【2024版最新】日本人も使える?WeChat Payの使い方と仕組みを解説
中国はオンライン決済の普及率が非常に高く、「世界最大規模のキャッシュレス社会」と言われることもあるほど。そんな中国で特に普及しているオンライン決済ツールがWeChat Payです。中国へ出張や旅行を予定している人の中には、WeChat Payを使いたいと検討している人もいるでしょう。
そこで今回の記事では、WeChat Payについてその仕組みや登録方法を詳しく解説していきます。利用の際の手数料や、お得に中国へ海外送金できる方法も見ていくので、利用を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
また、中国への海外送金や中国国内のWeChatユーザーに直接送金できるWiseについても合わせてご紹介していきます。なお、記事中の人民元の為替レートは2024年4月23日時点のものを参照しています。
目次:
- WeChat Payの使い方
- WeChat Payの登録方法
- WeChat Payのチャージ方法
- WeChat Payでの支払い方法
- 中国の銀行口座がなくても支払いはできる?
- WeChat Payで中国に送金できる?
- WeChat Payの利用にかかる手数料
- WeChat Payで送金する方法
日本人でもWeChat Payは使える?
WeChat Payは中国のオンライン決済サービスですが、中国以外にも世界72の国と地域で利用可能、日本もその中に含まれます。中国元だけでなくアメリカドル、オーストラリアドル、タイバーツ、日本円などを含む29の通貨での決済が可能で、中国のみならず72の国と地域で広く利用されています(2024年1月時点)。日本国内でもWeChat Payでの支払いに対応しているお店なら支払いが可能です。詳しい登録方法や利用方法については後述します。
そもそもWeChat Payとは?
WeChat Payとは中国最大のメッセージアプリ、WeChatのユーザーが利用できるオンライン決済です。WeChatは中国大手IT企業のひとつであるテンセントが運営するアプリで、テキストの送受信や通話のほかにゲームなどさまざまなサービスを展開しています。日本のLINEのようなアプリといえばわかりやすいかもしれません。そんなWeChat Payは、さまざまな場面で便利に使えます。
WeChat Payの使い方
WeChat Payに対応している小売店や飲食店などでは、Quick Pay、QRコード決済を使ってその場でWeChat Payを通じて支払いが可能です。また、オンラインショッピングでもWeChat Payを使った支払いができます。
主な仕様
・Quick Pay、QRコードを使った支払いができる
・オンラインショッピングにも使える
そんなWeChat Payを利用するには次のステップが必要です。
・利用登録をする
・アカウントにチャージする
・実際に支払いをする
それぞれの手順について、下記で詳しく見ていきましょう。
WeChat Payの登録方法
WeChat Payは日本で登録する場合と、中国でする場合とでステップが少し異なります。下記、それぞれ解説しています。
日本でWeChat Payに登録する方法
WeChat Payに登録するには、まずはWeChatを使えるようにする必要があります。Google Play、もしくはApple StoreにアクセスしてWeChatアプリをダウンロードしましょう。ダウンロードを終えたら、モバイルで登録するかFacebook経由で登録するかを選びます。
モバイル登録の場合は氏名、地域、電話番号を入力、そしてパスワードを設定します。プライバシーポリシーのページが表示されたあとにセキュリティ認証が求められますので、それを終えたら登録完了です。
Facebook登録の場合にはWeChatからFacebookアカウントに連携を許可するかどうかのリクエストが送られるので、まずはそれを許可します。その後に地域、電話番号の登録、パスワードの設定をしたら完了です。
WeChatに登録したら、次はWeChat Payを使えるようにしましょう。アプリ上にある「+」ボタンから「マネー」を選択、画面上に表示される「有効」をタップします。その後クレジットカード情報や請求先住所、氏名の入力などを求められるので、画面に沿って手順を進めていきます。最後に、パスワードを設定したら完了です。
これでアプリの設定自体は完了ですが、実際に支払いをできるようにするためにはこのあとに実名認証を終えなければなりません。中国で発行された身分証を持っていない人の場合には下記の情報を提示することが求められます。
・パスポート情報
・パスポートを撮影した写真
・パスポートに記載の氏名
・電話番号
・住所
・職業
・自身の顔がはっきりわかる写真
上記を提出、実名認証を終えたらアカウントが有効化されます。
中国でWeChat Payに登録する方法
中国で登録する場合も、基本的な流れは変わりません。ただし、WeChatアプリの登録の際にFacebook登録は使用できません。原則として、中国国内でのFacebook利用は禁止されているからです。そのため、登録の際はモバイル登録する必要があります。WeChatアプリがダウンロードできたら、その後は上記と同じ手順でWeChat Payを使えるようにします。
ただし、WeChat Payのカスタマーサポートページには、「中国本土で使えるようにするには銀行口座に記載されているフルネームを提出すること」と書かれているので、銀行口座情報が求められることもあるかもしれません。
WeChat Payのチャージ方法
登録を終えたら次はクレジットカード情報の登録をしましょう。この登録を済ませることでWeChat Payにチャージができるようになり、実際に支払いに使えるようになります。
クレジットカードでチャージする方法
クレジットカードをアカウントに紐づけるには、アプリ上の「カード番号」に登録する必要があります。カード情報や請求先住所、氏名などを画面に沿って入力していけば登録完了です。
なお、チャージ自体はアプリ上の操作で簡単にできます。WeChat Payの「ウォレット」を開き、チャージしたい金額を入力するだけです。
WeChat Payでの支払い方法
WeChat Payを使えば、Quick PayもしくはQRコードを使った支払いが可能です。飲食店や小売店などで使えるほか、オンラインショッピングにも使えます。
中国の銀行口座がなくても支払いはできる?
WeChat Payでは、クレジットカードを使ってチャージする方法と銀行口座を登録してチャージする方法とが選べます。銀行口座を選んだ場合には中国の銀行口座を登録する必要がありますが、クレジットカード払いならその必要がありません。そのため、中国の銀行口座を持っていなくても支払いはできます。
ただし、国際クレジットカードを登録している場合には送金など一部のサービスが使用できません。また、1回の支払いにつき6,500人民元(約14万円)、1カ月で5万人民元(約100万円)、1年間65,000人民元(約138万円)までという支払い額の限度額が設定されています。
中国での支払いならWiseのカードもおすすめ!
もし中国に旅行や出張で行くならWiseのデビットカードもおすすめです。Wiseとは海外送金を中心にさまざまなサービスを提供するプロバイダーで、ひとつのアカウントでさまざまな国の通貨を保有することができます。160カ国での利用と40通貨の保有・両替に対応しており、中国の人民元もその中に含まれます。
Wiseの場合、自分のアカウントに保有している通貨での決済の場合には手数料がかかりません。つまり、人民元が口座に入っているなら中国国内での支払いに手数料がかからないということです。また、自分の口座に人民元がない場合には両替手数料が最も安く済む通貨を自動で選んで決済してくれます。便利なだけでなくお得に使えるので、海外での利用におすすめです。
WeChat Payで中国に送金できる?
WeChat Payの送金機能はアプリを持っている人同士で使える機能であり、基本的に国際送金のためにデザインされたものではありません。お金を送りたい相手がWeChat Payを使用しているのであれば国を問わず使うことができるはずですが、そもそも自分が中国の銀行口座を持っていないと送金することができません。そのため、WeChat Payでの国際送金は少しハードルが高いといえます。
もし、中国への送金を考えているなら先に紹介したWiseがおすすめです。中国の銀行口座を持っていなくても人民元の送金ができ、個人にも法人にも送れます。手数料も最大限安く抑えられています。
またWiseを使って、中国にいるWeChatユーザーに直接送金をすることも可能です。この場合受取人が中華人民共和国の身分証制度に登録された中国国民であることが条件です。
詳しくは「WeChatで中国元(CNY)の送金・受け取りをする方法について」をご覧ください。
WeChat Payの利用にかかる手数料
次に、WeChat Payにかかる手数料です。利用自体は無料ですが、支払いの際に手数料が発生することがあります。
WeChat Payは無料で使える?
WeChatアプリのダウンロード、およびWeChat Payの利用開始には費用はかかりませんが、支払い時には金額に応じて取引手数料が発生することがあります。200人民元(約4,200円)までは無料、それを超える額の取引には1回の取引につき取引額の3%の取引手数料が発生します。
また、チャージにクレジットカードを使っている場合にはカード会社から為替手数料や取り扱い手数料を請求されることもあります。外貨で支払いをしたときに発生するもので、通常、カード会社が設定している為替レートの中にはこれらの手数料が含まれています。そのため、実際の為替レートより割高なことが一般的です。
WeChat Payのメリットとデメリット
いろいろな特徴があるWeChat Pay。その利用には下記のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
・中国国内で使いやすい
・29の通貨、72の国と地域に対応している
・クレジットカードがあれば利用できる
デメリット
・支払い方法がクレジットカードの場合サービスに制限がある
・金額によって取引手数料が発生することがある
・WeChatのダウンロードが必要
・実店舗での支払い場合、お店がWeChat Payに対応していないと利用できない
メリットがある一方、デメリットがあるのも否定できません。特に、お店がWeChat Payに対応していないと支払いができない点は自分ではコントロールできないのでなかなか厄介です。一方、Wiseのデビットカードならクレジットカードが使えるところなら広く使えるので、より便利に使えるでしょう。また、自分の口座に入っている通貨での支払いなら手数料がかからないのも魅力的です。
WeChat Payはどこで使える?
先述の通り、WeChat Payは各国で利用できます。その中でも、特にアジア圏での普及率は非常に高く、香港や台湾などでも利用可能です。
中国でWeChat payが使える場所は?
本国中国では特に広く普及しており、その利用者数は9億人とも。飲食店、交通機関、スーパー、ホテルなど、ほとんどの場面でWeChat Payが利用できます。
香港でWeChat payが使える場所は?
香港では香港版のWeChat Pay(WeChat Pay HK)があり、多くの場所で支払いが可能です。公式サイトによればオンライン、オフラインの店舗合わせて100万を超える場所で利用可能とも。そのため、WeChat Pay HKを持っていればさまざまな場面で役立つでしょう。
ただし、WeChat Pay HKは独立したアプリであり中国版と連携させることはできません。
台湾でWeChat payが使える場所は?
残念ながら台湾ではWeChat Payは利用できません。台湾当局からのライセンスが取得できないためと言われています。そのため、台湾に行く場合には別の方法を検討する必要があります。先に紹介したWiseのデビットカードなら両替手数料が0.39%~という格安の手数料で支払いができてお得です。
日本でWeChat payが使える店は?
日本も訪日中国人の増加に伴い、WeChat Payが利用できる場所が増えています。デパート、レストラン、コンビニ、空港、あるいは観光名所などで利用可能です。
WeChat Payで送金する方法
WeChat Payではアプリ内でお金のやり取りが可能です。送金したい相手のチャット画面を開き、「+」をタップすると「送金」というボタンがあります。そこをタップして画面に沿って進めていけば送金完了です。ただし、送金できるのはWeChatを利用している人のみです。また、先述の通りクレジットカードを支払い方法に指定している場合にはこのサービスは利用できません。
WeChat Payでの送金にかかる時間
送金手続きの完了には、相手の承認を待つ必要があります。相手が承認した時点で送金完了となるので、送金にかかる時間はケースバイケースです。
WeChat Payでお金を受け取る方法
誰かがWeChat Payを使って自分に送金しようとしているときには、WeChatにメッセージが届きます。メッセージを開いて画面に出てくる手順を進めていけば、受け取りは完了します。
WeChat Payアプリ
国際送金に特化したアプリではないものの、支払い、送金に便利なWeChat Pay。中国ではほとんどの場所で使えるので、頻繁に中国に行く方や移住予定の方は持っていて損はないでしょう。アプリは下記からダウンロード可能です。
WeChat Payの安全性
WeChat Payはカード情報セキュリティ基準、the Payment Card Industry Data Security Standardを満たしています。これはVisaやMastercardといったメジャーなクレジットカードブランドがカード会員の情報を保護するために共同で策定したものです。国際基準に照らし合わせてもその安全性は保証されているので、安心して使いやすいのではないでしょうか。
WeChat payを使うときの注意点
このように便利かつ安全性が期待できるWeChat Payですが、中国国外で使うときには不便に感じてしまう点も。例えば、アプリの仕様変更です。中国はインターネットの規制が厳しく、アプリが突然仕様変更になることがあります。変更内容次第では国外での利用が難しくなることも考えられます。また、中国の銀行口座がないとサービス内容が限られてしまうのも不便な点です。
まとめ
今回の記事では、WeChat Payの特徴とその使い方を詳しく見てきました。中国では広く普及しており、ほとんどの場所でWeChat Payを使った支払いが可能です。また、日本国内でも支払いに対応しているところはあります。アプリを利用している人同士なら送金も可能で、いろいろな場面で使えます。ただし、中国の銀行口座がないと送金を含む一部サービスの利用はできません。海外送金をしたい場合には、Wiseなど他の方法を考える方法があるといえます。
ソース
https://pay.weixin.qq.com/wechatpay_h5/pages/guide/institution.html
Is Facebook blocked in China? How to access Facebook in 2024
https://help.wechat.com/cgi-bin/micromsg-bin/oshelpcenter?opcode=2&id=190430eizei7190430nqjqiz
WeChat Revenue and Usage Statistics (2024) - Business of Apps.
FAQ:WeChat Payの使い方
使えます。まずWeChatアプリをダウンロード、そのあとWeChat Payを有効化しましょう。
事前に支払い方法を指定しておけば現在地がどこであってもチャージはできます。
中国の銀行口座か、クレジットカードを指定できます。
本人確認書類としてパスポートが求められます。
中国国内はもちろん、日本国内でも使えるコンビニは増えてきています。