Wiseは手数料が安いってほんと?その仕組みを解説!
オンラインの海外送金の方法として「Wise(ワイズ)」(旧トランスファーワイズ)というサービスを聞いたことがある人も多いかもしれません。銀行よりも大幅に送金手数料を節約できるとして、特に海外では人気の海外送金手段となっています。
またWiseは海外送金以外にも、40通貨以上の保有と両替が取得可能なマルチカレンシーアカウントや、海外旅行時の支払いや現金の引き出しに便利なデビットカードを提供しています。今回の記事では、そんなWiseの手数料について具体的な料金や仕組みについて徹底解説していきます。
Wise手数料の概要
海外送金時には、送金手数料以外にも為替手数料や中継銀行手数料など、様々な手数料が発生する可能性があります。
Wiseでの海外送金にも手数料が発生しますが、他のサービスと比較すると、概して比較的安価です。その理由のひとつが、Wiseの海外送金では実際の為替レート(ミッドマーケットレート)で取引できるからです。
また、Wiseでは10通貨に対応したマルチカレンシー口座の保有もできます。送金だけでなく通貨間の両替もでき、非常に便利です。両替の際もミッドマーケットレートを採用しており、手数料が可能な限り下げられています。手数料に関してはアプリやウェブ上で取引前にすべて確認できるので、隠れコストがなく透明性の高いサービスと言えるでしょう。
ちなみに、口座に紐づいたデビットカードの取得も可能です。海外旅行などで外貨を使用する場合、その通貨が口座に入っていれば手数料がかからず決済できます。Wiseはできる限り手数料を安くすることをポリシーとしており、それを実現するための様々な仕組みが随所にあります。
Wiseアカウント開設手数料 | 無料※ |
アカウントへの入金手数料 | 入金方法によって異なる |
資金の保有手数料 | 無料 |
10通貨の口座情報の取得 | 無料 |
海外送金手数料 | 送金金額の0.43%〜(通貨によって異なる) |
受取手数料 | 無料(AUD,CAD,EUR,GBP,HUF,NZD,RON,SGD,TRY,USDを口座で受け取る場合) |
4.14USD(USDを電信送金で受け取る場合) | |
10CAD(CADをSWIFTで受け取る場合) | |
Wiseデビットカードの注文 | 1,200円 |
ATMの引き出し手数料 | 毎月3万円までの出金:月2回まで無料 |
月3万円を超えた分:1回の出金あたり70円+超過分の1.75% |
※法人アカウントの場合、10通貨の口座情報の取得やAmazonやStripeなどのプラットフォームから資金を受け取る機能を追加する際は、初回のみ3,000円の費用が発生
為替手数料
為替手数料とは、海外送金の際に自分の保有している通貨と異なる通貨で相手先が受け取りを行う場合に発生する手数料のことです。通常、銀行などで海外送金をする際には為替手数料は「送金金額の○%」「1回の取引につき○円」などと決まっています。もしくは、為替レートの中に組み込まれていることも多いです。そのため、各金融機関が設定している為替レートを見てみると、実際の為替レートよりもやや高くなっていることが一般的です。
為替レートの中に組み込まれている場合、実際の為替レートとの差額がその各金融機関の利ざやであり、為替手数料だといえます。例えば日本からアメリカに1000ドルを送金する場合で考えてみましょう。仮に、実際の為替レートが1ドル=150円とします。この場合、1000ドルを送るには15万円だけあればいいはずです。しかし、ある銀行では海外送金の為替レートが為替レートは151円に設定されており、15万1,000円が必要だと言われました。この場合、差額の1,000円分が為替手数料であり、その銀行の取り分になっているのです。
それに対し、Wiseでは海外送金に対し「ミッドマーケットレート」を採用しています。ミッドマーケットレートとは各金融機関が設定している為替レートの中間点のことで、市場で自然に設定されます。最も公平な為替レートであり、知らず知らずのうちに手数料が上乗せされている、ということはありません。
海外送金手数料
送金手数料には固定手数料と変動手数料が含まれています。固定手数料は送金手続きに必要な費用を、変動手数料は両替に必要な費用をカバーするための手数料です。変動手数料の割合は、送る通貨や金額、送金方法によって変わります。例えば10万円をさまざまな通貨で送る場合を見てみましょう。
通貨 | 送金方法 | 固定手数料 | 変動手数料 | 合計手数料 |
---|---|---|---|---|
アメリカドル | 銀行振込 | 77円 | 655円(0.66%) | 732円 |
Wise残高からの送金 | 56円 | 617円(0.62%) | 673円 | |
デビットカード | 77円 | 3,829円(3.96%) | 3,906円 | |
カナダドル | 銀行振込 | 88円 | 685円(0.69%) | 773円 |
Wise残高からの送金 | 70円 | 636円(0.64%) | 706円 | |
デビットカード | 88円 | 3,858円(3.99%) | 3,946円 | |
ユーロ | 銀行振込 | 69円 | 646円(0.65%) | 715円 |
Wise残高からの送金 | 45円 | 607円(0.61%) | 652円 | |
デビットカード | 77円 | 3,829円(3.96%) | 3,906円 |
このように、送金方法によって手数料は大きく変わってきます。いずれの場合も、必ず取引前に手数料金額が明示されます。知らない間に想定以上の手数料を支払ってしまった、といったことにはならないので安心して使いやすいのではないでしょうか。
Wise手数料シミュレーター
Wiseで送金をする際には、取引を実行する前にアプリ上で手数料の詳細を確認することができます。送金する通貨、送金方法などを選ぶと自動で手数料と送金先の受取金額を計算し表示してくれます。
また、Wiseのオンラインサイトにも手数料シミュレーターがあります。自分が送ろうとしている金額を入力し、受取先の通貨を選択すると自動で手数料を計算してるも のです。
このように、Wiseで海外送金をするときには手数料、為替レート、受取人の受取額、そして着金予定日を事前に知ることができるので、安心して手続きが進められるでしょう。
Wiseの送金手数料の仕組み
Wiseの場合、海外送金の手数料は
・送金額
・入金方法
・通貨
によって変わります。
送金額が大きくなるほど、送金にかかるコストは大きくなります。そのため、Wiseでは送金額に対して手数料は割合で設定しているのです。少額の送金の場合は最小限の手数料で済みますが、そうでない場合には通貨によって割合は決まります。
また、送信元の国によっていろいろな入金方法があり、それによっても手数料が変わってきます。
このように、いくつかの要素によってWiseの手数料は変動しますが、いずれも手続き前にシミュレーターで知ることができます。安いだけでなく、非常に透明性の高いシステムを採用しているといえるでしょう。
Wiseマルチカレンシー口座とカード
Wiseの口座は、160カ国40の通貨に対応しているマルチカレンシー口座です。お金の送金や受け取りだけでなく、両替や保有もできます。さらに、9つの通貨に関しては現地の口座情報の取得も可能です。
さらに、マルチカレンシー口座に紐づいたデビットカードを取得すると海外での支払いの際に便利です。アカウントに現地の通貨が入っていれば、その通貨で支払うことができるので為替手数料を支払う必要がありません。現地の通貨がない場合にはその他の通貨で支払うことになりますが、その際にかかる手数料も安く抑えられています。マルチカレンシー口座とカードの手数料の詳細については、下記をご覧ください。
アカウント開設手数料 | 個人アカウントは無料 |
アカウントチャージ手数料 | 入金方法によって異なる |
資金保有手数料 | 無料 |
受取手数料 | 無料(AUD,CAD,EUR,GBP,HUF,NZD,RON,SGD,TRY,USDを口座で受け取る場合) |
4.14USD(USDを電信送金で受け取る場合) | |
10CAD(CADをSWIFTで受け取る場合) | |
Wiseデビットカードの取得 | 1,200円 |
ATM手数料 | 月2回まで無料 |
カードでの決済時に両替が発生する場合 | 0.43%〜(通貨によって異なる) |
アカウントチャージ手数料
自分のアカウントにお金を入れる際(チャージ)、入金方法と入金通貨によって手数料が発生することがあります。例えば1万円をチャージする場合、銀行振込なら無料ですがデビットカードで入金すると3.3%の手数料がかかります。
また、対応通貨の中には現地の口座情報が取得できるものもあります。その口座であれば、銀行振込で資金を受け取ることが可能です。
資金保有手数料
アカウントにお金を入れておくだけなら、Wiseでは手数料は発生しません。それは複数の通貨を保有していても同様です。
Wiseアカウント間の送金手数料
口座に保有しているお金はそのまま送金に使うことができます。他人のWiseアカウントへの送金は、同通貨であれば手数料無料で利用できます。(BRLは除く)
Wiseアカウントでのお金の受け取り
日本の個人アカウントの場合、下記10通貨の口座情報の取得ができます。
・アメリカドル
・オーストラリアドル
・カナダドル
・ユーロ
・イギリスポンド
・シンガポールドル
・ハンガリーフォリント
・ニュージーランドドル
・トルコリラ
この10通貨に関しては、現地口座情報を使ってお金の受け取りができるため手数料がかかりません。ちなみに、2023年12月15日現在では日本の銀行の口座情報取得はできませんが、Wiseのアカウントに日本円を入れておくことは可能です。
通常、日本の銀行では海外通貨の受け取りの際には手数料が発生します。例えば三菱東京UFJ銀行の場合、外国送金の受け取りには1,500円+送金金額の0.05%が手数料として請求されます。他にも、楽天銀行の場合は一律で2,450円です。
その点、Wiseなら上記の通貨であれば手数料無料で受け取りができるので、非常にリーズナブルな送金手段といえます。
ATM手数料
Wiseのデビットカードは、銀行のキャッシュカードと同じようにATMでの現金引き出しに対応しています。月2回までであれば引き出し手数料はかかりません。ただし、無料で出金できるのは月3万円までで、それ以上の金額を引き出す場合には回数に関わらず手数料がかかります。
手数料の内訳は固定手数料70円と変動手数料1.75%です。仮に、3万円を引き出すとすると70円+525円=595円が手数料として請求されます。ちなみに、Wiseのアプリでは無料で出金できる金額や次回無料で利用できる日付を簡単に確認できます。
海外決済手数料
Wiseカードを使って海外決済をする際、アカウントに現地の通貨を保有していればその通貨でそのまま支払うことができます。すなわち手数料はかかりません。現地の通貨が入っていない場合にはその他の通貨で支払うことになり、両替手数料が発生します。その際には両替手数料が最も安い通貨を自動的に選んで決済が行われるため、常に一番安い方法で決済ができます。
他のサービスとの比較
Wiseの他にも海外送金のできる金融機関やサービスはあります。それぞれ、手数料を比較して一番お得に利用できるものを選べるといいですね。通貨や送金方法によっても手数料は変わってくるので、事前によくチェックすることをおすすめします。
その時に注意したいのが先に説明した為替手数料のような、隠れたコストです。「送金手数料無料!」などと謳っていても、実は為替レートの中に利ざやが含まれており、知らず知らずのうちに損をしていたというのは珍しい話ではありません。そのため、為替レートもよく確認しましょう。
Exiapでは海外送金の為替レートと手数料を一挙に比較できます。送金にかかる日数や先方の受取金額も提示してくれるので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
以上見てきたように、Wiseの海外送金は手数料がわかりやすく、また安価に抑えられていて便利です。取引前にかかる手数料をすべて知ることができるので、安心して利用できるのではないでしょうか。安いだけでなく明瞭さも確保されているので、その点も安心につながりますね。
ソース
Wiseの手数料についてよくある質問
海外送金の場合、送金額、入金方法、そして受取先の通貨によって変わります。例えば10万円をアメリカドルで受け取る場合の手数料は732円です。
送金手数料の他に、アカウントチャージやATMの利用に手数料が発生することがあります。
他のプロバイダーは為替レートの中に利ざや分が含まれており、実際の為替レートより割高であることがほとんどです。それに対し、Wiseは実際の為替レートで取引ができます。
アカウント登録自体は無料です。利用をしていく上で、サービスによっては手数料が発生することがあります。
取引の内容によって変わります。
月額料金はかかりません。