マレーシアの銀行口座開設方法をわかりやすく解説!
この記事では、マレーシアで銀行口座を開くときの手順について解説します。必要な書類、手数料などをわかりやすく解説するので、マレーシアでの銀行口座開設を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
また、日本からマレーシアへ海外送金する際に便利な送金サービスWiseもご紹介しています。Wiseの場合、マレーシア・リンギットをはじめマルチカレンシーの電子ウォレットとしても使用可能です。
マレーシアで銀行口座を開設する際に必要となる書類
マレーシアで新たに銀行口座を開くときにはどんな書類が必要でしょうか?銀行や口座開設者の置かれた状況によって異なりますが、マレーシアの大手銀行の一つであるPublic Bankで個人が口座を開設する場合、以下の書類が必要と公式ホームページに記述があります。
本人を証明する書類(パスポートなど)
非居住者の場合、以下のいずれかの書類
有効な労働許可証と雇用主からの確認書。
有効な学生証と大学・教育機関からの紹介状。
申請者がマレーシア人と結婚している場合は、有効な結婚証明書。
上記の必要な書類を見てもわかるように、基本的にマレーシアの居住者になって上記書類を揃えなければ口座開設は難しいと言えます。
必要書類は銀行によって異なります。口座開設を検討している銀行のウェブサイトをきちんと確認してオンラインもしくは銀行窓口での口座開設手続きを始めましょう。
面倒な事務処理を省くには?新たなオンラインサービスが便利!
マレーシアに着いてすぐの場合はマレーシアの居住証明の準備は難しいという人もいるかもしれません。しかし、マレーシア・リンギット(MYR)を扱える口座を一刻でも早く開きたいという場合にはWiseのアカウント開設もぜひ選択肢に入れてみてください。
Wiseではマレーシアに行ってからパスポートとマレーシアのビザだけでオンラインで本人確認を完了できます(Eビザ、ビザ承認レター、シングルビザでの本人確認はできません)。
Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く企業で、世界各地で送金・マルチカレンシーウォレットサービスを提供しています。160ヶ国40通貨に対応しており、資金の保有や両替、送金、受取が可能です。マレーシアでは、Wiseは銀行口座からだけではなく、マレーシアの電子決済サービスであるFPXを利用した入金も可能です。
Wiseでは各国の銀行口座番号を取得することも可能です。マレーシアに引っ越した後にマレーシアで対応している本人確認書類で本人確認し直せばマレーシア・リンギットの送金先にできる銀行口座番号が手に入ります。
マレーシア・リンギット以外の様々な通貨にも対応しています。例えば、ユーロの場合、自分自身のWiseアカウントと紐づいたSWIFT/BICコードとIBAN情報を取得可能です。米ドルの場合は自身のルーティング番号(ABA) と口座番号を取得可能です。これらの口座番号を送金元に伝えれば、送金者はWiseのユーザーでなくとも銀行口座と同じような感覚で自身に対しての送金が可能です。
非居住者が銀行口座を開く方法は?
マレーシアではパスポートだけ、すなわちマレーシアの居住者としての証明書類がなくとも口座開設を申し込める銀行もあるのでしょうか?ルール上はマレーシアの銀行は非居住者に対しても銀行口座を開設できますが、非居住者が口座を開設するのは実際はかなり難しいようです。
Wiseのような新しい金融サービスは日本でもサービス運営のためのライセンスを取得しており、日本にいたままでもアカウントを開設できます。そして日本からもマレーシアの銀行口座への送金が可能です。すぐにマレーシア・リンギットでの送金が必要な場合は、Wiseの利用も検討しましょう。
また、日本の本人確認書類で作ったアカウントの場合、マレーシア・リンギットを扱うアカウントは開設できませんが、Wiseデビットカードを利用してマレーシアのATMから引き出すことは可能です。この場合、他の通貨の残高から引き落とされます。Wiseを活用すればマレーシアに到着してすぐ現金が必要な時でも安心ですね。
外国人にとって最適な金融サービスは?
マレーシアに新たに引っ越してきた人にとって最適な金融サービスはどれでしょうか。以下のようにWiseと2つの銀行を比較してみましょう(いずれも個人アカウント・銀行口座の場合)。今回取り上げる銀行は、マレーシアの大手銀行であるMaybankとCIMB(商業国際貿易商銀行)です。
Wiseはマレーシアの本人確認書類で口座開設した場合の者です。また、マレーシアの大手銀行には様々な種類の口座があるので、MaybankとCIMBについては外国人が開設する際に最も一般的であろう種類の口座を取り上げました。
サービス・金融機関 | Wise | Maybank(Current Account-i) | CIMB(Basic Current Account) |
---|---|---|---|
日本円とマレーシア・リンギットの取り扱い | 〇 | 〇(※2) | 〇(※3) |
マレーシア到着前の口座開設 | 〇(※1) | 不可 | 不可 |
オンライン申し込み | 〇 | 不可 | 外国人である場合は不可 |
口座開設手数料 | なし | なし | なし |
口座維持費用 | なし | 半年の平均口座残高が1,000MYR未満の場合、10MYR | 半年の平均口座残高が1,000MYR未満の場合、10MYR |
海外送金 | 〇 | 〇 | 〇 |
解約費用 | なし | 20MYR(口座開設後3ヶ月以内に閉鎖する場合) | 20MYR(口座開設後3ヶ月以内に閉鎖する場合) |
マレーシアの主要銀行は外貨預金も提供しており、日本円の取り扱いも可能です。ただし、最低預け入れ額が設定されています。Wiseでもマルチカレンシーアカウントを提供しており、Wiseでは最低預け入れ額の設定はないので、より気軽に始められます。
また、MaybankとCIMBでは平均残高が一定の金額を下回ると口座維持費用がかかります。半年の平均口座残高が1,000MYR未満の場合、半年あたり10MYRが口座から引き落とされます。このような口座残高が一定の金額を下回ると発生する手数料を「Fall-below fee」と言います。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。また、MaybankとCIMBでは短期間の解約では手数料がかかり、口座開設後3ヶ月以内に閉鎖する場合20MYR請求されます。
WiseであればFall-below feeのような口座維持費用は全くかからず、解約費用も無料です。Wiseでは各国の銀行口座番号を取得することも可能で、マレーシアに引っ越した後であればWiseを通してマレーシア・リンギットの送金先にできる銀行口座番号が手に入ります。の口座番号を送金元に伝えれば、送金者がWiseのユーザーでなくとも銀行口座と同じような感覚で自身に対しての送金してもらうことが可能です。
(※1)日本にいるときに日本の本人確認書類を資料して日本の居住者としてアカウント開設可能。
(※2)最低預け入れ額が設定されており、1,000USD。
(※3)最低預け入れ額が設定されており、500USD。
マレーシアでなぜ銀行口座が必要になる?
海外での銀行口座の開設には多くの書類と複雑な手順を踏むことが必要で、正直面倒に感じる人もいるでしょう。しかし、現地に住むのであれば銀行口座がないと何かと不便です。
例えば給料の支払いを銀行振込で行う雇用主は非常に多いです。仕事を始めるときには、雇用主から口座情報を求められるのは予期しておくべきといえます。現地で働かなくとも、家賃や公共料金の支払いで必要になるかもしれません。
また、Grab Payなどのマレーシアで主流のQRコード決済サービスにチャージする際にも現地の銀行口座があると便利です。
マレーシアで銀行口座を開くメリットとデメリット
マレーシアでの銀行口座開設には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
マレーシアで銀行口座を開設するメリット
マレーシアで給与・報酬の受け取りや家賃の支払いが可能
マレーシアならではの金融商品に投資できる
条件を満たせば、マレーシア・リンギット建で支払い可能なデビットカードやクレジットカードを作ることができる
Grab Payなどのマレーシアで主流のQRコード決済サービスにチャージできる
マレーシアで銀行口座を開設するデメリット
マレーシアに居住していなければ口座開設がかなり難しい
平均残高が一定の金額を下回ると口座維持費用がかかることがある
口座開設や口座維持のために言語力や現地知識が必要
日本の居住者でもある場合、税金や会計に関する処理が複雑になる
マレーシアと日本の間でお金を動かす場合に海外送金が必要となる
マレーシアに到着する前に銀行口座は開ける?
ほとんどの銀行では、口座開設時にマレーシアで居住を証明していることが求められます。そのため、マレーシアに来る前に口座の開設をするのはなかなか難しいのが現状です。
マレーシアに行く前にマレーシア・リンギットの資金管理がしたい場合にはWiseなどのマルチカレンシーアカウントサービスを提供するオンラインサービスの利用もおすすめです。
マレーシアの銀行口座開設にかかる費用
マレーシアの銀行口座の開設やその利用にはどのような費用が必要なのでしょうか。銀行によって、また使うサービスによってかかる費用は変わってきます。
無料で銀行口座は開ける?
マレーシアの銀行口座の開設費用は基本的に無料です。ただし、口座開設時に一定の金額を預け入れることが必要になる場合もあります。
また、開設自体は無料でも平均残高が一定の金額を下回ると口座維持費用がかかります。このような手数料は「Fall-below fee」と呼ばれます。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。
日本からマレーシアへの送金に使える裏ワザ
中には日本からの送金目的でマレーシアの銀行口座開設を考えている人もいるでしょう。そういった人はぜひWiseなどのオンライン送金サービスもぜひ検討してみてください。従来のSWIFTを利用した銀行による海外送金よりも手数料が安くなることがあり、かつ送金にかかる日数も短く非常に便利です。
Wiseではマレーシア・リンギットはマレーシア国内の個人と法人の銀行口座へ送金できます。Wiseでは個人アカウントであればマレーシア・リンギットからの送金も可能であり、銀行振込や電子決済サービスであるFPXを利用した入金が可能です。
マレーシアで法人用口座は開ける?
マレーシアで法人口座を開きたい場合、どんな書類が必要なのでしょうか?銀行や法人の置かれた状況によって必要書類は変わってきますが、パブリックバンクでは以下の書類などが必要との記載があります。
会社設立証明書・商業登記簿謄本
取締役等、株主構成と秘書役等の届出の写し
取締役会決議書
法人の定款
法人支配者 (取締役、25%以上出資の株主など) の身分証明書(パスポートなど)
法人口座のイニシャルデポジット(PLUS当座預金口座の場合、5,000マレーシア・リンギット)
上記は最低限必要な書類で、銀行側の判断によっては賃貸契約書や株主情報、既存の金融機関との取引履歴などの提出も必要になります。
開設した銀行口座がペーパーカンパニーやマネーロンダリングのために使われないかマレーシアの銀行側はかなり警戒しており、上記のように準備の手間がかかる書類が多く必要です。申請書類及び必要書類提出時には、取締役全員に銀行窓口へ行く必要があります。署名権者(サイナー)を変更する手続きも複雑で、銀行口座保有支店に取締役会議事録写しの提出が変更のたびに必要です。
マレーシアで銀行口座を開く際に気を付けるポイント
マレーシアに限らず、海外の銀行口座を開くときにはその銀行や仲介業者が信頼できる会社なのかどうかを見極めることが非常に重要です。中には詐欺目的で近づいてくる悪徳業者もいるからです。実際に、海外の銀行を口座開設のサポートを提供するとして、手数料を請求するなどの詐欺被害が金融庁のホームページで報告されています。
もし、日本にいるうちに銀行口座の開設を検討したいなら金融庁の発表している「免許・認可・登録等を受けている業者一覧」を確認しましょう。この一覧には海外銀行の預金口座の開設などができる「外国銀行代理銀行」も含まれています。
この記事で紹介したWiseは、複数の法域の金融当局から免許を取得することでグローバルでシームレスなサービスを提供しています。日本ではWiseは資金決済法に基づく資金移動業者として登録されており、金融庁やその地方出先機関である財務局から厳しい監督を受けています。
まとめ
今回の記事では、マレーシアの銀行口座開設について詳しく見てきました。オンラインでの開設申し込みや取引に対応している銀行もありますが、非居住者の場合は口座開設のハードルは高そうです。
マレーシアでのマレーシア・リンギットの管理を考えているなら、Wiseといったオンラインサービスも便利です。マレーシア居住者としてWiseアカウントを開設すれば、マレーシア・リンギットはもちろん日本円の保有も可能です。マレーシアに行っても日本円でのお金のやりとりも必要な人には、良い選択肢になるのではないでしょうか。
米国、ニュージーランドや、カナダなど、その他の国の銀行口座の開設方法を知りたい場合はガイド記事一覧をご覧ください。
ソース:
Current Accounts Fees and Charges | CIMB
Maybank Malaysia - Fees and Charges
Foreign Currency Current Account | International Currency | CIMB
外国送金を利用した投資や預金口座開設の勧誘にご注意ください : 三井住友銀行
マレーシアの口座開設についてよくある質問
マレーシアの銀行口座は基本的には居住者でなければ開設できません。
開設自体には費用はかかりません。1日平均残高が一定の金額を下回ると「Fall-below fee」と呼ばれる口座維持費用がかかることがあります。
大手銀行の場合、外国人の場合はオンラインでの口座開設申し込みはできません。
ほとんどの銀行では、口座開設時にマレーシアで居住を証明していることが求められます。そのため、マレーシアに来る前に口座の開設をするのはなかなか難しいのが現状です。
オンライン送金サービスのWiseがおすすめです。従来のSWIFTを利用した銀行による海外送金よりも手数料が安くなることがあり、かつ送金にかかる日数も短く非常に便利です。