Wiseで高額送金はできる?100万円以上の海外送金をする方法や制限について解説

高橋 美穂
石井 美南海
Last updated
2024年11月12日

簡単、格安、スピーディーな海外送金で人気のイギリス発祥の金融サービスWise(ワイズ)。個人はもちろん、法人のクライアントからも信頼も厚いWiseは、2024年に日本において第一種資金移動業者としての認可・登録を取得。これにより、従来の100万円相当額未満の送金制限が撤廃され、一取引あたりに100万円以上最大1億5,000万円までの海外送金が可能になりました。

これにより、Wiseでは銀行並みの高額送金が可能となり、特にビジネスや不動産購入、生前贈与、ストックオプションなどといった機会にも使いやすくなりました。本記事では、Wiseの高額送金の方法や必要書類、入金方法、送金日数、送金限度額などを詳しくご説明します。

Wiseで高額送金を行う💡

本記事の目次:

本記事のポイント:Wiseの高額海外送金

まずは、Wiseの高額の海外送金のポイントを押さえていきましょう。

  • 送金限度額は送金通貨、受け取り通貨、および入金方法によって変動

  • 月間の送金額に応じて、手数料の割引率が増加

  • 高額送金もオンラインやアプリで手続きが完結

  • 日本の金融庁から第一種資金移動業者として正式な認可・登録を取得し、信頼性の高いサービス

Wiseの海外送金とは

Wiseはイギリス発祥の海外送金をメインとする金融テクノロジー企業です。

Wiseの海外送金は透明性の高い手数料と、為替手数料を一切上乗せしないミッドマーケットレートの適用が特徴です。Wise独自の送金システムを構築することで、従来の銀行での海外送金のような着金までの長い日数を大幅に短縮。スピーディーかつ格安な送金手数料を実現しています。

日本で第一種資金移動業者のライセンスを取得したことにより、今までの送金限度額の100万円から、最大1億5,000万円相当額までの海外送金が可能になりました。

なお、送金できる限度額は、送金先の通貨や送金方法によって異なります。例えば、日本から米ドルをACH送金を使って送金する場合の限度額は、1,000,000USD(相当額)までとなります。シミュレーターで送金したい通貨と金額を入力すると、自動で限度額が表示されるので、事前に確認しましょう。

高額送金や受け取りの際には、高額送金チームによるサポートを受けることができるため、事前に問い合わせることも可能です。

Wise高額送金のメリットWise高額送金のデメリット

✅ 送金限度額は最大1億5,000万円相当額まで

✅ 為替手数料のないミッドマーケットレート

✅ 高額送金に対する手数料割引の適用

✅ 安全かつスピーディーな送金

✅ エキスパートによる寄り添ったお客様サポート

❌送金金額や通貨によって手数料が変動

❌本人確認に追加の書類の提出が必要

❌ 1億5,000万円相当額の限度額の送金機能の入金方法は銀行振込またはデビットカード のみ*(1)

*(1) 日本の住所でWiseに登録している場合

Wiseで海外送金を行う🚀

Wiseの高額送金は安全?

はい、Wiseの高額送金は安全性が高く、各国の規制を遵守しており、安心して利用することができます。

Wiseの日本法人であるワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社は、日本の関東財務局より第一種・第二種資金移動業者(第00040号)として認可・登録を受けています。

「資金移動業」と言われてもよく分からないという方も多いかもしれません。「資金移動業」とは、銀行以外の業者が為替取引を業として行う者を指します。

資金移動業者として登録を受けるには、さまざまな要件を満たす必要があることに加え、履行保証金の供託等や利用者の保護を図るための措置などの規制を遵守しなくてはなりません。銀行以外に資金を預けることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。資金決済法では、資金移動業者は、送金途中にあり滞留している資金の同額以上の「履行保証金」を保全することが義務づけられています。履行保証金の保全は、法務局に現金を供託するなどの方法があります。

つまり、万が一、資金移動業者が破産したとしても、履行保証金を元にユーザーに資金を戻すという仕組みが構築されています。この還付手続きは、60日以上の一定の期間内に自分から申し出る必要があります。

Wiseでは、セキュリティ対策も万全です。

専門の詐欺防止部門をはじめ、二段階認証を導入。独立したセキュリティ監査人による定期的なテストを実施し、最新のサイバー攻撃を把握しながら、常に異常がないかを監視しています。

Wiseで高額な海外送金をする方法

日本在住者の方がWiseで送金手続きを行うには、まずは無料の会員登録が必要です。本人確認が済んだら、基本的には次の7ステップでWiseウェブサイトまたはアプリから送金することができます。

送金手続きの前に、銀行に送金資金を入金する送金上限額を確認しておくとスムーズです。銀行のなかには、インターネットバンキングで振込みできる上限額が設けられていることがあり、送金金額によっては直接窓口での手続きが必要な場合があります。

Wiseでの高額送金送金手続きの作成方法(ウェブサイトの場合)

  1. ホーム画面から「送金する」を選択する

  2. 銀行振込からの入金を選択する

  3. 受取人情報を正しく入力する

  4. 必要書類をアップロードする

  5. 送金内容を確認する

  6. 入金元の口座に関する質問に回答する

  7. Wiseの銀行口座へ資金を入金する

送金額によっては、資金源を証明する書類の提出が必要です。必要書類も事前に用意しておきましょう。具体的な必要書類については、この後詳しくご説明します。

Wise公式サイトへ🚀

海外高額送金に必要な書類

Wiseで高額の送金を行う際、送金額によっては資金源の確認が求められることがあります。その際、追加書類の提出が必要な場合もあります。

あらかじめ必要な書類を準備しておくことで、追加書類が必要になった場合でも手続きをスムーズに進めることが可能です。提出書類としては、以下のものが必要です。

銀行取引明細書

資金源の証明を求められた場合には、下記情報が載っている銀行取引明細書が必要です。

  1. 送金人名と口座番号

  2. 送金人口座への入金履歴

  3. 送金人の口座からの出金履歴(Wiseへの入金取引)

  4. (該当する場合)その他の口座間での入出金履歴

その他書類

資金源によっては、銀行取引明細書以外にも追加で下記の書類を求められる場合があります。

送金目的必要書類の例
不動産売買
  1. 不動産の住所

  2. 不動産の説明

  3. 所有権の取得日


(書類例)売買契約書、決済明細書等

相続
  1. 遺言状の作成者の名前と署名

  2. 送金人との関係


(書類例)検認証明書、遺言等

給与
  1. 送金人の役職と年収

  2. 雇用主の名前と住所

  3. 雇用日

  4. 給与の支払日


(書類例)雇用契約書、3カ月分の給与明細等

投資
  1. 投資額

  2. 投資日

  3. 投資の種類


(書類例)証明書、取引明細等

ローン
  1. ローンの目的

  2. 借入額

  3. 貸し手の名前と住所

  1. ローンの受取日


(書類例)証明書、取引明細等

上記のいずれにも当てはまらない場合は、どのような書類が必要になるかWiseまでお問い合わせください。

Wiseに高額送金の相談をする📱

Wiseの高額送金の手数料

Wiseの海外送金は、送金金額が大きくなるほど変動手数料が安くなります。

送金額は英ポンド(GBP)で計算されます。月間20,000 GBP(英ポンド)相当額以上を送金すると、この金額を超えた分の手数料が安くなります。

送金額(英ポンド・一カ月あたり)Wise割引率(%)
0~20,000割引なし
20,000~300,0000.1%
300,000~500,0000.15%
500,000~1,000,0000.16%
1,000,000超0.17%

高額送金の手数料割引の仕組み

高額送金の手数料割引の仕組みを具体的な金額を用いて説明していきましょう。

例えば、11月中に日本円から合計41,000 GBP(相当額)を3回に分けて海外送金するとします。

1回目の20,000 GBPの送金には、通常の手数料として0.33%がかかります。この送金は20,000 GBP以下のため、手数料割引は適用されません。

2回目の20,000 GBPの送金には手数料割引(0.1%)が適用され、手数料率は0.23%に下がります。

3回目の1,000 GBPの送金にも、手数料割引(0.1%)が適用され、手数料率は0.23%です。

同月内の送金回数が増えることで、2回目以降の送金は手数料が安くなります。

仮に、41,000 GBPを一度に送金する場合でも、分割で送金した場合とほぼ同じ手数料がかかるため、送金回数による手数料の差はありません。

つまり、40,500 GBPを3回に分けて送金する場合の合計手数料は以下の通りです。

1回目:20,000 GBP × 0.33% = 66 GBP

2回目:20,000 GBP × 0.23% = 46 GBP

3回目:1,000 GBP × 0.23% = 2.3 GBP

合計手数料 = 114.3 GBP

※手数料割引は、送金完了(受取人側に着金した時点)までは送金額としてカウントされないのでご注意ください。※この例は、実際の数値とは異なる場合があります。シミュレーターで事前に手数料の確認が可能です。

Wiseの送金をシュミレーションする🔍

高額送金の為替レート

Wiseの海外送金は、為替手数料が一切上乗せされていない「ミッドマーケットレート」が大きな特徴です。

ミッドマーケットレートとは、金融機関が為替取引を行う際に基準となる為替レートを指し、市場仲値とも呼ばれます。Wiseは外国為替市場における売値と買値の中間であるミッドマーケットレートが、唯一の公平な為替レートだと考えています。

銀行をはじめとするあらゆる海外送金サービスでは、手数料を含んだ為替レートが両替に適用されることがほとんどで、この手数料が隠れコストとしてユーザーの負担となってしまいます。

Wiseの高額送金にもミッドマーケットレートが適用されます。そのため、ユーザーは為替手数料で損をすることはありません。必要な手数料は送金手数料のみで、かかる送金手数料は事前にシミュレーターで確認してから手続きを進めることができます。

Wiseには送金限度額が設けられています。上限額は、送金通貨や受け取り通貨、入金方法などによって変わります。ここでは、主要通貨の限度額をご紹介します。

通貨Wiseの送金限度額(相当額)
米ドル(USD)
  • ACH送金の場合:1,000,000 USDまで/回

  • USD残高から入金する場合:6,000,000 USDまで/回(国内電信送金)

  • SWIFT国際送金の場合まで:1,600,000 USD/回

英ポンド(GBP)1,000,000 GBPまで/回 
ユーロ(EUR)6,000,000 EURまで/回
カナダ・ドル(CAD)
  • 銀行振込の場合:限度額なし(受取人の銀行へのCADの送金)

  • Interacの場合:最大25,000 CADまで(メールアドレス宛)

日本円(JPY)

<日本国内の住所でWiseの会員登録をしている場合>

  • 最大1憶5,000万円まで

  • Wise残高から送金する場合:最大100万円まで


<海外の住所でWiseの会員登録をしている場合>

  • (銀行振込、Wise残高からの送金問わず)最大1憶5,000万円まで

  • SWIFT送金の場合:最低送金額は100万円以上

(2024年11月6日現在)

上記の表の通り、Wiseの送金上限額は入金方法によって異なる場合があります。

例えばWiseの登録住所が日本国内の場合、Wise残高からは100万円以内しか送金することができません。100万円以上の送金の場合には銀行振込またはデビットカードでの入金にて送金することができます。

あらかじめ、希望する入金方法で送金できる上限額を確認しておくと良いでしょう。

関連記事を読む:Wiseの送金限度額を解説

Wiseの高額送金にはどのくらい日数がかかる?

Wiseの海外送金はスピーディーな送金が特徴ですが、高額送金の場合は急ぎの送金に対応することができません。これは金融機関としての規制の遵守のほか、送金内容の照会や追加情報が必要となることがあるためです。

Wiseで100万円(相当額)以上の高額送金を行う場合には、「第一種送金」として処理が行われます。第一種送金を処理する際には入金確認をもって、送金に要する時間や日数の見積りが通知されます。そのため、できる限り早く入金手続きを進めることで、スムーズな送金が可能になります。

万が一、見積りよりも長く送金手続きに遅れが発生した場合には資金移動業の規制である利用者保護を目的として、送金資金の返還が規制により定められています。

再度、Wiseで同じ内容の送金手続きを行う場合には、前回よりも長い時間や日数で見積りが提示されます。

Wiseの高額送金の入金(支払い)方法

日本国内の住所でWiseに登録している場合、高額送金の入金には以下の2つの方法があります。

  • 銀行振込

  • デビットカード

銀行では、1回もしくは1日に送金できる上限額が設定されていることがあります。インターネットバンキングと窓口での手続きでも上限額が異なる場合があるため、事前に手続きする銀行に確認しておくと良いでしょう。

なお、クレジットカードは日本では未対応となっています。

Wiseの高額送金のカスタマーサポート

高額送金を行う際には、なにかと不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

Wiseには、高額送金専門を扱うカスタマーサポートの体制を整えています。

日本語での問い合わせは現在、メールでの受付のみとなっていますが、英語での受け答えが可能な方は折り返しの電話をリクエストすることが可能です。

Wiseに高額送金の相談をする📱

高額送金をスムーズに進めるための3つのポイント

Wiseの海外送金はシンプルで分かりやすい手続きですが、これまでご説明してきたように高額送金の場合は追加の手続きが必要になります。手続きをスムーズに進めるために押さえておきたいポイントを3つお伝えします。

銀行に送金上限額を確認または窓口で振込手続きする

Wiseへ送金資金を銀行振込で入金する際の注意点として、銀行が一回に振り込める上限額を設けていることがあります。特に、インターネットバンキングでは窓口で手続きするよりも上限額が低い傾向があります。

送金上限額が低い場合には数回に分けて振り込むこととなり、入金に時間を要するだけでなく、良いレートを逃してしまう可能性もあります。事前に銀行に送金上限額を確認の上、計画的に振込み手続きができるようにしておきましょう。

先に本人確認を完了しておく

Wiseでは海外送金を行う際、本人確認手続きが必須となっています。

本人確認には、有効な身分証明書および住所確認が必要になります。有効な身分証明書はWiseで居住国によって異なります。

本人確認を完了するには約2営業日程度かかるため、スムーズに送金を進めるためにあらかじめ本人確認を完了しておくことがおすすめです。

共同名義口座の証明書類を提出する

共同名義口座からWise口座へ入金する際に、口座名義人の一人であることを証明する書類の提出が必要になります。送金前にこれを提出することで、送金手続きを迅速に進めることができます。

Wiseアカウントの名義が銀行口座名義と一致しており、口座番号が送金手続きと同じであることを証明することで、送金が円滑に進めることが可能です。

Wiseの高額送金専門チームから直接お問い合わせができます。

Wiseの高額送金専門窓口に問い合わせる📞

まとめ:Wiseの高額の海外送金

今回は、Wiseの高額送金について解説しました。

Wiseは各国の規制を遵守しながら、銀行と同等の安全が担保されており、安心して高額送金の手続きを処理することができます。

Wiseを利用する最も大きなメリットは、為替手数料が一切かからないミッドマーケットレートでの両替と言えます。銀行では為替レートに手数料が含まれているため、送金金額が大きくなればなるほど、手数料負担が増えてしまいます。

ビジネスや不動産売買、相続、投資など海外との高額取引の機会がある方は、一度Wiseの高額送金のカスタマーサポートにご相談されてみてはいかがでしょうか?

Wiseで海外送金を行う🚀
関連記事を読む:海外送金の限度額を解説

Wiseの高額送金についてよくある質問

Wiseには送金限度額はありますか?

Wiseには送金限度額が設けられています。上限額は、送金通貨や受け取り通貨、入金方法などによって変わります。詳しくは、「送金限度額について」をご覧ください。

Wiseで送金できる上限額はいくらですか?

Wiseで送金できる上限額は送金通貨や受け取り通貨、入金方法などによって異なります。例えば、日本の住所でWiseの会員登録をしている方は、銀行振込やカードで入金する場合は最大1億5,000万円(相当額)まで送金できます。Wise残高から送金する場合は、100万円(相当額)が上限額となります。詳しくは、「送金限度額について」をご覧ください。

Wiseの海外送金上限額を上げる方法はありますか?

Wiseで上限額以上の海外送金をする場合は、複数回に分けて送金するか、もしくはWiseの高額送金専門チームまでお問い合わせください。