日本から中国へ海外送金する際の規制とは?送金手数料も比較
「日本から中国に住むAlipay(アリペイ/支付宝)ユーザーに中国元を送金する方法が知りたい」という方に向けて、オンラインで簡単に送金する方法をご紹介します。モバイル決済が主流である中国において、2大モバイル決済のうちの一つとされるAlipay。何かと規制が多い中国ですが、提携するWiseなどの海外送金プロバイダーを活用すれば、日本から中国にいるAlipayユーザーへ早く、安く、簡単に送金することができます。本記事では、その方法をはじめ、送金上限額や各プロバイダーの手数料比較、Alipayユーザーからの送金を受け取る方法についても解説します。
中国への送金規制とは?送金前に知るべき4つの重要ルール
まず、中国への送金手続きを行う前に、以下4つの規制を理解しておきましょう。
1. 送金通貨
日本から中国へ送金する際は、中国人民元(CNY)または米ドル(USD)建ての2通りがあります。
金融機関によっては、米ドル建てにしか対応していない場合があります。たとえば、ゆうちょの国際送金では、米ドル(USD)建てでの送金にしか対応しないので注意が必要です。
2. 年間5万米ドル相当額の受取上限額
中国国家外貨管理局(SAFE:State Administration of Foreign Exchange)の規定により、中国では個人の人民元(CNY)為替金額が制限されています。中国国内では、一年間(1/1~12/31)に人民元為替予約送金で受け取った送金金額及び中国国内銀行での人民元為替金額の合計が、5万米ドル相当額を超えることができません。
万が一、5万米ドル相当額を超えた場合は、手数料を差し引いた後、金融機関に組み戻しされる場合があります。
3. 送金目的(資金使途)の厳格化
日本から中国へ送金する際には、送金目的や送金原資となる書類を提示する必要があります。これらは送金目的の妥当性を示すためのエビデンス(根拠)として求められます。
給与送金:雇用契約書・給与明細・納税証明書・銀行取引明細書など
家族への送金:親族関係書類(戸籍謄本・結婚証明書・出生証明書・一人っ子証明書・公証人による扶養関係証明書など)
サービス:契約書または請求書
商品の支払い:eコマースプラットフォームの取引記録のスクリーンショット、または関連する国境を越えた取引契約/合意書、請求書、支払い通知、輸出入申告書、納税証明書などのプラットフォームの売上記録(買い手と売り手の氏名、商品の種類、取引額、取引時間の情報が記載されている必要があります)。越境物流契約または物流運送状(物流会社名、物流伝票番号、買い手と売り手両方の情報、商品詳細、取引額の情報が記載されている必要があります)。
高額送金の場合:資金原資を証明する資料(雇用契約、給与明細、納税証明書、銀行取引明細書など)
なお、求められる書類は利用する金融機関によって変わる場合があります。
4. 受取人情報の完全一致(ピンインと漢字)
中国へ送金する際には、正しい受取人情報の提供が欠かせません。利用する金融機関や送金方法によっても必要となる情報は異なりますが、一般的には以下の情報が必要です。
受取人の氏名:口座開設時の漢字、ピンイン
受け取り銀行・支店名
口座番号:送金通貨の受取が可能な口座であることをあらかじめ要確認
受取人の住所:銀行に届出済の省、都市、番地などまでの完全な住所
受取人の電話番号:日中連絡可能な電話番号
POPコード:送金目的を示す
「ピンイン(拼音)」とは、中国語のローマ字表記システムです。ピンインは日本語のふりがなのような意味を持ちます。
中国へ送金する際は、送金人および受取人の口座名義の漢字と正確なピンイン(ローマ字)の記載が求められます。そのため、ピンインが不明な場合はあらかじめ確認しておきましょう。
なぜ中国への送金は厳しいのか?背景にある理由
中国への送金が他国に比べて「厳しい」と感じるのには、中国独自の経済事情と法的枠組みが深く関係しています。
中国政府は自国の通貨である人民元の安定確保のため、資金の動きを24時間体制で厳格に監視しています。この背景には、大きく分けて「犯罪収益の遮断」と「国家資産の流出防止」という2つの国家戦略があります。
マネーロンダリング対策
中国の送金規制の根底には、マネーロンダリング(資金洗浄)や不正送金を防ぐ目的があります。
国際送金は犯罪収益の移転に悪用されやすいため、中国のみならず、各国の金融機関は送金人・受取人・送金目的・送金原資などを確認し、疑わしい取引を検知しています。
中国への送金をスムーズかつ確実にするには、必要とされる書類や情報を最初からそろえておき、「説明可能な送金」にすることが近道です。
資本流出の防止
また、中国国外への資本流出を防止する狙いもあります。中国の富裕層のなかには、全財産を自国内に置くことにリスクを感じる人も少なくありません。もし、資本移動が完全に自由になった場合、海外資産の保有割合を大きく増やす可能性もあります。
このような理由により、中国の資本取引に対する厳格な管理と監視は今後も続くことが予想されます。
日本から中国へ送金する方法:銀行 vs Wise(ワイズ)徹底比較
厳しい規制がある中で、どのような手段を使えば「安く・早く・確実」に中国への送金は可能なのでしょうか。日本から中国へ送金する代表的な方法は、銀行の海外送金(SWIFT送金)と海外送金サービスのWise(ワイズ)があります。
ここからは、それぞれの送金方法の特徴やメリット・デメリット、送金手数料を比較していきましょう。
銀行送金(SWIFT送金)の仕組み・メリット・デメリット
従来の銀行での国際送金は、SWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)と呼ばれるネットワークシステムを用いて送金が処理されます。これを、SWIFT送金と呼びます。
SWIFT送金は国家間の商取引や政治にも利用される高い安全性が確立された送金システムです。一方、送金手続きする銀行→中継銀行→受け取り人の銀行という流れで、間に複数の中継銀行を経由したのちに受取人の銀行口座へ着金します。中継銀行をいくつ経由するのかは手続き銀行では分からず、経由する銀行ごとに手数料が発生し、受取人の銀行でも受け取り手数料がかかります。そのため、最終的に受け取れる金額が減ってしまうことがデメリットです。
メリット | デメリット |
|---|---|
✅高い安全性と信頼性 ✅決済の追跡が可能 ✅標準化されたフォーマット(金融メッセージ)によって、国や言語、慣習の境界を越えた取引が可能 | ❌送金手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料などが発生し、手数料がかさんでしまう ❌銀行の為替レート(手数料が上乗せされたレート)が適用され、為替手数料が発生 ❌数日〜1週間程度かかる場合が多い ❌海外送金や人民元を取り扱う銀行が少ない |
Wise(ワイズ)の仕組みメリット・デメリット
Wiseとは、2010年にイギリスのロンドンで設立された海外送金サービスです。日本にはワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社として進出。金融庁より第一種・第二種資金移動業者(関東財務局長 第00040号)として認可を受けています。
Wiseは「早く・安い」海外送金が特徴です。Wiseでは銀行のように中継銀行を経由するSWIFTシステムではなく、独自の送金システムを導入しています。これにより、送金にかかる時間を削減し、スピーディーな送金を実現しています。
さらに、0.73%〜と格安な送金手数料や為替手数料が常に無料なミッドマーケットでの両替も大きな魅力です。オンラインで全ての手続きが完了する手軽さがメリットである一方、Wiseには実店舗がありません。ただし、日本語でのカスタマーサポートが充実しているため、問い合わせに関して不便に感じることはほとんどないでしょう。
メリット | デメリット |
|---|---|
✅スピーディーな送金 ✅0.73%〜と格安な送金手数料 ✅Alipay(アリペイ)、UnionPay(ユニオンペイ)、WeChat(Weixin)での送金に対応 ✅常にミッドマーケットレートでの両替 ✅オンラインで会員登録~送金までの手続きが完結 ✅最大1億5千万円相当までの高額送金に対応* | ❌実店舗がない |
* 日本の住所で登録しているユーザーの場合
銀行とWise どっちが安い?送金手数料を比較
ここでは、実際に日本から中国へ5,000人民元(CNY)を送金する際、銀行とWiseでどのくらい送金手数料に開きがあるのかをシミュレーションしてみました。
なお、シミュレーション時点でのミッドマーケットレート(仲値)は、1 CNY=22.1264円でした。
金融機関 | 為替レート | 送金手数料 | 受取額 |
|---|---|---|---|
22.8155 | 1,750円+受取り手数料(受取人負担) | 4,858.53 CNY | |
22.4393 | 3,500円+中継銀行手数料+受取り手数料 | 4,855.39 CNY | |
22.1264 ミッドマーケットレート | 1,967円 | 5,000.04 CNY |
2026年1月26日 15:29 CET現在 Wiseシミュレーションを基に作成
上記3つの金融機関を比較すると、手数料に関してはWiseが最安で、最終的に受け取れる金額も、Wiseが最も多いことが分かりました。
楽天銀行やプレスティアは送金手数料のほかに、為替レートに含まれる為替手数料や、受取人が受け取り銀行で支払う受取手数料、各経由銀行で請求される中継銀行手数料が徴収されます。一方、Wiseではこのような手数料は一切かからないため、最終的な受取金額が多い結果になりました。
送金コストは、表面的な送金手数料だけでなく、為替レートに含まれる為替手数料や、中継銀行・受取銀行で差し引かれる費用まで含めて比較する必要があります。
WiseならAlipay・WeChat・UnionPayにも送金可能
電子マネー大国として知られる中国。Wiseなら、Alipay(アリペイ)やWeChat(ウィーチャット)、銀聯(ぎんれん:UnionPay)カードといった決済サービスへ直接送金が可能です。
ただし、個人の送金人が、中国の法人の受取人に送金することはできません。
Alipay・WeChat・UnionPay送金のメリット
Wiseを使って中国の受取人の決済サービスへ送金する場合、3つの方法から受取人の都合に合わせて選ぶことができます。それぞれの主なメリットと特徴をまとめました。
銀聯(UnionPay)カード | |||
|---|---|---|---|
メリット | Alipayに紐づいた銀行口座で受け取り可能 | 選べる2つの受け取り方
|
|
必要情報 |
| 新しい受取人に送金する場合:
|
|
送金限度額(1回あたり)*(1) | 50,000 CNY | 50,000 CNY | 33,000 CNY |
送金日数 | 72時間以内 | 48時間以内 | 通常は同営業日 |
2026年1月26日現在 *(1) 1日あたり、1年あたり、送金目的毎などによって送金限度額は異なる*(2) UnionPay(銀聯)が提供する国際送金サービス。Wiseなどの主要送金機関が提携している
送金手順の簡便さ
WiseでのAlipayやWeChat、Union Payでの送金は画面の案内に沿って進めやすく、手数料や到着予定も事前に確認できるため、初めての人でもアプリやインターネットで簡単に手続きできます。ここでは、Alipayでの送金手順を例としてご紹介します。
Wiseで会員登録および本人確認手続きを完了する
「送金する」をクリックする
受取人を選択もしくは新規追加する
「通貨を選択」画面で、人民元(CNY)を選ぶ
「受取人の追加」画面で、「Eウォレット」→「Alipay」をクリックする
- 受取人名とAlipay ID(Alipayに登録されたメールアドレスまたは電話番号)を入力する。受取人名は通常ラテン文字で、中国国民IDの名前と一致する必要あり
送金の目的を選択する
入力情報が正しいことを確認して入金する
中国送金に必要な情報と書類
中国向けの送金をスムーズかつ確実にするには、必要情報を適切に提出することです。送金元となる日本側と送金先の中国の両国で求められる情報や書類があるため、それぞれを整理していきましょう。
1. 日本側での必須書類:本人確認とマイナンバー
日本から海外へ送金する場合、日本の法令により、利用する金融機関に関わらずマイナンバー(個人番号)の提出が義務付けられています。
銀行での必要書類・情報 * | Wiseでの必要書類・情報 |
|---|---|
など |
|
2026年1月26日現在* 上記に限らず、手続きする銀行によって、必要書類は異なる場合あり
2026年1月現在、中国へ人民元建てでの海外送金は、楽天銀行、SMBC信託銀行、横浜銀行などで手続きが可能です。ただし、いずれの銀行でも海外送金手続き前に普通口座開設が必要です。
たとえば、楽天銀行では口座開設後、海外送金の申込みを経たうえで海外送金の手続きが可能になります。審査には1週間~10日程度で海外送金の審査を要するため、実際に送金~着金までに長い時間がかかってしまいます。
一方、 Wiseでは会員登録後、初回のみ本人確認手続きに数営業日かかりますが、2回目以降の送金では本人確認書類の再提出の手間はなく、すぐに送金手続きに進むことができます。
2. 中国側での受取り手続き・追加情報の提出
銀行で中国に送金した場合
日本の銀行での送金手続きで、提出書類や情報等が問題ないと判断されて海外送金が実施されたにも関わらず、中国側で送金依頼の内容が不十分と判断されて、入金の遅延や送金取り消し(送金資金が返金)、人民元建てではなく、米ドル(USD)で着金するといったことが起こる場合があります。
これらは、中国の外貨規制が起因しています。
このような場合、受取人が直接、受け取り銀行で照会および追加書類の確認などをしてもらうことがスムーズかつ確実です。必要書類の提出・承認後、人民元で入金手続きが可能になります。
Wise経由で中国のAlipay・WeChat・Union Payに送金した場合
決済サービス | 受取人側での必要な手続き |
|---|---|
Alipay | 72時間以内に、以下4つの手続きを完了する必要があります。
その他、身分証明書のコピーや住所確認書類など、受取人は追加情報の提供が必要になる場合あり |
48時間以内に、以下の手続きを完了する必要があります。
| |
Union Pay | 受取人の銀行に着金次第、受取人は銀行からSMSメッセージが届き、資金は口座に自動的に振り込まれます。 |
2026年1月26日現在
3. 高額送金で必要な追加書類
高額送金の場合、中国側の規制により送金資金の原資に関しての証明書類が求められる場合があります。
銀行で中国に高額送金する場合
中国工商銀行では、1万~5万USドル(含)相当額の外貨から人民元への換算総額については、本人確認資料のほか、資金の出処を証明する書類の提示が求められます。
Wise経由のAlipayで送金する場合
Alipayに高額送金する場合、資金源の根拠となる送金人の収入証明書類の提示が求められることがあります。具体的には、以下の書類が必要になる可能性があります。
雇用契約
給与明細
納税証明書
銀行取引明細書 など
まとめ
中国への送金は、年間5万米ドルなどの送金上限額をはじめ、さまざまな規制があることが分かりました。しかし、あらかじめルールを理解しておき、送金目的や収入証明など書類をそろえておけば、心配することはありません。
ただし、銀行での手続きは海外送金における審査もあり、時間も手間もかかります。よりスムーズに中国へ送金したいなら、Wise(ワイズ)を活用することで、中国で主流のAlipayやWeChatなどの決済サービスへ送金することができます。さらに、為替手数料無料のミッドマーケットレートでの両替や格安な送金手数料で総合的なコストも抑えられます。
安く、早く、スピーディーに中国へ送金したい方は、まずはWiseの公式サイトで、実際の手数料や送金日数をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
中国への送金は、 中国の規制により年間5万米ドル相当が上限額です。
中国への送金は、送金方法によって数分〜数日と幅があります。
Wiseなどの海外送金サービス: AlipayやWeChatのアカウントへ直接送る場合、数分〜24時間以内に完了することが多いです。
銀行(SWIFT送金): 送金にかかる日数は断言することができません。書類審査やいくつかの中継銀行を経由するため、長くかかる傾向にあります。
はい、法人から中国の法人への送金も可能です。銀行はもちろん、海外送金サービスのWiseでもWise法人アカウントから中国本土の中国元(CNY)建ての法人口座を持つ中国本土の法人への送金に対応しています。