ニュージーランドでの銀行口座開設方法をわかりやすく解説!
この記事では、ニュージーランドで銀行口座を開くときの手順について解説します。必要な書類、手数料などをわかりやすく解説するので、ニュージーランドでの銀行口座開設を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
この記事では銀行口座だけではなくニュージーランド・ドルの管理に便利なWiseやRevolutといった新しい金融サービスも紹介します。Wiseであればニュージーランドへの渡航前に現地の口座情報が手に入り、渡航後すぐに資金の受け取りが可能です。
ニュージーランドで銀行口座を開設する際に必要となる書類
ニュージーランドで新たに銀行口座を開くときにはどんな書類が必要でしょうか?銀行や口座開設者の置かれた状況によって異なりますが、最大手のニュージーランド銀行では以下の書類が必要と公式ホームページに記述があります。
身分を証明する書類(旅券など)
住所を証明する書類
住所を証明する書類とは、ニュージーランドの運転免許証や水道などの公共料金請求書を指します。書類海外からニュージーランドに来たばかりで、ニュージーランドでの現住所を証明する書類がない場合、宿泊施設からの一時的な滞在を証明するレターを使用することもできます。現在日本に住んでおり、ニュージーランドに移住する場合、日本の金融機関から発行される現住所が記載されたステートメントや海外の運転免許証を使用することができます。ニュージーランド銀行で認められる住所証明はかなり幅広く、移民や非居住者に対して比較的寛容といえます。
必要書類は銀行や口座開設者の状況によって異なります。口座開設を検討している銀行のウェブサイトをきちんと確認してオンラインもしくは銀行窓口での口座開設手続きを始めましょう。
面倒な事務処理を省くには?新たなオンラインサービスが便利!
ニュージーランドに着いてすぐの場合は忙しくて銀行口座開設書類の準備は難しいという人もいるかもしれません。しかし、ニュージーランド・ドル(ニュージーランド・ドル)を扱える口座を一刻でも早く開きたいという場合にはWiseやRevolutといったオンラインサービスのアカウント開設もぜひ選択肢に入れてみてください。書類の提出も含めてアカウント開設手続きがオンラインで完結します。
Wiseでは各国の銀行口座番号を取得することも可能です。この口座番号は、ニュージーランド国外からの送金受け取りには使えませんが、ニュージーランド国内であればすべての銀行からニュージーランド・ドルの受け取りが可能です。この口座番号を送金元に伝えれば、送金元がWiseのユーザーでなくとも送金者は銀行口座と同じような感覚で自身に対しての送金が可能です。
ニュージランドドル以外にも様々な通貨に対応しており、例えば米ドルの場合は自身のルーティング番号(ABA) と口座番号を取得可能です。また、ユーロの場合、自分自身のWiseアカウントと紐づいたSWIFT/BICコードとIBAN情報を取得可能です。
Wiseではニュージーランドに行く前に日本の居住者として日本の本人確認を使って口座開設することが可能です。また、ニュージーランドに行ってからニュージランド側の本人書類でのアカウント開設も可能です。日本で事前にWiseのアカウントを作成しておけば、Wiseのニュージーランド・ドル口座で、渡航後すぐに給与や資金が受け取ることが可能です。
Wiseで使えるニュージーランドの本人確認書類は以下の通りです。
パスポートの顔写真ページ(全体(四隅)が確認できるもの)
ニュージーランドの運転免許証
ニュージーランドの銃器所持許可証(顔写真があるもの)
国民ID
本人確認書類とは別に住所を証明する書類が必要です。
氏名
正確な個人の住所
発行年月日
差出人のロゴ、捺印もしくは名称(例:銀行、役所、公共事業者等)
公的書類である証明(例: 領収証の種別、件名、明細等)
Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く企業で、世界各地で送金・マルチカレンシーウォレットサービスを提供しています。160ヶ国40通貨に対応しており、資金の保有や両替、送金、受取が可能です。Wiseではニュージーランド・ドルの口座情報を取得することでき、これを利用すればニュージーランド国内からであれば手数料無料でニュージーランド・ドルを受け取ることができます。
Revolutも同じ英国発のフィンテック企業で、海外送金・外貨両替などがスマートフォンで完結。Revolutカードを使えば、ニュージーランド・ドルを含む150種類以上の通貨での支払いが可能で、ニュージーランド・ドルを含む現地通貨もATMで引き出せます。ニュージランド居住者がRevolutアカウントを作成するのに必要な書類は、パスポートか運転免許証だけで、住所を証明する書類は必要ないというのも嬉しい点です。
外国人が銀行口座を開く方法は?
ニュージーランドでは一部の銀行はオンラインでの口座開設に対応しています。最大手のニュージーランド銀行の場合、外国人のオンラインでの口座開設には2つの方法があります。
一つ目は、認証済みのRealMeアカウントを使用する方法です。RealMeとはニュージーランド政府が提供する本人証明プラットフォームです。認証済みRealMeアカウントを作るには、オンラインで手続きした後、14日以内に申請に対応している写真店に行く必要があります。すでに認証済みのRealMeアカウントを有していればおすすめの方法ではありますが、認証済みのRealMeアカウントを持っていないとその作成に少し時間がかかります。
二つ目は、ニュージーランドの運転免許証を利用する方法です。この方法だとオンラインで本人確認を完了させることができます。オンラインでの情報入力後、銀行窓口での本人確認を選択した場合、提出後30日以内に、ニュージーランド銀行の支店で本人確認する必要があります。この際に運転免許証原本を持参する必要があるので忘れずに持っていきましょう。
パスポートだけでニュージーランドの銀行口座は開ける?
ニュージーランドではパスポートだけで口座開設を申し込める銀行もあるのでしょうか?ニュージーランドの銀行は非居住者の口座開設に比較的寛容です。例えば、ニュージーランド銀行の場合、パスポートと日本の金融機関から発行される現住所が記載されたステートメントなどの海外の住所証明書類での口座開設が可能です。
海外でも、銀行口座開設者が税法上日本の居住者となる場合、納税者番号としてマイナンバー(個人番号)の提出が必要なことがあります。これは、OECDが策定した銀行等の口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際的な統一基準である「共通報告基準」(CRS)に従って日本で課税対象となる日本居住者の口座情報が日本の税務当局などに通知されるためです。パスポートだけではなく日本の納税者番号にあたるマイナンバーがわかる書類も持参しましょう。
Wiseでは日本居住者でもニュージランドドルを受け取ることができる銀行口座番号を取得することも可能です。この口座番号は、ニュージーランド国外からの送金受け取りには使えませんが、ニュージーランド国内であればすべての銀行からニュージランドドルの受け取りが可能です。
外国人にとって最適な金融サービスは?
ニュージーランドに新たに引っ越してきた人、ニュージーランドに住んでいない人にとって最適な金融サービスはどれでしょうか。以下のようにWiseやRevolutのような新しい金融サービスとニュージーランド銀行を比較してみましょう(いずれも個人アカウント・銀行口座の場合)。
サービス・金融機関 | Wise | Revolut | ニュージーランド銀行 |
---|---|---|---|
ニュージーランド・ドルの預け入れ | 〇 | 〇 | 〇 |
日本円の預け入れ | 〇 | 〇 | 〇(※4) |
ニュージーランド到着前の口座開設 | 〇(※1) | 〇(※1) | 不可 |
オンライン申し込み | 〇 | 〇 | 〇 |
口座開設手数料 | なし | なし | なし |
口座維持費用 | なし | プランに応じて変わる(※2) | 無料(※5) |
海外送金 | 〇 | 〇 | 〇 |
解約費用 | なし | 発生する可能性あり(※3) | なし |
Wiseは銀行口座ではありませんが、ニュージーランド・ドルの口座情報を取得することできます。これを利用すればニュージーランド国内からであれば手数料無料でニュージーランド・ドルを受け取ることができます。
ニュージーランド銀行では外貨預金を提供しているので、日本円の預け入れも可能です。しかし、預け入れ金額が一定の金額(Rebate level)を下回ると口座維持費用がかかるので注意が必要です。このような手数料を「Fall-below fee」や「maintenance fee」などと呼びます。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。
WiseやRevolutでもマルチカレンシーアカウントを提供しています。Wiseであれば通貨によらずFall-below feeのような口座維持費用は全くかからず、解約費用も無料です。Revolutであれば、口座維持費についてはプランによって変わりますが、スタンダードプランは月額無料になっています。
(※1)日本にいるときに日本の本人確認書類を資料して日本の居住者としてアカウント開設可能。
(※2)スタンダードプランは月額無料、プレミアムは980円、メタルは1,980円(日本でアカウント開設する場合)。
(※3)メタルプランを解約した場合に発生することがある。14日以内の解約の場合、メタルカードがすでに発送されている場合にはメタルカードの発行手数料を支払う必要がある。
(※4)外貨預金については口座維持費用がかかる場合がある。日本円の場合、850万円以下の預け入れの場合、1ヶ月あたり850円。
(※5)一般的なニュージーランド・ドル口座の場合。一部のアカウントや外貨預金については口座維持費用がかかる場合がある。
ニュージーランドでなぜ銀行口座が必要になる?
銀行口座の開設にはいろいろ手順があり、正直面倒に感じる人もいるでしょう。しかし、現地に住むのであれば銀行口座がないと何かと不便です。例えば給料の支払いを銀行振込で行う雇用主は非常に多いです。仕事を始めるときには、雇用主から口座情報を求められるのは予期しておくべきといえます。
ニュージーランドで銀行口座を開くメリットとデメリット
ニュージーランドでの銀行口座開設には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
ニュージーランドで銀行口座を開設するメリット
ニュージーランドで給与・報酬の受け取りや家賃の支払いが可能
ニュージーランドならではの金融商品に投資できる
条件を満たせば、ニュージランド・ドル建てで決済できるデビットカードやクレジットカードを作ることができる
ニュージーランドで銀行口座を開設するデメリット
口座開設や口座維持のために言語力が必要
日本の居住者でもある場合、税金や会計に関する処理が複雑になる
ニュージーランドと日本の間でお金を動かす場合に海外送金が必要となる
ニュージーランドに到着する前に銀行口座は開ける?
先述の通り、ニュージーランドの銀行は非居住者の口座開設に比較的寛容です。例えば、ニュージーランド銀行の場合、パスポートと日本の金融機関から発行される現住所が記載されたステートメントなどの海外の住所証明書類での口座開設が可能です。書類を揃えることができればニュージーランドに到着する前に銀行口座開設は可能です。
ニュージーランドに行く前にニュージーランド・ドルの資金管理がしたい場合にはWiseやRevolutといったマルチカレンシーアカウントサービスを提供するオンラインサービスの利用もおすすめです。
ニュージーランドの銀行口座開設にかかる費用
ニュージーランドの銀行口座の開設やその利用にはどのような費用が必要なのでしょうか。銀行によって、また使うサービスによってかかる費用は変わってきます。
無料で銀行口座は開ける?
ニュージーランドの銀行口座の開設費用は基本的に無料です。
また、開設自体は無料でも1日平均残高が一定の金額(Rebate level)を下回ると口座維持費用がかかることがあります。このような手数料は「Fall-below fee」や「maintenance fee」と呼ばれます。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。
日本からニュージーランドへの送金に使える裏ワザ
中には日本からの送金目的でニュージーランドの銀行口座開設を考えている人もいるでしょう。そういった人はぜひWise、Revolutといったオンライン送金サービスもぜひ検討してみてください。従来のSWIFTを利用した銀行による海外送金よりも手数料が安くなることがあり、かつ送金にかかる日数も短く非常に便利です。
Wiseではニュージーランド・ドルからの送金も可能です。銀行振込、デビットカードまたはクレジットカード、POLi、Wiseのアカウント内の残高を利用して送金が可能です。
ニュージーランドで法人用口座は開ける?
ニュージーランドで法人口座を開きたい場合、どんな書類が必要なのでしょうか?銀行や法人の置かれた状況によって必要書類は変わってきますが、一般に以下のような書類が必要です。
法人設立証明書や登記を示す書類
取締役や署名権限者(Authorized Signatories)などの本人確認書類やその住所を証明する書類
合計で25%以上の株式を保有する組織(信託、会社、パートナーシップ、海外登録団体など)がある場合、それらの組織についての書類
開設した銀行口座がペーパーカンパニーやマネーロンダリングのために使われないかニュージーランドの銀行も他国の銀行と同様に警戒しており、上記のように準備の手間がかかる書類が必要です。
Wiseでもビジネスアカウントの開設がオンラインで可能です。ニュージーランド・ドルでの法人送金をしたい場合、まずは個人アカウントを作成し、その後そこに付属させた法人アカウントを開設できます。法人アカウントは個人アカウントに付属しているので、個人アカウントの本人確認手続きも予め完了する必要があります。
Wiseのビジネスアカウント開設のために必要な書類は以下の通りです(個人アカウントの本人確認手続きの必要書類を除く)。
代表取締役または法人の25%以上の株を保有している全ての株主の本人確認書類
法人の登録書類、事業内容が確認できる書類
送金者が法人の取締役や株主でない場合は、法人を代表してWiseで送金する権限があることを確認できる法人からの承認書または取締役会決議書(Wiseホームページから委任状のダウンロードが可能)
法人の種類によっては追加書類が必要となる場合があります。
ニュージーランドで銀行口座を開く際に気を付けるポイント
ニュージーランドに限らず、海外の銀行口座を開くときにはその銀行や仲介業者が信頼できる会社なのかどうかを見極めることが非常に重要です。中には詐欺目的で近づいてくる悪徳業者もいるからです。実際に、海外の銀行を口座開設のサポートを提供するとして、手数料を請求するなどの詐欺被害が金融庁のホームページで報告されています。
もし、日本にいるうちに銀行口座の開設を検討したいなら金融庁の発表している「免許・認可・登録等を受けている業者一覧」を確認しましょう。この一覧には海外銀行の預金口座の開設などができる「外国銀行代理銀行」も含まれています。
この記事で紹介したWiseやRevolutは、複数の法域の金融当局から免許を取得することでグローバルでシームレスなサービスを提供しています。日本ではWiseやRevolutは資金決済法に基づく資金移動業者として登録されており、金融庁やその地方出先機関である財務局から厳しい監督を受けています。
まとめ
今回の記事では、ニュージーランドの銀行口座開設について詳しく見てきました。必要書類や手順で気をつけるべき点が多くあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ニュージーランド・ドルの管理を考えているなら、WiseやRevolutといったオンラインサービスも便利です。ニュージーランド・ドル以外にも多数の通貨に対応しており、もちろん日本円も保有できます。ニュージーランドに行っても日本円でのお金のやりとりも必要な人には、良い選択肢になるのではないでしょうか。
マレーシア、アメリカや、カナダなど、その他の国の銀行口座の開設方法を知りたい場合はガイド記事一覧をご覧ください。
ソース:
What documents are supported? | Revolut NZ
Revolut|お金のためのオールインワン金融アプリ | Revolut JP
Everyday accounts support - BNZ
外国送金を利用した投資や預金口座開設の勧誘にご注意ください : 三井住友銀行
ニュージーランドの口座開設についてよくある質問
ニュージーランドの銀行は非居住者の口座開設に比較的寛容です。例えば、ニュージーランド銀行の場合、パスポートと日本の金融機関から発行される現住所が記載されたステートメントなどの海外の住所証明書類での口座開設が可能です。
開設自体には費用はかかりません。銀行や通貨の種類によっては口座維持費用がかかることがあります。
大手銀行は、オンラインでの口座開設申し込みに対応しています。ニュージーランド政府が提供する本人証明プラットフォームRealMeを利用した口座開設が可能な場合もあります。
必要書類を用意して、各銀行のホームページやアプリから申し込み手続きを行います。