円建ての海外送金とは?お得に送金をする方法を解説!
海外送金には円を外貨にして送るだけでなく、日本円を日本円のまま送る「円建て送金」もあります。円→外貨の両替がないので手数料が安く済むかも?と思われがちですが、実は意外な落とし穴が。そこで今回の記事では、円建て海外送金の仕組みや外貨建て送金との違い、送金にかかる手数料について詳しく解説していきます。
合わせて、海外送金がお得にできるWise(ワイズ)についてもご紹介していきます。Wiseとはオンラインで海外送金ができるプロバイダーで、円建ての海外送金も可能です。銀行での海外送金と比べて手数料を抑えられるケースが多いため、この記事ではその違いを比較しながら詳しく解説していきます。
円建ての海外送金とは?
円建て送金とは、海外送金の際に通貨を両替せずに日本円のまま送ることを言います。送金元の銀行は円をそのまま海外の銀行に送金し、受取人は日本円を受け取ります。円建て送金をしたい場合には、受取人の銀行がその受け取りに対応していなければなりません。
外貨建て送金と円建て送金の違いは?
円建て送金が円を送るのに対し、外貨建て送金では外貨を海外の銀行口座に送金します。例えばアメリカの銀行に対してアメリカドルを送る、ということです。この場合は送金人は日本円を外貨に両替して送るか、持っている外貨を送るかを選ぶことができます。
送金パターン | 円建て/外貨建て | 手数料 |
|---|---|---|
日本円から外貨に替えて送金する | 外貨建て | 送金手数料+為替手数料 |
日本円をそのまま送金する | 円建て | 送金手数料+円為替取扱手数料(リフティングチャージ) |
外貨口座から外貨のまま送金する | 外貨建て | 送金手数料+リフティングチャージ |
最も一般的な海外送金の方法は、日本円から外貨に替えて送金する「外貨建て送金」です。
円建ての外国送金には手数料が発生する!?
上記の表にある通り、日本円を外貨にして送る場合には為替手数料がかかります。多くの金融機関では為替手数料を為替レートの中に組み込んでおり、そのため取引金額が大きくなればなるほどかかる為替手数料も増えていきます。
一方、円建て送金の場合はこの為替手数料は不要です。そのため、手数料が安く済むのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、ここに意外な落とし穴があります。両替がいらない分、「円為替取扱手数料」がかかることがあるのです。
三井住友銀行の例(海外からの円建て送金を受け取る場合)
例えば三井住友銀行の例を見てみましょう。個人が海外から「円建て」で送金され、国内の円預金で受け取る場合、三井住友銀行では以下の手数料が必要となります。
被仕向送金手数料: 1,500円
円為替取扱手数料: 送金金額の0.05%(最低2,500円)
「被仕向送金」というのは海外送金を「受け取る」ことを意味します。それに対し、海外送金を「送る」ことは「仕向送金」です。「被仕向送金手数料」とはつまり、海外送金を受け取るときの手数料です。三井住友銀行では1回の被仕向送金に1,500円の手数料が発生します。
円為替取扱手数料は送金金額によって変わります。例えば1,000万円の海外送金を受け取るとしたら、その0.05%=5,000円の支払いが必要です。取引金額が小さくなればもちろんその円為替取扱手数料も少なくなっていきますが、最低2,500円と決められています。したがって、500万円未満の取引では金額に関わらず1回あたり2,500円が発生します。
10万円をアメリカから送ってもらうと想定してみましょう。三井住友銀行の場合、被仕向送金手数料は1,500円、円為替取扱手数料は10万円×0.05%=50円ですが、最低2,500円と決まっています。そのため、1,500円+2,500円=4,000円が手数料として発生し、実際に受け取る金額は9万6,000円となります。
それに対し、海外送金がお得にできるWiseであれば海外からの日本円→日本円の支払いでも円為替取扱手数料がかからず、送金手数料のみで受け取りが可能です。10万円を送る場合には手数料わずか0.33%(329円)、99,671円での受け取りができます。
(2025年11月16日時点)
外貨建てで送金を外貨預金で受け取る場合も手数料が発生する?
では、日本円ではなく外貨を受け取る場合はどうでしょうか。例えば送金人がアメリカドルで送った資金を、日本の銀行でアメリカドルのまま受け取るようなケースです。このときにはリフティングチャージ(同一通貨送金時にかかる手数料)が発生します
「リフティングチャージ」とは海外送金において、ある通貨を両替せずそのまま送金するときにかかる手数料です。上記のようにアメリカドルをアメリカドルのまま送るときなどに発生します。「円為替取扱手数料」とは「リフティングチャージ」の中でも日本円を対象にした取引にかかる手数料のことを指します。
三井住友銀行の例(海外からの外貨建て送金を受け取る場合)
引き続き三井住友銀行を例に見ていきます。個人取引で海外から「外貨建て」で送金され、国内の外貨預金で受け取る場合、三井住友銀行では以下の手数料が必要となります。
被仕向送金手数料: 1,500円
リフティングチャージ: 送金金額の0.05%(最低2,500円、または25 USD相当額)
外貨を受け取る場合も、送金金額の0.05%がリフティングチャージとしてかかります。
例えばアメリカから1000 USDを送ってもらい、それアメリカドルで受け取る場合には被仕向送金手数料1,500円とリフティングチャージの最低2,500円の合計4,000円が手数料として発生します。受取金額から差し引かれるので、1000 USDから4,000円(約26ドル)が差し引かれ974 USDが受取金額になります。
💡 Wise(ワイズ)ならリフティングチャージが不要
一方、リフティングチャージを払わずに同一通貨の海外送金ができるサービスもあります。例えばWiseが良い例です。Wiseとはオンラインで複数通貨の保有や両替、管理ができる国際送金サービスで、海外送金にも対応しています。海外送金にかかる手数料は0.73 %~と、他の金融機関と比べると非常に安く抑えられています。
Wiseのアカウントを持っている人同士であれば円→円や外貨→外貨の取引もリフティングチャージが不要で、上記に挙げた送金手数料のみで取引ができます。加えて、Wise上ではアメリカドルやユーロを含む8の通貨について現地の口座情報を取得することが可能です。つまり、アメリカやヨーロッパの現地にある銀行口座が開けるということです。
この機能を使えば、その国にある銀行の口座同士で資金のやり取りができます。SWIFT送金を使う場合には中継銀行手数料がかかることがありますが、この方法なら国内送金と同じように送金ができるため、海外送金に係る種々の手数料をカットできます100万円以上の高額送金にも対応しています。取引にかかる手数料は事前に確認できるため、「思ったよりも手数料がかかった」という事態になってしまう心配がありません。
円建て送金を受け取る際の手数料一覧
ここでは、日本の3大メガバンクとオンライン銀行2社の円建て海外送金受け取りにかかる手数料を比較していきます。基本的に、手数料に含まれるのは「被仕向送金手数料」と「円為替取扱手数料(リフティングチャージ)」の2つです。それぞれの銀行について、その手数料の合計を見ていきましょう。
銀行名 | 手数料内訳 | 手数料合計 |
|---|---|---|
被仕向送金手数料 + 円為替取扱手数料 | 1,500円 + 送金額の0.05%(最低2,500円) | |
被仕向送金手数料 + 円為替取扱手数料 | 送金額3,000円未満: 被仕向送金手数料=送金金額の半分 円為替取扱手数料=無料 | |
送金額3,000円以上~8,000円未満: 被仕向送金手数料=1,500円 円為替取扱手数料=送金額の半額から1,500円差し引いた額 | ||
送金額8,000円以上: 被仕向送金手数料=1,500円 円為替取扱手数料=送金金額の0.05%(最低2,500円) | ||
被仕向送金手数料 + 円為替取扱手数料(※1) | 2,500円 + 送金額の0.05%(最低2,500円) | |
被仕向送金手数料 | 2,450円(一律) | |
ソニー銀行 | なし | 3,000円 |
(2025年11月6日時点)(※1)手数料依頼人負担の場合、国内から非居住者円建て被仕向送金の場合、国内からの外貨建て被仕向送金を送金人と同一名義の外貨預金口座に入金する場合、みずほ銀行国内本支店からの外貨建て被仕向送金の場合は無料
銀行によって、円建て送金受け取りにかかる手数料には幅があります。三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行は円為替取扱手数料を最低2,500円に設定しているので、少額の取引の場合は手数料の割合が大きくなり損をしてしまうかもしれません。
それに対しオンライン銀行の楽天銀行とソニー銀行は手数料が安く済む傾向にあります。特にソニー銀行は被仕向送金手数料も円為替取扱手数料もかからず利用できるのでお得です。
外貨建て送金と外貨受け取りの手数料
続いて、「外貨建て送金」を外貨のまま受け取るときの各銀行の手数料を見ていきます。円建て送金を受け取るときと同様、「被仕向送金手数料」と「リフティングチャージ」がかかります。
銀行名 | 手数料名 | 金額 |
|---|---|---|
三井住友銀行 | 被仕向送金手数料 + リフティングチャージ | 1,500円 + 送金額の0.05%(最低2,500円または25 USD) |
三菱UFJ銀行 | 被仕向送金手数料 + リフティングチャージ | 無料(※1) |
みずほ銀行 | 被仕向送金手数料 + リフティングチャージ | 2,500円 + 送金額の0.05%(最低2,500円) |
楽天銀行 | 被仕向送金手数料 | 2,450円(一律)(※1) |
ソニー銀行 | なし | 無料(※1) |
(2025年11月6日時点)(※1)対応している通貨のみ受取可能。
外貨建て送金の受け取りについても、金融機関によってその手数料はまちまちです。三菱UFJ銀行、ソニー銀行については被仕向送金手数料もリフティングチャージもかからず外貨建て送金の受け取りができます。しかし、これは当該銀行で外貨預金口座を開ける通貨のみ受取可能です。対応していない通貨の場合は両替しなければならないので、その際に送金手数料や為替手数料が発生します。プロバイダーによっては想定外に高くなることもあるので注意が必要です。
一方、先に紹介したWiseなら送金通貨の種類に関わらずリフティングチャージはかかりません。いずれの場合も送金手数料はかかりますが、0.73 %~と他の金融機関と比べるとお手頃になっています。送金にかかる手数料についてはホームページのシミュレーターを使って事前に調べることができます。
アメリカドルやユーロを含む8つの通貨については現地の銀行口座情報が取得でき、その口座で送金を受け取ることができます。例えばアメリカドルの口座情報を取得すれば、送られてきたアメリカドルをそのままその口座に保管しておけるということです。
そのほかに海外送金に発生する手数料は?
リフティングチャージ以外にも、海外送金には種々の手数料がかかります。この段落ではそれぞれの手数料について細かく解説していきます。
海外送金手数料
送金をするごとに金融機関に支払う手数料です。同じ金融機関でもオンラインの取引と銀行窓口の取引の場合で手数料が変わることがあります。
為替手数料
円からアメリカドル、円からユーロなど異なる通貨を交換して取引するときに発生する手数料です。多くの場合で、金融機関が独自に定める為替レートに含まれています。
中継銀行手数料
銀行などの金融機関で海外送金する場合、送金された資金は受取人に到着するまでに海外で複数の銀行を経由することがあります。そのときに各銀行に支払う手数料が中継銀行手数料です。中継銀行手数料は取引によって変わるので、事前にいくらかかるかわからないことが一般的です。
それに対し、Wiseの海外送金は複数回の国内送金を活用した独自の送金システムを構築しており中継銀行手数料がかかりません。具体的には、送金人が自分の国にあるWiseの口座にお金を振り込み、それをWiseが確認したら送金先の国にあるWiseの口座から受取人の口座へと振り込まれる、という仕組みになっています。海外送金とは言いつつも、実際の取引の中では国内送金しか行われていないため、中継銀行手数料がかからないのです。
受取銀行手数料
送金された資金を受け取る際、受取人の金融機関で発生する手数料です。通常は受取人の負担であり、送られてきた資金から差し引かれます。
同一通貨の海外送金の注意点
このように、海外送金の際に通貨を両替せずに受け取るときには両替を含む取引とは手数料の仕組みが少し異なります。円建て・外貨建て海外送金の際には、事前に下記のポイントを確認しておきましょう。
円建て受け取り:円為替取扱手数料がかかる
外貨建て受け取り:リフティングチャージがかかる、自分の金融機関がその通貨に対応しているか確認する
まとめ
今回の記事では、円貨建て送金について詳しく見てきました。海外に日本円を送ったり、逆に海外から日本円を送ることは可能ですが、いずれもリフティングチャージ(円為替取扱手数料)がかかります。金融機関によってその金額は異なるため、自分の銀行の手数料がいくらなのか事前に確認しておきましょう。
中にはWise(ワイズ)のように、リフティングチャージ不要で円建ての送金や受け取りができるプロバイダーもあります。お得に海外送金を行いたいなら、ぜひ検討してみてください。
よくある質問
円建てとは、日本円を日本円のまま海外送金することをいいます。例えば日本の銀行から円で送り、海外の銀行で円で受け取るような取引です。外貨建てはそれを日本円以外の通貨で行うことを言います。
円建ての海外送金で発生する手数料はありますか? 円建ての海外送金の場合、ほとんどの金融機関で円為替取扱手数料が発生します。加えて、海外送金手数料と中継銀行手数料がかかります。