インドネシアでの銀行口座開設方法をわかりやすく解説!

石井 大智
石井 美南海
Last updated
2023年11月28日

インドネシアでの銀行口座開設をお考えですか?インドネシアにすでにいる方も、インドネシアに行かずにインドネシアで銀行口座を開設しようとしている方にとっても、インドネシアでの銀行口座開設は複雑なプロセスになる可能性があります。この記事では、様々な場合においてどのように口座を開設するのか、どんな書類が必要なのかなどをわかりやすく解説します。

どのような書類がインドネシアの口座開設には必要?

インドネシアの銀行口座開設に必要な書類は銀行や口座開設者の置かれた状況によって異なりますが、インドネシアに住む外国人居住者が口座開設する場合を考えて見ましょう。インドネシア国営の商業銀行大手マンディリ銀行の場合、以下の書類が必要だと公式ホームページに記載されています。

  • パスポート(旅券)

  • インドネシアの居住を証明する書類:KIMS(外国人登録証明書)、KITAS(暫定居住許可証)、KITAP(定住許可証)のいずれか

  • インドネシアの納税者番号(NPWP)(持っていなくとも口座開設可能なことも)

  • 口座への最初の入金として、500,000インドネシアルピア(2023年11月のレートでおよそ4800円)が必要

インドネシアでも他の国と同様に非居住者の銀行口座の開設が近年難しくなっています。居住者であることを示すためにも、インドネシアの居住を証明する書類が必要になります。インドネシアでは入国と滞在許可を示す書類が異なっています。ビザはあくまで入国のために必要なもので、滞在のためにはKITASなど上記のような滞在許可を示す書類が必要ですが、それらを銀行で示す必要があります。

マンディリ銀行のホームページにはカードタイプであるKITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas)を持参するようにと記載がありますが、現在は電子化されており、メールで送られてきたPDF形式の滞在許可証を印刷して持参することになります。

銀行口座を開設しようとする時に日本の納税者番号としてマイナンバー(個人番号)の提出が求められることもあります。これは、OECDが策定した銀行等の口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際的な統一基準(いわゆる「共通報告基準」)があるからです。この基準に従って日本で課税対象となる日本居住者の口座情報が日本の税務当局などに通知されます。

銀行や担当者によって必要書類は異なる場合もあるので、事前に問い合わせておいて、必要書類を確認しておくのが理想的でしょう。

インドネシアへの海外送金はWiseが便利!

インドネシアにいる友人などに送金したい場合、Wiseを使えば日本の銀行からSWIFTを利用して海外送金するよりも手数料を大幅に抑えることができるかもしれません。それは、Wiseでは「隠れた手数料」をなくしているからです。

日本の銀行からインドネシアの銀行に送金する際には、一般的に送金手数料だけではなく為替手数料や中継銀行手数料がかかります。為替手数料は日本円から外貨に両替する時にレートに含まれている手数料で、この手数料に気づかず両替している人も少なくないはず。中継銀行手数料は送金時に中継する銀行などに支払う手数料ですが、こちらも多くの場合送金時にこの手数料が実際いくらかかるのか知ることは難しくなっています。

Wiseで送金シュミレーションをする

Wiseでは、為替手数料や中継銀行手数料などの「隠れた手数料」はかかりません。送金時にわかる送金手数料だけを確認すればよく、送金コストが非常に見えやすくなっているのでおすすめです。

Wiseでは、日本の個人がインドネシアで送金できる先は銀行口座だけではありません。受取人の携帯電話番号が分かれば Gopay、OVO、 Danaを含むモバイルウォレットにも送金できます。Wiseで入金確認と両替が完了した後、通常1営業日で着金するというのも嬉しい点ですね。

Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く企業で、世界各地で送金・マルチカレンシーウォレットサービスを提供しています。日本国籍で日本の居住者であれば日本の運転免許証やマイナンバーカードで口座開設可能です。また、口座開設やそのための書類提出がオンラインで完結するのも嬉しい点です。日本からインドネシアの銀行口座やモバイルウォレットに送金したいというのであれば、Wiseでも十分かもしれません。

非居住者としてインドネシアの銀行口座を開設する方法

インドネシアに住んでいない外国人でも銀行口座の開設は可能なのでしょうか。滞在許可証なしでの銀行口座開設は難しいですが、バリ島のBNI(バンクヌガラインドネシア国営銀行)などではインドネシア現地エージェントの紹介を利用すれば特定の地域や銀行で口座を開設できるようです。ただし、エージェントへの手数料の支払いが必要です。

非居住者にとって銀行口座の開設が難しいのはインドネシアに限った話ではありません。日本でも、個人の非居住者の口座開設を認めていないことを明記している金融機関が数多くあります。インドネシアの銀行は非居住者の口座開設を全面的に認めていないわけではないので、日本よりはまだ非居住者の口座は作りやすいと言えるでしょう。

インドネシアに行かずに銀行口座の開設は可能?

では、インドネシアに行かずに銀行口座を開設することは可能でしょうか。インドネシア現地エージェントを利用すればOCBC NISP銀行など特定の銀行で口座を開設できるようです。

ただし、この方法だとインドネシア現地エージェントへの手数料がそれなりに高いのが難点です。ある程度まとまった金額を投資するための口座であればともかく、生活資金用にはあまり向いてなさそうです。またインドネシアに行かず遠隔で口座開設するのは数ヶ月程度時間がかかるようで、すぐには使えません。また、最初に一定の金額の預け入れをしないといけないのが一般的です。

インドネシアで銀行口座を開設するメリットとデメリット

インドネシアで銀行口座を開設するメリットとデメリットは以下の通りです。

インドネシアで銀行口座を開設するメリット

  • インドネシアで給与・報酬の受け取りや家賃の支払いが可能

  • インドネシアで銀行口座が必要な決済サービスを利用できる

  • インドネシアの生活を便利にするGopayが使いやすくなる

  • インドネシアならではの日本に比べて金利の高い金融商品に投資できる

インドネシアで銀行口座を開設するデメリット

  • インドネシアに居住していなければ口座開設が難しい

  • 口座開設や口座維持のために言語力や現地情報が必要

  • 日本の居住者でもある場合、税金や会計に関する処理が複雑になる

  • インドネシアと日本の間でお金を動かす場合に海外送金が必要となる

  • エージェントを利用する場合は、悪質なエージェントに引っかかる可能性がある

 インドネシアの銀行口座を開設する際の注意点

日本の金融庁は「外国銀行代理銀行」として認可を受けていない事業者が日本に拠点のない外国銀行の預金口座の開設を代行するとして手数料を振り込ませたり、預金口座の開設資金を外国に送金させたりするのは違法であるとしています。また、このようなサービスを提供する事業者は詐欺である可能性が極めて高いと警告しています。

三井住友銀行など日本の銀行もホームページで同様の注意喚起をしています。「外国に実在する銀行名が記載されたパンフレット等を用い、投資や高金利預金の口座開設を勧誘する事例」があったとしても、それは「手数料や預金口座開設資金をだまし取ろうとする犯罪である可能性が極めて高い」として警告しています。

詐欺にあわないために、利用しようとしている事業者(金融機関)が金融庁による「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」に含まれているか確認するというのが一つの方法です。

インドネシアの口座開設にかかる費用は?

インドネシアでは一般に銀行の口座開設自体に費用がかかることはありません。ただし口座開設のための書類を揃えたり、現地の支店に行ったりするのに多くの費用がかかるかもしれません。エージェントやサポートサービスを使えば、その分エージェントやサポートサービスに対する手数料もかかります。

また、口座開設時に一定の金額の預入が求められる場合があります。銀行によっては口座維持手数料がかかることもあります。

インドネシアと日本の間で送金するのにおすすめの方法は?

インドネシアと日本の間で海外送金する際には、Wiseがおすすめです。Wiseでは為替手数料などの「隠れた手数料」を徹底的に排除しており、多くの銀行による海外送金よりも手数料を抑えることができます。また、送金時にどの程度の日数で送金できるか目安もわかるというのも嬉しい点ですね。

Wiseで送金シュミレーションをする

先述の通り、Wiseにおいて日本の個人はインドネシアにある個人の銀行口座だけではなく、Gopay、OVO、 Danaといったモバイルウォレットにも送金できます。インドネシアのモバイルウォレットへの送金には国番号(+ 62)から始まる受取人の携帯電話番号が必要です。

インドネシアからWiseで送金する場合には、インドネシアの銀行から振り込みをするか、Gopay、OVO、 Danaといったモバイルウォレットから入金することができます。日本にももちろん送金可能ですが、インドネシアから法人アカウントで送金することはできません。

安全性や使い方など、Wiseについてもっと詳しく知りたい場合は、「海外送金のWiseは銀行よりも安全?」や「Wiseを徹底解説」をご覧ください。

結論

この記事では、必要書類などインドネシアの銀行口座を開設する上で知っておくべきことを解説しました。インドネシアに限らず海外で銀行口座を開くのは簡単ではありません。その場所に住んでいない非居住者であればより困難で、インドネシア現地のエージェントなどを使う必要がありますがその分費用がかかってしまいます。ただ、日本からインドネシアの口座やモバイルウォレットに送金したいというのであれば、この記事で紹介したWiseでも十分かもしれません。

Wiseで送金シュミレーションをする

香港スイスオーストラリアなど、その他の国の銀行口座の開設方法を知りたい場合はガイド記事一覧をご覧ください。

出典

Mandiri Tabungan Rupiah

番号制度概要に関するFAQ|国税庁

外務省海外安全情報|中華人民共和国(インドネシア)|安全対策基礎データ|滞在時の留意事項

プロダクト & サービス_インドネシア建設銀行東京支店サイト

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