ドイツからの海外送金を受け取る方法
ドイツにいる家族や友人からお金を受け取るには、一般的には銀行を通じた海外送金がよく利用されます。日本の銀行口座を指定し、そこに送金してもらう方法です。しかし、最近ではオンラインで海外送金ができるサービスもあって非常に便利です。海外送金は選ぶサービスによって手数料や為替レートが異なるため、同じ金額を受け取り場合でも手数料に大きな差が出ることがあります。
この記事では、ドイツからの海外送金における手数料を各金融機関やオンラインサービスごとに比較していきます。それぞれのメリットとデメリット、具体的な利用方法についても触れていくので、自分に合ったサービス選びの参考にしてみてくださいね。
ドイツからの海外送金を受け取るときの手数料を比較
まずは海外送金にかかる手数料をサービスごとに比較していきます。下記の表は、ドイツからの海外送金を受け取るときにかかる手数料を一覧にしたものです。
サービス名 | 受取手数料 | リフティングチャージ | 中継銀行手数料 | 合計コスト |
---|---|---|---|---|
Wise | 無料~(※1) | 無料 | なし(※2) | 無料~ |
三井住友銀行 | 1,500円 | 送金金額の0.05%(※3) | 発生する可能性あり(※4) | 1,500円~ |
みずほ銀行 | 2,500円 | 送金金額の0.05%(※3) | 発生する可能性あり(※4) | 2,500円~ |
ソニー銀行 | 無料 | 無料 | 発生する可能性あり(※5) | 無料~ |
三井住友銀行、みずほ銀行では海外送金を受け取るときに受取手数料が発生します。一方、Wiseやソニー銀行といったオンラインサービスの場合は海外送金の受取時に手数料は発生しません。
リフティングチャージとは、通貨両替を伴わない海外送金にかかる手数料です。例えば送金人が送ったユーロをそのままユーロで受け取る場合に発生します。ユーロから日本円に両替するならこの手数料はかかりません。
三井住友銀行とみずほ銀行では、リフティングチャージが0.05%かかります。そのため、ドイツから送ってもらったユーロをそのまま保有したい場合には手数料が発生します。一方、Wiseとソニー銀行では対応通貨に関してはリフティングチャージが不要です。対応している通貨数はWiseは40通貨、ソニー銀行は11通貨です。どちらもユーロの取り扱いがあります。
ちなみに、Wiseではユーロなら現地の口座情報を取得し現地にいる人と同じように利用が可能です。現地口座の情報を使って取引ができるので、海外送金時の各種手数料がかからずお得に利用できます。
中継銀行手数料とは、送金元と送金先の銀行の間を仲介する銀行に対して支払う手数料です。銀行で行うSWIFT送金は、世界中の銀行同士をつなぐネットワークを利用してお金のやりとりを行います。そのため、海外送金が届くまでにいくつかの銀行を間に挟むことがあり、それぞれに対し手数料を払う必要があります。
面倒なことに、中継銀行手数料は事前にいくらかかるか知ることができません。送金が実際に行われてから手数料が明らかになるので、想定以上に発生してしまうこともあります。
海外送金の受け取りならWiseがおすすめ
Wiseは海外送金をより安価で公平、かつシンプルに行えるようにすることを目指して作られた海外送金サービスです。2011年のサービス開始以来、少しずつその範囲を拡大し今では160カ国以上で利用可能となり、40種類の通貨に対応しています。
複数の通貨を保有したり送金したりできるほか、ユーロを含む10の通貨については現地の銀行情報の取得ができます。外貨両替が発生せずにユーロを受け取れて非常にお得です。また、口座情報を使えばSWIFTを挟まないため、中継銀行手数料も節約できます。
Wiseを使ってドイツからの送金を受け取る方法
Wiseでドイツからの送金を受け取るには下記の3つの方法があります。
口座情報の共有
Wiseアカウントの口座情報を送金人に共有することで、送金を受け取る方法です。送金されたお金はWiseアカウントに直接反映されます。この方法は現地の銀行情報が取得できる通貨で利用可能、口座開設の手続き方法はまずホーム画面の右端にある「開く」するところから始めます。その後「残高」をタップ、表示される通貨の中から開設したい通貨を選択すると、口座が開設されます。
支払いをリクエスト
送金人がWiseアカウントを持っており、互いにWise上で繋がっていれば直接相手のアカウントに送金リクエストを送ることもできます。Wise上で繋がりがない人やWiseのアカウントを持っていない人にリクエストを送るときには支払い用のリンクを取得し、それを送ることでリクエストできます。
Wiseデビットカードもしくはメールアドレスを利用
その他、16桁のWiseのデビットカードのカード番号を使った受け取り方法や、Wiseに登録したメールアドレスを共有して送金してもらう方法もあります。
銀行を使ってドイツからの送金を受け取るには?
Wiseのようなオンラインサービスではなく、銀行の口座を使って海外送金を受け取ることももちろん可能です。その場合には銀行情報を送金人に伝えなければなりません。三井住友銀行の場合を例にとると、送金人には下記の情報を伝える必要があります。
受取人取引銀行名 | SUMITOMO MITSUI BANKING CORPORATION |
SWIFTコード | SMBCJPJT |
受取人取引支店名、住所 | (例)Tokyo Main Office 1-1-2 MARUNOUCHI CHIYODA-KU TOKYO JAPAN 100-0005 |
受取人口座名義 | (例)Taro Yamada |
受取人店番号-口座番号 | (例)123-4567890 |
受取人住所 | (例)1-1-1, 〇〇cho, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan, 160-0000 |
受取人電話番号 | (例)+81-90-1234-5678(※1) |
(※1)+81は日本の国番号。続けて、最初の0を抜いた電話番号を記載する。
SWIFTコードとは各銀行がそれぞれ独自に持っているコードです。世界中の銀行や金融機関を識別するために使用されるもので、銀行を介した海外送金のやり取りには通常SWIFTコードが必要です。そのため、自身の銀行のものはあらかじめ確認しておく必要があるといえます。
法人口座でドイツからの送金を受け取るには?
ビジネス目的でドイツからの送金受取を考えている場合には、法人口座を活用することになります。法人口座は個人用口座とは勝手が異なり、先方に請求書を送って送金してもらう方法が一般的です。
請求書を発行する際には、上記で紹介した海外送金の際に必要な銀行情報を正確に記載しなければなりません。ちなみに、法人口座の場合は受取人口座名義が個人名ではなく会社の名前になるので、会社名の英語表記を確認しておく必要があります。請求書には他にも請求金額や取引の内容(具体的なサービス名や商品名など)、支払い方法、取引先の情報などが必要です。
法人口座でドイツからの送金を受け取るときに必要な書類
送金の流れは基本的には個人用口座のときと同じです。ただし、送金目的や取引の内容について詳細を確認できる書類の提出が必要になるときがあります。マネー・ローンダリングやテロ資金供与防止を目的とした措置であり、取引内容に特に問題がなければ入金が行われます。
また、海外からの送金を受け取るにはマイナンバー、法人番号の告知が必要です。これらの番号を事前に告知していない場合にはその届出書の提出も求められます。
ドイツからの送金を受け取るときにかかる手数料
ドイツからの送金を受け取るのには、大きく分けて受取手数料と中継銀行手数料のふたつがかかります。
・受取手数料:海外の金融機関からの送金を受け取ること自体に発生する手数料で、各金融機関によってその金額は異なります。例えば三井住友銀行は1,500円、みずほ銀行は2,500円を課していますが、ソニー銀行は対象通貨であれば無料です。
・中継銀行手数料:SWIFTを使った送金の場合には中継銀行手数料がかかります。中継銀行手数料は仲介する銀行それぞれに発生しますが、上述の通り取引前にそのすべてを把握することは難しです。実際に取引を終えるまで手数料がいくらになるかわからないので、思ったよりもかかること。また、銀行によって中継銀行手数料が受取額から差し引かれる場合と、別途支払う場合とがあります。例えば三井住友銀行は別途支払いを要求しています、ソニー銀行は受取額からの差し引きです。
このように、利用するサービスによって海外送金を受け取る際の手数料やプロセスは大きく変わります。それぞれよく比較し、納得した上で利用開始できるといいですね。
為替手数料はいくらになる?
通常、金融機関はそれぞれ独自の為替レートを設定しています。これらの為替レートには、市場の為替レート(=ミッドマーケットレート)に手数料が上乗せされていることが一般的です。例えば、ミッドマーケットレートが1EUR=100円の場合、A銀行では為替レートを101円に設定することがあります。この差額の1円が為替手数料であり、A銀行の利益となるのです。
このように、為替手数料は為替レートに組み込まれていることが多く、一見するとどれくらいの手数料がかかっているのかがわかりづらい仕組みになっています。通常、ドイツからの送金を日本の銀行口座で受け取るときには外貨両替が発生しますが、その際に適用されるのはこの手数料込みの為替レートです。そのため、気付かないうちに手数料が引かれ、受取金額が少なくなる可能性があります。金融機関によって為替レートの設定は異なるため、損をしないためには各金融機関の為替レートをよく比較することが重要です。
一方、Wiseの場合はユーロを両替せずにそのまま受け取ることができるので、為替手数料が発生しません。また、為替レートをミッドマーケットレートに設定しているため、日本円に両替するときにも隠れた為替手数料に悩まされることはありません。多くの場合、銀行よりも良いレートでの両替が可能です。両替手数料は発生しますが、なるべく少額に抑えられるよう工夫がされています。なお、Wiseの公式ページで両替のシミュレーションができます。
ドイツからの送金を受け取るのにベストな方法
これまで見てきたように、各サービスには手数料やプロセスに違いがあり、長短も異なります。人によって何を求めるかは異なるでしょうから、一概にどれが良いとはなかなか断言するのは難しいです。例えば新しく口座を開くのが面倒ということであれば、いますでに保有している銀行口座を利用して取引をするのがベストといえるでしょう。一方、手数料をとにかく抑えたいという人であれば、外貨のまま受け取れて、かつ手数料が比較的安いオンラインの海外送金サービスを選ぶべきといえます。
例えばWiseなら、ユーロを含む10の通貨では、口座情報を利用して送金を受け取ることができます。口座情報を使って送金を受け取れば、両替手数料がかからずに送金が受け取れ、まるでその国にいるかのように送金を受け取れて非常に便利です、また、その他の通貨に関しても、他のWiseアカウントからの送金であれば受取に手数料はかかりません。送られてきた外貨を日本円に両替するときには両替手数料がかかりますが、こちらもなるべく安く抑えられています。試しにWiseのシミュレーターに1,000ユーロを日本円に両替したときのシミュレーションをしてみると両替手数料は4.58EURと表示されます。
ドイツからの送金を受け取る前に考えるべきこと
以上を踏まえると、ドイツからの送金を受け取るときには下記の2つのポイントに注目して利用するサービスを選ぶべきといえるでしょう。
・為替レート
・各種手数料
手数料自体は安くても、実は為替レートがかなり割高に設定されていることがあります。「手数料無料!」などと書いてあっても、実は為替手数料でその分を賄っている場合もあるので注意が必要です。そのため、手数料の安さだけを比べるのではなく、為替レートも合わせて比較しましょう。
ドイツからの海外送金に関する制限
海外送金の受け取りに関しては、基本的に上限額が設定されていないことが多いです。例えば、三井住友銀行とソニー銀行はホームページ上に「受け取り限度額はなし」とはっきりと書いています。ただし、3,000万円を超える送金を受け取る場合には、法令に基づき事後報告が必要です。この報告には、日本銀行のホームページから必要書式をダウンロードし、店舗窓口に提出する必要があります。
一方で、受け取りに上限がない場合でも、送金額に上限を設定している金融機関は多いです。そのため、大きな金額を送金してもらう場合には、送金を複数回に分ける必要があることもあります。
ドイツから受け取ったお金は申告すべき?
上述の通り、3,000万円を超える金額を受け取る場合には事後報告が必要ですが、それ以下の送金には特に申告は不要です。ただし、送金の内容によっては納税義務が発生し、その場合には確定申告が求められます。
基本的に、「海外送金だから」という理由で税金が発生することはありません。しかし、送金の内容が海外で得た所得である場合には納税義務があります。例えば、海外で所有する不動産の収入や海外で展開する事業からの収入などです。その際には、確定申告を行い、定められた税額を納める必要があります。
ドイツからの送金にかかる時間
海外送金では、送金の完了までに一定の日数がかかります。金融機関によってかかる日数はは異なり、「3~4営業日以上」を目安とするところもあれば、「1週間以上」かかることも。
一方、オンライン送金サービスを利用すると、より短期間で送金が完了することが多いです。例えば、Wiseを使ってユーロの送金を行った場合、シミュレーター上では翌日に着金する予定と表示されます。ただし、シミュレーターの表示はあくまで目安であり、実際の取引では着金日時がずれる可能性があることは念頭に置いておく必要があります。
ドイツへ海外送金するには?
銀行口座を使ってドイツへ送金する際には、下記情報を確認した上で手続きを行います。
・受取人氏名、住所
・金融機関名、支店名、支店住所
・SWIFTコード
・口座番号、国によってはIBANなどの情報
・送金目的
銀行での海外送金手続きは、オンラインまたは店頭で行うことができますが、どちらの場合も必要な情報は同じです。すべて英文表記にする必要があるため、名前や地名などを間違えないように注意深く確認してください。
また、海外送金にはマイナンバーの告知が必要です。事前に告知を済ませていない場合は、送金前に必ず届出書を提出する必要があります。
Wiseなどのオンラインサービスを利用する場合は、マイナンバーの告知も含めてすべてオンラインで手続きが完了します。一般的に、オンラインサービスの方が手数料が安く済む傾向があります。
まとめ
今回の記事では、ドイツからの送金を受け取る際のサービスごとの手数料や具体的な方法について詳しく解説してきました。サービスごとに設定されている手数料や為替レートは大きく異なるため、お得に送金を受け取りたい場合はそれぞれをよく比べる必要があります。また、送金にかかる時間もサービスによってさまざまです。
各種手数料を抑えたい場合は、Wiseなどのオンラインサービスを利用するのがおすすめです。例えばWiseのユーロ口座情報を使った送金の受け取り受取手数料、両替手数料共に無料で取引できます。また、為替レートはミッドマーケットレートを採用しているため、ユーロから日本円に両替する際に他の金融機関よりも非常にお得に取引できます。
ソース
ドイツからの海外送金を受け取る方法についてよくある質問
利用するサービスによって異なります。例えば大手銀行の場合には数日〜1週間が目安です。一方、Wiseなどのオンラインサービスであれば1~2日程度で届くこともあります。
利用するサービスによって異なります。例えばみずほ銀行の場合は受け取り手数料を 2,500円に設定しています。一方、Wiseなら他のWiseアカウントからの送金については手数料は不要です。
3,000万円を超える金額を受け取る場合には法令により事後報告の必要があります。それ未満の金額であれば特に申告は必要ありません。