徹底解説!アメリカからの海外送金を受け取る方法
アメリカにいる家族や友人からお金を送ってもらう際、最も一般的な方法は銀行を使った海外送金でしょう。具体的には、自分の日本の銀行口座を指定して、その口座に送金してもらう方法です。しかし、銀行以外にもオンラインで海外送金が受け取れる便利なサービスもあります。これらのサービスはさまざまな種類があり、それぞれ手数料や為替レートが異なります。そのため、同じ金額を受け取る場合でも実際にかかる手数料には大きな差が生じることも。
そこで今回の記事では、各銀行やオンラインのサービスを使ってアメリカからの海外送金を受け取るときの手数料の違いを詳しく解説していきます。それぞれのメリットとデメリット、利用方法も合わせてご紹介していくので、海外送金を受け取る際に参考にしてみてください。
アメリカからの海外送金を受け取るときの手数料を比較
まずはそれぞれのサービスの手数料を比較していきます。下記の表は、アメリカからの海外送金を受け取るときにかかる手数料をそれぞれまとめたものです。
サービス名 | 受取手数料 | リフティングチャージ | 中継銀行手数料 | 合計コスト |
---|---|---|---|---|
Wise | 無料~(※1) | 無料 | なし(※2) | 無料~ |
三井住友銀行 | 1,500円 | 送金金額の0.05%(※3) | 発生する可能性あり(※4) | 1,500円~ |
楽天銀行 | 2,450円 | 無料 | 発生する可能性あり(※4) | 2,450円~ |
ソニー銀行 | 無料 | 無料 | 発生する可能性あり(※5) | 無料~ |
三井住友銀行、楽天銀行の場合は海外送金を受け取る際に手数料の支払いが必要です。Wise、ソニー銀行は受取自体には手数料はかかりませんが、他の手数料については払わなければならないことも。例えば中継銀行手数料は、取引の内容によっては発生することがあります。
中継銀行手数料とは、SWIFTを使った銀行での海外送金で生じる手数料です。一般的に、SWIFT送金では送金元の銀行から受取先の銀行に資金が届くまでにいくつかの銀行を経由します。仲介役となった銀行それぞれに手数料を支払う必要があり、これが中継銀行手数料です。
中継銀行手数料は、厄介なことに取引完了までいくらかかるかがわかりません。そのため、想定していたより多くかかってしまい、受取金額が予定より少なくなってしまう、といった事態が起こりえます。
一方、リフティングチャージとは外貨を外貨のまま受け取るときにかかる手数料のことです。例えばアメリカドルを送ってもらったとして、それを日本円に両替せずアメリカドルのまま受け取るときに発生します。アメリカドルを日本円に両替して受け取る場合にはリフティングチャージはかかりません。
三井住友銀行は0.05%のリフティングチャージを設定していますので、アメリカドルをそのまま受け取る際には手数料が発生します。対して、Wise、楽天銀行、ソニー銀行は対応通貨に限りリフティングチャージが無料です。対応通貨の数はそれぞれ異なり、Wiseは40通貨、楽天銀行は7通貨、ソニー銀行は11通貨となっています。いずれもアメリカドルを含みます。
ちなみに、Wiseではアメリカの現地銀行情報を取得することができます。アメリカ国内の銀行情報を使って取引ができるので、海外送金時にかかる各種手数料が省けるのです。アメリカ国外にいても銀行口座保有ができ、アメリカドルの保有および管理がしやすくなっています。
海外送金の受け取りならWiseがおすすめ
Wiseは海外送金をより安く、簡便にすることを目指して2011年に設立された会社です。設立以来、サービスを少しずつ世界中に拡大し、現在では160カ国で利用可能になっています。対応通貨はなんと40種類、多通貨の保有や送金が可能です。
そのうちアメリカドルを含む10種類の通貨に関しては現地の銀行情報の取得ができ、その国にいるかのように口座利用ができます。また、17種類の通貨ではSWIFTによる送金の受け取りも可能、アメリカドルもその中に含まれます。
Wiseは申し込みから上記のサービスすべてオンラインで完結します。いつでもどこでも利用でき、非常に便利です。
Wiseを使ってアメリカからの送金を受け取る方法
Wiseでアメリカからの送金を受け取るには次の3つの方法があります。
口座情報の共有
Wise上の現地銀行口座の情報を送金人に共有し、送金してもらう方法です。送られた資金はWiseアカウントにある銀行口座に反映されます。現地銀行情報の取得ができる通貨でのみ、この方法は利用可能です。口座情報の取得もオンライン上で行います。ホーム画面の右端にある「開く」ボタンをタップ、続けて「残高」を選択します。すると、口座情報の取得ができる通貨一覧が表示されるので、口座を解説したい通貨を選択すれば手続き完了です。
支払いをリクエスト
送金人もWiseを利用しており、Wise上で繋がりがある場合には直接送金リクエストが送れます。繋がりがない、もしくはWiseを利用していない人にもリクエストは送れますが、その際には支払い用のリンクを作成する必要があります。そのリンクを先方に共有すればリクエスト完了です。
Wiseデビットカードもしくはメールアドレスを利用
16桁のWiseのデビットカード番号を使った受け取り方法もあります。また、Wiseに登録したメールアドレスを共有して資金を送ってもらう方法もあります。
銀行を使ってアメリカからの送金を受け取るには?
Wiseのようなオンラインサービスではなく、銀行の口座を使って海外送金を受け取ることもできます。その場合には自分の銀行口座情報を送金人に伝えなければなりません。国内送金の場合と必要な情報が異なります。例えば、三井住友銀行の場合は下記の情報を送金に伝える必要があります。
受取人取引銀行名 | SUMITOMO MITSUI BANKING CORPORATION |
SWIFTコード | SMBCJPJT |
受取人取引支店名、住所 | (例)Tokyo Main Office 1-1-2 MARUNOUCHI CHIYODA-KU TOKYO JAPAN 100-0005 |
受取人口座名義 | (例)Taro Yamada |
受取人店番号-口座番号 | (例)123-4567890 |
受取人住所 | (例)1-1-1, 〇〇cho, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan, 160-0000 |
受取人電話番号 | (例)+81-90-1234-5678(※1) |
SWIFTコードとは世界中の銀行や金融機関を識別するために使われるコードで、各銀行がそれぞれ独自のものを持っています。銀行を介した海外送金の受け取りには必ずSWIFTコードが必要なので、自身の銀行のものを確認しておきましょう。
法人口座でアメリカからの送金を受け取るには?
ビジネス目的で海外送金の受け取りをする場合には、法人口座を利用して取引をすることになります。その場合は個人用口座と違って、送金人に請求書を送付して送金依頼するのが一般的です。
請求書には、上記で説明した海外送金の際に必要な銀行情報や口座情報を正確に記載しなければなりません。また、法人口座の場合には受取人の名前が個人名ではなく会社の名前になるので、会社名の英語表記が必要です。請求書にはそのほか請求金額や取引内容、支払い方法、取引先の名前などを記載します。
法人口座でアメリカからの送金を受け取るときに必要な書類
送金の流れや手続きの方法は基本的に個人用口座での海外送金の受け取りと変わりません。ただし、手続きの中で送金目的や取引内容について詳細を確認できる書類の提出が求められることがあります。マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を目的とした措置で、取引内容に特に問題がないと確認されれば入金が実行されます。
また、海外送金の受け取りにはマイナンバー、法人番号の告知が必要です。これらの情報を事前に告知していない場合にはその届出書も求められます。
米国からの送金を受け取るときにかかる手数料
アメリカから送られてきた資金を受け取るのにかかる手数料は、大きく分けて受取手数料と中継銀行手数料です。
・受取手数料:海外送金を受け取ること事態にかかる手数料です。各金融機関によってその金額は異なり、例えば三井住友銀行は1,500円、楽天銀行は2,450円に設定しています。一方、ソニー銀行及びWiseは対応している通貨であれば無料です。
・中継銀行手数料:SWIFTを使った海外送金の場合に発生するもので、送金元と送金先を仲介する銀行に対して払う手数料です。厄介なことに、中継銀行手数料は取引前にどれだけかかるのかを把握することができません。各金融機関によって、中継銀行手数料を受取金額から差し引く場合と、別途支払う場合とがあります。例えば三井住友銀行の場合は別途支払いですが、楽天銀行とソニー銀行は受取額からの差し引きになっています。
このように、利用するサービスによって海外送金の受け取りにかかる手数料は異なります。お得に利用したい場合には、それぞれよく比較検討して選ぶことが重要です。
為替手数料はいくらになる?
外貨両替の際の為替レートは、各金融機関が独自に設定していることが一般的です。この為替レートはミッドマーケットレート(=実際の市場の為替レート)に手数料を加えた金額が設定されていることがほとんどです。例えばミッドマーケットレートが1USD=100円のとき、ある銀行では為替レートを101円にしているとします。ミッドマーケットレートとの差額分1円が為替手数料であり、それが銀行の取り分になります。
このように、為替手数料は為替レートの中にひっそりと隠されていることが多いです。そのため、一目見ただけでは為替手数料がどれくらいになるのかわかりづらくなっています。通常、銀行などの金融機関でアメリカからの海外送金を受け取り、円にする場合にはこの為替手数料込みの為替レートが適用されます。そのため、事前に想定していたよりも受取金額が少なくなってしまうことも。各サービスによって為替レートは異なるので、よりお得に取引するためには各種手数料だけでなく為替レートにも注目して比較する必要があるでしょう。
一方、Wiseではアメリカドルを日本円にせずにそのまま保有することが可能です。両替が発生しないため為替手数料を支払う必要もなく、送金された金額をそのまま受け取れます。仮に、アメリカドルを日本円にする必要がある場合にはオンライン上で両替ができます。Wiseでは為替レートをミッドマーケットレートに設定しているため、ほとんどの場合で銀行よりも良いレートで両替可能です。両替手数料は発生しますが、その金額は安価に抑えられています。なお、Wiseの公式ページでは両替をしたときのシミュレーションが可能です。
アメリカからの送金を受け取るのにベストな方法
以上見てきたように、海外送金を受け取る方法はいろいろとあります。その中で何が一番良いのかは、自身が何を優先して選ぶかによって変わるでしょう。例えばいつも使っている銀行窓口で、行員に相談しながら手続きを進めたいということであれば、いま保有している銀行口座を使った取引がベストといえるでしょう。
一方、頻繁に海外送金受け取りの予定があり、手数料をとにかく安く抑えたいということであれば、手数料が比較的安くかつ外貨のまま受け取れるオンラインの海外送金サービスを検討するべきといえます。
例えばWiseなら、アメリカドルを含む10の通貨は現地口座情報の取得が可能で、送られてきた送金を外貨のまま受け取れます。そのため、海外送金の際にかかる両替手数料や中継銀行手数料といった手数料が省かれています。また、その他の通貨についても他のWiseアカウントからの送金受け取りであれば手数料は不要です。
送られてきた資金を日本円に両替するときには両替手数料が発生しますが、その際の手数料も安価に抑えられています。例えば1,000USDを日本円に両替するときの手数料をシミュレーターで計算してみると、両替手数料はわずか3.59USDです。
アメリカからの送金を受け取る前に考えるべきこと
ここまでの情報を総括ると、アメリカからの送られてきた資金を受け取るときには下記の点に注目しながら利用するサービスを選ぶべきといえます。
・為替レート
・各種手数料
例え手数料が安くても、実は為替レートが割高に設定されていることもあります。手数料の安さに惹かれ利用してみたら、実は多額の為替手数料を知らず知らずのうちに払っていた、なんてことも起きかねません。そのため、手数料だけを見るのではなく、為替レートも合わせて比較検討する必要があります。
アメリカからの海外送金に関する制限
海外送金を受け取るときについては、基本的には上限が設けられていないことが一般的です。例えば三井住友銀行とソニー銀行は受け取り限度額なし、とホームページ上に明記されています。
ただし、3,000万円を超える海外送金を受け取るときには法令によって事後報告が義務付けられています。そのため、必要な書式をダウンロードして窓口へ提出しなければなりません。
また、受取額に上限はなくても、一般的にほとんどの金融機関は送金額に上限を設けています。そのため、その上限を超える金額を送ってもらいたい場合には複数回の取引が必要です。
アメリカから受け取ったお金は申告すべき?
既に説明した通り、3,000万円を超える海外送金の受け取りには事後報告が必要です。3,000万円を超えない場合には特に申告の義務はありません。ただし、送金の目的や内容によっては納税義務が発生することがあり、確定申告が必要になることもあります。
例えば海外で得た所得を送金してもらう、というときには納税義務が発生し確定申告の必要があります。海外で所有している不動産の収入や、海外展開している事業で得た収入などを受け取る場合です。そういった目的ではなく、単に個人の保有している資金を移動させるだけであれば基本的には無課税です。
アメリカからの送金にかかる時間
海外送金は、取引完了までには一定の日数を要するのが通例です。必要な時間は金融機関によってさまざまで、「3~4営業日以上」を目安にしているところもあれば、「1週間以上」必要であるとしている銀行もあります。
一方、オンライン送金サービスならほとんどの場合でもっと短時間で送れます。例えばWiseを使って日本円からアメリカドルへの両替を伴う送金を行った場合、シミュレーター上ではかかる時間は1日以内です。ただし、あくまでシミュレーションですので実際の取引では先方に届くまでの日数がずれることもあります。
アメリカへ海外送金するには?
アメリカへ送金する際には、受取人の下記情報が必要です。
・受取人氏名、住所
・金融機関名、支店名、支店住所
・SWIFTコード
・口座番号、国によってはIBANなどの情報
・送金目的
アプリなどを使ってオンラインで手続きするか、店舗窓口で手続きするか選べる銀行がほとんどです。いずれの場合も上記の情報が必要になるので、事前に確認しておきましょう。なお、海外送金の際にはマイナンバーの告知義務があります。あらかじめ告知を済ませておくか、送金の際に合わせて届出書を出すかして、手続きを済ませましょう。
Wiseなどのオンライン海外送金サービスを使う場合には、マイナンバーの告知を含めすべて手続きはすべてオンライン上で完結します。なお、送金についても一般的にはオンラインサービスの方が手数料は安く済む傾向にあります。
まとめ
今回の記事では、アメリカからの海外送金の受け取りについて、各サービスを比較してきました。それぞれ手数料や為替レート、あるいは取引にかかる時間が異なるので、それぞれよく見比べてみましょう。
手数料を安く済ませたい場合には、Wiseなどのオンライン海外送金サービスがおすすめです。Wiseならアメリカの現地銀行口座の取得ができるため、アメリカドルの受け取りであれば手数料はかかりません。また、アメリカドルから日本円へ両替するときの為替レートも他の金融機関よりも良いレートで取引できます。
ソース
米国からの海外送金の受け取りについてよくある質問
利用するサービスによって異なるので一概には言えません。例えば大手銀行の場合には数日〜1週間が目安ですが、Wiseなどのオンラインサービスであれば3日程度で届くこともあります。
利用するサービスによって違います。例えば三井住友銀行、楽天銀行の場合は受け取り手数料としてそれぞれ1,500円、2,450円がかかります。一方、Wiseなら他のWiseアカウントからの送金については手数料はかかりません。
3,000万円を超える金額を受け取る場合には法令により事後報告の必要があります。それ未満の金額であれば特に申告は不要です。