AliPay(アリペイ)の使い方とは?その仕組みと特徴を徹底解説!

山口 友紀恵
Last updated
2024年9月6日

オンライン決済がどんどん普及し、キャッシュレス化が進む中国。「世界最大規模のキャッシュレス社会」と言われることもあるほどで、さまざまな支払い方法があります。

その中でも特に普及率が高いのがAliPay(アリペイ)です。旅行などで中国へ行く予定のある方の中には、AliPayの利用を検討している人もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、AliPayについてその仕組みや特徴をお伝えしていきます。登録方法や利用にかかる手数料など、サービスの全容を詳しく解説していくので、利用を検討している人はぜひ参考にしてみてください。また、中国への海外送金や中国国内のAlipayユーザーに直接送金できるWiseについても合わせてご紹介していきます。なお、記事中の人民元の為替レートは2024年4月23日時点のものを参照しています。

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目次:

Alipayの使い方は? 

AliPay(アリペイ)とは中国の大手企業、アリババグループが提供するオンライン決済サービスです。中国国内では小売店や飲食店、公共交通機関など街中のさまざまな場所でAliPayを使った支払いが可能です。また、公共料金の支払いなどにも利用できます。長期、短期に関わらず中国へ行く場合には持っておいて損はありません。

AliPayの利用にはまずアカウント登録が必要です。アカウント登録後、銀行口座やクレジットカードを利用してお金をチャージし、そのチャージしたお金を使って支払いをします。また、保有しているクレジットカードを紐づけして利用することも可能です。中国国外の人もアカウント登録は可能ですが、国内在住者とそうでない場合ではチャージ方法などに少し違いがあります。次の段落からその違いを詳しく見ていきましょう。

日本人がAlipayアカウントを登録するには? 

AliPayを利用するには、まずは下記のステップに沿ってアカウント登録をしましょう。

  1. AliPayアプリをダウンロードする

  2. 携帯電話番号を登録、SMS認証を行う

  3. Would you like to use the international version of AliPay?(国際版のAliPayを利用しますか?)と聞かれたら「Yes」を選択

以上で初期設定は完了、チャージやクレジットカードとの連携を行えば利用できるようになります。なお、この時点ではパスポートなどの情報を求められることはありません。

海外クレジットカードとの連携方法

AliPayは2023年7月以降、海外クレジットカードを紐づけして支払いに利用できるようになりました。Visa、Mastercard、ダイナーズクラブ、ディスカバーの4種類が連携可能です。クレジットカードを登録するにはまず自分のアカウントを開き、「Add now」をタップします。画面に沿ってクレジットカード情報を入力していけば登録完了です。

なお、一度の決済の上限は3,000元(約65,000円)、1カ月累計で5万元(約108万円)、1年間で合わせて6万元(約130万円)まで使えます。200元(約4,300円)を超える決済を行う場合には決済額に対して3%の手数料が発生します。

ツアーカードとは?

ツアーカードとは中国を訪れる旅行者を対象としたプリペイドカードで、AliPayの中のミニアプリです。とはいえ、AliPayそのものとは一線を画するものなので、AliPay加盟店だからといってどこでも使えるわけではありません。具体的には、Union Pay加盟店で使用可能です。

ツアーカードの設定方法

ツアーカードの利用には、AliPay内でツアーカードを有効化する必要があります。下記のステップに従ってまず申し込みを行いましょう。

  1. AliPayアプリを開く

  2. 検索バーに「tourcard」と打ち込み、検索結果に出てくる「tourcard」をタップ

  3. 言語設定を変更したい場合には、右上の「Eglish」をタップし日本語を選択

  4. 「今すぐ利用(USE NOW)」をタップ

  5. 国、地域を選択した後、SMS認証と画像認証を行う

  6. パスポート写真をアップロード

  7. 個人情報を入力

  8. 利用規約に同意

以上のステップで申し込みは完了です。審査を終えると自動で使えるようになり、アプリ内でチャージできるようになります。

Alipayのチャージ方法は? 

AliPayへのチャージ方法は主に下記の2つがあります。

中国の銀行口座を使う(長期滞在者向け)

中国に長期滞在をしており、現地銀行口座を持っているなら口座からのチャージが可能です。チャージはアプリ上で金額を入力し、パスワードを入力するだけですぐにできます。

ちなみに、中国で銀行口座を開くにはパスポートなどの身分証明書のほかにビザ情報が必要です。観光ビザでは受け付けてもらえないことが多く、学生ビザや就労ビザを提示する必要があります。

クレジットカードを使う(短期滞在者向け) 

観光ビザなどでの短期滞在の場合は中国の銀行口座を持つのは難しいですから、上記の方法は使えません。その場合はクレジットカードを使ってチャージすることになります。なお、AliPayアプリ自体へのチャージは中国で発行されたデビットカードでしか行えないので、短期滞在者の場合は上述のツアーカードにチャージすることになります。

ツアーカードにチャージするには、まずAliPayアプリ内でツアーカードの項目を開きます。すでに登録が済んでいる場合にはチャージ画面が出てくるので、チャージしたい金額を入力します。次にクレジットカード情報を入力する画面になるので、必要な情報を入れましょう。

なお、チャージの際には安全のために「3Dセキュア認証」が求められます。3DセキュアとはVisaやMastercardなどが推奨している本人認証サービスで、ウェブ上で認証を行います。ツアーカードのチャージには3Dセキュアに対応しているカードしか使えませんので注意が必要です。

また、アカウントにチャージするのではなくクレジットカードをAliPayに紐づけておき、それを支払いに利用する方法もあります。JCB、VISA、Mastercardなどの国際ブランドのカードが紐づけ可能です。AliPayでクレジットカード利用する際には手数料がかかりますが、それについては後述します。

Alipayを使って店舗で支払う方法

AliPayでの支払いは基本的にQRコードを使って行います。その際、店によって少しシステムが異なります。

支払いQRコードの購入者提示型

ご自身でAliPayのQRコード を提示し支払いを行う方法です。この場合はAliPayアプリを立ち上げ「Pay(支払う)」を押し、QRコードを表示させます。お店側がそれを端末を使って読み込めば支払い完了です。

支払いQRコードの店舗提示型

支払いに利用するQRコードを店舗が提示しているパターンです。この場合、支払いを行う消費者がそのQRコードを自身のAliPayアプリを使って読み込み、支払い手続きを行います。コードを読み取ると自動で金額入力画面が表示されるので、金額を正確に入力し支払いを行います。こちらの方法だとお店側はQRコードを読み込む端末を準備する必要がなくすぐに導入できるため、多くのお店で採用されています。

中国に行くならWiseカードの利用もおすすめ!

中国へ行くなら、Wiseのデビットカードも持っておくと便利です。Wiseとは海外送金や外貨両替などの金融サービスを展開するプロバイダーで、アカウントひとつでさまざまな国の通貨を持つことができます。対応しているのは160カ国40通貨、中国の人民元も含まれます。

クレジットカードやデビットカードを使って海外で支払いをするとき、通常は両替手数料や事務手数料が発生します。クレジットカード会社から請求がきたときに思ったより支払い額が大きくなってしまった、なんて経験をしたことのある人もいるでしょう。その点、Wiseのデビットカードなら自分のアカウントに入っている通貨での決済には手数料がかかりません。つまり、アカウントに人民元が入っているなら中国で支払いをするときに手数料が発生しないということです。

自分の口座に入っていない通貨で支払う場合には、両替手数料が一番安くなる通貨を自動で選んで決済してくれます。出張などで中国滞在が短い場合には両替をするかどうか迷う場合もあるでしょう。そんなとき、Wiseのデビットカードを持っておくとお得に便利に使えます。

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AliPayでオンライン決済するには?

また、AliPayはオンラインでの決済にも使えます。オンライン決済の際には自身のAliPayアプリを利用して決済する方法と、オンラインショップ上でAliPayのアカウントにログインして決済する方法とがあります。

前者の場合はオンラインショップの決済の際に表示されるQRコードをアプリで読み取って支払いをするだけです。後者の場合は、サイト上で自身のIDとパスワードを入力してログインし、決済をします。

Alipayは日本で使える?

AliPayは日本でも使えます。しかし、「どこでも使える」というわけではなく「AliPayを導入しているお店」に限ります。日本でも中国人観光客向けに導入しているお店は多数あり、例えばセブンイレブンはAliPayでのQRコード決済に対応しています。観光客向けにこれからますます増えていくと考えられるので、使える場所は拡大していくのではないでしょうか。

AliPayの利用手数料

中国のみならず日本での決済にも便利なAliPayですが、利用の際に気になるのは手数料ですよね。

ツアーカードへのチャージ手数料

AliPayは登録の際には特に手数料はかかりませんが、ツアーカードにチャージするときには5%の手数料が発生します。

例えば2,000人民元(約43,000円)をチャージしようと思ったら、100人民元(約2,200円)の手数料が発生します。これはチャージするたびに発生するので、頻繁に使う場合には少し高額に感じるかもしれませんね。

クレジットカード会社に請求される手数料

またツアーカードにクレジットカードを使ってチャージするとき、AliPayを使ってクレジットカード支払いをするときには日本円を使って人民元の支払いをすることになります。その場合はクレジットカードの海外利用という扱いになり、カード会社から海外利用手数料と為替手数料が請求されます。

例えば楽天のVisaカードを海外で利用すると、2.2%の事務手数料が発生します。AliPayを使ってこのカードで1万円分の支払いをしようと思ったら、先述のクレジットカード取り扱い手数料(3%=300円)と事務手数料(2.2%=220円)が発生するので、実際には10,520円支払うことになります。

加えて、為替レートはカード会社が独自に設定しており、その中には為替手数料が組み込まれていることが一般的です。そのため、実際の為替レートより割高なレートで取引されることがほとんどです。

クレジットカード取引手数料

AliPayでの支払いは、お店側に手数料が請求されるのが一般的でユーザーに手数料が課されることはほとんどありません。ただし、クレジットカードを連携させて支払った場合の取引に関しては取引手数料が発生します。AliPayのヘルプページには、支払いにVisa、Mastercard、JCBのいずれかのカードを使った場合には3%の手数料が発生すると書かれています。

AliPayを使って送金する方法 

AliPayはユーザー同士での送金が可能です。しかし、この機能は中国在住者向けの機能であり残念ながら旅行者やツアーカードのみの利用者は利用できません。そのため、日本人が中国国外でお金の送金、受け取りをすることはできません。

AliPayで海外送金はできる? 

AliPayを使った海外送金も可能ですが、あくまで中国にいるAliPayユーザーのための機能です。そのため、日本国内でAliPayを使った海外送金を利用することはできません。

中国への送金ならWiseがおすすめ!

もし中国にいる家族などに海外送金の予定があるなら、Wiseの利用もおすすめです。Wiseは先にご紹介した通り多通貨に対応しており、人民元の送金もできます。送金の際には相手の銀行口座へ振り込む方法と、相手のWiseアカウントへ送金する方法の2つがあります。

前者の場合は受取人がWiseのアカウントを持っている必要はなく、指定する銀行口座へ振り込み可能です。ただし、この際には手数料が発生します。それに対し、Wiseのアカウント間で人民元同士で送金を行う場合には手数料がかかりません。ただし、日本円から人民元を送金する場合には、別途両替手数料が発生します。事前に手数料はアプリ内で確認が可能です。

そして、中国への送金の場合は銀行口座だけでなく相手のAliPayアカウントに送金することもできます。ただし、送金を受け取る相手が中国国民であること、銀行カードがリンクされたAliPayアカウントを持っていることが条件です。

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AliPayを利用するときの注意点

このようにいろいろな使い方ができるAliPayですが、使うときにはいくつか注意点があります。まず、AliPayの利用には必ずインターネット通信が必要です。ネットに繋がらない環境ですと利用はできないので注意しましょう。旅行者の場合、現地SIMか海外旅行用のWi-Fiを利用することが多いと思いますが、通信が乱れたり電波が届かないエリアがあったりすることも考えられます。そのため、AliPay以外の支払い方法も準備しておくのがおすすめです。

また、AliPayはもともと中国国内での利用を想定して開発されたものですので、中国国外での利用の場合は使える機能に違いがあります。利用の際はその点も注意する必要があるといえるでしょう。

まとめ

今回の中国の決済アプリAliPayについて詳しくご紹介してきました。中国国内では多くの場所で利用可能、中国の銀行口座がなくても使えて便利です。

一方、中国国外での利用となるとクレジットカードを使って支払いすることになるので、海外利用手数料などが発生することになります。加えて、送金ができないなど一部機能に制限もあります。

中国での支払いだけでなく、海外送金や送金の受け取りを考えている場合には、他のプロバイダーを検討してみてもいいかもしれません。例えば先にご紹介したWiseなら中国の人民元以外にもさまざまな通貨に対応、送金も支払いもできます。ご自身のニーズに応じて、ベストなサービスを選べるといいですね。

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関連記事を読む:WeChat Payの使い方ガイド

ソース

  1. 外国為替相場一覧表:三菱UFJ銀行

  2. Alipay(アリペイ/支付宝)の使い方を徹底解説!【登録・チャージ・支払い方法】 - 海外Wi-Fiレンタルショップ

  3. How can foreigners in China top up their Alipay account? - Wise

  4. ツアーカード(Tour Card)の登録と使い方。アリペイ(Alipay/支付宝)とWe Chat(微信)で使えるスマホ決済【北京旅行】

  5. 中国でキャッシュレス決済《Alipay》クレジットカード登録手順(2024)

  6. Wiseデビットカードでの 決済 にかかる手数料

  7. アカウントに保有していない通貨での支払いについて | Wiseヘルプセンター

  8. Alipay+™ Partner|セブン‐イレブン~近くて便利~

  9. Mobile Payment in China: Step-by-step Guide to Using Alipay and WeChat Pay without a Chinese Bank Account - The Travel Intern

  10. https://cshall.alipay.com/lab/help_detail.htm?help_id=253689&catId=238006

  11. 海外決済の適用レート・手数料の確認|楽天カード

  12. How to use Alipay to make international money transfers in China? - Wise

  13. Wiseの残高からの送金にかかる手数料

  14. Alipayユーザーに人民元(CNY)を迅速に送金できるようになりました - Wise

  15. WeChatペイとアリペイ、海外クレジットカードとの連携が可能に(中国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

  16. https://mp.weixin.qq.com/s/g0I7GLRy61xRGURIBTw3lQ

FAQ:AliPay(アリペイ)の使い方

日本にいてもAliPayのアカウントは開設できる?

中国国外にいても、かつ中国の銀行口座を持っていなくてもAliPayのアカウントは開けます。ただし使える機能には一部制限があります。

日本のお店でAliPayは利用できる?

AliPayに対応しているお店であれば利用可能です。中国人旅行客の需要を想定して、コンビニエンスストアなど使える場所は徐々に拡大しつつあります。

AliPayで海外送金はできる?

中国で登録したAliPayのアカウントユーザー同士であれば海外送金は可能ですが、そうでない場合には海外送金機能は利用できません。