徹底解説!カナダからの海外送金を受け取る方法
カナダにいる家族や友人からお金を送ってもらうとき、最も一般的な方法は銀行を介した海外送金ですよね。自分の日本の銀行口座を指定し、そこに送ってもらう方法です。しかし、銀行以外にもオンライン送金サービスを使った便利な方法もあります。それぞれのサービスで手数料や為替レートは異なるので、同じ金額を受け取るのでも実は必要な手数料が大きく変わります。
今回の記事では、各金融機関や海外送金サービスを使ってカナダからの海外送金を受け取るときの手数料を比較していきます。それぞれの長短や実際に受け取る方法も合わせてご紹介していくので、サービスを選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。
カナダからの海外送金を受け取るときの手数料を比較
まずはそれぞれのサービスの手数料を比較していきます。下記の表は、カナダからの海外送金を受け取るときにかかる手数料をサービスごとにまとめたものです。
サービス名 | 受取手数料 | リフティングチャージ | 中継銀行手数料 | 合計コスト |
---|---|---|---|---|
Wise | 無料~(※1) | 無料 | なし(※2) | 無料~ |
三井住友銀行 | 1,500円 | 送金金額の0.05%(※3) | 発生する可能性あり(※4) | 1,500円~ |
三菱東京UFJ銀行 | 1,500円 | 送金金額の0.05%(※3) | 発生する可能性あり(※4) | 1,500円~ |
ソニー銀行 | 無料 | 無料 | 発生する可能性あり(※5) | 無料~ |
三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の場合は海外送金を受け取るときにも手数料が発生します。一方、Wiseやソニー銀行といったオンラインのみで取引を行うサービスの場合は海外送金の受け取りに手数料は発生しません。
リフティングチャージとは、両替を伴わない海外送金に発生する手数料のことです。例えば送金人がカナダドルを送り、それを日本円に両替せずカナダドルのまま受け取るときに発生します。カナダドルで送ったお金を日本円で受け取る場合には支払う必要はありません。
三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行はどちらも0.05%のリフティングチャージを設定していますので、カナダドルをそのまま受け取りたい場合には手数料が発生します。対して、Wiseとソニー銀行はリフティングチャージを請求していません。ただし、それぞれ対応している通貨には限りがあり、ソニー銀行は全11通貨、Wiseは全40通貨となっています。どちらもカナダドルを含みます。
ちなみに、Wiseの場合はカナダの現地銀行情報を取得することが可能です。現地の口座を使って取引ができるので、海外送金時に発生する各種手数料がかからず利用できるのです。カナダに住んでいなくても銀行口座が持てるので、カナダドルの保有や管理がしやすくなっています。
また、銀行で行うSWIFTを使った海外送金の場合、送金元の銀行から受取先の銀行に届くまでいくつかの銀行を経由することがあります。その場合には各銀行に手数料を支払う必要があり、これを中継銀行手数料と呼びます。
厄介なことに、中継銀行手数料は実際に送金を終えるまでどれくらいかかるのかがわかりません。銀行によっては、想定以上の中継銀行手数料がかかった場合には追加で徴収するところもあります。
海外送金ならWiseがおすすめ
Wiseは海外送金をより安く公平に、そしてシンプルにすることを目標に設立された会社です。2011年の設立以来少しずつそのサービスを全世界に広げ、いまでは160カ国で利用可能、40種類の通貨に対応しています。複数の通貨の保有や送金ができるほか、10の通貨については現地の銀行情報の取得ができ、まるでその国に住んでいる人のように口座の利用ができます。ちなみに、カナダドルも現地の銀行情報の取得が可能です。加えて、カナダドルを含む17の通貨に関してはSWIFTによる送金の受け取りもできます。そして申し込みから上記のサービスを含めてすべてオンラインで完結するため、いつでもどこでも利用でき非常に便利です。
Wiseを使ってカナダからの送金を受け取る方法
Wiseでカナダからの送金を受け取るには下記の3つの方法があります。
口座情報の共有
Wiseアカウントの口座情報を送金人に共有し、取引を行う方法です。送られた資金はWiseアカウントに直接反映されます。この方法は現地の銀行情報の取得ができる通貨で可能です。ちなみに、口座情報の取得はオンライン上で手続きができます。ホーム画面の右端にある「開く」をタップ、続けて「残高」をタップします。すると口座を取得できる通貨が表示されるので、口座を開きたい通貨を選択すれば開設完了です。
支払いをリクエスト
Wise上で繋がっている人であれば、直接相手のアカウントに送金リクエストが送れます。Wise上で繋がりがない、Wiseのアカウントを持っていない人にリクエストを送る場合には支払い用のリンクを作成し、それを共有することでリクエストが送れます。
Wiseデビットカードもしくはメールアドレスを利用
その他、Wiseのデビットカードのカード番号(16桁の番号)を使った受け取り方法や、Wiseに登録したメールアドレスを共有して資金を送ってもらう方法もあります。
銀行を使ってカナダからの送金を受け取るには?
オンラインのサービスではなく、銀行の口座を使って海外送金を受け取ることも可能です。その場合には必要な情報を送金人に伝える必要があります。例えば、三井住友銀行の場合は下記の情報を伝えることで送金人は送金が可能になります。
受取人取引銀行名 | SUMITOMO MITSUI BANKING CORPORATION |
SWIFTコード | SMBCJPJT |
受取人取引支店名、住所 | (例)Tokyo Main Office 1-1-2 MARUNOUCHI CHIYODA-KU TOKYO JAPAN 100-0005 |
受取人口座名義 | (例)Taro Yamada |
受取人店番号-口座番号 | (例)123-4567890 |
受取人住所 | (例)1-1-1, 〇〇cho, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan, 160-0000 |
受取人電話番号 | (例)+81-90-1234-5678(※1) |
(※1)+81は日本の国番号。続けて、最初の0を抜いた電話番号を記載する。
SWIFTコードとは各銀行がそれぞれ独自に持つコードで、世界中の銀行や金融機関を識別するために用いられます。銀行を介した海外送金のやり取りには通常SWIFTコードが必要になるので、自身の銀行のものを確認しておく必要があります。
法人口座でカナダからの送金を受け取るには?
中にはビジネス目的でカナダからの送金受け取りを考えている人もいるでしょう。その場合には銀行の法人口座を使って取引をすることになります。法人口座の場合は個人用口座と異なり、先方に請求書を送付して送金をリクエストするのが一般的です。
請求書を発行するときには、上記で紹介した海外送金の際に必要な銀行の口座情報を正確に記載する必要があります。なお、法人口座の場合は受取人口座名義が個人名ではなく会社の名前になるので、会社名の英語表記を確認しておきましょう。請求書にはそのほか請求金額や取引内容、支払い方法、取引先の名前などが必要です。
法人口座でカナダからの送金を受け取るときに必要な書類
基本的な送金の流れは個人用口座のときと変わりませんが、送金目的や取引の内容に関して詳細を確認できる書類の提出が求められることがあります。マネー・ローンダリングやテロ資金供与防止を目的とした措置で、内容を確認し問題がなければ入金されます。
また、海外からの送金を受け取るにはマイナンバー、法人番号の告知が原則求められます。これらの番号を事前に告知していない場合にはその届出書の提出も必要です。
カナダからの送金を受け取るときにかかる手数料
カナダからの送金を受け取るのにかかる手数料は大きく分けて受取手数料と中継銀行手数料のふたつです。
・受取手数料:海外の金融機関からの送金を受け取るときに発生する手数料で、各金融機関によってその金額は異なります。例えば三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行は受取手数料を1,500円に設定していますが、ソニー銀行は対象通貨であれば無料です。
・中継銀行手数料:SWIFTを使った送金の場合には中継銀行手数料がかかります。中継銀行手数料は間に挟む銀行それぞれに発生しますが、取引前にそのすべてを把握することは難しく、実際に取引を終えるまで手数料がいくらになるか不透明です。また、銀行によって中継銀行手数料を受取額から差し引く場合と、別途支払う場合とで対応が分かれます。例えば三井住友銀行の場合は別途支払いですが、ソニー銀行は受取額からの差し引きになっています。
このように、各サービスによって海外送金を受け取る際の手数料は大きく変わります。利用を始める前に、それぞれよく比較して手数料をなるべく抑えられるサービスを見つけておきましょう。
為替手数料はいくらになる?
通常、各金融機関は独自に為替レートを設定しています。この為替レートは実際の市場の為替レート(=ミッドマーケットレート)に手数料を上乗せして設定されていることがほとんどです。例えばミッドマーケットレートが1CAD=100円のとき、A銀行では為替レートを101円に設定しているとします。実際の為替レートとの差額分1円が為替手数料であり、A銀行の儲けになる仕組みです。
このように、為替手数料は為替レートに組み込まれていることが多いため、一見するとどれくらいかかるのかがわかりづらくなっています。通常、カナダからの海外送金を日本の銀行口座で受け取る際には外貨両替が発生します。その際に適用されるのはこの手数料込みの為替レートですので、最終的な受取金額が思っていたよりも少なくなってしまうことも。各金融機関によってその設定価格は異なるので、損をしないためにはそれぞれの為替レートをよくよく見比べなければなりません。
一方、Wiseの場合はカナダドルを両替せずにそのまま受け取ることができます。そのため、為替手数料の発生はなく送ってもらった金額をそのまま全額受け取れるのです。また、Wiseでは為替レートをミッドマーケットレートに設定しているため、カナダドルから日本円に両替する際にも多くの場合で銀行よりも良いレートで両替可能です。両替時には両替手数料が発生しますが、こちらもなるべく安く済むよう工夫がされています。なお、Wiseの公式ページではWiseで両替をした時のシミュレーションができます。
カナダからの送金を受け取るのにベストな方法
海外送金を受け取る方法として、何が一番いいかは人によって異なります。例えば通いなれた馴染みのある金融機関を使って受け取りたいということであれば、自分がいま口座を保有し頻繁に利用している金融機関を使うのがベストといえるでしょう。一方、手数料をとにかく安くしたいということであれば、手数料が比較的安く、外貨のまま受け取れるオンラインの海外送金サービスを考えるべきといえます。
例えばWiseであれば、カナダドルを含む10の通貨については両替手数料無料で送金受け取りができます。現地にいるかのように送金を受け取れて便利ですね。また、その他の通貨についても他のWiseアカウントからの送金の受け取りなら手数料はかかりません。送られてきた外貨を日本円に両替するときには両替手数料が発生しますが、こちらも極力安くなるように工夫がされています。試しに1,000CADを日本円に両替するときの手数料をシミュレーターで計算してみると、かかる両替手数料はわずか4.88CADです。
カナダからの送金を受け取る前に考えるべきこと
以上を踏まえると、カナダからの送金を受け取るときには下記の点に注目しながら利用するサービスを選ぶべきといえるでしょう。
・為替レート
・各種手数料
手数料が安くても、実は為替レートがかなり割高に設定されていることもあります。「手数料無料!」などと書いてあっても、実は為替手数料でその分を賄っている場合も。そのため、手数料の安さだけを比べるのではなく、為替レートも合わせて比較する必要があるといえるでしょう。
カナダからの海外送金に関する制限
海外送金について、基本的に受け取るときの上限額は設けられていないことが多いです。例えば三井住友銀行とソニー銀行は「受け取り限度額はなし」とホームページ上で明言しています。ただし、3,000万円を超える送金を受け取るときには事後報告が法令によって義務付けられています。日本銀行のホームページで必要書式をダウンロードして、店舗窓口へ提出しなければなりません。
また、受取額に制限はなくても送金額に上限を設けている金融機関は多いです。そのため、まとまった金額を送ってもらいたい場合には複数回に分ける必要があることもあります。
カナダから受け取ったお金は申告すべき?
上述の通り、3,000万円を超える金額を受け取る場合には事後報告が必要です。それ以下の送金の場合には特に申告は必要ありません。ただし、送金の内容によっては納税義務が発生することがあり、その場合には確定申告が必要です。
基本的に、「海外送金だから」という理由で税金が発生することはありません。ただ、その送金の内容が海外で得た所得である場合には納税の義務があります。例えば海外で所有している不動産収入や、海外で展開する事業で得た収入などを受け取った場合です。そのときには確定申告をして定められた額の税を納めましょう。
カナダからの送金にかかる時間
海外送金の場合、送る場合も受け取る場合も完了までには一定の日数を要します。かかる時間は金融機関によってさまざまで、「3~4営業日以上」を目安にしているところもあれば、「1週間以上」かかることもあるとしている銀行もあります。
一方、オンライン送金サービスの場合にはもう少し短い時間で送れることが多いです。例えばWiseで日本円からカナダドルへの両替を伴う送金を行った場合、シミュレーター上では3日以内に着金予定と表示されます。ただし、シミュレーター上の数字はあくまで目安であり実際の取引では着金の日時がずれる可能性があることは頭に入れておくべきでしょう。
カナダへ海外送金するには?
カナダへ送金する際には、下記情報を確認した上で手続きを行います。
・受取人氏名、住所
・金融機関名、支店名、支店住所
・SWIFTコード
・口座番号、国によってはIBANなどの情報
・送金目的
オンラインもしくは店頭での手続きができる銀行が多いですが、いずれの場合も上記の情報は必要です。すべて英文表記にする必要があるため、名前や地名など間違いがないよう丁寧に確認しておきましょう。
なお、海外送金の際にはマイナンバーの告知が必要です。事前に済ませていない場合には必ず、海外送金を行う前に届出書の提出が求められます。
Wiseなどのオンラインサービスを使う場合には、マイナンバーの告知を含めすべてオンラインで手続きが完了します。なお、一般的にはオンラインサービスの方が手数料は安く済む傾向にあります。
まとめ
今回の記事では、カナダからの送金を受け取る際の各金融機関の手数料や具体的な方法について詳しく見てきました。各サービスによって設定されている手数料や為替レートは大きく異なるので、お得に送金を受け取りたい場合にはそれぞれよく比較する必要があります。また、送金にかかる時間についても各サービスによってさまざまです。
受取手数料や為替手数料を安く済ませたい場合には、Wiseなどのオンラインサービスがおすすめです。Wiseの場合はカナダドルの送金受け取りであれば受取手数料、両替手数料はかかりません。また、為替レートにミッドマーケットレートを採用しているため、カナダドルから日本円に両替する際に他の金融機関に比べ非常にお得に取引ができます。
ソース
カナダからの海外送金の受け取りについてよくある質問
利用するサービスによって異なります。例えば大手銀行の場合には数日〜1週間が目安です。一方、Wiseなどのオンラインサービスであれば3日程度で届くこともあります。
利用するサービスによって異なります。例えば三井住友銀行の場合は受け取り手数料として 1,500円を設定しています。一方、Wiseなら他のWiseアカウントからの送金については手数料はかかりません。
3,000万円を超える金額を受け取る場合には法令により事後報告の必要があります。それ未満の金額であれば特に申告は不要です。