海外キャッシングと外貨両替はどっちが安い?手数料を比較

高橋 美穂
ライター
石井 美南海
最終更新日
2025年3月6日

海外旅行に便利なクレジットカードの海外キャッシング機能。実は、海外キャッシングは外貨両替よりも手数料が安く済む場合があります。今回は、海外キャッシングが外貨両替よりも具体的にどのくらい安いのか、手数料をシミュレーションして比較します。さらに、海外キャッシングのメリット・デメリットや利用手順、注意点まで解説します。海外キャッシングよりも海外でのカード決済がお得な外貨決済に特化した海外旅行用デビットカードもご紹介するので、海外渡航を計画している方は、ぜひ参考にしてください。

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本記事の目次:

外貨両替にかかる手数料は?海外キャッシング・クレジットカード決済・両替所を比較

はじめに、海外キャッシング・外貨両替所・クレジットカード・海外旅行カード(Wiseデビットカード)にどのような手数料がかかるかについてご説明します。

以下では、外貨両替方法でどのような手数料がかかるのか概要をまとめています。

外貨両替方法手数料内訳
海外キャッシング為替手数料(国際ブランドの基準レート)+利息+ATM利用料+(ATM運営会社に対する手数料)
外貨両替所レートに上乗せされた為替手数料
クレジットカード決済為替手数料(国際ブランドの基準レートに上乗せ)+海外事務手数料
海外旅行カード決済(Wiseデビットカード両替手数料0.68%~ *(1)

それぞれ詳しくご説明していきます。

海外キャッシング

海外キャッシングとは、海外のATMでクレジットカードを使って現地通貨を引き出す方法です。引き出した現地通貨は借入扱いとなり、日本円に換算した金額と利息、その他手数料が後日カード会社より請求されます。

外貨両替所

外貨両替所は、空港や街中などにある両替専門店で日本円から外貨などに交換することを指します。為替レートは各両替専門店が指定したレートでの両替となり、このレートには為替手数料が上乗せされていることほとんどです。

クレジットカード決済

日本で発行されたクレジットカードを使って海外で決済する場合、クレジットカードの国際ブランド(Visa・Mastercard®・JCBなど)が定める基準レートに、各クレジットカード発行会社が為替手数料を上乗せしたレートで日本円に換算して請求されます。

海外旅行カード決済

海外旅行用カードはプリペイド(前払い)式のものやデビットカードなどがあります。例えば、Wise(ワイズ)デビットカードは一つのアカウントに40 種類以上の外貨を保有できるデビットカードです。支払い外貨の残高があれば決済手数料は無料。アプリで自由に両替が可能で、両替手数料は0.68%~*(1) と格安です。

*(1) 通貨・金額によって変動

手数料のシミュレーション

次に、4つの両替方法で500米ドルをアメリカで決済・外貨両替・クレジットカード決済した場合にかかる合計手数料をシミュレーションしていきます。

なお、海外キャッシングは30日後の引き落としで返済(利用日数が30日間)すると仮定した利息をシミュレーションしています。

サービス名・両替方法手数料内訳合計手数料

楽天カードVisa

(海外キャッシング)

ATM手数料:220円

Visa基準レートに上乗せされた手数料:315円

利息:1,111円

1,923円
GPA外貨両替専門店

為替手数料:1,375円


1,375円

楽天カードVisa

(クレジットカード決済)

Visa基準レートに上乗せされた手数料:315円

海外事務手数料:2,726円(3.63%)

3,041円
Wiseデビットカード

両替手数料:460円

6.1%~*(1)


460円

(決済通貨の残高を保有していない場合)

(2025年2月28日現在)、*(1) 両替手数料 0.68%~ (金額・通貨によって変動)

上記の通り、合計手数料が最もお得なのはWiseデビットカードでした。

Wiseデビットカードは決済通貨をアカウントに保有していれば、手数料0円で支払いが可能です。決済通貨がなく、両替が必要な場合は、アカウントにある通貨から最安の両替手数料 0.68%~とお得な手数料で両替できます。

反対に、最も手数料が高いのは楽天カードVisaでのクレジットカード決済で、3,041円の手数料が加算して請求されます。

一方、外貨両替所と海外キャッシングの手数料を比較していると、外貨両替所の方が安いことが分かりました。ただし、このシミュレーションでは返済日を30日後と仮定しているため、繰上げ返済をすることで手数料を減らすことも可能です。

シミュレーションは2025年2月28日現在の結果のため、為替レートや通貨、利用サービスによって手数料は前後します。事前にどのサービスがお得なのか、渡航前に比較してみるのがおすすめです。

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海外キャッシング、外貨両替、カード決済のメリット・デメリット

海外での支払いには何かと手数料がかさむため、どの方法で支払うかしっかり比較検討することが重要です。ここでは、海外キャッシング・外貨両替・クレジットカード決済のメリット・デメリットを整理していきましょう。

海外キャッシングのメリット・デメリットは?

海外旅行に慣れている人のなかには、海外キャッシングを賢く活用している人も多いです。海外キャッシングには以下のメリット・デメリットがあります。

海外キャッシングのメリット海外キャッシングのデメリット
✅ 借入金額や日数によっては両替所よりも手数料が安い場合がある
✅ 渡航前に両替所に寄る手間がない
✅ 必要なときに必要な分だけ引き出せる
✅ 長時間現金を持ち歩く必要がない

❌ 利息がかかる
❌ ATM手数料や為替手数料が発生する
❌ ATM運営事業者から別途手数料がかかる場合がある

❌ 返済方法が自動リボ設定になっていることがある

海外キャッシングのメリットとしては、キャッシング金額や借入日数、実質年率によっては両替所で外貨両替するよりも手数料が割安になる場合があることや、海外ATMなら好きなときに必要な分だけ現地通貨を引き出せるため、無駄がない点があげられます。また、余分に現金を持ち歩く必要がないため、防犯面でも安心です。

一方、デメリットとしてはキャッシングには利息がかかります。上限金利は借入金額に応じて年率15%~20%と定められており、返済までの日数が長くなるほど利息が増えてしまいます。利息以外にも、ATM手数料や為替手数料などがかかるほか、カード会社によっては返済方法が自動リボ設定になっている場合もあり、あらかじめしっかり確認する必要があります。

外貨両替のメリット・デメリットは?

最も一般的な両替方法が、現金の外貨両替です。外貨両替にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

外貨両替のメリット外貨両替のデメリット
✅ 国内・渡航先のどちらでも両替できる
✅ 銀行や街中、空港など便利な立地にあり、立ち寄りやすい
✅ 空港での両替は取り扱い通貨が豊富
✅ 両替店によっては宅配サービスも利用可能

❌ 為替手数料が割高になる場合がある
❌ 両替所によっては在庫がない場合がある

❌ 外貨を使いきれなかった場合、余ってしまう

❌ 両替所の営業時間に注意が必要

外貨両替は国内、渡航先の銀行や空港、大黒屋のような街中の両替所などさまざまな場所で両替が可能です。万が一、渡航前に時間がなくても現地で両替することもできます。店舗でも両替はもちろん、外貨両替宅配サービスを利用して自宅や空港などで外貨を受け取ることも可能です。

デメリットとしては、外貨両替所が独自にレートを設定しているため、両替所によって大きくレートの差があることが挙げられます。為替レートには手数料が含まれているため、銀行・両替所・空港の手数料を比較した記事も参考にして、手数料負担を減らす工夫が必要です。

両替所によっては外貨の在庫が不十分なケースや、空港の両替所は早朝や深夜などは営業時間外であることも起こり得るため、時間に余裕をもって両替することが重要です。

クレジットカード決済のメリット・デメリットは?

海外旅行の必需品とも言えるクレジットカード。海外でのクレジットカード決済には以下のメリット・デメリットがあります。

クレジットカード決済のメリットクレジットカード決済のデメリット
✅最小限の現金を持ち歩きで済む
✅ 海外旅行保険が付帯されているクレジットカードもある
✅ 海外キャッシング機能で現金の引き出しも可能 *(1)
✅ ポイントやマイルが貯まる
❌ 海外事務手数料や為替手数料が発生する
❌ カード決済に対応していない店舗もある

*(1) 別途、キャッシング利用枠要

一般的に、海外渡航の際には少額の現地通貨とクレジットカードの両方を持っていくことが推奨されています。クレジットカード決済のメリットとしては、多額の現金を持ち歩く必要がないことや、多くのクレジットカードに付帯されている海外旅行保険が利用できること、ポイントやマイルが貯まりお得感があること、現金が必要になった際には海外キャッシングを使えば、ATMで現地通貨の引き出しが可能であることが挙げられます。

クレジットカード決済のデメリットはほとんどありませんが、海外でのクレジットカード利用には別途、海外事務手数料や為替手数料が発生するため、手数料が割高になります。最近では、海外事務手数料を値上げするカード会社が増加傾向にあります。

海外でカード決済したいなら、海外旅行用カードのWiseデビットカードを一枚持っていると手数料を大幅に節約することができます。為替レートは常にミッドマーケットレートが適用され、アカウントに決済残高があれば手数料はかかりません。ATMで現地通貨の引き出しも可能なので、クレジットカードに追加で一枚持っておくと非常に便利に使うことができます。

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海外キャッシングのやり方は?

ここからは、海外キャッシングの具体的なやり方をご説明します。なお、海外キャッシングにはショッピング枠とは別にキャッシング枠が必要です。渡航前に、お持ちのクレジットカードにキャッシング枠があるかどうか、ある場合は限度額も確認しておきましょう。

  1. クレジットカードの国際ブランドのマークの付いたATMを探す

  2. カード挿入口にクレジットカードを入れる

  3. 「Enter Pin」表示が出たら、暗証番号を入力する

  4. 「Select Type of Transaction(取引内容を選択する)」表示が出たら、「WITHDRAWAL」または「CASH ADVANCE」を選択する

  5. 「Select Account for Withdrawal(キャッシングの方法を選択する)」表示が出たら、「CREDIT CARD(クレジットカード)」を選択する

  6. 引き出したい金額(借入金額)を入力する。手入力で金額を選択する場合は、「Other」を選択する

  7. 現金を引き出し、カードと明細書を受け取って完了

海外キャッシングの注意点

世界中のATMで好きなときに現地通貨が引き出せる便利な海外キャッシングですが、利用においては気を付けておくべき注意点があります。渡航前に、今一度次のポイントを確認しておきましょう。

  • キャッシング利用枠の申し込みが必要: 海外キャッシングの利用には、キャッシング利用枠が必要です。クレジットカードを持っていたとしても、キャッシング枠の初期設定が0円になっていることもあります。キキャッシング枠の設定には事前に審査が行われるため、希望する場合は早めに申し込みましょう。

  • 暗証番号を確認しておく:
    海外キャッシングの利用には、クレジットカードと暗証番号が必要です。最近ではタッチ決済が普及しており、暗証番号を忘れてしまったという方も多いかもしれません。渡航前に、今一度確認しておきましょう。
  • 返済方法について確認しておく:海外キャッシングは「借入」であるため、利息や手数料を加算した借入金額を返済しなくてはなりません。カード会社によっては、海外キャッシングは一括返済と決まっていたり、自動リボ設定になっていることもあります。手数料で損しないためにも、海外キャッシングする場合はいくら借入して、どのように返済するかをしっかり確認しておきましょう。

まとめ

今回は海外キャッシングをメインに、具体的なシミュレーションを使って手数料を比較しました。

海外キャッシングと外貨両替での手数料では外貨両替の手数料の方が安いという結果でしたが、海外キャッシングは借入日数や為替レートによっても手数料は変動するため、タイミングによっては海外キャッシングの方が安くなることもあり得ます。

最近ではクレジットカード会社が海外事務手数料を値上げする傾向があります。海外での決済手数料を節約するには、Wiseデビットカードを一枚追加で持っておくのがおすすめです。年会費は無料で、クレジットカードのような海外事務手数料もかかりません。アカウントに決済通貨を保有していれば、決済手数料も無料。ATMで現地通貨をお得に引き出すこともできます。海外渡航が多い方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

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よくある質問

海外キャッシングと両替はどちらがお得ですか?

海外キャッシングと外貨両替のどちらの方が手数料がお得かどうかは、海外キャッシングの利用日数や為替レートによって変わります。外貨両替する場合は両替所のレートをチェックしたり、海外キャッシングならばできるだけ早く返済したり、繰り上げ返済をしたりすることで手数料を抑えることができます。

クレジットカードで海外キャッシングをするメリットは?

海外キャッシングは借入金額や日数によっては両替所よりも手数料が安い場合があるほか、必要なときに必要な分だけ引き出せるため、現金の持ち歩きによる盗難や紛失リスクを軽減できるというメリットがあります。

クレジットカードで海外キャッシングをするデメリットは?

海外キャッシングは借入のため、返済には利息が加算されます。さらに、ATM手数料や為替手数料も発生します。また、カードによっては返済方法が自動リボ設定になっている場合があります。返済方法が一括なのか、リボ払いなのかをあらかじめ確認しておきましょう。