【法人向け】海外送金手数料を徹底比較!一番お得なのは?おすすめサービスもご紹介
海外取引のある法人や個人事業主にとって、欠かすことのできない海外送金。しかし、銀行での海外送金手続きは煩雑かつ手数料も決して安くはありません。今回は法人向けに海外送金にかかる各種手数料を徹底比較します。手数料には分かりやすい形で明示されているもののほかに、レートに隠された隠れコストにも要注意。少しでもコスト削減したい、という方のために、Wiseなど代替手段となるおすすめの海外送金サービスもご紹介します。
法人の海外送金にかかる手数料を比較
海外送金と一口に言っても、利用する銀行や海外送金サービスによって手数料は大幅に異なります。ここでは、日本からアメリカの銀行口座宛に2,000ドル届くように送金すると仮定して、法人海外送金手数料を含む日本円の入金額を比較していきます。なお、手数料は送金人負担としています。
銀行・サービス | 法人海外送金手数料 (中継手数料を含む) | 為替レート | 日本円入金額 |
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三菱UFJ銀行 | 3,000円(他行向けネットバンキング) 7,500円(店頭)*(3) | 147.97円 | 295,940円 + 中継銀行手数料 (ネットバンキングの利用と仮定。中継銀行手数料は非公表のため試算不可) |
三井住友銀行 | 7,000円*(1) | 148.63円 | 304,260円 |
みずほ銀行 | 6,500円*(2) | 150.13円 | 306,760円 |
楽天銀行 | 2,000円 | 150.08円 | 302,160円 |
Wise(ワイズ) | 2,036円 | 147.61円 | 295,220円 |
PayPal(ペイパル) | 合計取引金額の2.00% *(4) | 153.84円 | 313,833円 |
上記の表で日本円入金額を比較してみると、最も手数料が安いのはWise、高いのはPayPalという結果になりました。銀行だけで比較すると、
三菱UFJ銀行では、中継銀行手数料がウェブサイトで公表されていないため、試算には含まれておりません。そのため、さらに手数料が追加されることが予想されます。それを踏まえると、銀行のなかで一番安いのは楽天銀行と言えるかもしれません。
ただし銀行4行では別途、受取人が受取りの際に徴収される受取り手数料がかかることに注意しなければなりません。
為替レートで比較してみても、同じく最も安いレートはWise、PayPalという結果でした。Wiseでは、為替手数料は一切かからず、常にリアルなミッドマーケットレートが適用されます。手数料も格安で為替手数料もかからないため、手数料をコストダウンを図ることが可能です。
このように、銀行でかかる中継銀行手数料や受取り手数料は送金全体にかかるコストを圧迫してしまいます。サービスを選ぶ際には、手数料はもちろん、為替レートも比較しつつ選ぶことが重要と言えます。
【銀行以外】法人におすすめの海外送金サービス
銀行がSWIFTシステムを使い続ける理由は、大口決済にも利用できる高い信頼性や安全性にあります。銀行が遵守すべき、さまざまな規制に配慮しながら高いコンプライアンスや安全性は大きな決済額を動かす金融機関には欠かすことができません。
SWIFT送金は素晴らしい金融システムではあるものの、先述したように手数料が高額になりがちだというデメリットがあります。近年では、海外送金を専門に扱うサービスやオンライン決済サービスが銀行に代わって台頭してきています。このようなサービスを利用することによって、安全かつスピーディーな海外送金が可能になります。
ここでは、法人におすすめな海外送金サービスを2つご紹介します。
Wise法人アカウント
Wiseには個人アカウント以外にも、個人事業主や企業が利用できる法人アカウントも提供しています。
Wiseは2011年にイギリスで創業した金融テクノロジー企業です。海外送金に特化したサービスを提供しており、従来のSWIFT送金システムを利用しない画期的な独自の送金システムを構築しています。例えば、日本からアメリカへ米ドルを送金するとします。Wiseの海外送金システムでは、送金人がWiseの日本の銀行口座へ資金を送金→入金確認後、Wiseのアメリカの銀行口座からアメリカの受取人の銀行口座へ送金する、という2段階の国内送金を組み合わせることにより、海外送金を実現しています。実際にはお金が国をまたいでいないため、格安な手数料で利用ができるという仕組みになっています。
Wise法人アカウントでは個人アカウントと同様に、格安な海外送金はもちろん、マルチカレンシー口座では海外の現地口座情報をオンラインで簡単に取得でき、外貨の売上金や報酬の受取り口座として使用できます。マルチカレンシー口座では外貨を外貨のまま受け取ることができるため、好きなタイミングで両替でき、外貨両替手数料のコストダウンが可能です。
個人アカウントと法人アカウントの大きな違いは、外部会計ソフトとのAPI連携により一つのアカウントで一括管理が可能です。さらに、一括送金機能では最大1,000人までワンクリックで支払うことができます。個人アカウントで利用できる海外送金やマルチカレンシー口座の機能はそのままに、ビジネスでもWiseを便利に利用することができます。
Wise法人アカウントのメリット | Wise法人アカウントのデメリット |
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✅月額料金は無料 ✅10通貨の現地口座情報の取得 ✅会計ソフトとのAPI連携でワークフローを自動化 ✅一括送金ツールで最大1,000件までの支払いが可能 ✅Wise法人デビットカード・チームメンバー用カードの発行 | ❌信託会社、財団、慈善団体、非営利団体(NPO)は登録不可 ❌初回の口座情報取得には手数料3,000円が発生 ❌送金上限額および保有できる金額上限は100万円相当まで(日本アカウント) |
PayPalビジネスアカウント
PayPalは世界で4億以上のユーザーを誇るオンライン決済サービスですが、ビジネスアカウントも提供しています。世界で3,000万以上の企業がビジネスアカウントを利用しており、DMM.comや任天堂、全日本空輸など日本の大企業でも導入されています。
PayPalビジネスアカウントの大きな特徴は、中小企業および大企業のいずれにも使いやすいキャッシュフローシステムが整っていることです。
海外送金においては、海外に向けた20を超える多通貨で、200以上の国や地域への送金が可能。法人であればアカウントに紐づけたクレジットカードで煩雑な手間なく、簡単に送金することができます。
PayPalビジネスアカウントのメリット | PayPalビジネスアカウントのデメリット |
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✅アカウント開設費・初期設定費用・月額料金・銀行口座への引き出し無料 *(1) ✅ペイアウトで96か国、24種類通貨で国内外への一括送金が可能 ✅登録クレジットカードやアカウント残高などからサプライヤーや請負業者に簡単支払い | ❌海外送金では銀行口座への直接送金不可(アカウント間のみ) ❌銀行口座への引出しには最短3営業日かかる |
法人の海外送金に気をつけるべき3つのポイント
ここまで銀行や海外送金サービスで、海外送金においてかかる手数料を解説してきました。海外とのお金のやり取りが多いビジネスにおいては、可能な限り手数料を抑えてコストダウンしたいもの。法人の海外送金手続きでは、次の3つのポイントに気をつけてサービスを選ぶようにすると良いでしょう。
為替レート
冒頭の為替レート比較でも、各銀行や海外送金サービスで設定されている為替レートは大幅に異なることが分かりました。例に挙げた銀行や海外送金サービス以外でも、為替レートには為替手数料が含まれた独自レートが適用されていることがほとんどです。
具体的な送金額で比較してみると分かりやすいでしょう。
例えば、1,000ドルをアメリカに送金する場合、為替手数料が1円/ドルだとします。これだけで1,000円を為替手数料として払うことになります。送金額が大きくなるほどこの為替手数料は膨れ上がるため、少しでも為替レートがお得なサービスを利用するに越したことはありません。
受取人の受取り金額
銀行で海外送金をする場合、「受取り手数料」がかかります。多くの銀行では原則、「受取人負担」とされることが多く、この受取り手数料は送金資金から差し引かれてしまいます。そのため、受取金額が想定していたよりも少ない、ということが発生します。
銀行によっては、受取り手数料を依頼人(送金人)負担として手続きできることもありますが、それでも別途手数料が徴収されてしまうケースが見られます。例えば三井住友銀行では下記のような注意書きがあります。
“手数料を依頼人負担とした場合でも、受取人に対して、口座入金時に別途手数料が請求される場合があります。” (引用:外国関係手数料のご案内 2024年5月 株式会社 三井住友銀行)
中継銀行手数料や受取り手数料が発生しない海外送金サービスのWiseであれば、受取り金額を設定した上で、決められた金額を間違いなく送金することが可能です。Wiseではシミュレーターで受取額を入力すれば、送金に必要な手数料や日数を確認した上で、送金手続きに進むことができます。
送金上限額
銀行や海外送金サービスでは、一回あたり、もしくは月ごとに送金できる上限額が設けられています。例えば、三菱UFJ銀行の法人契約での海外送金(テレビ窓口)では一回あたりの送金上限額は500万円相当額以下と定められています。
対して、Wiseでは日本において「第一種資金移動業者(関東財務局長第00040号)」として登録・認可を受けており、最大1億5000万円(相当額)までの送金が可能になりました。ただし、この送金上限額はWiseアカウントの居住国が日本の住所で登録されている方にのみ適用になります。詳しくは、「日本にお住まいのお客様の多額の送金について」をご確認ください。
法人の海外送金の必要書類
法人が海外送金手続きを行う場合には、一般的には次の書類が必要になります。
通帳
届け印
本人確認書類
取引の詳細を確認できる資料
受取人の方の英文情報
銀行名、支店名、お受取人の方の口座名義・口座番号・SWIFT/BICコード・受取人の方の正確な住所(アルファベット表記)など
金融機関では法令に基づき、海外送金を利用したマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策といった犯罪防止のためにこれらの書類の提出が求められます。上記の書類に限らず、追加でさらなる書類を求められることもあるため、時間に余裕を持って手続きするようにしましょう。
法人の海外送金方法
法人の海外送金方法は、個人が海外送金する際と大きな差はありません。銀行と海外送金サービスそれぞれでの海外送金方法を見ていきましょう。
海外送金サービスの場合
ここでは、Wise法人アカウントでの海外送金方法をご紹介します。Wiseでは送金前に会員登録および法人の本人確認の手続きが必要です。
Wise法人アカウントに登録する
法人に関する情報を提供する
本人確認を行う
送金手続きを作成して入金する
通常、本人確認手続きには10営業日程度かかるため、日数に余裕をもって手続きを進めましょう。詳細は、Wise(ワイズ)口座開設方法!も併せてご覧ください。
銀行の場合
ここでは、楽天銀行の法人ビジネス口座での手続きを例に送金方法をご紹介します。通常、銀行での海外送金手続きは窓口よりもネットバンキングの方が手数料も安く、手続きもより簡易になります。なお、ネットバンキングでの海外送金の場合、事前に法人ビジネス口座および海外送金サービスへの申込みが必要になります。
法人ビジネス口座へログイン
受取人情報登録
送金作成・依頼
送金内容の確認(審査)
送金実行
まとめ:法人の海外送金手数料を比較して、コストダウンを図ろう
ますますグローバル化が進むなか、海外への送金機会が増えている企業も多いのではないでしょうか?海外送金の場合は、国内と比べて手数料だけでかなりのコストになってしまいます。
送金手数料以外にも、各銀行や海外送金サービスで設定されている為替レート、不透明な中継銀行手数料など、銀行での手続きには不透明な手数料が多く隠されています。
今回比較した中で最も手数料や為替レートがお得だったWiseでは、このような不透明な手数料はなく、受取り手数料もかかりません。受取側に送金したい金額を安く、スピーディーに送金することが可能です。企業では使い慣れている銀行で海外送金をする機会が多いかもしれませんが、これを機に、海外送金に利用するサービスを見直してみるのはいかがでしょうか?
出典: