金の移動はアカウント間のみで行われます。そのため、送金ができるのはPayPalのアカウントを持っている人に対してだけです。日本円での送金であれば手数料無料ですが、外貨両替の場合には送金側が負担する際には4%、受け取り側が負担する際には3%の通貨換算手数料が発生します。
送金だけでなく、他のユーザーに対してアプリやSNSを使い送金リクエストを送ることも可能です。送金リクエストを受け取ったユーザーはリンクからログインして支払いができます。送金にかかる時間はホームページなどでは明示されていませんが、受け取ったお金を引き出すには即時~6営業日かかります。
PayPalはデビットカードやクレジットカードの発行はしていません。ただし、アカウントに自分が既に持っているカードを紐づけて、カードからPayPalアカウントへの入金は可能です。カードのほかには銀行振込での入金にも対応しています。
PayPalのメリット
アカウント間の日本円のやり取りなら手数料無料
対応店舗で支払いに使える
PayPalのデメリット
銀行口座への送金はできない
通貨換算手数料が3~4%かかる
4. Western Union
Western Unionもまた、資金移動業者として関東財務局の認可を受けるオンラインサービスです。200の国にあるWestern Union取り扱い店舗に送金ができます。
Western Unionの特徴
Western Unionの場合、送金の際には銀行への振り込みか取扱店での現金受け取りが選べます。一部の国ではモバイルウォレットでの受け取りも可能で、幅広い受け取り方法を提供しています。なお、アカウントへのチャージ方法はネットバンキングからの入金か、ATM振り込みが可能です。ちなみに、取扱店へ行って現金で支払う方法もあります。
送金にかかる時間は取引の内容によってまちまちですが、取扱店に行って送金を実施した場合には数分で送金が完了します。オンラインで送金した場合には送金番号が発行され、その番号を使って送金状況の追跡が可能です。
送金の際の為替レートには独自のレートが設定されており、その中には為替手数料が含まれます。なお、送金には送金手数料が発生しますがその金額は送金先や金額によって変わります。
ちなみに、Western Unionは送金に特化したサービスでありデビットカードの発行は行っていません。
Western Unionのメリット
銀行振込だけでなく現金でも受け取ることができる
入金がネットバンキング、ATM振り込み、現金でできる
最短数分で送金できる
Western Unionのデメリット
デビットカードの発行はなし
送金先にあらかじめ受け取り方法を聞いておく必要がある
5. PayForex
PayForexも関東財務局に認可を受けるオンライン海外送金サービスです。アカウントを登録したあと、多様な入金方法の中から選んで資金をチャージして利用を始めます。
PayForexの特徴
PayForexの海外送金は40種類以上の通貨を、200以上の国や地域に送ることができます。アカウントへの入金方法が銀行振込だけでなくコンビニ入金やPay-easyを使った入金方法もあり、他のオンラインサービスよりも多様です。また、送金の受け取り方法も銀行口座のみでなく現金受取や宅配送金なども利用できます。
送金にかかる手数料は業界最安水準を謳っており、取引の内容によっては無料で送金できることもあります。ただし、手数料は送金先や通貨によって大きく変わるので取引の前にシミュレーターで確認することをおすすめします。また、為替レートには手数料が含まれているため外貨両替のタイミングで手数料が発生します。
送金にかかる時間も取引の条件によって大きく変わります。現金受取なら最短で30分、銀行送金なら最短で1~2営業日前後が目安です。なお、デビットカードの発行はしていません。
PayForexのメリット
40種類以上の通貨が200以上の国や地域に送れる
入金、送金方法の選択肢が多い
PayForexのデメリット
デビットカードの発行はなし
取引内容によって手数料が大きく変わる
なぜプレスティアよりこれらのオンラインサービスがおすすめなのか
上記でご紹介したオンラインサービスとプレスティアの大きな違いは、月々の口座維持手数料です。Revolutの上位プランを除き、他のプロバイダーでは口座維持手数料は不要なので手数料を安く抑えたい場合には今回ご紹介したようなオンラインプロバイダーがおすすめです。
また、送金にかかる手数料もオンラインサービスの方が安く済む傾向にあります。プレスティアでは取引金額にかかわらず一律3,500円の手数料が発生するのに対し、オンライン海外送金サービスの場合は取引金額に応じて変動します。そのため、少額の送金ではプレスティアよりもコストが抑えられる場合が多いです。
まとめ
今回の記事ではプレスティアに代わるおすすめのオンラインプロバイダー5選をご紹介しました。Citi Bankの跡を継ぎ外貨サービスをいろいろと展開するプレスティアですが、海外送金サービスに関しては他のプロバイダーの方が手数料が安いなどのメリットが多数あります。海外送金を考えている場合には今回ご紹介した5つのオンライン海外送金サービスをぜひ検討してみてください。もちろん、メリットだけでなくデメリットもあるので、自分のニーズと照らし合わせながら選ぶようにしましょう。
ソース
よくある質問
一般的に、銀行での海外送金よりも上記で紹介したようなオンラインプロバイダーを使った海外送金の方が手数料が安く済む傾向にあります。従来かかる送金手数料や、為替手数料が無料だったり格安だったりするためです。それぞれ通貨や送金先によって手数料が変わるので、ホームページにあるシミュレーターを使って比較してみましょう。
上記で紹介したプロバイダーはいずれも関東財務局や金融庁の認可を受けていますので、安全性は確保されているといえるでしょう。加えて、それぞれのプロバイダーは独自にセキュリティ強化ための対策を講じています。例えばWiseはログインに2段階認証を導入しており、パスワードだけでなくテキストやSMSなどを使って認証を行っています。
さまざまなオンラインプロバイダーをご紹介しましたが、それぞれ特長が異なるためどれが一番とは一概には言えません。手数料重視なら外貨両替手数料がかからないRevolutや、ミッドマーケットレートで取引できるWiseがおすすめです。