Revolutに代わる海外送金サービス5つを徹底比較
2020年に日本上陸を果たしたRevolut(レボリュート)は、送金手数料無料で海外送金できるサービスとして人気を集めています。
しかし、送金スピードや送金の受取方法などを考えると、Revolut以外のサービスを検討したほうが良い場合もあります。この記事ではRevolutに代わる海外送金プロバイダ5つを比較していきます。
どのサービスが最適であるかは、自分のニーズによって異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で選択しましょう。
できるだけ安く送金したいならWise
できるだけ速く送金したいならWorldRemit
高額な送金ならGoレミット(SBI新生銀行)
豊富な受け取り方法の中から選ぶならPayforex
オンライン決済サービスも利用したいならPayPal
Revolut(レボリュート)の代替サービスを使う理由は?
Revolut(レボリュート)は2015年に設立されたデジタル銀行です。世界の会員数は3,500万人を超え、主にヨーロッパで急速に発展しているマネーアプリとなっています。Revolutが提供する主なサービスは、
送金手数料が原則無料の海外送金
複数の通貨をまとめて保有・管理できる多通貨口座
外貨のまま決済できるデビットカード
などがあります。また、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN株式会社は、第二種資金移動業者として関東財務局によって登録を受けています。
Revolutには様々なメリットがありますが、デメリットがあるのも事実です。それぞれを理解した上で、必要があれば代替サービスを使うことも検討しましょう。
Revolutのメリット
海外送金手数料が無料
為替市場営業時間内(※)であれば為替手数料も無料
マルチカレンシー口座やデビットカードなどの機能がある
3つの会員プランから選べる
Revolutのデメリット
中継銀行手数料がかかる
為替市場営業時間外は1〜1.5%の為替手数料がかかる
現金からの送金や現金受取はできない
送金限度額が100万円と小さい
※ニューヨーク時間の日曜日午後6時~金曜日午後5時。
中でも特に注意したいのが中継銀行手数料です。これは仲介の銀行が徴収するもので、送金金額から差し引かれます。実際に送金してみるまで金額がわからないので、相手の受取金額を送金前に確定できないという難点があります(日本円からの送金の場合)。
Revolut(レボリュート)の代替サービス比較
ここから、Revolutに代わる5つの海外送金サービスを比較していきましょう。
プロバイダ | 海外送金手数料 | 両替レート | 送金の速さ | 使いやすさ |
---|---|---|---|---|
Revolut | 無料+中継銀行手数料 | 0〜1.5%の為替手数料を上乗せしたレート | シミュレーションで確認 | モバイルアプリ、24時間365日のカスタマーサポート、日本語対応 |
Wise | シミュレーションで確認 | 実際の為替レート | 1〜3営業日程度 | モバイルアプリ、24時間365日のカスタマーサポート、日本語対応 |
WorldRemit | シミュレーションで確認 | 為替手数料が上乗せされたレート | 即時〜2営業日程度 | モバイルアプリ、24時間365日対応のカスタマーサポート |
Goレミット | 2,000円+中継銀行手数料 | 為替手数料が上乗せされたTTSレート | 1〜3営業日程度 | モバイルアプリ、日本語対応 |
Payforex | 無料〜1,980円(+中継銀行手数料) | 為替手数料が上乗せされたレート | 即時〜2営業日程度 | モバイルアプリ、24時間365日のカスタマーサポート、日本語対応 |
PayPal | 499円 | 3〜4%の通貨換算手数料を上乗せしたレート | 即時 | モバイルアプリ、24時間365日のカスタマーサポート、日本語対応 |
上記で紹介した5つの方法には異なる特徴がありますが、特におすすめなのがWise(ワイズ)です。
ほとんどのプロバイダでは、送金手数料が無料または格安に設定されているものの、中継銀行手数料や為替手数料なども考慮すると合計コストが高くなってしまうことも。Wiseなら、中継銀行手数料や為替手数料を気にすることなく、お得に送金できます。
ここから、それぞれのサービスについてもう少し詳しく見ていきましょう。
1. Wise(ワイズ)
Wiseは、2011年に設立された海外送金・キャッシュレス決済サービスです。2016年には日本でもサービスを開始しました。現在の利用者数は1,600万人を超え、毎日の送金取扱額は300万ポンド(5億円超)にも上ります。
日本において、ワイズペイメンツジャパン株式会社は、第二種資金移動業者として関東財務局によって登録を受けています。
Wiseの特徴
格安の送金手数料:銀行とは異なる独自の海外送金の仕組みを採用しているため、手数料が格安です。中継銀行手数料もかかりません。
実際の為替レート:常に為替手数料の上乗せされていない実際の為替レートにて送金。「隠れコスト」がないため明瞭な手数料体系で、他のプロバイダよりお得です。
送金にかかる時間:送金にかかる時間は1〜3営業日程度が目安ですが、ほとんどの場合24時間以内に着金します。
マルチカレンシー口座:40以上の通貨を1つのアカウントで保有・管理・両替することができます。
デビットカード:マルチカレンシー口座内の資金を、外貨のままデビットカードで決済に利用したり、1%以下の両替手数料でお得に両替できます。
ビジネスアカウント:一括送金や給与の支払い、経費管理などに便利なビジネス専用のアカウントが無料で利用できます。
Wiseのメリット
為替手数料なしの実際の為替レートで送金できる
手数料体系が分かりやすい
マルチカレンシー口座やデビットカードなどの機能がある
ビジネスアカウントが利用できる
Wiseのデメリット
現金からの送金や現金受取はできない
大手銀行の窓口のような店舗でのサービスはない
2. WorldRemit(ワールドレミット)
WorldRemit(ワールドレミット)は2010年設立の海外送金サービスです。即時に着金することが多く、また送金方法も充実しているのが特徴です。130を超える国と地域において、570万人以上のユーザーがいます。
日本において、WorldRemit Ltd.は、第二種資金移動業者として関東財務局によって登録を受けています。
WorldRemitの特徴
豊富な送金受け取り方法:銀行口座や現金受取、モバイルマネーへの送金、携帯電話料金のトップアップなど、豊富な受け取り方法から選択することができます。
格安の送金手数料:送金手数料は送金先や金額によって異なりますが、数百円とお手頃な価格設定になっています。しかし為替手数料には注意が必要です。
豊富な送金先と取扱通貨:日本からは140カ国以上に送金可能。特にアジアやアフリカ地域の送金を得意にしており、他のプロバイダでは取り扱っていない通貨へも送金できる場合があります。
送金スピードが速い:多くの場合、即時〜数分以内に着金します。ただし、銀行口座あての送金は1〜2営業日程度かかる場合もあります。
WorldRemitのメリット
送金の受け取り方法が豊富
取扱国と通貨の数が多い
送金のスピードが速い
WorldRemitのデメリット
両替レートに割高な為替手数料が上乗せされている
100万円を超える金額の送金はできない
日本語に対応していない
3. Goレミット(SBI新生銀行)
GoレミットはSBI新生銀行が提供する海外送金サービスです。SBI新生銀行の口座を持っている個人であれば、アプリを利用して口座から直接送金が可能。口座を持っていない場合でも、SBI新生銀行の海外送金用口座に送金資金を振り込むだけで、国内送金の感覚で海外送金ができます。
Goレミットの特徴
銀行にしては安い送金手数料:送金手数料は1回あたり2,000円と、他の銀行と比べるとお手頃な設定です。また、ダイヤモンド・プラチナ会員は月1回まで送金手数料が無料になります。
口座から直接引落し:SBI新生銀行のパワーフレックス口座を持っていれば、直接資金の引落しが可能。
国内振込と同じ感覚で海外送金:口座を持っていない場合でも、SBI新生銀行の海外送金用口座に国内振込するだけで送金できます。
高額送金に対応:銀行なので、100万円を超える高額な送金にも対応しています。ただし、限度額を120万円以上に設定したい場合は、資金源と送金目的が確認できる書類の提出が必要です。
Goレミットのメリット
自分の銀行口座から直接送金できる
パワーフレックスの外貨口座から外貨建て送金も可能
高額送金に対応している
ダイヤモンド・プラチナ会員は月1回まで送金手数料が無料
ビジネス利用もできる
Goレミットのデメリット
送金手数料に加えて中継銀行手数料などがかかる
為替レートに為替手数料が含まれている
現金からの送金や現金受取はできない
4. Payforex(ペイフォレックス)
日本の金融企業Queen Bee Capitalによる海外送金サービスPayforex(ペイフォレックス)は2011年にサービスを開始しました。通貨や金額によって送金手数料が無料になり、また最短で即時に着金するなど点が人気を集めています。
Payforexを運営するQueen Bee Capital株式会社は、関東財務局より第二種資金移動業者としての登録を受けています。
Payforexの特徴
お手頃な送金手数料:Payforexの送金手数料は通貨や金額によって異なりますが、無料〜1,980円に設定されています。
豊富な受取方法:銀行口座への送金以外にも、E-walletや現金受取、携帯電話料金のトップアップ、さらに海外の公共料金の支払いなどにも利用できます。
送金スピードが速い:多くの場合、即時〜数分以内に着金します。ただし、銀行口座あての送金は1〜2営業日程度かかる場合もあります。
Payforexのメリット
送金手数料が無料となる場合があり、最大でも1,980円
送金スピードが即時〜2営業日程度と速い
豊富な送金受け取り方法から選択できる
Payforexのデメリット
送金額から関係銀行手数料が差し引かれる場合がある
為替レートに為替手数料が含まれている
100万円を超える金額の送金はできない
5. PayPal(ペイパル)
PayPal(ペイパル)は1998年設立の海外送金・オンライン決済プラットフォームです。現在では世界中に4億人以上の利用者がおり、PayPal決済ができる加盟店は3500万店を超えています。
日本のPayPalを管轄するPayPal Pte. Ltd. はシンガポール法人であり、関東財務局より第二種資金移動業者としての登録を受けています。
PayPalの特徴
海外送金:アカウント間で手軽に海外送金可能。送金手数料も499円とお手頃です。ただし、通貨の両替にかかる通貨換算手数料には注意が必要です。
便利にオンライン決済:PayPalにカードや口座の情報を登録しておけば、対象のオンラインストアでPayPalにログインするだけで決済できます。面倒な情報入力が不要で、売り手に個人情報が伝わることもありません。
買い手保護制度:購入した商品に問題が合った場合などに、返金を受け取ることができます。
売り手保護制度:商品の購入者によって不当なキャンセルやクレームがあった場合に、補償を受けることができます。
PayPalのメリット
海外送金手数料が499円とお手軽
売り手に決済情報を伝えることなくオンライン決済ができる
買い手・売り手保護制度がある
ビジネス利用ができる
PayPalのデメリット
両替レートに3〜4%の通貨換算手数料が含まれている
銀行口座あての送金はできない
100万円を超える金額の送金はできない
Revolutに代わるおすすめのサービス
このように、各プロバイダにはそれぞれ違った強みがあることが分かります。
Revolutよりも安く海外送金したいなら:Wise
Revolutよりも速く送金したいなら:WorldRemit、Payforex、PayPal
現金での受け取りなら:WorldRemit、Payforex
高額の海外送金なら:Goレミット
海外送金以上の機能を求めるなら:Wise
ビジネス利用なら:Wise、Goレミット、PayPal
それぞれ比較して、自分に最適なものを選びましょう。
Revolut(レボリュート)の代替サービスまとめ
ここまで、Revolutに代わる海外送金サービスを見てきました。Revolutは海外送金手数料や為替手数料が無料で送金できる場合があり、また海外送金以外のサービスも充実しています。しかし中継銀行手数料などの「隠れコスト」には注意が必要です。
様々な海外送金プロバイダがある中で最適なものを選べるよう、自分が送金したい国や通貨、送金額、相手の希望する受け取り方法、送金目的などをもとに比較検討することが重要です。
ソース
よくある質問
海外送金のコストは送金額や入金方法・受取方法などによって異なってくるため、一概にどれが安いとは言えません。しかし、多くのプロバイダでは為替レートに含まれる手数料によって思わぬところでコストがかかってしまうため、Wiseのように常に実際の為替レートを使用するWiseなどのサービスがおすすめです。
上記で紹介したプロバイダはどれも関東財務局により第二種資金移動業者として登録を受けているため、規制を遵守して安全に送金を行っています。しかし、高額な送金を行う場合は、場合はGoレミットなど銀行による海外送金サービスを利用しましょう。
どの海外送金方法がおすすめであるかは、ニーズによって異なってきます。
- できるだけお得に送金するなら:Wise、Revolut
- できるだけ速く送金するなら:PayPal、WorldRemit、Western Union
- 高額な送金をするなら:Goレミット
- ビジネス利用なら:PayPal、Wise、Goレミット