為替手数料とは?海外送金にかかる手数料の仕組みとその節約方法を徹底解説
為替手数料とは、海外送金をしたり海外でクレジットカード払いをしたりするときに発生する手数料です。銀行や金融機関によってその金額は異なりますが、外貨両替を含む取引にはほとんどの場合で発生します。この記事では、そんな為替手数料の仕組みについて詳しく解説していきます。各金融機関の為替手数料の違い、海外送金にかかるその他の手数料についても見ていくので、海外送金や外貨両替を予定している人はぜひ参考にしてください。また、外貨取引にかかる手数料を抑えたWise(ワイズ)などのサービスも合わせてご紹介していきます。
目次:
- 為替手数料とは?
- TTS・TTB・仲値(ミッドマーケットレート)とは?
- 為替手数料の計算方法
- 海外送金時の為替手数料の計算方法
- 各銀行・プロバイダーの海外送金為替手数料比較
- 海外送金時にかかるその他の手数料
- 海外送金時の手数料を節約する方法
為替手数料とは?
為替手数料とは、円と外貨の両替をするときに金融機関に支払う手数料のことです。例えば円をドルやユーロに換えたり、ドルやユーロを円に戻したりするときに発生します。「1ドルにつき○円」と決められていることが多く、取引額が大きくなればそれだけ支払う為替手数料も大きくなります。その金額は金融機関や取引する通貨の種類によって異なりますが、アメリカドルの外貨預金の場合は1ドルにつき1円の手数料がかかることが多いです。
TTS・TTB・仲値(ミッドマーケットレート)とは?
金融機関のウェブページを見ていると、「TTS」「TTB」「仲値」という用語がよく使われます。「TTS」とは「対顧客電信売相場」のことで、円を外貨に両替するときの相場を指します。それに対し、「TTB」とは「対顧客電信買相場」であり、外貨を円に換えるときの相場です。それぞれ基準の相場である「仲値」に手数料を調整して決められます。ちなみに、「仲値」は「ミッドマーケットレート」と呼ばれることもあります。
例えば、仲値が1ドル=100円で、日本円とドルの為替手数料が1円の場合を考えてみましょう。その場合にはTTSは仲値に1円プラスした「101円」、TTBは仲値から1円マイナスした「99円」となります。TTSとTTBの差額は2円であり、このことを金融機関では一般に「為替手数料、往復2円」と表現します。
為替手数料の計算方法
海外送金をするとき、また海外でクレジットカードなどで支払いをするときには、必ずと言っていいほど為替手数料が発生しています。上述の通り為替手数料は為替レートに組み込まれていることが多く、一見すると気づきにくいです。この段落では、その計算方法を詳しく解説していきます。
海外送金時の為替手数料の計算方法
海外送金をするときに発生する手数料は、基本的に「海外送金手数料」と「為替手数料」の2つです。海外送金手数料については「1件につき○円」と決められていることが多いですが、為替手数料については「1ドルあたり○円」の場合と「両替金額の○%」の場合があります。為替手数料が具体的にいくらなのかは仲値と実際の為替レートを差し引きすることでわかります。
例えば、仲値レートが1ドル=150円のときにアメリカに10万円を送る場合で考えてみましょう。本来であれば
100,000円÷150ドル=約666ドル
上記の金額が相手の手元に届くはずです。しかし、実際には各金融機関が設定する為替レートで取引するため、この金額通りにはなりません。仮に、A銀行では為替レートを1ドル=151円と設定しているとします。それを計算すると、
100,000円÷151ドル=約662ドル
となり、約4ドルの差異が出ます。この分が手数料としてA銀行の取り分となるのです。当然ながら、取引する金額が大きくなればその分支払う手数料も大きくなります。
そのため、為替手数料が安い金融機関を選ぶことで海外送金にかかる手数料を抑えることができます。しかし、為替手数料については明示していない金融機関も多く、実際に取引してから思ったよりも手数料がかかってしまった、というケースが少なくありません。
それに対し、Wise(ワイズ)の海外送金では為替レートに為替手数料を含まないミッドマーケットレートで取引ができます。Wiseとはオンラインで複数外貨の保有や両替、海外送金ができるプロバイダーで、海外送金にかかる手数料が非常に安いことで知られています。海外送金にかかるのは送金手数料のみ、送金金額の0.68%~です。取引を実行する前にかかる手数料はすべて明示されます。そのため、不透明な手数料に悩まされることもありません。
各銀行・プロバイダーの海外送金為替手数料比較
為替手数料比較 | 米ドル | ユーロ | ポンド | カナダドル | オーストラリアドル | シンガポールドル |
---|---|---|---|---|---|---|
Wise | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
Paypal | 4% | 4% | 4% | 4% | 4% | 4% |
PayForex | 0.5~10% | 0.5~10% | 0.5~10% | 0.5~10% | 0.5~10% | 0.5~10% |
三菱UFJ銀行(※1) | 0.25円 | 0.25円 | 0.5円 | ×(※2) | 0.5円 | × |
三井住友銀行 | 1円 | 1.4円 | 4円 | × | 2.5円 | × |
みずほ銀行 | 2円 | 4.5円 | 7円 | × | 7円 | × |
2025年2月6日12時時点での情報を基に作成。(※1)オンライン取引の場合(※2)×:取り扱いなし
Wise、PayPal、PayForexはいずれも申し込みから海外送金の取引まですべてオンラインで完結するプロバイダーです。PayPal、PayForexは基準となる為替レートに「○%」と上乗せする形で手数料を徴収しています。PayForexは公示されている手数料が0.5~10%と幅があり、実際にどれくらいかかるのかが少しわかりづらくなっています。
一方、Wiseの場合は為替レートに市場の仲値(ミッドマーケットレート)を採用しているため、為替手数料が一切かかりません。海外送金にかかるのは送金手数料のみ、それも0.68%~と格安になっています。送金にかかる手数料は取引を実行する前にすべて明示されるため、不透明な手数料に悩まされることもありません。
対して三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンクは為替手数料を1単価あたり「○円」と定めています。米ドルについてはどこの銀行も比較的安価に手数料を設定していますが、ポンド及びオーストラリアドルはやや高めです。中には対応していない通貨もあります。
海外送金時にかかるその他の手数料
海外送金をする際には、為替手数料と送金手数料のほかに「中継銀行手数料」、「リフティングチャージ」などの手数料が発生することがあります。
中継銀行手数料
各銀行が海外送金をする際には「SWIFT(スウィフト)送金」という方法で行われます。SWIFTとは世界中の金融機関を結ぶネットワークのことで、海外送金時にはこのネットワーク上にある複数の銀行を中継銀行としてまたいで受取人の銀行へと資金が届きます。このときに取引に携わった銀行に支払うのが中継銀行手数料です。経由する銀行ごとに手数料が発生し、かつ銀行によって徴収される金額も異なるため、事前にいくらかかるのかは銀行側にもわかりません。
Wiseの場合はSWIFTを使わない独自の送金システムを構築しているため、中継銀行手数料が発生することがありません。ただし、支払い方法にはいくつか選択肢があり、その中にはSWIFT送金もあります。SWIFT送金を選んだ場合には中継銀行手数料がかかります。
リフティングチャージ
リフティングチャージとは両替を伴わない海外送金にかかる手数料のことです。例えば円を円のまま送金したり(円建て)、外貨を外貨のまま受け取ったり(外貨建て)するときにかかります。
海外送金時の手数料を節約する方法
このように、海外送金にはいろいろと手数料がかかります。手数料を節約したいという人は下記の点に気を付けてみてください。
送金回数をまとめる
多くの金融機関では海外送金の送金手数料を「1件につき○円」と定めています。例えば三菱UFJ銀行の場合、同行の海外支店にオンラインで送金する場合には1件につき2,500円かかります。そのため、送金回数が多くなればなるほど送金手数料は増えていきます。単身赴任や留学で海外にいる家族に送金する場合など、同じ相手に繰り返し送金するような場合にはなるべくまとめて送金することをおすすめします。
為替レートの良いタイミングを選ぶ
為替レートは日々変化しています。タイミングを見て為替レートが良いタイミングで取引をすれば、同じ金額を取引するのでも支払う金額が少なくなります。例えば1,000USDをアメリカに送るとして、1ドル=150円のときと1ドル=160円のときを比べてみましょう。
1ドル=150円
1,000USD×150円=150,000円
1ドル=160円
1,000USD×160円=160,000円
このように、為替レートの違いだけで1万円もの差が出ています。そのため、時間に余裕があるのであれば為替レートを定期的にチェックし、有利なレートで取引できるタイミングを待ちましょう。
Wiseのような透明性の高いサービスを選ぶ
金融機関の中には、具体的な為替レートを公開していないところもあります。また、中継銀行手数料は取引前にはいくらになるかわからないため、一定金額を超えた場合には取引後に後から徴収されることもあります。そのため、取引を終えたあとに意外と手数料がかかってしまった…なんてことになりかねません。
そういった事態を避けるためには、あらかじめ手数料がわかる透明性の高いサービスを選ぶことが重要です。例えばWiseならホームページ上で海外送金にかかる手数料をシミュレーションできます。実際に海外送金をするときにも取引実行前にかかる手数料が明示されるため、知らず知らずのうちに手数料が膨れ上がっていた、といったことに悩まされる心配もありません。ただし、Wiseの場合もSWIFT送金を選んだ場合には中継銀行手数料が発生することがあります。
まとめ
今回の記事では海外送金時の為替手数料について解説してきました。そもそも為替手数料とはなにか、どんなときに発生するのか、いくらくらいかかるのか、など細かく解説しているので、海外送金の際にはぜひ参考にしてみてください。
為替手数料を含め、海外送金にかかる手数料を抑えたい場合にはオンラインプロバイダーのWiseがおすすめです。為替手数料はかからず、送金手数料のみで海外送金ができるプロバイダーで、手数料は0.68%~と、他の金融機関に比べると非常に安くなっています。
FAQ
日本円から外貨、外貨から日本円に両替するときに金融機関に支払う手数料のことです。
金融機関によって、取引する通貨によって変わります。例えば三菱UFJ銀行の場合、アメリカドルなら1ドルあたり0.25円、イギリスポンドなら1ポンドあたり0.5円です。(2025年2月5日現在)