学生の海外旅行におすすめのカードは?手数料・保険・使いやすさを徹底比較
留学や卒業旅行など、学生でも海外に行く機会は何かとあります。海外渡航に向けて準備することはいろいろありますが、現地での決済手段に頭を悩ませる人は少なくないでしょう。そこで今回の記事では、海外旅行での決済に役立つ便利なカードをご紹介していきます。実際に海外渡航を頻繁にする中で得た筆者の経験を基に、海外での支払いに強いWiseのデビットカードや、海外旅行保険が充実しているエポスカードなど、さまざまなカードをご紹介していきます。それぞれのカードの違いや選ぶポイントを解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
学生が海外旅行でカードを選ぶ際の重要ポイント
まずはカードを選ぶ際のポイントを解説していきます。すでにクレジットカードを所有している場合も、「持っているから」と安易に使うのではなく、下記の点に注意しながら慎重に選びましょう。
海外事務手数料と為替手数料
カードを海外で使う際には手数料に注意が必要です。日本国内で発行されたカードを海外で使う場合にはまず「海外事務手数料」がかかります。これはカードの種類やカード会社によって異なりますが、1.6~4%に設定されていることが多いです。当然ながら、この手数料が低いカードを選んだ方が海外決済をお得に済ませられます。
また、もうひとつ注目すべきが「為替手数料」です。為替手数料とは外貨両替を行う際に発生する手数料のことで、多くの金融機関では為替レートに為替手数料を上乗せしています。そのため、為替レートがなるべく市場仲値に近いサービスを選ぶことも重要です。
海外旅行保険の有無とその内容
クレジットカードの中には海外旅行保険が付帯しているものもあります。ケガや病気など万が一のときに発生した費用を一定額までカバーしてくれる便利な保険です。海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」があり、前者はカードを持っているだけで自動的に保険適用条件を満たします。一方、後者は旅行代金をそのカードで支払うなど保険適用のために一定の条件があります。
海外で病院にかかると、その費用は数百万円に及ぶことも珍しくありません。そのため、海外旅行の際には保険加入はマストといえます。カードによって補償額や補償内容は異なるので、その点も確認しておきましょう。海外旅行保険つきのクレジットカードについては海外旅行におすすめ!海外旅行保険付きおすすめクレジットカードの記事もご参照ください。
学生が申し込みやすいカードかチェック
クレジットカードを持つには審査があります。学生が一般的なクレジットカードに申し込むと、収入の安定性に欠けると判断され審査に通らないことがあります。しかし、クレジットカード会社の中には学生向け、もしくは若年層向けのカードを発行しているところも少なくありません。そういったカードを積極的に選ぶことで、審査落ちのリスクが回避できます。
また、クレジットカードの利用枠が30万円以内など、利用限度額が比較的低いカードは、学生でも発行されやすい傾向があり、学生でも申し込みやすいでしょう。ちなみに、2022年4月に成人年齢が引き下げられたことで18歳以上であれば親の同意なしにクレジットカードが作れるようになりました。
国際ブランドの選び方
カードを選ぶときにはブランドにも注目する必要があります。VisaやMastercard、American Expressなどの国際ブランドを選べば、世界のほとんどの場所で支払いに困ることはないでしょう。ちなみに、各ブランドの普及率は下記の通りです。
Visa:200以上の国・地域
Mastercard:210以上の国・地域
American Express:200以上の国・地域
JCBはハワイやグアム、韓国、台湾など海外でも使えるところはありますが、VisaやMastercardに比べると対応店舗は少ない傾向があります。他の国際ブランドとの提携で使える場所は増えてきてはいますが、「どこでも使える」とは言い難いでしょう。
セキュリティと不正利用補償
クレジットカードは便利な反面、紛失や盗難が起きてしまったときに多額の損失を出してしまうことがあります。そのため、万が一のときに備えてセキュリティ面も重要です。カスタマーサポートはいつでも使えるのか、不正利用されたときに補償があるのかなど事前に確認しておきましょう。カードによってはアプリと連携させておくことで即時利用停止ができることもあります。
ポイント還元率や学生向け特典
カード会社によってポイントの還元率は大きく異なります。同じ金額を払うのであれば、還元率が高いカードを選んだ方がお得に利用できます。海外旅行用にカードを検討しているのであれば、海外利用時の還元率が上がるカードを選んでもいいでしょう。また、学生向けの特典を展開しているカードもあります。
おすすめプロバイダー比較表:学生の海外旅行に最適なカードはこれだ!
それでは、実際に学生の海外旅行におすすめのカードを見ていきましょう。それぞれのカードについて、上記のポイントをわかりやすく表にまとめてみました。
カード名 | 国際ブランド | 年会費 | 海外事務手数料 | 海外旅行保険 | 審査難易度 | ポイント還元率 | 主なメリット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
Mastercard | 無料 | なし | なし | 審査なし・18歳以上から作成可 | なし | 市場仲値で取引できる | |
エポスカード | Visa | 無料 | 3.85% | 利用付帯 | 高校卒業後から作成可 | 0.5% | 最高270万円までの疾病治療補償 |
楽天カードアカデミー | Visa、JCB | 無料 | 3.63% | 利用付帯 | 高校卒業後~満28歳まで作成可 | 1%〜 | 各種楽天グループのサービス |
三井住友カードNL | Visa、Mastercard | 無料 | 3.63% | 利用付帯 | 高校生を除く満18歳~作成可 | 0.5%〜 | セキュリティと利便性 |
最も手数料を抑えたい学生におすすめのカード
とにかく手数料を抑えたい!という人にはWiseのデビットカードがおすすめです。Wiseは外貨両替の際の為替レートにミッドマーケットレート=市場仲値を採用しており、為替手数料がかかりません。両替手数料は発生しますが、0.73%~と格安です。
さらに、Wiseの場合は自分の口座に決済通貨が入っていれば決済の際に手数料が発生しません。例えば、アメリカドルを持っていればアメリカ旅行中に現地でカード決済してもその分の手数料はかからないということです。他のクレジットカードは3%前後の海外事務手数料が発生するものが多いので、まとめて決済通貨に両替すれば、大幅にコストカットできます。ちなみに、口座に入っている資金はATMで引き出すことも可能です。これに関しても月2回、合計3万円までは手数料無料です。(2026年3月現在)
Wiseの口座で保有できる通貨は40以上、150以上の国や地域で利用できます。アプリ内で保有、管理できるので、長期滞在中や複数の国を周遊する場合にも便利です。万が一カードを紛失してしまったときもアプリ内で凍結の手続きができるので、セキュリティ面も安心です。ただし、デビットカードなので口座内にある資金しか利用ができません。クレジットカードのように後払いはできないので、あらかじめ十分な資金を口座に入れておく必要があります。
海外旅行保険を重視する学生におすすめのカード
海外旅行保険重視でカードを選ぶならマルイのエポスカードがおすすめです。利用付帯ではありますが、旅行代金をエポスカードで支払うだけで保険が適用されます。「旅行代金」にはパッケージツアーの料金や航空券だけでなく、空港へ向かう電車やバスのチケット代も含まれるため、比較的適用条件を満たしやすいでしょう。筆者もエポスカードを利用しており、航空券の予約はいつもエポスカードを使っています。
病気やケガで病院にかかった場合には最高270万円まで補償、賠償責任は3,000万円まで補償してくれます。また、自分の身の回りの物を壊してしまったりなくしてしまったりした場合に最大20万円まで補償してくれる携行品損害もついています。ただし、海外事務手数料が3.85%のため、海外での決済に頻繁に使っているとコストがかかってしまうので注意が必要です。
ポイント還元でお得に利用したい学生におすすめのカード
楽天カードアカデミーは学生限定で発行されているクレジットカードです。限度額30万円までの少額カードであり、収入が少ない人でも申し込みやすくなっています。ブランドはJCBとVisaのどちらかを選ぶことができます。学生向けといっても付随するサービスは他の楽天カードに引けを取らず、ポイントの還元率は1%、海外旅行保険は利用付帯でついてきます。
楽天カードを持っていれば楽天市場での買い物でさらにポイントが貯まったり、楽天トラベルでポイントを使って予約できたりと、楽天グループの各種サービスをお得に楽しむことができます。うまく使えばポイントが効率よく貯まるので、楽天市場などグループのサービスをよく利用する人にぴったりでしょう。
ただし、海外での利用に関しては海外事務手数料3.63%がかかるので注意が必要です。
便利に安心して使いたい学生におすすめのカード
三井住友カードNLのNLはNumber Lessの略で、券面にカード番号が記載されていません。カードを利用する際に誰かにカード番号を盗み見られる…という心配がないので安心です。Google Pay、Apple Payに対応しているのでスマートフォンやスマートウォッチと連携させてタッチ決済にも使えます。ちなみに、筆者の住んでいるオーストラリアではタッチ決済が広く普及しており、街角の小さな商店でもApple PayやGoogle Payのタッチ決済が利用できます。むしろ現金払いに対応していないお店も少なくなく、カードやスマートフォンを使った決済手段を準備しておく必要があります。
比較結果からわかる!学生におすすめのカード タイプ別診断
上記の比較結果を踏まえ、自分が重視するポイントに合わせて最適なカードを選びましょう。
とにかく費用を抑えたい!節約重視派の学生には:Wiseデビットカード
とにかく手数料を抑えたい!という人にはWiseのデビットカードがおすすめです。Wiseは外貨両替の際の為替レートにミッドマーケットレート=市場仲値を採用しており、為替手数料がかかりません。両替手数料は発生しますが、0.73%~と格安です。
万が一の事態に備えたい!安心重視派の学生には:エポスカード
エポスカードなら旅行代金の支払いにカードを使うだけで病気やケガで病院にかかった場合には最高270万円まで補償、賠償責任は3,000万円まで補償してくれます。
上手に貯めてお得に使う!ポイント重視派の学生には:楽天カードアカデミー
楽天カードアカデミーのポイント還元率は1%と、他のカードより圧倒的に高くなっています。利用条件によってはさらに高還元になることもあり、ポイントをざくざく貯めたい人におすすめです。
安心して使いたい!セキュリティ重視派の学生には: 三井住友カードNL
三井住友カードNLは券面にカード番号の記載がありません。セキュリティ面を考えれば非常に安心感の強いカードです。Apple PayやGoogle Payに連携させてタッチ決済を可能にすれば、そもそもカードを持ち歩く必要もなくなるので紛失のリスクもなくなります。
現金vsカード!海外旅行のリアルな体験談
そもそもカードを持っていない人の場合、カードではなく現金を両替して持っていけばいいのでは?と考える人もいるでしょう。確かに現金もひとつの選択肢にはなりますが、筆者のこれまでの経験からはあまりおすすめしません。理由は下記の通りです。
足りなくなるリスクがある
支払いを現金のみに頼っていて、万が一現金が底をついた場合には残りの日程を無銭で過ごさなければなりません。使いすぎないようにしていても、不測の事態が起きてどうしてもお金を払わなければならなくなることもあるでしょう。そのリスクを考えると、現金だけに頼るのは危険です。また、かといって万が一に備え大金を持ち歩くのはセキュリティ面を考えるとおすすめできません。
硬貨は日本円に戻せない
旅行が予定通りに進み、使いすぎることなく現金を持ち帰ったとします。しばらく旅行の予定がないなら余った現金は日本円に戻したいところですが、実は硬貨は両替できないのです。日本で外貨を持っていても使えないのでその分は無駄な出費となってしまいます。また、余った金額が少額の場合にはわざわざ両替し直すのが面倒になってしまうこともあるでしょう。実際、筆者も30ドルちょっとのカナダドル紙幣とコインがずっと棚に眠ってしまっています。
どうしてもカードだけに頼るのが心配な場合には、現金を多少持っていき、それを使い切ったらカードに切り替える、という使い方もできます。うまく使い分ければ、資金が十分にある安心感と、大金を持ち歩かずに済む安心感の両方を得られます。
カードに申し込むときには、上記で挙げたようなポイントに注目しながら選びましょう。カードによって、サービスが違うだけでなく支払い金額にも大きな差が出てきます。例えば手数料の安さで注目のWiseデビットカードで1000ドルを両替した場合、必要な日本円は155,998円です。それに対し、Mastercardブランドの三井住友カードNLを使って海外で決済した場合には為替手数料と海外事務手数料を合わせ全部で約160,119円が必要です。4,000円以上も支払い額に差が出ます。
(2026年2月19日14時時点のレートを参照)
学生が海外でカードを利用する際の注意点
いざ、海外旅行に行くときには下記の点に気を付けましょう。
利用限度額と使いすぎ防止
特にクレジットカードは利用限度額まで使えてしまうため、気付かないうちに使いすぎてしまうことがあります。使いすぎが心配な場合には、自分の口座にある資金しか使えないデビットカードの方が安心です。
カードの紛失・盗難時の連絡先と対応
万が一カードを紛失したり盗難にあったりしたときのため、カード会社の連絡先を控えておきましょう。また、アプリを使って凍結手続きができるカードもあるので、そういった緊急時の対応を事前に確認しておくことをおすすめします。
DCC(Dynamic Currency Conversion)への注意
海外でカード支払いをする際、「現地通貨建て」か「日本円建て」かが選べることがあります。日本円建てを選んだ場合、支払い金額が日本円ですぐにわかるので安心感がありますが、実は店側が任意に設定した手数料が課されます。店側が自由に設定できるので、10%、20%の手数料が課されることも。一方、現地通貨建ての場合はカード会社が定める3%前後の海外事務手数料が課されるので、現地通貨建てを選んだ方が無難です。
複数枚持ちでリスク分散
VisaやMastercardといった国際ブランドであれば世界中のほとんどの場所で使えるはずですが、中には対応していないお店もあります。例えば筆者がポルトガルのシントラという街のローカルなレストランに入ったときには、カード払いはAmerican Expressしか対応していませんでした。非常に困りましたが、近くにATMがあると教えてもらい、現金を下ろすことでことなきを得ました。こういった状況に備えるには、いくつかのブランドのカードを持っておくことをおすすめします。
まとめ: 学生の海外旅行には、目的に合ったカードを賢く選ぼう
学生の海外旅行をより安全に、そしてお得に楽しむには、カード選びが非常に重要です。コスト重視か、海外旅行保険などの安心を重視するのか、など自分のスタイルに合わせて最適なカードを選びましょう。手数料を抑えてお得に海外旅行を楽しみたいならWiseデビットカード、旅行のついでにポイントを貯めたいなら楽天カードカードアカデミー、というように自分のニーズをクリアにしていけば、自然と選ぶべきカードも見えてくるはずです。
学生の海外旅行とカードに関するよくある質問(FAQ)
高校を卒業している満18歳以上であれば多くのカード会社で申し込み可能です。利用枠が30万円以内など、利用限度額が比較的低いカードは、安定した収入がない人でも申し込みできます。
デビットカードや現金など、複数の決済手段を準備しておくことでさまざまなシチュエーションに対応できます。特にカードについては、複数の国際ブランドのカードを持っておくと、「どれも使えない」という状況が避けられるでしょう。
補償内容、そして保険適用条件を十分に確認する必要があります。仮に補償が足りなかったり、保険適用条件を満たせなかったりする場合には別途海外旅行保険を検討しましょう。
万が一現金が必要になった際には便利ですが、海外キャッシングは「借入」扱いのため、借り入れたその日から利息が発生するので注意が必要です。例えば楽天カードの場合、利息は「借入金額×実質年率18%÷365日×借入日数」で計算されます。借入日数が長いほど利息も増えていくので、繰り上げ返済をしてなるべく早く完済することでコストを抑えられます。