日本人でも韓国の決済アプリKakao Pay(カカオペイ)は使える?
この記事では日本人でもKakao Pay(カカオペイ)が利用できるのか、Kakao Payでも海外送金が可能なのかどうかなどをわかりやすく解説します。韓国旅行時に使えるデビットカードを発行できたり、韓国への海外送金に使えたりするサービスであるWiseなどのサービスも紹介します。
日本人でもKakao Payを使える?
Kakao Pay(カカオペイ)は韓国で人気のチャットアプリ「カカオトーク」が提供する韓国国内で主に利用可能なオンライン決済・送金サービスです。
Kakao Payのアカウントを持っていれば、日本国内でも利用可能です。「PayPay」の加盟店ではAlipay+(アリペイプラス)のパートナーとなっている各国の決済サービスが利用可能で、Kakao Payも対応サービスに含まれています。したがって、「PayPay」の加盟店のうちAlipay+を申し込んでいる店舗ではKakao Payでの支払いが可能です。
ただ「日本で使える」というのはKakao Payのアカウントを持っていれば使えるという話で、韓国に住んでいない人がKakao Payを使うのは基本的には難しそうです。というのは、韓国の外国人登録証を持っており、また韓国国内の携帯電話番号を保有しており、さらに韓国国内銀行に本人名義の口座を保有していなければアカウント作成ができないからです。いずれも韓国に在住していなければ入手が難しいでしょう。
そもそもアプリのUIや利用ガイドも基本的には韓国語のみです。韓国語がわからないと申し込みどころか利用も難しいので、韓国語が全く読めないというユーザーにはKakao Pay以外のサービスの方が使いやすいかもしれません。
韓国で決済に使うものが何か欲しいという場合はWiseデビットカードがおすすめです。日本の銀行口座からチャージ可能でクレジットカードが利用できるほとんどの場所で利用可能です。韓国ではクレジットカードが利用できるという店舗が非常に多く、QRコード決済がなくともそこまで不便なことはありません。日本在住でWiseのアカウントを持っていれば審査なしで入手可能で、毎月最大3万円まで手数料なしで現地ATMからの現金の引き出しが可能です。
Kakao Payを使って日本から韓国に送金できる?
Kakao Payを使って日本から韓国に送金できるのでしょうか?先述の通り、韓国に住んでいない人がKakao Payを使うのは難しいので、Kakao Payを使って日本から韓国へ送金することもできません。
日本から韓国へ送金にはWiseがおすすめです。Wiseでは、一般的な銀行が海外送金で使っているSWIFTとは全く違う仕組みを利用しています。結果としてWiseは一般的な銀行よりもはるかに安く、そして分かりやすい海外送金サービスを提供しています。ただし、Wiseで韓国ウォン(KRW)からの送金はできません。
Kakao Payとは?
韓国で大人気のチャットアプリのカカオトーク。そのカカオトーク上で利用可能なオンライン決済・送金サービスがKakao Payです。カカオペイ証券を通して投資サービスも提供しており、電気やガスなどの公共料金の支払いも可能でお金に関わる多様なサービスを提供しています。チャットアプリ上で動く決済サービスという意味では、LINE上で動くLINE Payと似たようなサービスといえば日本に住んでいる方々にはわかりやすいかもしれません。
カカオペイ証券の口座はカカオトーク上で作成できますが、住民登録証がないとできないので、外国人は登録できません。カカオペイ証券口座を開設すると、チャージしたカカオペイマネーはカカオペイ証券口座に保管されます。この口座からはカカオペイ証券口座開設前のアカウントと同様に自由に入出金が可能で、送金・決済などのカカオペイサービスを従来と同じように利用することができます。カカオペイ証券の口座を開設していない場合は送金手数料が一定以上の利用で有料となってしまうので、カカオペイ証券の口座を開設できない外国人にとっては若干不便かもしれません。
その他、外国人には一部利用に制限がある機能が存在しています。アプリのUIや利用ガイドも基本的には韓国語のみです。韓国語がわからないと申し込みどころか利用も難しいので、韓国語が全く読めないというユーザーには少し使いにくいかもしれません。
Kakao Payには銀行口座からのチャージが可能で、残高を全国コンビニエンスストアやロッテマートで引き出すことも可能です。ATMからの現金の出金は1件につき1,300ウォンの手数料が発生します。ペイマニーカード(デビットカード)もしくは認証番号を利用して現金を引き出せます。ペイマニーカードの前月利用実績が20万ウォン以上であれば、ペイマニーカードを利用した出金手数料は無料となります。
Kakao Payの登録方法は?
カカオトークのアプリ上で利用開始手続きが可能です。カカオトークに登録している電話番号をまずは韓国の電話番号に変える必要があります。電話番号が韓国以外のままだと、そもそもKakao Payの利用開始手続きをするためのボタンが出てきません。
ただし、アカウント開設には韓国の住民登録証や外国人登録証など韓国で有効な身分証明書が必要です。また韓国国内の携帯電話番号を保有しており、さらに韓国国内銀行に本人名義の口座が必要です。いずれも韓国に在住していなければ入手が難しく、韓国に住まずにアカウント開設するのは難しいと言えるでしょう。
口座開設時には写真撮影して、提出した身分証(外国人登録証など)と本人が一致することを示す必要があるので、写真撮影しやすい落ち着いた環境での登録がおすすめです。
Kakao Payの使い方
Kakao Payの利用方法はLine Payなど日本のQRコード決済と基本的には同じで、店頭にあるQRコードをスキャンしたり、店頭のスキャナーで自身のQRコードを読み取ってもらったりすることで決済可能です。
Kakao Payにはペイマニーカードというデビットカードがあり、このカードを使えばBCカードの韓国国内加盟店での決済が可能です。ただしこのカードは韓国国内でのみ利用可能であり、海外では使えません。海外で利用したい場合はQRコード決済を使う必要があります。
Kakao Payの手数料
決済に関する手数料
Kakao Payでの決済でユーザー側に何か手数料がかかることはありません。店舗側には手数料がかかります。
送金に関する手数料
カカオペイ証券の口座を開設すれば、すべての送金は無料です。カカオペイ証券の口座はカカオトーク上で作成できますが、住民登録証がないとできないので、外国人は登録できません。
カカオPay証券口座を使用していないユーザーは一定以上の利用で送金手数料がかかります。毎月10回まで以下の無料対象となる送金が可能で、10回を超えると1件あたり500ウォンの送金手数料が発生します。
友達送金
コード送金
オープンチャット送金
カカオページ内サービス送金(請求書、投資など)
カカオペイ証券送金
カカオペイに接続された銀行口座等(カカオペイマネーチャージ接続口座 / 資産管理接続口座 / 本人名義のカカオペイ証券口座)への送金
無料送金の回数カウントは毎月1日にリセットされます。障害などで送金に失敗した場合、手数料は差し引かれず、無料送金のカウントにも含まれません。
ペイマニーカードの手数料
Kakao Payにはペイマニーカードというデビットカードがありますが、ペイマニーカードの年会費は無料です。ただしペイマニーカードの再発行には2000ウォンの手数料が必要です。
ペイマニーカードを利用したコンビニATMなどからの現金の出金は1件につき1,300ウォンの手数料が発生します。ペイマニーカードの前月利用実績が20万ウォン以上であれば、ペイマニーカードを利用した出金手数料は無料となります。
海外決済時の手数料
Kakao Payユーザーが日本など海外でQRコード決済を利用した場合、各国の決済代行提携会社が定めた為替レートを適用し、韓国ウォンに換算されて決済されます。この為替レートには為替手数料が上乗せされており、毎回の決済のたびに為替手数料がかかります。為替レートは決済履歴のページから確認することができます。
店舗側にも決済プロバイダーに対する手数料を支払う必要があります。日本ではKakao Payでの決済に対してAlipay+向け決済システム手数料がかかり、消費税別で1.98%となります。
Kakao Payにはデビットカードはある?
Kakao Payにはペイマニーカードというデビットカードがあります。BCカードの韓国国内加盟店で利用可能で、携帯電話の電波が届かない場所でももちろん利用可能です。外国人登録証があれば外国人でもペイマニーカードの作成が可能ですが、逆にいえば韓国に住んでいなければペイマニーカードの作成はできません。ペイマニーカードの年会費は無料です。
韓国で決済に使うものがカードが欲しいという場合はWiseのデビットカードがおすすめです。日本の銀行口座からチャージ可能でクレジットカードが利用できるほとんどの場所で利用可能です。日本在住でWiseのアカウントを持っていれば審査なしで入手可能で、毎月最大3万円まで手数料なしで現地ATMからの現金の引き出しが可能です。
ちなみにペイマニーカードで現地ATMからの現金の引き出しをするには1回あたり1,300ウォンの手数料がかかってしまいます。韓国在住者でも手数料を気にする場合は3万円相当額までATMでの現金引き出しが無料のWiseのデビットカードがおすすめです。また、ペイマニーカードはBCカードの韓国国内加盟店で利用可能なので韓国国内専用カードであり、海外利用ができません。Wiseのデビットカードであれば日本や韓国を含む多くの国や地域でも利用可能です。
Kakao Payのメリットとデメリットは?
Kakao Payのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
韓国で大人気のチャットアプリのカカオトーク上で利用可能なので、カカオトークで友達になった人に簡単に送金できる
電気やガスなどの公共料金の支払いも可能
外国人でもデビットカードが作成可能で、残高を韓国国内のコンビニエンスストアやロッテマートで引き出すこともできる
デメリット
韓国に住んでいないとアカウント開設できない
Kakao PayのUIや利用ガイドは基本的には韓国語のみなので、韓国語が全く読めないと非常に使いにくい
外国人だと一部機能の利用に制限がある
外国人だと証券口座を開設できないので、1ヶ月あたりの無料送金回数に限度がある
海外での決済時にどれだけの手数料が上乗せされるのか事前によくわからない
ペイマニーカード(デビットカード)で現地ATMからの現金の引き出しをするには1回あたり1,300ウォンの手数料がかかってしまう(ペイマニーカードの前月利用実績が20万ウォン以上であれば無料)
Kakao Payの代替となるサービスは?
Kakao Payには韓国に住んでいないとアカウント開設できなかったり、韓国語が全く読めないと非常に使いにくいかったりするデメリットがありますが、日本在住の日本人や日本語話者にとってはどんな代替サービスがあるのか紹介します。
Wise
Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く金融サービス企業です。Wiseでは、一般的な銀行が海外送金で使っているSWIFTとは全く違う仕組みを利用しています。結果としてWiseは一般的な銀行よりもはるかに安く、そして分かりやすい海外送金サービスを提供しており、日本から韓国への海外送金におすすめです。韓国国内の個人だけではなく法人への送金にも対応しています。ちなみに韓国では銀行によっては受取人の携帯電話番号を口座番号として取り扱っていますが、その場合相手の口座番号が分からなくとも電話番号がわかればWiseでもその口座への送金ができます。
ただし、現在のところ韓国ウォンから日本など海外への送金サービスは提供しておらず、韓国国内での送金にも対応していません。また韓国では一定金額(950,000 韓国ウォン)以上の送金はWiseのパートナーであるPayGateが送金を実行します。韓国国内のバーチャル口座への送金はできません。
Wiseでは国を跨いで実際に資金が移動しているわけではありません。送金人が自国にあるWiseの口座にお金を振り込むと、その金額をWiseが受取人の国の口座へと振り込むという仕組みになっています。国を跨いでお金が移動していないとなると国内送金とやっていることはあまり変わらないので、手数料やかかる時間を大幅に抑えることができます。
銀行では送金完了まで送金にかかる日数と手数料が分からないのに対し、Wiseでは送金時にそれらを明示しています。Wiseでは銀行での海外送金にかかる中継銀行手数料やリフティングチャージが発生しません。
また、Wiseではアカウント残高が利用できるデビットカードも提供しています。韓国国内の国際クレジットカードに対応している店舗やオンラインショップであれば、デビットカードを利用すればアカウント残高を使った決済が可能です。このアカウントには日本の銀行口座からも入金できます。また、毎月最大3万円まで手数料なしで現地ATMからの現金の引き出しが可能です。
Revolut
Revolutは英国発の海外送金・外貨両替などがスマートフォンで完結するサービスです。Revolutは銀行ではありませんが、Wiseと同様に各国で金融サービス提供に必要なライセンスを取得しており、世界中で利用可能です。韓国在住者がRevolutのアカウントの作成はできませんが、日本在住者がRevolutのアカウントを作成して、韓国ウォンの送金を実行することは可能です。
Revolutでは他のRevolutユーザーへの送金の他、銀行口座への送金も可能です。Revolut側の送金手数料は無料ですが、送金する際に中継する銀行や受取銀行による手数料が発生する場合があります。また、他の銀行を経由するため、着金までに時間がかかってしまうこともあります。
Revolutにはいくつかのプランが用意されていますが、無料プランでも有料プランでも海外の銀行口座への送金手数料は無料です。両替手数料は無料の「スタンダード」プランの場合でも為替市場営業時間内かつ月750,000円までなら無料です。有料プランである「プレミアム」や「メタル」の場合為替市場営業時間内なら限度額なしで無料となります。
また、Revolutではアカウント残高が利用で
きるデビットカードも提供しています。韓国国内の国際クレジットカードに対応している店舗やオンラインショップであれば、デビットカードを利用すればアカウント残高を使った決済が可能です。このアカウントには日本の銀行口座からも入金できます。
Kakao Payの安全性は?
Kakao Payでは詐欺対策に力を入れています。Kakao Payでは送金時にお金の送り先が詐欺アカウントの可能性がある場合などに「危険」のラベルを表示するとしています。
これは韓国の詐欺被害情報共有サイトの더치트(TheCHEAT)によるデータベースを使ったもので、TheCHEATにある詐欺アカウントの情報と一致するとKakao Payでの送金時に送金先のアカウントについて「危険」だと表示される仕組みになっています。
間違った相手にお金を送ってしまった場合の手続きも比較的明確にされています。オープンチャット送金・コード送金で送金した場合で、お金を受け取った相手と連絡が取れない場合は、カスタマーサポートセンターが対応してくれます。また、相手が送金を受け取るまでは、使用履歴から送金をキャンセルすることができます。
また、Kakao Payのデビットカードにあたるペイマニーカードには一時停止機能がついています。紛失した場合は、アプリ上で一時停止をすればカードはすぐ使えなくなるので安心と言えるでしょう。
まとめ
韓国で大人気のチャットアプリのカカオトークで利用可能なオンライン決済・送金サービスがKakao Payですが、韓国に住んでいないとアカウント開設するのは難しそうです。また、韓国に住んでいたとしても、Kakao PayのUIや利用ガイドは基本的には韓国語のみなので、韓国語が全く読めないというユーザーにはKakao Pay以外のサービスの方が使いやすいかもしれません。そんな場合は、ぜひWiseやRevolutなど日本で日本語でも使える送金サービスの利用を検討してみましょう。
出典
FAQ:Kakao(カカオペイ)の使い方
「Kakao Pay」は韓国でよく使われているチャットアプリ「カカオトーク」が提供する韓国で利用可能なオンライン決済・送金サービスです。Line上で動くLine Payに類似したサービスです。
一部のPayPayでの支払い対応店舗(Alipay+対応店舗)で日本国内でも利用可能です。ただし韓国に住んでいない人がKakao Payのアカウントを開設するのは基本的には難しそうです。
Kakao Payユーザーが日本など韓国国外でQRコード決済を利用した場合、各国の決済代行提携会社が定めた為替レートが適用されます。この為替レートには為替手数料が上乗せされており、毎回の決済のたびに為替手数料がかかります。
韓国に住んでいない人がKakao Payを使うのは基本的には難しそうです。というのは、韓国の外国人登録証を持っており、また韓国国内の携帯電話番号を保有しており、さらに韓国国内銀行に本人名義の口座を保有していなければアカウント作成ができないからです。いずれも韓国に在住していなければ入手が難しいでしょう。
カカオトークのアプリ上で利用開始手続きが可能です。カカオトークに登録している電話番号をまずは韓国の電話番号に変える必要があります。電話番号が韓国以外のままだと、そもそもKakao Payの利用開始手続きをするためのボタンが出てきません。
Kakao Payのアカウント開設には韓国の住民登録証や外国人登録証など韓国で有効な身分証明書が必要です。また韓国国内の携帯電話番号を保有しており、さらに韓国国内銀行に本人名義の口座が必要です。いずれも韓国に在住していなければ入手が難しく、韓国に住まずにアカウント開設するのは難しいと言えるでしょう。
Kakao Payでは詐欺対策に力を入れるなど安全性向上の取り組みもしています。Kakao Payでは送金時にお金の送り先が詐欺アカウントの可能性がある場合などに「危険」のラベルを表示するとしています。Kakao Payのデビットカードにあたるペイマニーカードには一時停止機能がついています。紛失した場合は、アプリ上で一時停止をすればカードはすぐ使えなくなるので安心と言えるでしょう。