【2024版最新】外貨両替のおすすめの方法とは?銀行・両替所・空港の手数料を徹底比較

高橋 美穂
石井 美南海
Last updated
2024年5月3日

みなさんは海外へ渡航するとき、どこで外貨両替をしていますか?「空港がやっぱり便利かな?」「でも為替レートが気になる……」と悩む方も多いのではないでしょうか?従来は、空港内にある銀行や両替所で外貨両替することが一般的でしたが、最近ではクレジットカードやデビットカードでのカード決済や引き出しも普及しています。

今回は、それぞれの場所で外貨両替する場合のメリット・デメリット、両替手数料について解説します。おトクに通貨を両替し、渡航先でも現地通貨を引き出せる、Wiseデビットカードについてもご紹介します。

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本記事の目次:

外貨両替をするのに、一番お得なのはどこ? 

外貨両替には、いくつかの方法があります。ここでは、外貨両替の手段や手数料、取扱通貨、両替方法を比較していきます。

手段

手数料


取扱い通貨/利用対象国

現金またはカード



クレジットカード VISA、JCB、ダイナースなど国際ブランドの加盟店で利用可能カード
Wiseデビットカード 40通貨以上/以下の国を除くほとんどの国(アフガニスタン、ベラルーシ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、キューバ、エリトリア、イラン、イラク、リビア、ミャンマー、北朝鮮、ロシア、ソマリア、スーダン、南スーダン、シリア、ベネズエラ、イエメン)カード
銀行 (みずほ銀行)2~21通貨現金
両替所 (ワールドカレンシーショップ)  21通貨現金
空港 (GPA/成田空港)34通貨現金

外貨宅配 (トラベレックス)


31通貨現金

(2024年3月現在)

外貨両替には、通常、「為替手数料」が発生します。為替手数料は1ドル毎にいくらというように決まっており、銀行や両替所などほとんどの場所で実際の為替レートに上乗せされて請求されます。為替レートは日々増減するものですが、為替手数料はお店毎に決まっています。為替手数料で損をしないように、できるだけ安い場所で外貨両替するようにしたいですね。

外貨両替する手段や場所について、一つずつ見ていきましょう。

銀行での外貨両替

日本におけるメガバンクの外貨両替は、キャッシュレス決済普及により規模が縮小されてきています。みずほ銀行での外貨両替の現状を例にご説明します。

みずほ銀行は、2024年2月末日をもって羽田空港の外貨両替ショップ全店を、3月末日をもって成田空港の外貨両替ショップ全店の営業を終了すると発表しました。さらに、東京都、千葉県、神奈川県、大阪府に設置している外貨自動両替機18ヶ所も3月末日に閉店が決定されました。現在、みずほ銀行では一部支店や外貨両替ATMでのみ外貨両替が可能です。

銀行の両替レート 

ここでは、実際にみずほ銀行の為替レートとTTM(市場仲値)を比較していきたいと思います。なお、この為替レートはあくまでも参考であり、この相場での取引を確約するものではないとされています。

例えば、日本円3万円を米ドルに両替するとします。2024年3月18日現在のレートは以下の通りで、市場仲値にプラス1円の為替手数料が上乗せされています。

  • 市場仲値 TTM:149.32円

  • みずほ銀行 TTS(外貨の販売レート):150.32円

したがって、TTM(市場仲値)で両替した場合、受け取れる金額は200.91米ドルですが、みずほ銀行で3万円を両替した場合、受け取れる金額は199.57米ドルとなります。この差額は1.34米ドルで、市場仲値(149.32円)で円換算すると200.08円となります。これが両替レートに隠された為替手数料になります。

銀行での外貨両替のメリット・デメリット

銀行で外貨両替をするメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
  • 紙幣の鑑定が厳しく、偽札がまぎれるリスクが低い

  • 銀行の外貨両替機(ATM)の営業時間内ならいつでも両替できる

  • 希望の通貨、金種の取扱いがない場合がある

  • 外貨両替に対応している店舗が減少傾向にある

クレジットカードでの外貨両替

VISAやMastercard、JCBといった国際ブランド搭載のクレジットカードをお持ちであれば、店舗やインターネットショッピングでクレジット決済ができ、現金を持ち歩く必要はありません。さらに、現地ATMでクレジットカードを使って現地通貨を必要な分だけ引き出すことも可能です。これを海外キャッシングと言います。海外キャッシング1回払いなら、両替所で外貨両替するよりも両替手数料が安くなり、結果的にお得に利用できるケースもあります。現金しか利用できない場合に備えて、現地で必要なだけキャッシングするのも便利です。

海外でクレジットカードを使って買い物をした場合には、海外事務手数料が加算されて請求されます。この手数料について、続けて詳しくご説明していきます。

クレジットカードの海外事務手数料

クレジットカードではどのようにレートが定められているのでしょうか?

金融機関で日本円を外貨に両替するときの相場をTTS(外貨の販売レート)、TTB(外貨の買取レート)と呼び、日々の為替レートを参考に、各金融機関が独自にレートの基準値であるTTM(市場仲値)設定しています。

クレジットカードの国際ブランドはこの市場仲値に海外事務手数料を上乗せして利用者に請求されます。具体例を見ていきましょう。

  • エポスカード:エポスカードでは海外現地でのショッピング利用日以降、アメリカのVisa決済センターに利用データが到着した時点での為替レートが適用されます。そのレートに海外事務手数料1.63%を加算したレートで日本円に換算され、請求されます。なお、2024年4月1日以降にVisa決済センターに到着したデータは、海外事務手数料が2.20%に変更される予定です。

  • 楽天カード:楽天カードでは、VISA・Mastercard・JCB・American Expressの4つの国際ブランドを取り扱っており、各国際ブランドによって定められる為替レートのタイミングや海外事務手数料が異なります。

国際ブランド海外事務手数料
VISA1.63%
Mastercard1.63%
JCB1.60%
American Express2.0%

(2024年3月現在)

クレジットカードでの外貨両替のメリット・デメリット 

海外でも国際ブランドの加盟店ならば多くのお店で利用できる便利なクレジットカードですが、以下のメリット・デメリットがあると言えます。

メリットデメリット
  • 現金を携帯する必要がない

  • 両替手数料よりも海外事務手数料の方がおトクな場合もある

  • 紛失や盗難の補償がある

  • 現金決済のみのお店もある

  • 海外キャッシングには利息やATM手数料がかかる

ご説明したように、国際ブランドによって適用される為替レートのタイミングや海外事務手数料が異なります。海外でクレジットカードを利用する際には、できるだけ海外事務手数料が安い国際ブランドを使うなど工夫するとよいかもしれません。

Wiseカード

海外での支払いや、海外ATMでの現地通貨調達の方法の一つに、Wise(ワイズ)カードが新たな選択肢となるでしょう。

Wiseとは、2010年に英国・ロンドンで発祥した海外送金サービスです。世界70か国以上、40通貨以上に対応し、安全性を確保しながらも、銀行と比べてより安く、よりスピーディーに送金ができるという点で人気を呼び、利用者数は延べ1,600万人以上、毎月の送金取扱額は90億ポンド(約1兆7,000億円)に達しています。

Wiseはもともと海外送金サービスとしてビジネスをスタートしましたが、現在は多通貨を保持・管理できるマルチカレンシー口座や、口座に紐づけられたWiseデビットカードを提供しています。Wiseデビットカードは世界175カ国、40種類以上の通貨で支払いができるため、海外旅行や海外出張の多い方にはぴったりなカードです。

マルチカレンシー口座で外貨を持っていれば、両替することなく、外貨のまま支払いができるため、両替手数料を払う必要はありません。万が一、該当の通貨を持っていなくても、自動的に手数料が最安の通貨から両替され、その手数料も0.43%からと格安です。

現地通貨を出金したい場合には、Wiseカードなら月に最大2回、合計3万円相当までは手数料無料。3回目以降も1回の取引につき固定手数料としてかかるのは70円と、手数料を大幅に抑えて現金を引き出すことができます。

Wiseカードを発行する
Tarjeta Wise

Wiseカードのメリット・デメリット

ここでは、Wiseカードのメリットとデメリットを解説していきます。

メリットデメリット
  • 取扱通貨が約40通貨と豊富

  • 外貨両替手数料、為替ルートどちらも格安

  • 全てオンラインで完結

  • Wise内で外貨両替後、ATMで月2回、30,000円相当額までの引き出し  は手数料無料

  • カードの一回限りの発行手数料が、1,200円かかる

  • 現金の取り扱いがない

  • 実店舗がない




Wiseカードは初回のみ発行手数料1,200円が発生しますが、クレジットカードのような年会費は一切かからず、経済的。取り扱い通貨も約40通貨と豊富で主要な通貨は網羅しています。Wiseカードなら、現地に到着してからもATMで3万円相当まで無料で出金できるため、出発前に慌てて外貨両替をする必要もありません。海外旅行や海外出張の機会が多い方には作っておいて損はないのではないでしょうか?

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両替所での外貨両替

外貨両替と聞いて、両替所が思いつく方も多いのではないでしょうか?代表的な両替所は大黒屋や、三菱UFJフィナンシャル・グループのワールドカレンシーショップが挙げられます。両替所での両替レートや、メリット・デメリットを解説します。

両替所の両替レート

みずほ銀行での例と同様に、日本円3万円を米ドルに両替した場合の大黒屋とワールドカレンシーショップでの為替レートとTTM(市場仲値)を比較していきたいと思います。

大黒屋

2024年3月18日現在の大黒屋での為替レートは以下の通りです。大黒屋では、市場仲値にプラス2.77円の為替手数料が上乗せされています。

  • 市場仲値 TTM:149.32円

  • 大黒屋 TTS(外貨の販売レート):152.09円(東京駅前店)

したがって、TTM(市場仲値)で両替した場合、受け取れる金額は200.91米ドルですが、大黒屋で3万円を両替した場合、受け取れる金額は197.25米ドルとなります。この差額は3.66米ドルで、市場仲値(149.32円)で円換算すると546.51円となります。これが両替レートに隠された為替手数料になります。

ワールドカレンシーショップ

2024年3月18日現在の大黒屋での為替レートは以下の通りです。ワールドカレンシーショップでは、市場仲値にプラス2.8円の為替手数料が上乗せされています。

  • 市場仲値 TTM:149.32円

  • 大黒屋 TTS(外貨の販売レート):152.12円

したがって、TTM(市場仲値)で両替した場合、受け取れる金額は200.91米ドルですが、ワールドカレンシーショップで3万円を両替した場合、受け取れる金額は197.21米ドルとなります。この差額は3.7米ドルで、市場仲値(149.32円)で円換算すると552.48円となります。これが両替レートに隠された為替手数料になります。

両替所での外貨両替のメリット・デメリット

両替所で外貨両替するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
  • 駅近など店舗数が多い

  • 週末も営業しており高い利便性

  • 取扱い通貨が豊富

  • 為替手数料が高い



空港での外貨両替

海外旅行や海外出張の直前はなかなか外貨両替に行く時間が取れず、直前に空港で外貨両替する方も多いのではないでしょうか?しかしながら、前述したようにみずほ銀行の外貨両替ショップが成田空港や羽田空港が全店閉店する運びとなり、今後外貨両替するには注意が必要です。

空港の両替レート

成田空港グループが運営するGPAの外貨両替所の両替手数料を比較してみましょう。

2024年3月18日現在のGPAでの為替レートは以下の通りです。GPAでは、市場仲値にプラス2.7円の為替手数料が上乗せされています。

  • 市場仲値 TTM:149.32円

  • GPA TTS(外貨の販売レート):152.02円

したがって、TTM(市場仲値)で両替した場合、受け取れる金額は200.91米ドルですが、成田空港内GPAで3万円を両替した場合、受け取れる金額は197.34米ドルとなります。この差額は3.57米ドルで、市場仲値(149.32円)で円換算すると533.07円となります。これが両替レートに隠された為替手数料になります。

空港での外貨両替のメリット・デメリット

空港内での外貨両替は以下の通りです。

メリットデメリット
  • 出発直前に外貨両替でき利便性が高い

  • 取扱い通貨が豊富(GPAは34通貨の取り扱い)

  • 為替手数料が高い

  • 利用者が多いため、時間帯によっては混雑する

  • 深夜から早朝は閉店しているため、営業時間に注意が必要

外貨宅配での外貨両替

ネットで注文して外貨を自宅まで配達してくれる外貨宅配サービス。外貨宅配サービスではトラベレックスが有名です。

外貨宅配の両替レート

ここではトラベレックスの外貨両替レートを比較していきましょう。

2024年3月18日現在のトラベレックスでの為替レートは以下の通りです。トラベレックスでは、市場仲値にプラス3.31円の為替手数料が上乗せされています。

  • 市場仲値 TTM:149.32円

  • トラベレックス TTS(外貨の販売レート):152.63円

したがって、TTM(市場仲値)で両替した場合、受け取れる金額は200.91米ドルですが、トラベレックスで3万円を両替した場合、受け取れる金額は196.55米ドルとなります。この差額は4.36米ドルで、市場仲値(149.32円)で円換算すると651.03円となります。これが両替レートに隠された為替手数料で、今回比較した中で最も高い為替手数料であることが分かりました。

外貨宅配のメリット・デメリット

外貨宅配での外貨両替のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
  • 自宅やトラベレックス店舗で受け取れるため、利便性が高い

  • 取扱い通貨が豊富(31通貨)

  • 代金引換やクレジットカード決済が可能

  • 為替手数料が高い

  • 時間に余裕がないときには利用しづらい

  • 天候によっては宅配が遅れる可能性も

  • 注文金額が10万円未満の場合は送料1,000円がかかる(2024年3月現在)

外貨両替するのに一番よいタイミングは? 

たとえクレジットカードやデビットカードを持っていたとしても、現地では少なからず現地通貨が必要です。日本円を外貨へ両替するのに、渡航前・空港で・現地に着いてから、などタイミングはいくつかあり、最もよいタイミングは人によって異なります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、よく考慮してから両替しましょう。

旅行前

旅行前には、事前に為替レートを調べる時間的余裕があることがメリットです。

メリットデメリット
  • 為替レートをよく調べてから外貨両替できる

  • 日本で両替するため、言語のハードルがない

  • 現金を持ち運ぶ必要がある

出発当日(空港)

空港での外貨両替は利便性の高さがメリットですが、高い為替手数料や時間的余裕がないことがデメリットです。

メリットデメリット
  • 利便性が高い

  • 空港内の銀行や両替所は信頼性が高い(偽札などのリスクが低い)

  • 為替手数料が高い

  • 時間帯によっては混雑する可能性がある

現地到着後

現地到着後、空港や銀行で外貨両替することも可能ですが、街中には悪徳な両替所もあるので安全性に懸念があります。

メリットデメリット
  • 日本よりも為替手数料がお得なこともある

  • 街中の両替所には両替レートが悪く、安全性が低いところもある

現金が必要なのは、どんなとき? 

先進国ではキャッシュレス決済も浸透してきていますが、中には現金のみの支払いを求められることも少なくありません。海外で現金が必要な状況は以下が挙げられます。

  • ホテルやレストランでのチップ

  • 交通機関の切符

  • 街中の商店や屋台

ヨーロッパの先進国などでも、レストランで現金払いを求められるケースもあるため、クレジットカードやデビットカードの他に、少額の現金は用意しておくことが望ましいです。

海外で現金を使うメリット・デメリット 

最近では「現金はほとんど持ち歩かない」という方もいるかもしれません。海外旅行ではうまく現金とクレジットカードやデビットカードとを使い分けることが重要です。

ここでは、海外で現金を使うメリット・デメリットを挙げていきます。

メリットデメリット
  • チップを払いやすい

  • 現金支払いしか対応していない場所で支払いがしやすい

  • スリや泥棒に狙われやすい

  • 現金を紛失した場合の補償がない

  • 多めに現地通貨を両替してしまうと、使いきれなかった場合に再度日本円へ両替する際に手数料がかかってしまう

言わずもがな、現金を大量に持っていくことは紛失や泥棒の被害に遭うリスクがあり、おすすめできません。基本的には、クレジットカードやデビットカードと必要最小限の現金を持ち歩くことが賢明です。

外貨両替で気をつけるべきトラブルとは?

本記事でも少し触れましたが、外貨両替する際にトラブルに逢わないために気をつけるべきポイントをご紹介します。

  • 海外現地での外貨両替には、銀行や空港など信頼性の高い場所を利用する(街中の両替所は避ける)

  • 事前に両替レートや外貨両替手数料を確認する

  • 外貨両替後には、必ずレシートをもらい、その場で確認する

  • 少額ずつ両替し、一度に大きな金額を両替しない

海外での外貨両替では、常に警戒心を持つことが重要です。

外貨両替でまず一番大切なのは、信頼性の高い両替所で両替をすること。妥当な外貨両替手数料であるか、事前に両替レートを確認しましょう。両替後には、すぐに財布に現金をしまわずに、その場で確かに正しい金額を受け取ったか、レシートをもらって確認しましょう。また、一度に大金を両替すると、誰かに見られている可能性も。少額ずつ、数回に分けて両替することがトラブルを回避する無難な方法です。

まとめ

今回は、外貨両替の最もお得でおすすめな方法を解説しました。海外先進国であっても、カードが使えないお店やチップなど現金が必要な場面はまだまだあります。外貨両替を選ぶポイントをまとめます。

  • 本日の市場仲値を確認、銀行や各店舗が設定する為替レートと比較をし、適切な両替方法を選択する

  • Wiseデビットカードのように、渡航先で格安な手数料で外貨を引き出せるカードを使うのも一つの手

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外貨両替と一口に言っても、円安傾向が続く日本では両替場所によって受け取れる外貨金額に大きく違いが出てきます。手数料で損をしないように、両替場所だけでなく、うまくカードとも組み合わせてお得に利用できるように工夫していきたいですね。

出典: