ソニー銀行の海外送金を詳しく解説!
2001年に誕生したネット銀行のソニー銀行は、海外送金に強い銀行として知られています。送金手数料や為替コストがお得で、外貨預金のサービスも充実しているので、ソニー銀行の海外送金を利用したいと考えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、ソニー銀行の海外送金について詳しく解説していきます。手数料や為替レート、かかる時間、送金方法など、国際送金するにあたって押さえておきたいポイントをすべてカバーしています。
また、ソニー銀行とWiseやRevolutなどの新しい海外送金サービスの手数料を比較し、よりお得な海外送金の方法を探っていきましょう。
ソニー銀行の海外送金を比較
はじめに、ソニー銀行の海外送金を他の銀行や海外送金サービスと比較してみましょう。以下では、日本からアメリカに10万円を送金した場合の手数料とかかる時間を比べました。
銀行のサービスに関しては、WorldRemitやWise、Revolutなどのオンライン送金サービスと比較するために、ネットバンキングやアプリなどを利用した場合の送金手数料を紹介しています。窓口や電話などで送金手続きをする場合、手数料が異なる場合があるのでご注意ください。
銀行・サービス | 送金手数料 | 為替手数料 | 中継銀行手数料(送金人が負担する場合) | 合計手数料 | かかる時間 |
---|---|---|---|---|---|
ソニー銀行 | 3,000円(※1) | 0〜0.15円/ドル(※2) | 3,000円 | 6,000円+為替手数料 | 4〜9営業日以上 |
Wise | 732円 | 無料 | 無料 | 732円 | 1〜2営業日 |
Revolut | 無料 | 無料(※8) | 非公表 | 無料+中継銀行手数料 | 3〜5営業日 |
楽天銀行 | 750円 | 0.25円/ドル(※5) | 1,000円 | 約1,750円+為替手数料 | 送金日+1〜5営業日 |
りそな銀行 | 2,000円 | 1円/1ドル | 受取人負担のみ | 約2,650円(※4) | 1週間以上かかる場合も |
WorldRemit | 200円 | 約4.3円/ドル(※6) | なし | 約2,990円(※7) | 翌営業日 |
ゆうちょ銀行 | 3,000円 | 非公表 | 一部の国は無料、それ以外は非公表 | 3,000円+為替手数料 | 2〜7営業日 |
三井住友銀行 | 3,500円 | 0.5円/ドル | 2,500円 | 約6,313円(※3) | 非公表 |
こう比較してみると、海外送金には送金手数料以外にも為替手数料や中継銀行手数料など、様々なコストがかかっていることが分かります。お得なサービスを見極めるには、これらを総合的に比較することが重要です。
特に為替手数料は為替レートに上乗せされる形で表示されることが多いため、意外と見落としがち。例えばWorldRemitは送金手数料が200円と破格ですが、為替手数料を考慮すると、銀行などとほとんどコストが変わらないことになります。
ソニー銀行は送金手数料と中継銀行手数料の合計が6,000円と他と比べて高めです。しかし、会員ランクによって送金手数料や為替手数料が優遇されるため、頻繁に取引を行う人にとってはおすすめです。
コストをできるだけ抑えたいという人は、RevolutやWiseなどのサービスを検討してみるのも良いでしょう。Revolutは原則として海外送金手数料が無料。為替手数料も時間帯によっては無料で取引できます。ただし、中継銀行手数料が発生する可能性があるので要注意です。
Wiseは為替手数料の上乗せのない実際の為替レートで送金できる点が魅力的です。送金手数料は送金前のシミュレーションで簡単に確認できます。
また、「WiseとWorldRemitの海外送金を比較!」という記事でWiseとWorldRemitの海外送金について詳しく解説しています。
(※1)優遇プログラムClub Sのステージがゴールド、プラチナの場合は、送金手数料が一部無料になる。
(※2)同一通貨での送金の場合は無料、優遇プログラムClub Sのステージによって為替手数料が優遇される。
(※3)日本時間2023年10月17日05:05時のTTSレート(1ドル=150.04円)に基づく計算
(※4)日本時間2023年10月16日10:24時のTTSレート(1ドル=150.60円)に基づく計算
(※5)夜間、休日はそれぞれより割高な夜間レート、休日レートが適用される。
(※6)2023年10月16日22:44(GMT+2)時の実際の為替レート(1ドル=149.53円)とWorldRemitのレート(1ドル=153.84円)に基づく計算
(※7)2023年10月16日22:44(GMT+2)時のWorldRemitの為替レート(1ドル=153.84)に基づく計算
(※8)為替市場営業時間内かつ月75万円まで(スタンダード会員の場合。プレミアム、メタル会員は上限なし)の両替の場合。それ以外の場合は1〜2%の手数料がかかる。
ソニー銀行の海外送金手数料
ここから、ソニー銀行の海外送金にかかる手数料について詳しく見ていきます。海外送金の手数料は大きく3つに分けることができます。
送金手数料
中継銀行手数料(ソニー銀行では「支払い銀行手数料」という)
為替手数料
送金手数料
送金手数料 | 3,000円 |
送金手数料は送金の申し込みそのものにかかる手数料で、海外送金の最も分かりやすいコストです。ソニー銀行の海外送金手数料は、1件に付き3,000円となっています。
ただし、優遇プログラム Club Sのステージによって、最大1ヶ月に3回まで海外送金手数料が無料になるという特典があります。優遇プログラム Club Sのステージは、毎月の取引額や口座残高などによって決まるので、取引頻度や金額が高い人にとってお得です。
中継銀行手数料(支払い銀行手数料)
中継銀行手数料(支払い銀行手数料) | 3,000円 |
中継銀行手数料(支払い銀行手数料)は、ソニー銀行から海外の銀行へお金を送る際に仲介する金融機関によって発生する手数料です。ソニー銀行では、送金人が負担するか、受取人が負担するかを選択できます。
送金人が負担する場合、3,000円の支払い銀行手数料がかかります。受取人が負担する場合は、送金額から支払い銀行手数料が差し引かれた金額が受取人の口座に入金されます。
支払い銀行手数料が厄介なのは、送金してみるまで具体的な金額がわからないことです。送金人が事前に支払っていても、中継銀行から3,000円を超える請求があった場合は、さらに手数料が引かれてしまうことも。反対に3,000円に満たなかった場合でも返金を受けることはできません。
また、相手の受取金額が完全には予測できないという難点もあります。
ソニー銀行の為替レート
為替手数料 | 4〜15銭/1ドル |
海外送金で気をつけたいもう1つの手数料、それが為替手数料です。海外送金で通貨の両替がある際に、銀行が適用する為替レートにはこの為替手数料が上乗せされています。
ソニー銀行の基本の為替手数料は1ドルあたり15銭。例えばミッドマーケットレートが1ドル=150円の時、ソニー銀行のレートでは1ドル=150.15円として計算されるということです。これは小さな差に見えますが、送金金額が大きくなるほど為替手数料も高額になるので、特に大口の送金をする際には気をつけましょう。
また、ソニー銀行では優遇プログラム Club Sのランクに応じて、為替手数料が次のように優遇されます。
基準の為替手数料 | シルバー | ゴールド | プラチナ |
15銭 | 10銭 | 7銭 | 4銭 |
店舗型銀行などでは1ドルあたり50銭〜1円の為替手数料がかかることが一般的なので、それに比べるとソニー銀行は為替レートがお得であると言えるでしょう。
また、ソニー銀行では通貨の両替を伴わない外貨建ての海外送金も可能です(ドル→ドルの送金など※)。この場合、両替がないので為替手数料もかかりません。通常なら同一通貨の送金にはリフティングチャージという手数料がかかるのですが、ソニー銀行ではこれも無料です。為替コストを節約したい場合は、外貨で直接送金するのもありでしょう。
※11通貨(円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナ)のみ。
ソニー銀行の海外送金その他の手数料
リフティングチャージ(または円為替取扱手数料) | 無料 |
組み戻し手数料 | 5,000円 |
変更手数料 | 5,000円 |
照会手数料 | 5,000円 |
リフティングチャージとは、同一通貨で送金する際に金融機関が徴収する手数料のこと。先ほども述べた通り、ソニー銀行ではこのリフティングチャージが無料なので、外貨建ての送金もお得に行えます。
送金の取り消しや送金内容の変更などにはそれぞれ5,000円という高額な手数料がかかってしまうので、送金内容はしっかり確認するようにしましょう。
ソニー銀行の海外送金にかかる時間
送金先の事前登録と審査 | 3~10営業日 |
送金依頼後の審査と送金実行まで | 【0:00~7:59に申込】原則1~4営業日後 【8:00~23:59に申込】原則2~5営業日後 |
送金実行から着金まで | 3~4営業日以上 |
ソニー銀行で海外送金をするには、まず受取人の情報を事前登録する必要があります。登録を行うと送金原資や目的、受取人との関係性などを証明する書類の提出が求められ、ソニー銀行による審査が入ります。審査後、送金人の登録が完了するまでに、概ね3〜10営業日かかるので、時間に余裕を持って送金準備を行いましょう。
その後送金依頼を行うと再度審査が行われ、問題がなければ1〜5営業日以内にソニー銀行によって送金が実行されます。そこから実際に受取人の口座に着金するまでにさらに3〜4営業日要するので、合計で4〜9営業日ほどがかかると言えます。
ただし、送金の内容や送金先の国の祝日などの関係でこれよりも時間がかかってしまうことも考えられるので、余裕を持っておくことが重要です。
ソニー銀行で海外送金する方法
ソニー銀行はネット銀行なので、窓口や電話での海外送金申し込みはできません。ソニー銀行のオンラインバンキングを使って国際送金するステップは次の通り。
送金先を事前登録する
実際に送金を申し込む前に、送金相手の情報を事前登録しておく必要があります。
ソニー銀行のマイページまたはアプリにログイン
メニューから「外貨送金」を選択
「ソニー銀行からの外貨送金(仕向け送金)」を選択
「事前登録」を選択
送金相手の情報を入力
メールで追加書類提出の依頼、または「事前登録完了のお知らせ」が届く
また、海外送金の利用にはマイナンバーの届け出が必須です。まだマイナンバーを登録していない人は、ログイン後の「各種手続」から「マイナンバーのご提供(個人番号通知届出)」より提出を完了させてください。
送金依頼をする
事前登録が完了したら送金依頼が可能になります。
ソニー銀行のマイページまたはアプリにログイン
メニューから「外貨送金」を選択
「ソニー銀行からの外貨送金(仕向け送金)」を選択
「送金依頼」を選択
必要情報を入力
内容を確認して送金依頼を完了
送金依頼の受付が完了すると、「外貨送金」→「履歴照会」より「仕向け外貨送金受付書」が確認できます。この後審査が入り、問題がなければ送金が実行されます。送金のステータスはいつでも「履歴照会」から確認できます。
海外送金する際に必要な受取人の情報
ソニー銀行で海外送金をする際には、送金先の相手の銀行口座情報が必要になります。事前に受取人に確認しておきましょう。
送金先の国名
受取人の口座名義
受取人の口座番号
受取人の銀行名と銀行の住所
受取人の銀行のSWIFTコードまたはIBAN※
受取人の住所、電話番号、メールアドレス
送金目的
※SWIFTコードは銀行固有の識別番号(8または11桁)、IBANは主にヨーロッパで使われている銀行+口座の固有番号がセットになったもの。これがわからないと正しく送金できないので、必ず受取人に「あなたの銀行のSWIFTコード/IBANを教えて」と聞いておきましょう。
ソニー銀行で海外送金するメリットとデメリット
海外送金が利用できる銀行やサービスは少なくありません。その中でソニー銀行には独自のメリットとデメリットがあります。それぞれをしっかり把握して、自分のニーズに合った送金方法であるかどうかを吟味しましょう。
メリット
為替手数料が安い
優遇プログラム Club Sのステージによって送金手数料や為替手数料がお得になる
リフティングチャージ無料で外貨建て、円建て送金ができる
24時間いつでもオンラインで申し込みできる
デメリット
送金手数料と支払い銀行手数料が比較的高い
着金までに時間がかかる
事業性資金の送金には使えない(ビジネス利用ができない)
窓口からの送金申し込みはできない(オンラインのみ)
このようにソニー銀行は為替手数料が安く、さらに利用頻度が高ければ優遇プログラム Club Sのステージよってさらに手数料を節約できるのが最大の魅力。また、追加コストなして外貨建て・円建ての送金ができるのもポイントです。
しかし、総合的に見たコストや着金までに要する時間を見るとデメリットも。よりスピーディーに送金したいならWorldRemit、手数料を抑えたいならRevolut、ビジネス利用ならWiseなど、銀行に代わる海外送金サービスを検討してみると良いかもしれません。
ソニー銀行の海外送金限度額と取扱通貨
ソニー銀行のウェブサイトには、
事前登録時にご申告いただいた「1年間の送金頻度」や「1年間の送金限度合計額」を超過する送金依頼は受け付けできません。
と記載がありますが、具体的な海外送金の限度額は明記されていません。
送金できる通貨は円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナの全11種類。なお、人民元、ブラジルレアルの外貨送金はできません。
送金できる国や地域に関しての記述はありませんが、イラン、北朝鮮など一部の国・地域に対する送金は取り扱っていません。
ソニー銀行で海外送金を受け取る
ソニー銀行では海外の銀行からの送金を受け取ることも可能です。円に両替して円普通預金口座で受け取ることもできれば、外貨のまま外貨口座に入金することもできます(対象10通貨のみ)。
さらに嬉しいことに、ソニー銀行は海外送金の受取手数料が何回でも無料。ただし、送金金額から支払い銀行手数料が差し引かれる場合があります。
ソニー銀行のSWIFTコードは?
SWIFTコード | SNYBJPJT |
ソニー銀行で海外からの送金を受け取る際には、必ずソニー銀行のSWIFTコードを相手に伝えましょう。その他に、送金人に伝えておきたい情報は次の通り。
受取人取引銀行 (Beneficiary's Bank) | ソニー銀行 Sony Bank Incorporated, Tokyo(SWIFT:SNYBJPJT) |
支店名/住所 Branch/Address | 本店/東京都千代田区内幸町二丁目1番6号 Head Office/2-1-6 Uchisaiwaicho, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan |
受取人口座番号 A/C No. to be credited | 001-XXXXXXX(7ケタの口座番号)※ |
受取人名と住所 Beneficiary Name and Address | 受取人(自分)の氏名と住所 |
中継銀行 Intermediary Bank | (通貨によって異なる) |
※口座番号は、外貨預金の場合でも円普通預金口座と同一です。
ソニー銀行あてに海外送金をする際には、必ず中継銀行を指定する必要があります。送金依頼書に中継銀行を指定する欄がない場合は、備考欄に必ず記載してもらうようにしましょう。
また、通貨の両替なし(同一通貨のまま)で送金を受け取りたい場合は、送金依頼書の備考欄に「Do not convert」や「No exchange」などのメッセージを記入してもらうと安心です。
ソニー銀行のカスタマーサポート
ソニー銀行の海外送金で分からないことがあれば、まずはソニー銀行からの外貨送金についてよくある質問で知りたい内容を調べてみましょう。それでも解決しなければ、ライブチャット、メール、あるいは電話でカスタマーセンターに問い合わせることができます。
チャット | 【営業時間】9:00~17:00 |
メール(問い合わせフォームはこちら) | 原則24時間以内に返信 |
電話 | 【フリーダイヤル】0120-365-723 【通話料有料】03-6730-2700 自動音声メニューに従い、「4#(金融商品」を選択 【営業時間】9:00~17:00 |
まとめ
ソニー銀行は海外送金に強いと言われているネット銀行です。その魅力はお得な為替コスト、会員ステージによる手数料優遇の仕組み、そして外貨預金から直接外貨で送金できる(対象通貨のみ)点などが挙げられます。
しかし残念ながら送金にかかる時間が長く、できるだけ速く送金したいという人には不向きです。また支払い銀行手数料で意外なコストがかかってしまったり、ビジネス用の送金ができなかったりと、ニーズによっては使い勝手が悪い点もあるかもしれません。
最近では、銀行に代わるRevolutやWiseのような新しい送金サービスも登場しています。手数料と着金までにかかる時間を大幅に節約できる場合もあるので、比較検討してみるのがおすすめです。Wiseについては「Wiseを徹底解説」というレビュー記事でも詳しく解説しています。
また、SBI新生銀行やりそな銀行、セブン銀行など、その他の銀行の海外送金に関する記事はガイド記事一覧からお探しいただけます。
ソニー銀行の海外送金についてよくある質問
最後に、ソニー銀行の海外送金についてよくある質問とその答えをまとめました。
ソニー銀行の海外送金の手数料はいくら?
ソニー銀行の海外送金は、送金手数料が3,000円、そして支払い銀行手数料が3,000円(送金人負担の場合)かかります。また、通貨の両替の際には為替手数料が上乗せされた為替レートが適用されます。
ソニー銀行の海外送金にかかる時間は?
ソニー銀行で海外送金を利用するには、事前に受取人情報の登録が必要です。この情報の審査と登録完了までに3〜10営業日程度要します。
その後送金依頼の提出から送金実行までに1〜5営業日、送金実行から相手の銀行口座に着金するまでに3〜4営業日以上かかります。
ソニー銀行で海外送金する方法は?
ソニー銀行ではオンラインで24時間いつでも海外送金の申し込みが可能です。送金方法は
受取人情報を事前登録
登録した受取人あてに送金依頼
ソニー銀行が送金実行後、相手の口座に着金
という流れで行います。
海外送金に税金はかかる?
海外送金すること自体に税が課されるといったことはありません(贈与税などは別)。ただし、特に高額な送金などは、銀行側が税務署に資金の出処を報告する必要がある場合があります。その際に、送金の目的や受取人との関係などを証明するショルの提出が必要になる場合があります。
ソース