【2024版最新】ドイツ旅行には現金?カード? お金はどうやって持って行く?
ヨーロッパの中央部に位置し、各国へのアクセスがしやすいドイツ。ケルン大聖堂やノイシュヴァンシュタイン城など国内に観光スポットが多く、またビールやソーセージなどグルメもあって楽しみは目白押しです。実際にこの記事を読んでいる人の中にも、ドイツ旅行を控えている人はいるのではないでしょうか。
いざドイツへの旅行を決めたら、知っておきたいのは現地のマネー事情。カードは使えるのか、現金は持っていた方がいいのか、と気になることはいろいろありますよね。そこで今回の記事では、ドイツ旅行で役立つ4つの支払い方法について、それぞれのメリットやデメリットを解説していきます。WiseやRevolutとドイツ旅行におすすめなサービスもご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
ドイツ旅行、ベストなお金の持って行き方は?
この記事で解説するのは下記の4つの方法です。
・現金
それぞれのメリットデメリット、及びおすすめのサービスもご紹介していきます。
デビットカード
デビットカードとは銀行口座と紐づけられたカードのことで、支払いを行うと同時にその口座からお金が引き落とされる仕組みになっています。通常、デビットカードはその口座のキャッシュカードとしての機能も備えており、その使途は支払いだけに留まりません。
金融機関の中には、口座に外貨を保有しそれをデビットカードの残高として支払いに利用できるところもあります。自分の保有している通貨が導入されている国で決済した場合には、両替手数料がかからないのが一般的です。外貨を持っていない場合でも、Visaなどの国際ブランドのカードであれば通常は支払いできます。ただし、その場合は両替手数料及び事務手数料を支払う必要があります。
おすすめデビットカード:Wise(ワイズ)
デビットカードはさまざまな金融機関で発行可能ですが、その中でもドイツ旅行者に特におすすめなのがWiseのデビットカードです。Wiseは海外送金サービスを展開するプロバイダーで、デビットカードの発行も行っています。利用できる国は160か国以上、対応通貨は40種類以上です。その中にはユーロも含まれており、ユーロの場合は現地の口座情報の取得もできます。
Wiseのデビットカードは、自分の保有している通貨での支払いであれば手数料がかかりません。つまり、自分のアカウント内にユーロが入っていればドイツ国内での支払いに手数料が不要ということです。また、支払いだけでなく現地ATMから現金の引き出しもできます。
Wiseのデビットカード発行にはまずアカウント登録から始めます。ちなみに、アカウント開設料金や月額料金はかかりません。
おすすめデビットカード:Revolut(レボリュート)
Revolutのデビットカードもまた、ドイツ旅行者におすすめです。Revolutではユーロを含む35種類以上の通貨の保有が可能、150以上の国や地域で利用できます。Wiseのデビットカードと同じように現地での支払いや現金引き出しが可能です。
Revolutが特におすすめな理由は、円から外貨への両替時に平日の取引であれば手数料がかからない点です。手数料無料の取引限度額は契約するプランによって変わりますが、タイミングを見計らって両替を行えばお得に外貨が入手できます。ただし、ここでいう「平日」はニューヨーク時間での平日を指します。そのため、取引の際には時差を考慮する必要があります。
Revolutもまた、利用にはアカウント登録が必要です。その際、スタンダード、プレミアム、メタルの3つのプランの中から選んで登録します。プレミアム、メタルは月額料金がかかりますが、スタンダードは無料です。
デビットカードのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・多額の現金を持ち歩く必要がない ・国際ブランドのカードなら使えるところが多い ・保有している外貨をそのまま使える ・現地での現金引き出しも可能 | ・銀行口座の開設が必要 ・マイナー通貨は対応していないことがある ・残高がなくなったら使えない |
トラベルプリペイドカード
プリペイドカードとは、自分があらかじめチャージした金額のみで支払いができるカードのことです。カード自体にお金がチャージできるものと、連携する銀行口座にお金を入れておくものとがあります。仕組み自体はデビットカードに似ていますが、デビットカードの発行には新たに銀行口座開設が必要になることが多いのに対し、プリペイドカードは必ずしもその必要がありません。
その中でも、特に旅行者向けにさまざまなサービスがあるカードのことをトラベルプリペイドカードと呼びます。クレジットカードと違い、使えるのは自分で事前に用意したお金のみですので使いすぎを防げて便利です。また、万が一盗難や紛失に遭った場合も被害がその金額内で済みます。海外旅行用の口座を自分で準備しておけば、日常使いと分けられて便利ですね。
おすすめトラベルプリペイドカード:キャッシュパスポートプラチナ
Mastercardの「キャッシュパスポートプラチナ」では、ユーロを含む9つの外貨保有ができます。カード内に保有している通貨であれば支払いの際に為替手数料が発生しないので、ユーロを持っておけばドイツ旅行時にお得に決済ができます。
カードの発行時にはメインカードだけでなくスペアカードも発行されます。もしもメインカードを失くしてしまったときも、スペアカードがあれば支払いが可能です。また、24時間365日体制でサポートしてくれるカスタマーサービスもあり、海外旅行時の強い味方です。
トラベルプリペイドカードのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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・多額の現金を持ち歩く必要がない ・使いすぎを防げる ・現地での現金引き出しも可能 ・入会金や年会費がかからないことが多い ・1枚のカードに複数の通貨をチャージできる | ・ATM手数料がかかることがある ・マイナー通貨は対応していないことがある ・残高がなくなったら使えない |
現金
もちろん現金での支払いも可能です。郊外ではカードに対応していないお店があることもあるので、少しでも現金は持っておいた方がいいでしょう。また、カードを持っていく場合でも、万が一紛失や盗難がないとは限りません。そのため、カード以外の選択肢も持っておく方がいいかもしれません。
ドイツ旅行で現金は必要?
ヨーロッパ各国はキャッシュレス化が進んでおり、多くの国で現金派よりもカード派の方が優勢を示しています。しかし、ドイツはその時代の流れに逆行するかのように現金を好んで使う人がまだまだ大勢います。ドイツ中央銀行によれば、2021年のPOSレジを介して行われた決済のうちカードによる支払いはわずか29%。また、ドイツ連邦銀行の同年のアンケート調査によれば、回答者のうち69%の人が今後も現金決済を使い続けると答えたそうです。
その状況を踏まえると、中にはキャッシュレス決済に対応していないお店もあるかもしれません。万が一に備え、現金はいくらかあった方がいいでしょう。もし、多額の現金を持ち歩くのが心配な場合には現地ATMで現金引き出しができるカードを持っていき、必要に応じて引き出すのがおすすめです。
ドイツでユーロを手に入れるには?
フランクフルト空港にはドイツ銀行の支店や両替専門店Travelexなどがあります。また、観光客の集まる大きな街には両替所もあるので、現地に着いてからも両替は可能です。ただし、両替所での両替は為替レートや事務手数料が少し高めに設定されていることがあります。急を要する場合以外には、事前に準備していった方が無駄な出費を防げます。
日本でユーロを手に入れるには?
三菱UFJフィナンシャルグループが展開する外貨両替専門店「ワールドカレンシーショップ」では世界中の通貨の取り扱いがあり、ユーロへの両替も可能です。他にも大黒屋などの金券ショップでも外貨両替はできます。場所によって為替レートや事務手数料は異なるので、あらかじめ調べておけば一番お得に両替できる場所が見つかるでしょう。
ユーロの両替に一番最適な場所
ユーロはヨーロッパ圏で広く採用されているため、ヨーロッパを周遊するならドイツ以外でも入手は可能です。もちろん、日本国内で両替していくこともできます。それぞれ為替レートや事務手数料が異なるので、どこがベストと言い切るのはなかなか難しいでしょう。その中から、自分が気軽にアクセスしやすくお得に両替できるところを選ぶのが賢明かもしれません。
現金のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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・現金のみの場面でも安心 ・両替金額=予算なので使えるお金が明確 ・両替できる場所が多い | ・多額の現金を持ち歩く場合には安全面で不安がある ・両替手数料がかかる ・両替に時間がかかることがある |
トラベルクレジットカード
クレジットカードの中には、旅行時にさまざまな特典がつくカードがあり、それをトラベルクレジットカードと呼びます。例えば空港ラウンジが利用できたり、航空券の購入時にポイント還元率が高くなったり、そのサービス内容はさまざまです。トラベルクレジットカードといっても機能は一般的なクレジットカードと変わらないので、もちろん日常的な支払いにも使えます。
例えば、全日本空輸(JAL)や日本航空(ANA)のクレジットカードがその代表例です。これらのカードを持っていると、当該の航空会社のフライトに搭乗することでマイルが貯まります。日々の買い物でマイルが貯まるのはもちろん、ANAカードの場合は航空券の購入時にはポイント還元率が1.5倍になります。
このように、旅行時にお得に使えるトラベルクレジットカードですが、海外で決済するときには手数料がかかるのが一般的です。例えばJALのクレジットカードの場合、海外での決済には2%の事務手数料が発生します。また、適用される為替レートもカード会社が独自のレートを設定しており、実際のレートより割高なことが多いです。
それに対し、先述のWiseのデビットカードなら自分のアカウントにユーロが入っていればユーロ圏内の支払いには手数料がかかりません。自分のアカウントにユーロがない場合も、両替時には実際の為替レートが適用されるため、必要以上に払いすぎる心配がありません。
トラベルクレジットカードのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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・旅行用の特典が多い ・ポイントが貯まる ・国際ブランドなら使える場所が多い | ・使いすぎてしまうことがある ・両替手数料が発生する ・海外事務手数料がかかる |
日本からドイツへ行くときに必要なもの
ドイツを含むヨーロッパの多くはシェンゲン協定加盟国のため、90日以内の観光目的の滞在であれば、日本人はビザ不要で渡航できます。シェンゲン協定は1985年に始まった制度で、ヨーロッパ各国間の往来を簡単にし、自由な移動を促進することを目的に導入されました。シェンゲン協約加盟国間を移動する場合、最初の国で入国審査を済ませたあとはそれ以降は基本的に入国審査を必要としません。
ビザに関する上記の取り決めは2024年3月現在での制度であり、2025年には事前渡航認証制度ETIAS(エティアス)が導入される予定になっています。この制度が施行されたら、ドイツを含むEU諸国に渡航するときには事前に申請を行いETIASを取得しなければなりません。
お金にまつわるドイツ旅行の注意事項
ヨーロッパはスリが多いため、ドイツ旅行時にも注意が必要です。イギリスの旅行保険比較サイトの2023年のレポートによれば、ドイツはスリの被害報告数がヨーロッパの中で第4位となっています。特に、ベルリンやフランクフルトなどの観光客が多い街を歩くときには細心の注意を払いましょう。
ドイツ旅行の1週間の費用は?いくら持って行く?
ヨーロッパは国によって物価が大きく異なります。傾向としては北欧→西欧→南欧→東欧の順番に物価は徐々に安くなっていきます。ドイツは西欧寄りの中央ヨーロッパに位置し、ヨーロッパの中では平均よりもやや高めといったところ。実際、2023年の消費者物価指数調査ではヨーロッパの43の国のうち14位にランクインしています。
そのため、ドイツ旅行ではしっかり計画を立てておかないと知らずに使いすぎてしまった、という事態に陥ることも。下記情報を参考にぜひお金の使い方を考えてみてください。ここでは、1週間のドイツ旅行に必要な大体の経費について、下記ページを参考にまとめています。
参考サイト:Cost of Living in Germany
・食費:約7万円
良心的な価格設定のレストランで食事をする場合、1食あたり約2,100円が相場です。中流程度のレストランで3品のコース料理を頼むとしたら、1人あたりの値段は約5,000円というところ。お酒を飲んだり、カフェに行ったりすればもう少しお金が必要になるので、1日の食費はおおよそ1万円を見積もっておきましょう。1週間なら7万円です。もちろん、ファストフードなどで節約すればもっと安く済ますことも可能です。
・交通費:約8,000円
もし、バスや電車などを頻繁に利用するようなら「Dチケット」と呼ばれる月間パスがお得です。こちらは1か月間、約8,000円で公共交通機関が乗り放題になるチケットです。ただし、通常の片道チケットも約500円とそれほど高いわけではないので、旅行プランによっては月間パスではなく都度買った方がお得なこともあります。旅行プランに合わせて、適切な方を選びましょう。
・観光、アクティビティ代:約2万円
観光スポットとして有名なお城や聖堂は、場所によって入場料はまちまちです。例えばケルン大聖堂は入場自体は約1,000円、塔を上る場合には入場料と合わせて1,700円ほどかかります。一方、ディズニー映画「眠れる森の美女」の城のモデルとなったことで有名なノイスヴァンシュタイン城は入場料は約3,000円です。1日に1か所ずつ有名スポットを巡るとしたら、約2万円の準備があれば足りるのではないでしょうか。
以上を踏まえると、1週間のドイツ旅行には最低でも約10万円はかかってきます。さらに航空券代やホテル代なども考慮すると、合計予算は30万円以上になるのではないでしょうか。
日本からドイツへの航空券代
航空券は購入のタイミングと旅行の時期によって大きく値段が変わります。ゴールデンウイークなどの長期休みには高くなる傾向にあるので、節約したいならこういった大型連休は避けることをおすすめします。試しに航空券検索サイトのスカイスキャナーで東京発ベルリン行きの航空券を調べてみると、一番安いときで約10万円、一番高いときは約15万円です。基本的には早めに予約した方が安いチケットは見つけやすいので、ドイツ旅行を決めたら早めに動きだしましょう。
まとめ
今回の記事では、ドイツ旅行で役立つ4つの決済方法について詳しく解説してきました。ドイツではカードなどのキャッシュレス決済は利用できますが現金もまだまだ存在感があります。場所によってはカードが使えない事態も考えられるので、複数の支払い方法を準備しておくことをおすすめします。
ただし、ドイツを含むヨーロッパはスリが多いことで知られています。多額の現金を持ち歩くのはリスクが高いと言わざるをえません。対策としては、WiseやRevolutのデビットカードのように現地ATMで現金が下ろせるカードを持って行き、必要に応じて引き出すようにするのが賢明かもしれません。
ソース
Cash Still King In Germany, While Its Neighbours Go Cashless
Bayerische Schlösserverwaltung | Neuschwanstein Castle | Tourist information | Admission charges
FAQ:ヨーロッパ旅行のお金はどうやって持って行く?
空港などドイツ国内にも日本円からの両替ができる場所はありますので、必ずしも両替していかなければならないわけではありません。ただし、場所によっては手数料が国内での両替より割高になることもありますので、可能なら事前に調べていきましょう。
VisaやMasrtercardといった国際ブランドのカードであれば、現地ATMで現金引き出しができるものは多いです。例えばWiseのデビットカードなら、自分のアカウントに入っている通貨であれば両替手数料不要で現金引き出しができます。出金額に応じて出金手数料が発生することがありますが、通常の外貨両替よりもお得です。
デビットカードを持っていれば、多額の現金を持ち歩く必要がなく非常に便利です。クレジットカードと違って使えるのは事前に自分が用意した分のみですので、使いすぎも防げます。Wise、もしくはRevolutのデビットカードならユーロ保有が可能で、ドイツ滞在中の決済には両替手数料がかからず利用できるのでおすすめです。
ドイツでは他のヨーロッパ諸国ほどキャッシュレス化が進んではいません。そのため、現金での支払いもまだまだ可能です。