PayPayで海外送金はできる?【2024版最新】
ソフトバンクとLINEヤフーが展開する日本最大のQRコード決済サービスであるPayPay。そんなPayPayについて「海外送金はできる?」と疑問に思う方もいるはず。この記事ではそんな疑問にお答えします。また、海外送金サービスのWiseやRevolutについても紹介していきます。
PayPayで海外への送金はできる?
キャッシュレス決済サービス「PayPay」はソフトバンクとLINEヤフーが展開する日本最大級のQRコード決済サービスで、オンラインサービスでの支払いや公共料金の請求書払いも含めて幅広いサービスを提供しています。お店での支払いだけではなく、食事の時の割り勘など日本国内の個人間送金に使うのも一般的になってきていますね。
しかし、そんなPayPayでも2024年3月現在、海外送金サービスは提供していません。
PayPayの代わりとなるおすすめの海外送金サービスは?
以下では、PayPayの代わりとなるおすすめの海外送金サービスをご紹介します。どちらもオンラインで簡単にアカウント開設が可能です。
Wise
Wise(旧Transferwise)は英国にグループ本社を置く金融サービス企業です。Wiseでは、一般的な銀行が海外送金で使っているSWIFTとは全く違う仕組みを利用しています。結果としてWiseは一般的な銀行よりもはるかに安く、そして分かりやすい海外送金サービスを提供しています。
Wiseでは国を跨いで実際に資金が移動しているわけではありません。送金人が自国にあるWiseの口座にお金を振り込むと、その金額をWiseが受取人の国の口座へと振り込むという仕組みになっています。国を跨いでお金が移動していないとなると国内送金とやっていることはあまり変わらないので、手数料やかかる時間を大幅に抑えることができます。
銀行では送金完了まで送金にかかる日数と手数料が分からないのに対し、Wiseでは送金時にそれらを明示しています。Wiseでは銀行での海外送金にかかる中継銀行手数料やリフティングチャージが発生しません。
Revolut
Revolutは英国発の海外送金・外貨両替などがスマートフォンで完結するサービスです。Revolutは銀行ではありませんが、Wiseと同様に各国で金融サービス提供に必要なライセンスを取得しており、世界中で利用可能です。
Revolutでは他のRevolutユーザーへの送金の他、銀行口座への送金も可能です。Revolut側の送金手数料は無料ですが、送金する際に中継する銀行や受取銀行による手数料が発生する場合があります。また、他の銀行を経由するため、着金までに時間がかかってしまうこともあります。
Revolutにはいくつかのプランが用意されていますが、無料プランでも有料プランでも海外の銀行口座への送金手数料は無料です。両替手数料は無料の「スタンダード」プランの場合でも為替市場営業時間内かつ月750,000円までなら無料です。有料プランである「プレミアム」や「メタル」の場合為替市場営業時間内なら限度額なしで無料となります。
PayPayで海外からの送金は受け取れる?
PayPayでは2024年3月現在、海外送金を受け取るサービスも提供していません。
日本で海外送金を受け取るにはWiseのマルチカレンシーアカウントがおすすめです。Wiseのマルチカレンシーアカウントでは各国の銀行口座情報を取得可能です。例えば、米ドルの場合は自身のルーティング番号(ABA) と口座情報を取得可能です。米ドル以外にも様々な通貨に対応しており、例えばユーロの場合、自分自身のWiseアカウントと紐づいたSWIFT/BICコードとIBAN情報を取得可能です。
これらの口座情報を送金元に伝えれば、送金元がWiseのユーザーでなくとも送金者は銀行口座と同じような感覚で自身に対しての送金が可能です。Wiseで海外の口座情報を取得すれば、海外現地での銀行口座がなくとも給料の受け取りができるわけです。
さらに、ダイレクトデビット(口座自動振替)の設定にも対応しており、口座情報を支払先に共有することで、定期的な資金の引き落としを行う設定が可能です。例えば、出張先のジムの毎月の利用料を現地口座なしに自動引き落としにすることができるのです。現在Wiseのダイレクトデビット機能はAUD、CAD、GBP、EUR、USD残高からの引き落としに対応しています。
出張や旅行で色々な場所に行ったり、様々な国・地域の人々とお金をやりとりしたりする方にはピッタリなサービスです。移住予定のある方にもおすすめで、対応通貨であれば現地渡航前に現地の銀行と同じような感覚で使える口座情報が手に入って安心です。
PayPay銀行から海外への送金はできる?
PayPayとは別のサービスにはなりますが、PayPay銀行というのもあります。PayPay銀行はLINEヤフーの子会社であるZフィナンシャルの連結子会社で、三井住友銀行とも資本関係を有しているネット銀行です。かつてはジャパンネット銀行という名称で、2021年にPayPay銀行に社名変更しています。ジャパンネット銀行は日本初のインターネット専業銀行で2000年に開設されました。
PayPay銀行自体は2024年3月現在、海外送金サービスを提供していません。PayPay銀行自体は海外送金を取り扱っていませんが、PayForexというQueen Bee Capital が運営する海外送金サービスと提携する形で自行の顧客に海外送金サービスを紹介しています。PayForexは銀行とは異なる海外送金サービスで、PayPay銀行のサービスではありません。
PayPay銀行と提携するPayForexの海外送金とは?
PayPay銀行と提携しているPayForexは多様な送金方法を提供しています。例えば、ベトナムへの送金においては、銀行口座送金(VND)、現金受取(VND)、E-ウォレット送金(VND) 、宅配送金(VND)、銀行口座送金(USD)に対応しています。また、世界200以上の国・地域に送金可能という点でも便利な海外送金サービスです。PayPay銀行口座から口座振替で入金すると手数料はかかりません。しかし、手数料の面で気をつけるべき点が多くあります。
PayForexの海外送金で適用される為替レートは、ミッドマーケットレート(実際のレート)に為替手数料が上乗せされた、独自のレートとなっています。このような金融機関や外国送金事業者が顧客へ外貨を販売する時のための手数料込みのレートを一般にTTS(対顧客電信売相場)と呼びます。一方で手数料が含まれていない「実際のレート」をTTM(電信仲値相場)と呼びます。
ミッドマーケットレートとPayForexの為替レートを自分で比較しないと、実際にどれだけの為替手数料が上乗せされているのかはっきりとは分かりません。そのため、気が付かぬところで思わぬコストがかかってしまう場合もあります。PayForexで海外送金する前には、必ずミッドマーケットレートと比較するようにしてみましょう。
また、PayForexからSWIFTを利用して海外送金する場合、PayForexだけではなく中継銀行や送金相手先の銀行から手数料が請求され、その手数料分が減額されて相手の口座に送金が届くこともあります。PayForexでは「着金額指定サービス」を利用することでこの手数料を依頼人負担することが可能です。しかし、その場合は送金者が2,500円を追加で支払う必要があります。
Wiseではこのような手数料がかかることはありません。Wiseの海外送金時の為替レートはミッドマーケットレートであり、PayForexや日本の一般的な銀行のように為替レートに上乗せする形にしていません。従来のSWIFTを利用した銀行による海外送金よりも手数料が安くなることがあり、かつ送金にかかる日数も比較的短く非常に便利です。
PayPay銀行で海外からの送金は受け取れる?
PayPay銀行で海外からの送金は受け取ることはできません。
ただし、PayPay銀行で外貨を受け取りが全くできないというわけではなく、日本国内の金融機関の米ドル(USD)に限り、本人名義のPayPay銀行外貨普通預金口座へ入金できるサービスは提供しています。送金元が日本国内の金融機関であっても、PayPay銀行着金前に中継銀行として海外銀行や海外支店を経由している場合、PayPay銀行では受け付けできません。満18歳以上でPayPay銀行の外貨預金口座をあらかじめ開設しておく必要があります。
また、「PayForex Incoming」 を利用して海外送金を受け取ることも可能です。これはPayPay銀行の提携海外送金事業者であるPayForexによる海外送金受け取りサービスです。
「PayForex Incoming」 は、日本国内の受取人がPayForexアカウントを開設した後に、海外の送金人にPayForexアカウント情報を共有し、提携海外銀行または海外資金移動業者から海外の送金人が日本国内の受取人に送金依頼を出すことで、日本国内の受取人が指定した銀行口座での受取が可能になるというサービスです。日本国内の受取人はPayPay銀行を含めた日本全国の銀行で海外から送金された資金を受け取ることが可能です。
PayPayは海外で使える?
では海外のお店でPayPayを使うことはできるのでしょうか。残念ながら、PayPayは海外での決済利用はできません(クレジットカードであるPayPayカードは海外での利用は可能です)。
逆に日本国内のPayPay加盟店で以下の海外のQRコード決済サービスを利用することは可能です。中国アリババグループが提供するAlipay以外はAlipay+(アリペイプラス)のネットワークを利用しています。
Alipay(中国・支付宝)
Kakao Pay(韓国)
AlipayHK(香港)
TrueMoney(タイ)
Touch ’n Go eWallet(マレーシア)
GCash(フィリピン)
HelloMoney by AUB(フィリピン)
NAVER Pay(韓国)
Toss(韓国)
OCBC Digital(シンガポール)
Changi Pay(シンガポール)
MyPB(マレーシア)
Tinaba(イタリア)
MPay(マカオ)
Hipay(モンゴル)
利用方法は「PayPay」とほぼ同じで、QRコードを海外のQRコード決済サービスで読み取ると決済画面が立ち上がります。商品やサービスの代金を日本円で入力すると、自動的に各国の通貨に換算され決済できるという仕組みです。
結論
PayPayでは海外への送金も海外からのお金の受け取りもできません。スマホで簡単に海外への送金も海外からのお金の受け取りをしたい場合は、ぜひオンラインで簡単にアカウント開設が可能なWiseやRevolutの利用を検討してみましょう。
PayPayの海外送金についてよくある質問
PayPayでは2024年3月現在、海外送金サービスは提供していません。
PayPayでは2024年3月現在、海外からの送金受け取りサービスは提供していません。
PayPay銀行自体は2024年3月現在、海外送金サービスを提供していません。PayPay銀行自体は海外送金を取り扱っていませんが、PayForexというQueen Bee Capital が運営する海外送金サービスと提携する形で自行の顧客に海外送金サービスを紹介しています。
PayPay銀行で海外からの送金は受け取ることはできません。ただし、PayPay銀行で外貨を受け取りが全くできないというわけではなく、日本国内の金融機関の米ドル(USD)に限り、本人名義のPayPay銀行外貨普通預金口座へ入金できるサービスは提供しています。
PayPayは海外での決済利用はできません。逆に日本国内のPayPay加盟店でAlipay(中国・支付宝)などの海外のQRコード決済サービスを利用することは可能です。