【2024版最新】シンガポールでの銀行口座開設方法をわかりやすく解説!
この記事では、シンガポールで銀行口座を開くときの手順について解説します。必要な書類、手数料などをわかりやすく解説するので、シンガポールでの銀行口座開設を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
また、日本からシンガポールへ海外送金する際に便利なWiseやRevoultといった送金サービスもご紹介しています。Wiseの場合、シンガポールドルをはじめマルチカレンシーの電子ウォレットとしても使用可能です。
シンガポールで銀行口座を開設する際に必要となる書類
シンガポールで新たに銀行口座を開くときにはどんな書類が必要でしょうか?銀行や口座開設者の置かれた状況によって異なりますが、DBS銀行(シンガポール開発銀行)で永住権を有しない外国人個人が口座を開設する場合、以下の書類が必要と公式ホームページに記述があります。
<Singpassを使って口座開設する場合>
身分・Tax Residencyを証明する書類(旅券など)
住所を証明する書類(SingpassのMyinfoと異なる場合)
携帯電話の所有権を証明するもの(登録する携帯電話番号がリサイクルされた番号の場合のみ)
<Singpassを使わずに口座開設する場合>
身分・Tax Residencyを証明する書類(旅券など)
住所を証明する書類(採用通知書や留学先による住所証明など)
シンガポールの滞在資格を証明する書類(In-Principle Approvalを示す書類など)
携帯電話の所有権を証明するもの(登録する携帯電話番号がリサイクルされた番号の場合のみ)
上記の通り、シンガポール政府による個人認証サービスSingpassを利用すれば、シンガポールの滞在資格を証明する書類や住所を証明する書類が省略可能です。DBS銀行は追加書類の提出も含めて口座開設をオンラインで完了できます。上記の必要な書類を見てもわかるように、基本的にシンガポールの居住者になって上記書類を揃えなければ口座開設は難しいと言えます(Singapssの利用登録にもまずはシンガポールの居住者となることが必要です)。
必要書類は銀行によって異なります。口座開設を検討している銀行のウェブサイトをきちんと確認してオンラインもしくは銀行窓口での口座開設手続きを始めましょう。
面倒な事務処理を省くには?新たなオンラインサービスが便利!
シンガポールに着いてすぐの場合はシンガポールの電話番号や居住証明の準備は難しいという人もいるかもしれません。しかし、シンガポールドル(SGD)を扱える口座を一刻でも早く開きたいという場合にはWiseやRevolutといったサービスのアカウント開設もぜひ選択肢に入れてみてください。
Wiseではシンガポールに行く前に日本の居住者として日本の本人確認を使って口座を開設することも、シンガポールに行ってからSingpassを利用したり、書類を提出したりして本人確認することもどちらもできます。Wiseで使えるシンガポールの住所確認書類は以下の通りです。
銀行もしくはクレジットカードの明細書
公共料金の領収証:ガス、電気、電話(Singtel, M1, StarhubもしくはMyRepublicの受付が可能)
税金関係の書類
自動車登録または自動車税
住所が記載された顔写真付きの運転免許証
採用通知書(シンガポール法人のみ )
他金融機関や政府機関発行の書類
Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く企業で、世界各地で送金・マルチカレンシーウォレットサービスを提供しています。40通貨での資金の保有や両替、送金に対応しており、シンガポールドルを含む9通貨の口座情報が取得できます。日本でWiseのマルチカレンシーアカウントを作っておけば、現地での給与や友人からの送金もシンガポールドルでスムーズに受け取ることができます。Wiseでは銀行口座だけではなく、シンガポールの電子決済ネットワークであるPayNow上のアカウントにも送金可能です。
Revolutも同じ英国発のフィンテック企業で、海外送金・外貨両替などがスマートフォンで完結。Revolutカードを使えば、シンガポールドルを含む35種類以上の通貨での支払いが可能で、シンガポールドルを含む現地通貨もATMで引き出せます。Revolutについて詳しく知りたい方は「レボリュート(Revolut)を徹底解説」という記事をご覧ください。
外国人が銀行口座を開く方法は?
シンガポールではDBS、HSBCやOCBCのような一部の銀行はスマホアプリでの口座開設に対応しています。DBS、HSBCやOCBCでスマホアプリを利用した口座開設手続きをする際には先述したシンガポール政府による個人認証サービスであるSingpassを便利ですが、Singpassを使わずに代わりの書類をアップロードしてオンライン上で口座開設を完了させることもできます。
パスポートだけでシンガポールの銀行口座は開ける?
シンガポールではパスポートだけ、すなわちシンガポールの居住者としての証明書類がなくとも口座開設を申し込める銀行もあるのでしょうか?一定額以上の預け入れをすれば、富裕層向けのプレミアム口座を非居住者でも開設できる可能性があります。
シンガポールのシティバンクグループ(CITIBANK INTERNATIONAL PERSONAL BANK SINGAPORE)は200,000米ドル(USD)以上の残高を維持することを条件に、Global Bank Accountの開設を認めています。日本語の問い合わせにも対応しているようです。必要な預け入れ金額が大きく、誰もが作れる銀行口座というわけではなさそうです。
また、OCBCは、香港・マレーシア・インドネシア・中国本土のパスポートを有する18歳以上の非居住者に対してオンラインでの口座開設を認めています。このスキームを使う場合、Statement Savings Accountに最低でも20,000シンガポールドル預ける必要があります。HSBCもインド国民のシンガポール非居住者に対して同様のサービスを提供しています。
日本人はこれらのオンラインでの非居住者向け口座開設の対象になっていませんが、現地支店の担当者の判断によっては口座開設が可能かもしれません。ただし、最低預け入れ金額が設定されることがあります。
海外でも、銀行口座開設者が税法上日本の居住者となる場合、納税者番号としてマイナンバー(個人番号)の提出が必要なことがあります。これは、OECDが策定した銀行等の口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際的な統一基準である「共通報告基準」(CRS)に従って日本で課税対象となる日本居住者の口座情報が日本の税務当局などに通知されるためです。パスポートだけではなく日本の納税者番号にあたるマイナンバーがわかる書類も持参しましょう。
外国人にとって最適な金融サービスは?
シンガポールに新たに引っ越してきた人にとって最適な金融サービスはどれでしょうか。以下のようにWiseやRevolutのような新しい金融サービスと2つの銀行を比較してみましょう(いずれも個人アカウント・銀行口座の場合)。DBSとOCBCについては一般的なアカウントについて掲載しています。
サービス・金融機関 | Wise | Revolut | DBS (DBS Multiplier) | OCBC (Monthly savings account) |
---|---|---|---|---|
日本円とシンガポールドルの取り扱い | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
シンガポール到着前の口座開設 | 〇(※1) | 〇(※1) | 不可 | 不可 |
オンライン申し込み | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
口座開設手数料 | なし | なし | なし | なし |
口座維持費用 | なし | プランに応じて変わる(※2) | 1日平均残高がS$3,000を下回る場合、月額5SGD (※4) | 1日平均残高がS$500を下回る場合、月額2SGD |
海外送金 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
解約費用 | なし | 発生する可能性あり(※3) | 開設後半年以内に口座閉鎖の場合、30SGD | なし |
シンガポールの主要銀行は基本的にマルチカレンシー口座を提供しているので、日本円の取り扱いも可能です。WiseやRevolutでもマルチカレンシーアカウントを提供しております。
また、1日平均残高が一定の金額を下回ると口座維持費用がかかります。このような手数料を「Fall-below fee」と言います。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。
WiseであればFall-below feeのような口座維持費用は全くかからず、解約費用も無料です。Revolutであれば、口座維持費についてはプランによって変わりますが、スタンダードプランは月額無料になっています。WiseとRevolutの違いは「WiseとRevolutを徹底比較!」という記事でも解説しています。
(※1)日本にいるときに日本の本人確認書類を資料して日本の居住者としてアカウント開設可能。
(※2)スタンダードプランは月額無料、プレミアムは980円、メタルは1,980円(日本の場合)。
(※3)メタルプランを解約した場合に発生することがある。14日以内の解約の場合、メタルカードがすでに発送されている場合にはメタルカードの発行手数料を支払う必要がある。
(※4)29歳以下である場合、もしくは当該口座がDBSにおいて初めての銀行口座でなおかつオンラインで開設したものの場合は口座維持費用は免除される。
シンガポールでなぜ銀行口座が必要になる?
銀行口座の開設にはいろいろ手順があり、正直面倒に感じる人もいるでしょう。しかし、現地に住むのであれば銀行口座がないと何かと不便です。例えば給料の支払いを銀行振込で行う雇用主は非常に多いです。仕事を始めるときには、雇用主から口座情報を求められるのは予期しておくべきといえます。
シンガポールで銀行口座を開くメリットとデメリット
シンガポールでの銀行口座開設には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
シンガポールで銀行口座を開設するメリット
シンガポールで給与・報酬の受け取りや家賃の支払いが可能
シンガポールで銀行口座があると使える電子決済サービスPayNowを利用できる
シンガポールならではの金融商品に投資できる
条件を満たせば、マルチカレンシーのデビットカードやクレジットカードを作ることができる
シンガポールドルの預金については預金保護の対象になる
シンガポールで銀行口座を開設するデメリット
シンガポールに居住していなければ口座開設が比較的難しい
口座開設や口座維持のために言語力が必要
日本の居住者でもある場合、税金や会計に関する処理が複雑になる
シンガポールと日本の間でお金を動かす場合に海外送金が必要となる
シンガポールに到着する前に銀行口座は開ける?
ほとんどの銀行では、口座開設時にシンガポールで居住を証明していることが求められます。そのため、シンガポールに来る前に口座の開設をするのはなかなか難しいのが現状です。
シンガポールに行く前にシンガポールドルの資金管理がしたい場合にはWiseやRevolutといったマルチカレンシーアカウントサービスを提供するオンラインサービスの利用もおすすめです。
シンガポールの銀行口座開設にかかる費用
シンガポールの銀行口座の開設やその利用にはどのような費用が必要なのでしょうか。銀行によって、また使うサービスによってかかる費用は変わってきます。
無料で銀行口座は開ける?
シンガポールの銀行口座の開設費用は基本的に無料です。ただし、口座開設時に一定の金額を預け入れることが必要になる場合もあります。
また、開設自体は無料でも1日平均残高が一定の金額を下回ると口座維持費用がかかります。このような手数料は「Fall-below fee」と呼ばれます。日本ではあまり馴染みのない手数料ですが、この手数料が発生する場合、銀行口座を使っていなくても残高が減ってしまいます。1ヶ月あたりでは大きな金額でありませんが、期間が長くなるとそれなりに大きい金額になる可能性もありますので気をつけましょう。
日本からシンガポールへの送金に使える裏ワザ
中には日本からの送金目的でシンガポールの銀行口座開設を考えている人もいるでしょう。そういった人はぜひWise、Revolutといったオンライン送金サービスもぜひ検討してみてください。従来のSWIFTを利用した銀行による海外送金よりも手数料が安くなることがあり、かつ送金にかかる日数も短く非常に便利です。
Wiseではシンガポールドルはシンガポール国内の個人と法人の銀行口座へ送金できます。PayNowへの送金も可能ですが、上限額は5,000 SGDとなります。
Wiseではシンガポールドルからの送金も可能であり、こちらもPayNowでの入金に対応しています。送金額が1,000 SGD未満の場合は、WiseのウェブサイトでQRコードをスキャンすれば、 手動で情報を入力する必要はなく、確認ボタンをクリックするだけで簡単に送金が可能なのも嬉しい点ですね。
シンガポールで法人用口座は開ける?
シンガポールで法人口座を開きたい場合、どんな書類が必要なのでしょうか?銀行や法人の置かれた状況によって必要書類は変わってきますが、一般に以下のような書類が必要です。
全ての取締役や全ての署名権限者(Authorized Signatories)などの本人確認書類やその住所を証明する書類
FATCA&CRSフォーム
主たる事業所を証明する書類の原本(登記上の住所と異なる場合)
取締役会決議書
法人の定款・規約
外国法人の場合、信頼できる銀行からの推薦状など
開設した銀行口座がペーパーカンパニーやマネーロンダリングのために使われないかシンガポールの銀行側はかなり警戒しており、上記のように準備の手間がかかる書類が多く必要です。
Wiseであればビジネスアカウントをより簡単に開設できます。ACRA(会計企業規制庁)に登録しているシンガポール法人であれば、新たに用意する書類は基本的にはありません。株主の1人が他の法人である場合に限り、その法人の所有者を証明する登記書類が必要です。
シンガポール国外で法人化された法人でもWise Businessでシンガポールドルの送金が可能です。Wise上でビジネスアカウントに紐づけられた個人アカウントの本人確認で終わっていれば、最高位の役員の身分証明書と会社の全ての株主が記載された登記書類さえあれば法人でもシンガポールドルの送金が可能となっています。銀行とは比較にならないほど、簡単に送金できるのです。Wiseの法人アカウントについては「Wise法人アカウントを徹底解説」でも詳しく解説しています。
シンガポールで銀行口座を開く際に気を付けるポイント
シンガポールに限らず、海外の銀行口座を開くときにはその銀行や仲介業者が信頼できる会社なのかどうかを見極めることが非常に重要です。中には詐欺目的で近づいてくる悪徳業者もいるからです。実際に、海外の銀行を口座開設のサポートを提供するとして、手数料を請求するなどの詐欺被害が金融庁のホームページで報告されています。
もし、日本にいるうちに銀行口座の開設を検討したいなら金融庁の発表している「免許・認可・登録等を受けている業者一覧」を確認しましょう。この一覧には海外銀行の預金口座の開設などができる「外国銀行代理銀行」も含まれています。
この記事で紹介したWiseやRevolutは、複数の法域の金融当局から免許を取得することでグローバルでシームレスなサービスを提供しています。日本ではWiseやRevolutは資金決済法に基づく資金移動業者として登録されており、金融庁やその地方出先機関である財務局から厳しい監督を受けています。
まとめ
今回の記事では、シンガポールの銀行口座開設について詳しく見てきました。オンラインでの開設申し込みや取引に対応している銀行もありますが、非居住者の場合は口座開設のハードルは高そうです。
シンガポールドルの管理を考えているなら、WiseやRevolutといったオンラインサービスも便利です。シンガポールドル以外にも多数の通貨に対応しており、もちろん日本円も保有できます。シンガポールに行っても日本円でのお金のやりとりも必要な人には、良い選択肢になるのではないでしょうか。
香港や中国、オーストラリアなど、その他の国の銀行口座の開設方法を知りたい場合はガイド記事一覧をご覧ください。
ソース
Revolut | All-in-one Finance App for your Money | Revolut SG
Revolut|お金のためのオールインワン金融アプリ | Revolut JP
DBS Multiplier - Open a High Interest Savings Account Online
OCBC Monthly Savings Account | Regular Savings Singapore
Non-Resident Indians | International Journey - HSBC SG
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Open International Bank Account for Offshore Banking | Citibank IPB Singapore
外国送金を利用した投資や預金口座開設の勧誘にご注意ください : 三井住友銀行
よくある質問
開ける場合もありますが、一般的な居住者向けのアカウントに比べて最低預け入れ金額など高いハードルが設けられているのが一般的です。
開設自体には費用はかかりません。1日平均残高が一定の金額を下回ると「Fall-below fee」と呼ばれる口座維持費用がかかることがあります。
オンラインでの口座開設申し込みに対応している銀行もありますが、シンガポールでの居住証明が必要です。
必要書類を用意して、各銀行のホームページやアプリから申し込み手続きを行います。Singpassがあると口座開設がより簡単になる銀行もあります。
ほとんどの銀行では、口座開設時にシンガポールで居住を証明していることが求められます。そのため、シンガポールに来る前に口座の開設をするのはなかなか難しいのが現状です。